2015年12月第2週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20151217

週足株価201512-2Wブログ用


12月第2週の日経平均株価は前週末比274円安の19230円で引けた。前週末のアメリカ雇用統計が堅調だったため、NY株価が大きく上昇したことに反応して、月曜の寄り付きは高く始まった。しかしその後は、NY株価が大きく下落するのに並行して日経平均株価も下落し続けた。金曜日だけは前夜のNY株の反発に反応し、小高く引けた。大半がNY市場に左右される形で日経平均株価も動いた週であった。

この週はメジャーSQのあった週であり、いつもと同じように現物先物の大量の玉の移動が観察された。ただ、SQ時の売買はメジャーSQにしては少ない方であり、月曜―木曜の先物市場に大きな玉移動を見ることができた。そうした玉の移動を詳しく観察すると、少し前のUBSの大口買いのように、ある程度高い可能性で実態をつかむことができる。今回は玉の移動の経路の半分程度をつかむことができたが、全体をつかむことはできなかった。

この週は、現先合計で海外が1兆1714億円の売り越し、自己が5842億円の買い越しであった。自己がアウトライトで5842億円の買い越しはありえない。従って見えないところ、すなわち現物の取引所外取引かOTCデリバという取引所外の取引を通じて5842億円前後の自己の売りが存在していたはずである。そのうち1107億円は現物の取引所外取引を通じて自己から信託へと移動し、日銀が購入するETFの組成に使われた。しかしそれ以外にも、こうした取引が5000億円前後存在していたはずである。

取引所内での海外と自己の間の売買では、TOPIXラージ先物の売買が一番多い。月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している12月第2週の先物建玉の変化から見た大手証券の先物売買概算合計を現す表を下記に示す。


先物手口201512-21W

TOPIXラージ先物のソシエテ買いvsニューエッジ売りから見ることにする。この両社は、11月25日、12月2、4、4、7、8、9、11日のJ-netで5千枚×8回のクロス売買が見える。このうち12月第2週分は2万枚、3100億円である。ニューエッジは海外の売り、ソシエテは自己の買いである。この売買については12月第1週のブログコメントで詳しく説明したため、省略させていただくことにする。

もう1つの大きな売買は、パリバの買いとドイツの売りである。これは、パリバを通して5000億円前後のロールオーバーが実施され、その玉がドイツに建玉移管されている。パリバの買いは11月第4週から3週連続であり、自己の買いである。ドイツの売りはおそらく海外であろう。

ニューエッジとドイツの売りは海外の売りということだけでそれ以上のことはわからないし、知ることは不可能である。一方、ソシエテとパリバの買いは自己であるため、先にも書いた通り大量に先物を売った場合、何らかの反対売買を取引所内か取引所外のどちらかで行っているはずである。そのうち見えているのは取引所内の5838億円の現物売りだけである。先物全体の売買を相殺する残りの5000億円前後の玉が取引所外で動いているはずである。現物と取引所外の玉の移動のシナリオを何通りかは考えることはできるのだが、確度の高いシナリオに絞り込むことはできなかった。ソシエテとパリバの買いの裏まで見ることができれば、相場の動きのメカニズムをより具体的に把握できるのであるが、そこまで行くことは、たまにしかできない。

可能性が高いことは、取引所外の現物かOTCデリバを通じて5000億円前後の玉移動があり、それは自己売り、海外買いであろう。従って、海外は現先合計+取引所外取引を合計して6000億円前後の売り越しであったと考えられる。この大元をたどればニューエッジとドイツを中心とする海外によるTOPIXラージ先物のまとまった売りであり、この売りで第2週の株価は下げたのである。日経平均ラージ先物にも海外による大口の売りは存在している。ただJPモルガンを始めとする他の海外による大口の買いに相殺されており、海外全体での日経平均ラージ先物売りから発生する売り圧力は小さかった。

12月第2週に自己を除いて日本株を最も大きく買い越していた主体は個人であった。現先合計で2348億円の買い越し。うち現物現金で533億円の買い越し。信用で1155億円の買い越し。先物で661億円の買い越し。株価が下がると現物現金も買い越しになる。スイングトレーダーは広範囲に押し目買いを入れている。しかし、個人による現先合計の買越額は8月第3週の5211億円よりもまだ少ない。高年齢富裕者層の売り切りは止まっていない。

投信は現先合計で1732億円の買い越し。うち現物で924億円の買い越し。野村総研によると、12月第2週の国内株式型の公募投信は399億円の資金純流入になっている。株価が下がってきたので、私募投信をも含めると純流入金額はより大きな金額であったであろう。そうしたニューマネーが924億円の現物株買いにつながった。先に書いた通り、この週は日銀によるETF買いが1107億円入ったが、この買いも大半が自己部門で入ったと思われる。

投信先物は808億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1400億円の買い越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は日経平均ラージ先物を200億円前後の売り越しと計算できる。一方、大和投信の「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」が日経平均ラージ先物を450億円前後の買い越し、シンプレクスアセットの「日経平均ブル2倍上場投信」が200億円前後の買い越しと計算できる。野村のレバETFは設定中止であり、株価が下がれば売り越しになるしかない。ただ設定中止というのはこのファンドだけであり、特殊な存在である。ETF以外の公募投信では資金純流入となっているため、大和、シンプレクス以外の同種の投信でも設定超過であった可能性が高い。そうしたブル型の投信を中心にして、日経平均ラージ先物を合計すると1400億円の買い越しになったと考える。

信託は現先合計で157億円の売り越し。うち現物で1751億円の買い越し。先物で1908億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1055億円の売り越し。TOPIXラージ先物で820億円の売り越し。下げ局面の買いなので、クジラであるかもしれないし、他の信託であるかもしれない。このうちTOPIXラージ先物については、先物がSQで売られると同時に現物に乗り換えられたものと思われる。日経平均ラージ先物の売りは、一部の信託が時々行う投機的なヘッジ売りであろう。

この週は、事法の現物が1023億円の買い越し、銀行の現物が514億円の売り越しである。事法の現物は大半が自社株買いである。この中に、12月9日にみずほ銀行の持ち合い解消をクレディセゾンが自社株買いで応じた478億円が存在する。事法売り、銀行買いとして計上されている。

12月第2週の合計をまとめると、「個人、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。下げ局面ではよくあるパターンであった。海外による売りの大元は、外資系大手2社によるTOPIXラージ先物の大量売りから発生したものであった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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