2015年10月第3週 株 コメント

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10月第3週の日経平均株価は前週末比534円高の18825円で引けた。10月2日のアメリカ雇用統計が悪く、FRBによる利上げ観測が遠のいて以降、世界的に強含みの相場が続いていた。今度は22日にECBのドラギ総裁が12月に追加金融緩和を示唆する発言をした。その後、ユーロ圏、アメリカの株は大幅高となった。日本もそれに追随する形で、23日金曜日は円安進行とともに大きく値上がりして引けた。

10月第3週に日本株を最も大きく買い越していた主体は海外であった。現先合計で3189億円の買い越し。うち現物で1882億円の買い越し。先物で1307億円の買い越し。うち日経平均ミニ先物で557億円の買い越し。手口はABNクレア400億円の買い越し、ニューエッジ200億円の買い越しが目立つ。日経平均ラージ先物で409億円の買い越し。手口はパリバ900億円の買い越しが目立つ。

上記の外資系証券のうち、ABNクレアとニューエッジはヘッジファンドがよく利用する証券会社として有名である。パリバはよくわからないが、パリバが日経平均ラージ先物を売買する場合、回転速度が比較的速いので、投機的資金の買いである可能性が高い。現物の売買は、短期の投機的資金とも中長期の投資的資金とも区別が付きにくい。この週の海外は、様々な種類の資金による買いがあったとは思う。その中で、ヘッジファンドなどの投機的な資金が比較的高い割合で買っていたと思われる。

信託は現先合計で2028億円の買い越し。うち現物で2080億円の買い越し。信託現物は8月半ばから買い越しがずっと続いている。8月と9月は下落局面であり、基本は逆バリの信託が下値を買い越すことに不思議はない。信託の中の多くの種類の資金が下値を買い下がっていたと思う。しかし、10月に入ってからの第1週と第3週は上昇局面でも大幅な買い越しになっている。過去において信託が上昇局面で現物を買い上がったのは、昨年5月-今年2月であった。これはGPIFを中心とする公的年金の株式組入比率の引き上げという方針が2014年3月に決定されたからである。そして、2015年10月にGPIFと3つの共済年金の運用一元化が実施に移された。この一元化により、GPIFよりも株式組入比率が低めの3共済は、従来以上に株を買わなければならないようになった。方針決定、正式な運用一元化という出来事が発生してからは、公的年金は高値でも株を買い上がるようになった。そのため、公的年金は「クジラ」と呼ばれるのである。10月第1週と第3週の株価上昇局面において、信託、すなわちクジラの一種である3共済の資金が株を買う必要があったため、株を買い上がった可能性が高い。

投信は現先合計で106億円の買い越し。うち現物で377億円の売り越し。野村総研によると、10月第3週の国内株式型の公募投信は160億円の資金純流入になっている。にもかかわらず売り越しである。一方、投信によるTOPIXラージ先物は364億円の買い越しになっている。直感にすぎないのであるが、一部の投信、多分私募投信が、将来の解約などに備えて、現物を売って先物の買いにポジションを入れ替えたと考えている。この週の日銀によるETF買いは336億円あったが、この買いも自己部門で入ったと思われる。

投信の日経平均ラージ先物は20億円の買い越し。最近ではほとんどみられない絶対値の小さい買い越し金額であった。その中で、野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型上場投信」は日経平均ラージ先物を900億円前後の買い越しと計算できる。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は300億円の売り越し。野村証券はこの週に自己で新規裁定を300億円組んでいるので、300億円の売り越しは裁定の売りである可能性が高い。かつ投信全体で20億円の売り越しということは、野村アセットの別の投信が日経平均ラージ先物を900億円前後売り越していたということになる。その別の投信というのは、ヘッジファンド型の私募投信であろう。この私募投信と思われる買いは9月25日の17000円台で900億円ほど入っていた。その分が利食い売りとなって出てきたものと思われる。野村アセット内部で2つのファンドの大口の売りと買いがぶつかり、投信全体でも、野村証券全体でも、大きな売買は見えなかった。

10月第3週に日本株を最も大きく売り越していた主体は個人であった。現先合計で4289億円の売り越し。うち現物現金で3237億円の売り越し。信用で651億円の売り越し。先物で402億円の売り越し。現物現金の売りの一部は、郵政3社の株購入のための換金売りであろう。しかしこの週は第2週とは異なり、信用も先物も売り越しである。株価が戻ってきたので、スイングトレーダーを中心に幅広い戻り売りが出たものと思われる。

10月第3週を合計すると、「海外、信託の買い越しvs個人の売り越し」であった。上昇局面ではよく見られるパターンであった。ただ、上昇局面であるにもかかわらず、信託が2番目の売り越し主体ではなく、2番目の買い越し主体の方に入っていた。公的年金の運用一元化という特殊な事情があったため、上昇局面であるにもかかわらず信託を買い越しへと導いた。


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テーマ : 経済
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