2015年9月第4週 株 コメント

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週足株価201509-4Wブログ用


9月第4週の日経平均株価は前週末比190円安の17881円で引けた。わずか2営業日の週であったが、VWの不祥事発覚やイエレンFRB議長の年内利上げ支持の発言といった海外要因に振り回されて、大きく上下した週であった。

9月第4週の最大の買い手は個人であった。現先合計で1549億円の買い越し。うち現物現金で1804億円の買い越し。信用で218億円の売り越し。先物で37億円の売り越し。信用、先物を駆使するスイングトレーダーは売り越しであった可能性が高い。現物中心のスイングトレーダーや、もう少し中長期的な観点から売買する個人投資家は買い越しを続けた。一方、巨額の金融資産を保有する高年齢富裕者層も、売り物が減った結果として買い越しになった可能性が高い。

自己は現先合計で1444億円の買い越し。うち現物で1998億円の売り越し。先物で3442億円の買い越し。この週は裁定と裁定類似の売買が2800億円入っているので、この大半が自己の現物売り、先物買いになっていると思われる。裁定売買だけなら現先合計がゼロになるが、自己は1444億円の買い越しである。このうち317億円は後でも記す日銀ETFによる現物買いであろう。残りの1100億円前後の買いは不明である。従って、いつものように内外の機関投資家が上場先物以外のデリバか取引所外取引を使って1100億円の買いを入れてきたので、自己がそれに対して売り向かい、現物先物の取引所内取引で1100億円のカバー買いを入れたことにする。

投信は現先合計で1254億円の買い越し。うち現物で484億円の買い越し。野村総研によると、9月第4週の国内株式型の公募投信は513億円の資金純流入になっている。この純流入金額の大半が現物株の買いに回った。この週の日銀によるETF買いは317億円であった。この日銀ETF買いも自己部門で入ったと思われる。

投信先物は770億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で773億円の買い越し。野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」は日経平均ラージ先物を150億円前後の売り越しと計算できる。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は1150億円の買い越し。残る投信の900億円前後の買いは、野村アセットのヘッジファンド型の私募投信かもしれない。投信が日経平均ラージ先物を900億円も買い越すということは、昨年の10月以前にはほとんどなかった。そのため、昨年11月以降売買を活発化させた野村アセットのヘッジファンド型の私募投信が一番適切な推測のように思える。この推測が正しければ、残る野村証券の400億円の買い越しは、信託の買いか自己による裁定類似の解消買いかのどちらかになる。ただこの私募投信は基本戦略が逆バリである。9月第4週の野村証券による日経平均ラージ先物の買いは、株価が上昇した25日金曜日に1000億円強入っている。この点が引っかかって今回はどうも自信がない。

信託は現先合計で592億円の買い越し。うち現物で164億円の買い越し。先物で428億円の買い越し。株価の水準が低くなったので、クジラを中心とする信託を利用する投資家が買いを入れたと思われる。信託現物は5週連続の買い越しであるが、買越額は減少しつつある。個人よりも客層が薄く、下値での買い意欲は減退しつつある。

9月第4週に日本株を最も大きく売り越していた主体は海外であった。現先合計で5253億円の売り越し。うち現物で760億円の売り越し。先物で4494億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1224億円の売り越し。TOPIXラージ先物で3069億円の売り越し。この週の海外による先物売りの90%近くは、UBSとゴールドマンを通した先物売りであった。

9月第4週の先物売越額が最も多かったのはUBS。日経平均ラージで1300億円の売り越し。TOPIXラージで1500億円の売り越し。合計で2800億円の売り越し。UBSには時々大口の先物売買が入るが、一番記憶に残る大きな売買をしたのは2014年10月第5週-2014年11月第2週の3週間であった。この間にUBSは日経平均ラージ先物で2000億円、TOPIXラージ先物で5000億円、合計7000億円買い越した。10月31日に黒田バズーカ砲の第2弾が実施されたので、一気に買いを入れたと思われる。2014年11月14日の日経平均株価の終値は17491円であった。UBSの場合、9月第4週に売ったということは、日本の株価が下がってきたため、損をしないうちに利食い売りを出してきたのであると思われる。インデックス連動型あるいはインデックス+アルファの追求型ではなく、絶対収益追求型のようである。おそらく、UBSのプライベートバンキング部門の売買であろう。大元の資金は、世界の富裕層から預かった運用資産であると推測する。最近噂されているオイルマネーの売りではない。先物の売りなので、売ってもキャッシュをごく一部しか回収することができないからである。

UBSに次いで大きく売り越したのはゴールドマン。日経平均ラージ先物で300億円の売り越し。TOPIXラージ先物で900億円の売り越し。合計で1200億円の売り越し。ゴールドマンもUBSと同時期に、日経平均ラージ先物で3000億円、TOPIXラージ先物で5000億円、合計8000億円とUBSをさらに上回る先物の買いを入れていた。ただUBSとは違ってゴールドマンはかなり前から先物を売り越し続けてきた。直近のゴールドマンのTOPIXラージ先物の建玉は依然として大幅な買い越しであるが、日経平均ラージ先物の建玉は大幅な売り越しである。ゴールドマンが黒田バズーカ砲の第2弾直後に買った日経平均ラージ先物はすでに売却を終えており、TOPIXラージ先物は4月第5週末をピークにして少しずつ売却を続けている。ゴールドマンはUBSよりも顧客基盤が広いので、短期志向から中期志向までの様々な種類の顧客が混じっているはずである。ただ先物なので、長期、超長期志向の顧客の比率は低い。

9月第4週を合計すると、「個人、投信、信託の買い越しvs海外の売り越し」という下げ局面でよく見られるパターンであった。海外の売りは先物が中心であり、手口ではUBSとゴールドマンに集中していた。この2社の先物売りとその結果発生する裁定解消の現物売りに対して、国内投資家が買い向かう形の週であった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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