2015年8月第2週 株 コメント

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週足株価201508-3Wブログ用


8月第2週の日経平均株価は前週末比205円安の20519円で引けた。この週は順調な値上がりで始まった。その雰囲気を反転させたのが、11日前場の中国人民元基準レート切り下げ発表であった。その意図については意見が分かれているが、日本にとって悪い影響は考えられるが、良い影響はほとんど考えられない。その後は、株価も値下がり傾向に転じてしまった。

8月第2週に日本株を最も大きく買い越していた主体は個人であった。現先合計で1813億円の買い越し。うち現物現金で103億円の売り越し。信用で910億円の買い越し。先物で1005億円の買い越し。うち日経平均ミニ先物で1010億円の買い越し。株価が少し下がったところから、スイングトレーダーがすかさず押し目買いを入れたようである。巨額の金融資産を保有する高年齢富裕者層は、相変わらず現物現金を売り越していた。

事法は938億円の買い越し。うち現物で941億円の買い越し。最近発表された大きな自社株買いは、後で述べるソフトバンクくらいしか見当たらない。しかし、例えばトヨタは7月27日から来年3月31日までの間に上限6000億円の自社株買いの実施を発表している。トヨタのように時間をかけて行う自社株買いや、近い将来に完了が発表される自社株買いもありうる。そうした自社株買いの合計が8月第2週の事法による現物941億円の買い越しの中心であったと思われる。

投信は現先合計で919億円の買い越し。うち現物で109億円の買い越し。野村総研によると、8月第2週の国内株式型の公募投信は264億円の資金純流入になっている。私募投信の解約やその他のいくつかの理由により、資金純流入ほどには現物株を買い越してはいない。この週の日銀によるETF買いは674億円であった。この日銀ETF買いの大部分も自己部門で入ったと思われる。

投信先物は810億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で847億円の買い越し。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は700億円の買い越し。「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」は解約のために日経平均ラージ先物を250億円の売り越しと計算できる。残る950億円-1100億円の買い越しは、昨年11月以降、大量の回転売買を続けている野村アセットのヘッジファンド型の私募投信の買いである可能性が高い。

信託は648億円の買い越し。うち現物で1097億円の買い越し。先物で449億円の売り越し。ソフトバンクが8月10日-17日に信託方式で1200億円の自社株の買付実施を完了したと発表している。6営業日で合計1200億円の買付なので、8月第2週の5営業日では1000億円前後の買い越しになる。信託の現物買いの大半は、このソフトバンクによる信託方式での自社株買いであった。従って、クジラはほとんど動いておらず、クジラ以外の企業年金等は、先物にヘッジ売りを出していたのである。

8月第2週に日本株を最も大きく売り越していた主体は海外であった。現先合計で5444億円の売り越し。うち現物で3179億円の売り越し。先物で2265億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2711億円の売り越し。手口ではゴールドマンの1400億円の売り越しが目立つ。TOPIXラージ先物で993億円の買い越し。手口では同じくゴールドマンの400億円の買い越しが目立つ。

海外は一般的に言って、現物とTOPIXラージ先物は年金などの長期性の投資的資金の割合が高く、日経平均ラージ先物はヘッジファンドなどの短期性の投機的資金の割合が高い。この週は現物と日経平均ラージ先物が売り越しであり、TOPIXラージ先物は買い越しであった。正確なことはわからないが、人民元切り下げという材料に様々な投資家が売りと買いに分かれて反応し、全体として上記のような形になったとしか言いようがない。ヘッジファンドのような短期性の投機的資金は、日経平均ラージ先物を売るという反応をする投資家が多かった。一方、年金などの長期性の資金は、現物株を売るものが多かったが、TOPIXラージ先物を買うものも何割か存在したようである。

自己は現先合計で905億円の買い越し。うち現物で207億円の買い越し。先物で697億円の買い越し。先に書いたとおり、日銀ETF674億円の現物買いは第2週も自己部門で入った可能性が高い。東証の発表によれば、裁定に伴う現物買い先物売りが217億円存在した。またパリバが裁定類似の現物買いTOPIXラージ先物売りを800億円実施したと推定できる。ETF、裁定、裁定類似の売買を合計すると、現物1700億円買い越し、先物1000億円売り越しになる。この他に現物カラ売り1500億円、先物買いヘッジ1500億円という外から見た場合、結果としては裁定類似となるポジションの形成があったと推定する。この場合、現物200億円の買い越し、先物500億円の買い越し、現先合計では700億円の買い越しになる。上記に示した表の合計である現先合計で905億円の買い越しとは200億円しか違わない。この差は、ポジション調整の売買の範囲内である。

合計すると、「個人、自社株買い、投信、日銀ETFの買い越しvs海外の売り越し」であった。最近の相場の下落時によく見られるものと同じパターンであった。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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