2015年8月第1週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20150807

週足株価201508-1Wブログ用


8月第1週の日経平均株価は前週末比139円高の20725円で引けた。この間、NYダウが連続して下げ続けていたので、その割には日経平均株価はしっかりした感じが残った週であった。

8月第1週に日本株を最も大きく買い越していた主体は海外であった。現先合計で9983億円の買い越し。うち現物で2672億円の買い越し。先物で7311億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で4048億円の買い越し。手口ではクレディスイス1000億円、UBS900億円などの買い越しが目立つ。TOPIXラージ先物で2206億円の買い越し。手口ではゴールドマン1000億円の買い越しが目立つ。

この週の海外も、買いの中心は中長期の投資家よりも、ヘッジファンドを中心とする短期の投機家の買いの比率が高かったと思われる。7月第1週以降の過去6週間の海外の現先合計の売買動向を見ると、-8416億円→-1兆5895億円→+1兆1040億円→+937億円→-3036億円→+9983億円である。同時に、売買の割合は現物よりも先物の方の割合が高い。ギリシャと中国の情勢に一喜一憂しながら、先物中心に売買を繰り返している。年金ならファンドマネージャー不適格である。短期の投機筋が中心の売買としか考えられない。

信託は現先合計で2021億円の売り越し。うち現物現金で939億円の売り越し。先物で1082億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で1145億円の売り越し。クジラ以外の企業年金を中心とした資金から、かなり大き目の売り物が出てきたようである。

個人は現先合計で3461億円の売り越し。うち現物現金で2790億円の売り越し。信用で286億円の買い越し。先物で957億円の売り越し。うち日経平均ミニ先物で609億円の売り越し。信用が買い越しなので、スイングトレーダーの売買はトントンに近かったと思われる。巨額の金融資産を保有している高年齢富裕者層が、現物現金を大きく売り越し続けていた。

8月第1週に日本株を最も大きく売り越していた主体は投信であった。現先合計で3789億円の売り越し。うち現物で736億円の売り越し。野村総研によると、8月第1週の国内株式型の公募投信は103億円の資金純流入になっている。私募投信の解約やその他のいくつかの理由により、現物株全体では売り越しになった。この週の日銀によるETF買いは661億円であった。この日銀ETF買いも自己部門で入ったと思われる。

投信先物は3053億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2956億円の売り越し。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は3000億円の売り越し。「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」に解約が殺到し、この解約に伴う日経平均ラージ先物は1000億円前後の売り越しと計算できる。残る2000億円の売り越しは、昨年11月以降、大量の回転売買を続けている野村アセットのヘッジファンド型の私募投信の売りである。

自己は現先合計で540億円の売り越し。うち現物で1660億円の買い越し。先物で2200億円の売り越し。うちTOPIXラージ先物で2236億円の売り越し。この週は現物売り先物買いの裁定解消売買が205億円入っている(現物では売越額が205億円、先物では買越額が205億円)。その他にパリバがTOPIXラージ先物で900億円の売りがあるので、これは現物900億円買いとセットになった裁定類似の売買である可能性が高い。また先に買いたとおり、日銀ETFの買い661億円が自己部門の現物で入っていた可能性が高い。これらを合計して上記の表の金額に一致させるためには、この他に自己は現物で300億円の買い、先物で1500億円の売りが存在していなければならない。つまり、取引所内取引で自己は現先合計で1200億円の売りを出している。これは、単なる自己のポジション調整の売りかもしれない。ポジション調整の売りにしては大きすぎると考えるならば、内外の投資家が現物の取引所外取引とOTCデリバを使用して合計1200億円売却し、自己が買い取り、ヘッジのために取引所内取引で現物を300億円購入し、先物を1500億円売却したということも考えられる。

8月第1週を合計すると、「海外の買い越しvs投信、個人の売り越し」という株価上昇時にいつも見られる典型的なパターンであった。7月前半にギリシャや中国情勢が不安定になり、海外が大量に売りを出して株価が下がったところでは国内投資家が大量に買い向かい、国内の買いの意欲の強さを強調する声も大きかった。それが日経平均が20600円をこえてくると、国内投資家の売りの圧力が非常に大きくなった。海外が1兆円近く買い越しているにもかかわらず、日経平均株価は139円しか上昇しなかったからである。株価がある程度戻ってくると、従来と同様の大幅な売り越しに戻ってしまった。国内投資家の戻れば売り越すというヒステリシスは、残念ながら解消されていないことが明らかになった。


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