2015年11月第4週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20151204

週足株価201511-4Wブログ用


11月第4週の日経平均株価は前週末比4円高の19884円で引けた。この週は大きな材料もなく、ほぼ横ばいで推移した。日経平均株価こそわずかな値上がりであったが、TOPIX、JPX400は値下がりであった。一方、新興市場は値上がりが多かった。NYでもダウが小幅安の中、SP500、NASDAQは小幅高であり、日米ともにまちまちで動きの少ない週であった。

11月第4週に日本株を最も大きく買い越していた主体は自己であった。現先合計で1099億円の買い越し。うち現物で144億円の売り越し。先物で1243億円の買い越し。この週は日銀ETFによる買いが724億円入っていたが、その大半は自己部門で入ったと思われる。日銀ETF以外では現先合計で375億円の買い越しになるが、これはポジション調整の売買の範囲内である。同時に自己部門では、現物売り、先物買いが1243億円前後入っている。この週の裁定残高は238億円だけの減少であり、裁定あるいは裁定類似の売買は少なかった。自己が保有していた現物バスケットを売って先物の売りヘッジをはずすという広い意味での裁定解消に近い売買が、1243億円前後入っていた可能性が高い。

事法は現先合計で251億円の買い越し。うち現物で279億円の買い越し。大半は自社株買いによるものである。直近に発表された大口の自社株買いの1つとして、アステラス製薬、11月2日-11月30日、258億円の買い、が上げられる。

信託は現先合計で227億円の売り越し。うち現物で247億円の買い越し。先物で474億円の売り越し。信託は10月第4週から4週連続で現物を中心に売り越していた。この週は株価がほとんど動かなかったので、上がると売る信託による現物の売り越しは止まった。信託による売り越しは先物だけであった。信託は8-9月の下げ局面では先物をかなり大量に買い越していた。そのため8-11月の合計でも依然として先物を1993億円買い越している。従って、先物だけの売りか現物に振り替わる形での売りかはわからないが、信託による先物の売りがまだ出てくる可能性は残っている。

海外は現先合計で430億円の売り越し。うち現物で7億円の買い越し。先物で437億円の売り越し。月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している11月第4週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物売買概算を現す表を下記に示す。


先物手口201511-4W

海外先物の手口では、2番目にUBSによる日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物買い越しが合計で1100億円ある。10月に買い越し始めてから、2ヶ月で1兆6000億円前後の先物を買い越している。これもすでにツイッターには掲載済みだが、UBSによる保有先物建玉の枚数を表すグラフを下記に示す。

UBS先物買い建玉枚数20151204

UBSの売買については、11月第2週のブログコメントで詳しく説明したので省略させていただく。

UBS以外ではバークレーズ買いvsJPモルガン売りが一番大きい。こうした外資系の売買の背後については色々と考えることはあるのだが、UBSのような一定程度以上の証拠がないので、具体的なことが言える段階ではない。言えることは、主として外資系を通じる海外投資家の大口売買は、売りと買いがぶつかって、合計すると少しばかりの売り越しになり、株価もほぼ横ばいで終わったというわかりきった事実だけである。

11月第4週に日本株を最も大きく売り越していた主体は投信であった。現先合計で1054億円の売り越し。うち現物で6億円の売り越し。野村総研によると、11月第4週の国内株式型の公募投信は241億円の資金純流出になっている。先に書いたとおり、この週は日銀によるETF買いが724億円入ったが、この買いも大半が自己部門で入ったと思われる。

投信先物は1048億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で912億円の売り越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を570億円前後の売り越しと計算できる。同種のブルベア型投信は、買い越しのものもあるが、全部足し合わせれば多少は売り越しになるのであろう。加えて、公募投信で資金の純流出より現物の売越額が小さかったため、私募投信も含めた解約に伴う売りが、先物にも出ていたと推測する。

11月第4週を合計すると、「自己、事法の買い越しvs投信、信託の売り越し」であった。株価の変動が小さかったため、珍しい組み合わせになった。同時に投資部門別の各部門の売り越し、買い越し金額も小さかった。ただ、自己の買いの中身の多くは日銀によるETF買いであり、この買いがあったからこそ株価は下がらなかった。日銀ETF買いの効果が大きかったと言うことができる。しかし同時に、日銀以外の買い手が少なすぎるわけであり、下がらなかったとは言え、問題を抱えた相場と言わなければならない。


11月月間

投資部門別コメント月次20151204

11月の日経平均株価は前月末比801円高の19884円で引けた。

11月の最大の買い手は海外。現先合計で1兆6167億円の買い越し。このうちUBSによる先物買いが1兆3000億円前後を占める。UBS以外では、郵政3社株なども含めてコツコツと現物株を買い上がる海外投資家が存在した。

自己は現先合計で4380億円の買い越し。この中で、日銀ETFによる現物買いは2508億円であった。

事法は現先合計で1012億円の買い越し。大部分は自社株買い。ただし、三菱UFJによる自社株買い827億円を含んでいる。東証の統計では銀行本体ではない持株会社の買いは事法になる。従って、実質的には事法というよりも、銀行の買いの方が多かった。

投信は現先合計で4374億円の売り越し。野村総研によると、11月の公募型日本株投信は978億円の資金純流出であった。投信の現物売りの大半は、投信の解約に伴う売りであった。先物では、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を1200億円前後の売り越しと計算できる。

信託は現先合計で5623億円の売り越し。8-9月の下げ局面で多くの信託が買い下がっていた。11月は株価が戻り局面になったため、クジラを除く信託の多くは売り越しになった。

11月の最大の売り手は個人。現先合計で9857億円の売り越し。個人は株価が戻ったことに加えて、郵政3社株の利食い売りもあり、10月に続いて大幅な売り越しになった。

11月月間の現先合計は、「海外1兆6167億円の買い越し、自己4380億円の買い越し、事法1012億円の買い越しvs個人9857億円の売り越し、信託5623億円の売り越し、投信4374億円の売り越し」であった。株価上昇局面ではよく見られるパターンに近かった。

しかし、6-9月に海外が8兆5824億円売り越す中、日経平均株価は2848円下落していた。10月は海外が7439億円買い越す中、日経平均株価は1358円戻していた。11月は海外が1兆6167億円買い越す中、日経平均株価は801円しか戻さなかった。株価が戻ると国内投資家は買い越すことはなく、逆に上値での売り圧力が次第に大きくなるという、25年前から続く悪いパターンに戻りつつある。

そしてもう1つ忘れてはならないことは、11月は海外が最大の買い手であったとは言え、そのうちUBS1社による先物買いが1兆3000億円前後を占めるという特殊な月であったということである。UBSによるこの超大口の買いがなければ、11月に日経平均株価の801円上昇はありえなかったのである。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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