2015年9月第5週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20151008


週足株価201509-5Wブログ用


9月第5週の日経平均株価は前週末比155円安の17725円で引けた。週初から弱含みで始まったが、9月29日には16900円台にまで急落した。28日発表の中国の工業利益が前年を下回ったからという解説が多かった。しかし、普段なら注目されることのないマイナーな材料である。さすがに16900円台までの下落は中国経済の悪化に敏感に反応しすぎた面があり、その後はかなり大きく戻して引けることになった。

9月第5週の最大の買い手は信託であった。現先合計で5594億円の買い越し。うち現物で2413億円の買い越し。先物で3181億円の買い越し。うちTOPIX先物で2802億円の買い越し。この週のTOPIX先物の買いは、半年度の最初に信託が毎回入れるTOPIX先物の買いである。これは前回買いの入った3月第4週のコメントで詳しく説明した。信託は半年度の最初にTOPIXラージ先物を買い越すが、現物を買い越す傾向はない。信託は現物を6週連続で買い越しであるが、9月は月初から月末にかけて買越額が減少していた。一方、信託は大きく下がると買越額が拡大する傾向がある。17000円を割り込む水準にまで株価が急落した29日火曜日に信託は現物を大幅に買い越していたと推測する。クジラも含むいくつかの主体が信託を通して買いを入れた。

投信は現先合計で2467億円の買い越し。うち現物で757億円の買い越し。野村総研によると、9月第5週の国内株式型の公募投信は1387億円の資金純流入になっている。この純流入金額の何割かが投信での現物株買いに回っている。この週の日銀によるETF買いは634億円であった。この日銀ETF買いも自己部門で入ったと思われる。

投信先物は1710億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1317億円の買い越し。野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」は日経平均ラージ先物を1600億円前後の買い越しと計算できる。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は650億円の買い越し。上記のレバETFを通じる投信の買いは1600億円であるため、それ以外の投信による日経平均ラージ先物は300億円の売り越しであった。そして、野村証券を通じておそらく投信以外の売り手が日経平均ラージ先物を950億円前後売り越している。この950億円の売り手は、海外くらいしか見当たらない。

事法は現先合計で620億円の買い越し。うち現物で660億円の買い越し。大部分が自社株買い。最近発表された自社株買い終了報告のうちの大口は、NTT、9月1日-10月1日、783億円というものがあげられる。

自己は現先合計で1951億円の売り越し。加えて、自己を通して日銀ETFが634億円買い越しているはずである。それを考慮すると、自己は現先合計で2600億円の売り越しになる。自己のこうした大口の売り越しは不明である。そのためいつもと同様に、内外の機関投資家が上場先物以外のデリバか現物の取引所外取引を使って2600億円の売りを出してきたので、自己がそれに対して買い向かい、現物先物の取引所内取引で2600億円のカバー売りを出したという取引があったことにする。

9月第5週に日本株を最も大きく売り越していた主体は海外であった。現先合計で6640億円の売り越し。うち現物で1989億円の売り越し。先物で4651億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2383億円の売り越し。TOPIXラージ先物で2211億円の売り越し。この週の海外による先物売りの大半はUBSの売りで説明できる。

UBSは日経平均ラージで2600億円の売り越し。TOPIXラージで2100億円の売り越し。合計で4700億円の売り越し。先週詳しく説明したとおり、このUBSの売りは絶対収益追求型のポジションの売買であり、UBSのプライベート・バンキング部門の売りであると推測している。黒田バズーカ砲の第2弾が放たれた日を含む2014年10月第5週-2014年11月第2週の3週間にUBSは日経平均ラージ先物で2000億円、TOPIXラージ先物で5000億円、合計で7000億円買い越した。この買いの手仕舞いが、9月第4週、第5週の2週間に、UBSの日経平均ラージ先物で4000億円、TOPIXラージ先物で4000億円、合計8000億円の売り越しという形になった。昨年のバズーカ砲第2弾が放たれる前からUBSは日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物に買い建玉を持っていたのだが、今回の売りにより9月第5週末時点でのUBSによる日経平均ラージ先物の建玉は2335枚、413億円の売り越しになった。UBSのプライベート・バンキング部門の日経平均ラージ先物のロングはなくなり、UBSの日経平均ラージ先物の売りはとりあえず一巡した可能性が高い。9月第5週末時点でのUBSによるTOPIXラージ先物の建玉は32479枚、4682億円の買い越しであり、将来の売りになる可能性がある買い建玉がまだ残っている。

9月第5週において、第4週と同様にUBSに次いで大きく先物を売り越したのはゴールドマンであった。日経平均ラージ先物で600億円の売り越し。TOPIXラージ先物で800億円の売り越し。合計で1450億円の売り越し。ゴールドマンとその他のいくつかの外資系の売りは、ABNクレア、野村、メリルなどを通じた買いによって大部分が吸収されている。結果として、UBSの先物売越額と海外全体の先物売越額とが近い金額になった。

9月第5週を合計すると、「信託、投信、事法買い越しvs海外の売り越し」という下げ局面でよく見られるパターンであった。


9月月間


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9月の日経平均株価は前月末比1411円安の17725円で引けた。9月月間の現先合計は、「信託1兆0840億円の買い越し、事法7684億円の買い越し、自己4860億円の買い越しvs海外3兆3950億円の売り越し」であった。

信託は上記の半年度の初めのTOPIX先物2802億円買い越しを差し引くと8038億円の買い越し。この大半が現物の買いになる。クジラも買ったであろうし、他のいくつかの主体も株価が下がったことにより信託を通して買いを入れた。

事法は、スズキのVWからの自社株買い戻し4603億円を差し引くと3081億円の買い越しになる。この大半も自社株買いである。スズキに次ぐ大口の自社株買いはトヨタであり、1139億円の買いを入れた。

自己の中で、日銀ETF買いから生じる買い越しが2893億円であり、その金額を差し引きた1967億円の買い越しは不明。従って、SQ時に5000億円実施された可能性のある大口のエクイティ・スワップ取引の反対側に発生する特殊な取引所内での現物売買と、上記にも書いたような内外の機関投資家が上場先物以外のデリバか現物の取引所外取引を使う売買をしてきたので、自己がそれに対して反対の売買を行い、現物先物の取引所内取引でカバーする売買などが存在し、それらが合計で1967億円の自己による買い越しにつながったということにする。

海外の売越額には、WVによるスズキ株4603億円売却など、特殊要因もいくつかあった。それでも、現物を中心に大量に売り越したことは間違いない。週ごとにはヘッジファンドを始めとする投機的売買や第4週、第5週にあったプライベート・バンキング部門での売買が多かった週もあった。しかし、投機的売買は売り越しの週も買い越しの週もあった。一方、オイルマネーを含む現物が中心の中長期性の投資的資金の売り越しは一方的に積み上がるばかりであった。その結果、月間でみた海外による現物だけの売越額は2兆5772億円となり、長年2位以下を大きく引き離し断トツの売越額の記録を保持し続けたブラックマンデーのあった1987年10月の2兆0232億円をついに上回る過去最高の記録を更新した。現先合計の売越額は3兆3950億円であり、直前の8月に記録した2兆6870億円を上回る過去最高の記録を更新した。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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