2015年10月第1週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20151016

週足株価201510-1Wブログ用


10月第1週の日経平均株価は前週末比714円高の18439円で引けた。10月2日発表のアメリカの雇用統計が予想以上に悪く、FRBによる利上げが先伸ばしになるという予想が広がった。その結果NY市場で株価が上昇に転じ、日経平均株価も並行して上昇することになった。

10月第1週の最大の買い手は海外であった。現先合計で3181億円の買い越し。うち現物で2103億円の買い越し。先物で1078億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1664億円の売り越し。日経平均ミニ先物で1712億円の買い越し。TOPIXラージ先物で812億円の買い越し。

まず、日経平均ラージ先物と日経平均ミニ先物の間で1700億円ほどの裁定売買を海外が実施した可能性が高い。この週は日経平均ミニ先物に限月交代があったため、日経平均ミニ先物の手口を集計した場合、正確性がどうしても劣ってしまう。それを承知で、「日経平均ラージ先物売り+日経平均ミニ先物買い」の手口を集計してみると、野村600億円、ニューエッジ400億円、ゴールドマン400億円くらいは見つけることができる。野村には後で書く投信の買いや裁定売買があるので、それらを都合良く解釈した場合、野村によるラージとミニの裁定は800億円まで存在することになる。見える分だけの合計が1600億円くらい存在する。見えない部分を合わせると、「日経平均ラージ先物売り+日経平均ミニ先物買い」が1700億円前後存在していた可能性は十分考えられる。精度の低い日経平均ミニ先物の手口を使っており、裁定が自己ではなく、すべて海外で行われた理由も説明していない。そのため、強引な解釈と指摘されれば、その通りである。証拠半分、推測半分なのである。このような裁定が可能になった理由は、ABNクレアの自己部門と個人が日経平均ミニ先物を大量に売ったので、日経平均ミニ先物が少し割安になり、日経平均ラージ先物との裁定を誘発したと考えている。これも証拠半分、推測半分である。

上記の先物間の裁定を除けば、現物とTOPIXラージ先物に海外の買いが3200億円前後はいっていることになる。NYの株価上昇を見て、これなら日本もまだ買えると考えた海外の一部投資家が、現物とTOPIXラージ先物に買いをいれたことは間違いない。NYダウと日経平均の動きにある一定程度の連動性がある理由は、NYが上がればただそれだけの理由で日本株を買う海外の投資家が、実際にある一定程度は存在しているからである。

信託は現先合計で930億円の買い越し。うち現物で1497億円の買い越し。先物で557億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で893億円の売り越し。10月第1週は戻り相場なので、こうした上げ局面で現物を1497億円も買い越す投資家はクジラくらいしか考えられない。10月1日にクジラ内部での制度変更、すなわち厚生年金と共済年金の運用一元化が実施に移された。そのため、従来はGPIFよりも株式組入比率の低かった共済年金が、株の組入比率の引き上げを加速させたと考える。これとは別に信託は8月半ばの急落直後から日経平均ラージ先物に買いのポジションを積み上げていた。10月第1週の日経平均ラージ先物893億円の売り越しはその分の反対売買である。

投信は現先合計で850億円の売り越し。うち現物で85億円の買い越し。野村総研によると、10月第1週の国内株式型の公募投信は209億円の資金純流入になっている。この純流入金額の何割かが投信での現物株買いに回っている。この週は日銀によるETF買いはなかった。

投信先物は765億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で543億円の買い越し。野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」は日経平均ラージ先物を500億円前後の売り越しと計算できる。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は1000億円の売り越し。上記のレバETFを通じる投信の売りは500億円であるため、それ以外の投信による日経平均ラージ先物は1000億円の買い越しということになる。従来ならレバETFでなければ野村アセットのヘッジファンド型私募投信と考えればよかった。今回はレバETF以外の野村の手口が500億円の売り越しなので、この1000億円の買い越しは野村アセット以外の投信の買いである。1000億円の買いが公募投信で発生するとは考えづらい。野村アセット以外の投信会社の私募投信が買った可能性が高い。この週は大和がめずらしく日経平均ラージ先物を800億円買い越していたので、大和投信の私募投信による買いである可能性が考えられる。

自己は現先合計で784億円の売り越し。自己のこうした大口の売り越しは不明である。そのためいつもと同様に、内外の機関投資家が上場先物以外のデリバか現物の取引所外取引を使って784億円の売りを出してきたので、自己がそれに対して買い向かい、現物先物の取引所内取引で784億円のカバー売りを出したという取引があったということにする。なお、この週は東証が発表した裁定の売買が1540億円だけはいっており、裁定類似であることが明らかな売買をも含めると2300億円前後の売買がはいっている。この多くは自己の売買なので、現物2300億円の買い、先物2300億円の売り、が本来は外から見えなければならない。見えないのは、上記のようなカバー売り金額はネットであり、グロスではもっと巨額の先物によるカバー買いと現物によるカバー売りがはいっており、その売りと買いの差が784億円の売り越しというわけである。こうした巨額のグロスでの現物と先物を使ったカバー売買により、実際には存在する2300億円の自己による裁定と裁定類似の売買が見えなくなったという証拠はない。証拠ゼロ、推測100%である。ただ仮に、このような売買があったとしたら、不可思議な自己や裁定売買の構造がうまく説明できると言っているだけである。

9月第5週に日本株を最も大きく売り越していた主体は個人であった。現先合計で4306億円の売り越し。うち現物現金で2477億円の売り越し。信用で832億円の売り越し。先物で997億円の売り越し。8月21日に日経平均が2万円台を割る少し前から個人は買い越し基調を続けていた。そのため、相場がある程度戻し始めると、いっせいに戻り売りになったようである。スイングトレーダーから高年齢富裕者層に至るまで、ほぼ総売り状態であったと思われる。

10月第1週を合計すると、「海外、信託の買い越しvs個人の売り越し」であった。日経平均株価が714円も上昇したにもかかわらず信託が買い越しになったのは、クジラという昔は存在しなかった特殊な投資主体が買い方に存在したからである。この点を除けば、「海外の買い越しvs個人の売り越し」となる。これは過去25年間の相場の上昇局面で一番よく見られる典型的なパターンであった。


追記
大和投信の買いは私募投信ではなく、「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」による800億円の買いでした。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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