2015年11月第3週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20151120

週足株価201511-3Wブログ用


11月第3週の日経平均株価は前週末比283円高の19880円で引けた。週初は前週末のNY株安につられて安く始まった。その後はNY株価がするすると戻し、NY株価に連動する形で日経平均株価も戻り続けて週を終えた。

11月第3週に日本株を最も大きく買い越していた主体は海外であった。現先合計で6412億円の買い越し。うち現物で2447億円の買い越し。先物で3964億円の買い越し。月曜日に公表され、その日にツイッター上に掲載している11月第3週の先物建玉の変化から見た大手証券会社の先物売買概算を現す表を下記に示す。


先物手口201511-3W

海外先物の手口では、UBSによる日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物買い越しが合計で3100億円あり、海外による先物買い越しの大部分を占めている。上記の表にはないが、ABNクレアが日経平均ミニ先物を400億円買い越している。このうち、UBSによる保有先物建玉の枚数を表すグラフを下記に示す。

UBS先物買い建玉枚数201511120

UBSは順張り型のポートフォリオ・インシュアランス的な運用手法を採用し、同時に直近では運用金額を拡大しているものと推測している。その内容については11月第2週のブログコメントで詳しく説明したので省略させていただく。

最近の海外の買いは先物買いが中心とよく言われる。10月第1週-11月第3週という戻り局面での海外による現先合計の買い越し金額は2.4兆円、うち現物で1.1兆円、先物で1.3兆円である。このうち、UBSによる先物買い越しが1.5兆円を占める。UBSによる現物の買い越し金額は全くわからないので、ゼロであると仮定する。その場合、UBS以外の現先合計の買い越し金額は0.9兆円、うち現物で1.1兆円買い越し、先物で0.2兆円売り越しになる。UBS以外の海外の先物は売り越しであり、代わりに現物を買い越し続けているのである。

事法は現先合計で1062億円の買い越し。うち現物で1107億円の買い越し。最近発表された自社株買いで大口のものは、三菱UFJによる11月16日の622億円買い、DMG森精機による11月20日の202億円買いなどがあげられる。最近の事法による現物株の買い越しの大半は、自社株買いと考えてよいであろう。

このうち三菱UFJは銀行である。第3週の銀行の現物は、買いが91億円、売りが210億円、売り越しが119億円である。三菱UFJによる622億円の自社株買いが、銀行ではなく誤って事法に入れられていると考えた。東証に電話で誤りを指摘し、その内容を説明すると、東証は誤りを認め、訂正を約束した。ところがしばらくして東証の同じ担当者から再び電話があり、三菱UFJは事法であると伝えてきた。銀行業務を行っているのは子会社であり、持ち株会社は事法扱いになるという解釈である。確かに東証の分類定義を文字通りに解釈すれば、銀行に含まれるのは普通銀行だけであり、持ち株会社は事法に含まれるという解釈はできる。しかし、東証の分類定義の文言は、ソニーフィナンシャルのような会社を金融機関ではなく事法に含めるための文言であるとも類推解釈できる。従って、東証の分類定義の文言を直接的に三菱UFJフィナンシャルのようなほとんど銀行と同体の会社に適用するのはおかしいと考えた。そこで、今回を含め過去の数字を変えることは要求しないが、なるべく早く、解釈なり定義をやり直すことにより、近い将来に、三菱UFJフィナンシャルのような銀行持ち株会社の売買は、事法ではなく銀行部門に入れてもらいたいと繰り返し訴えかけた。それが常識であり、そうしないと投資家の勘違い、混乱が広まると伝えた。しかし、東証はそういう要望があったことは伝えておくとしか答えなかった。また東証は、現在でも銀行持ち株会社の売買を、すべての証券会社が事法部門として本当に報告しているのか、証券会社の中には銀行部門として報告しているところもあるのではないかという質問にも、最初は未確認と答えた。それではこまると追求すると、その後は東証の定義は最初から事法と決まっているとだけしか言わなくなった。こうしたやりとりだけで多くの時間を消費してしまい、成果を上げることはできなかった。ETFの売買部門が不明のままであるのに加えて、銀行持ち株会社の売買部門も不明になってしまった。

自己は現先合計で669億円の買い越し。うち現物で3264億円の買い越し。先物で2595億円の売り越し。日銀ETFによる買いが724億円あったが、この大部分は自己部門で入ったと思われる。日銀ETF買い以外の自己による現物買い、先物売りは裁定ないしは裁定類似の売買である。

投信は現先合計で869億円の売り越し。うち現物で115億円の売り越し。野村総研によると、11月第3週の国内株式型の公募投信は398億円の資金純流出になっている。解約に伴う現物株売りが出ているのである。繰り返すが、この週は日銀によるETF買いが724億円存在した。昔の売買は別にして、最近の売買の全部か大半が自己部門で入っているはずなので、この週の日銀ETF買いも同様に考えることにする。

投信先物は754億円の売り越し。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS 日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」が日経平均ラージ先物を150億円前後の売り越しと計算できる。この週はこうしたブルベア型投信の先物売買は、一方的な売り越しではないが、多少は売り越しに傾いていたのだと思われる。ブルベア型投信はETF以外にもある。そのため一部重なるが、上記に示した通常型の公募投信の解約に伴う先物売りもあったと思われる。加えて、私募投信の解約に伴う先物売りもあったはずである。そうした先物売りが重なって先物合計で754億円の売り越しにまで膨らんだものと思われる。

信託は現先合計で2195億円の売り越し。うち現物で1557億円の売り越し。先物で639億円の売り越し。信託は8月第2週-11月第2週の間、現先合計で1.5兆円、うち現物1.1兆円、先物0.4兆円の買い越しであった。このうち、クジラと信託を通した自社株買いについては、近い将来、売り越しになることはない。しかし、先物とクジラ、自社株買い以外の信託の現物買いについては、株価が上昇するかぎりは売り越し傾向が続くことになる。

11月第3週に日本株を最も大きく売り越していた主体は個人であった。現先合計で4200億円の売り越し。うち現物現金で3618億円の売り越し。信用で643億円の売り越し。先物で61億円の買い越し。11月に入ってからの個人の売り越しの一因は、郵政3社の株である。株価が売り出し価格より高いので、キャッチボールのような形で、個人から海外を中心とする機関投資家へと移りつつある。この週は信用も売り越しになった。第2週までがんばって買い越してきた一部のスイングトレーダーも、第3週は利食い売りに回ったようである。売ることしか考えない高年齢者富裕者層による保有株の売却は、株価が上昇するかぎりは続くであろう。

11月第3週を合計すると、「海外、事法の買い越しvs個人、信託、投信の売り越し」であった。株価の上昇局面ではよく見られるパターンに近かった。自社株買いの拡大により、事法が買い方になることが増え始めた。しかし、三菱UFJの買いを銀行ではなく事法に分類して公表する東証のやり方は、全く非常識であり、変更してもらいたいと強く願っているが、どうなるかはわからない。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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