2015年7月第5週 株 コメント

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週足株価201507-5Wブログ用


7月第5週の日経平均株価は前週末比41円高の20585円で引けた。この週の株価を動かした最大の主役は、やはり中国であったと思う。しかし、7月前半のように中国が日本の株価を直接動かしたのではなく、中国株価の変動→商品価格の変動→NY株価の変動→日本株価の変動、といったイメージが残った週であった。

7月第5週に日本株を最も大きく買い越していた主体は投信であった。現先合計で2177億円の買い越し。うち現物で335億円の買い越し。野村総研によると、7月第5週の国内株式型の公募投信は1010億円の資金純流入になっている。私募投信の解約やその他のいくつかの理由により、公募投信への資金純流入額ほどには現物株を買っていない。この週の日銀によるETF買いは972億円であった。この日銀ETFも大半は自己部門で入ったと思われる。

投信先物は1842億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で2056億円の買い越し。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は2200億円の買い越し。「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」が設定超過となり、この設定に伴う日経平均ラージ先物は900億円前後の買い越しと計算できる。残る1200億円の買い越しは、昨年11月以降、大量の回転売買を続けている野村アセットのヘッジファンド型の私募投信である。

自己は793億円の買い越し。うち現物で74億円の売り越し。先物で867億円の買い越し。先に書いたとおり、日銀ETFの買いが972億円自己部門で入っていた可能性が高い。日銀ETFの買いは現物買いであるが、自己の現物は売り越しであり、買い越しは先物である。この週の裁定売買は、現物売り先物買いが419億円である。この統計は厳密な裁定売買だけで、裁定類似の売買が入っていない。裁定類似の現物売り先物買いが448億円存在していたと仮定する。裁定類似の売買を加えると、現物売り先物買いが合計で867億円入っていることになる。この場合、自己の現物売買は、日銀ETF買い972億円、裁定解消売り867億円、自己のポジション調整の現物売り179億円、自己の現物売買の合計は74億円の売り越し、先物売買は裁定解消買いだけであり、合計で867億円の買い越しになると想定する。上記の売買は、考えられる自己のオペレーションの中では、一番シンプルなオペレーションの例である。取引所外取引やOTCデリバを絡めた複雑な売買があり、結果として上表の自己の売買数字ができあがったという別のシナリオを考えることもできる。ただ、自己部門を通して買われた日銀ETFによる現物買い972億円が、自己の実質的な最大の買い手であったことは間違いない。

7月第5週の最大の売り手は海外であった。海外は現先合計で3036億円の売り越し。うち現物で242億円の売り越し。先物で2794億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2193億円の売り越し。手口ではABNクレア1400億円の売り越しが目立つ。TOPIXラージ先物で659億円の売り越し。手口ではクレディ・スイス800億円の売り越しが目立つ。

この週の海外も、売買の中心は先物であり、日経平均ラージ先物の売り越しが一番目立つ。従って、売りの中心は、中長期の投資家よりも、ヘッジファンドを中心とする短期の投機家の売りの比率が高かったと思われる。中国とNYの売買を見ながら、結果として海外は7月第4週は937億円の買い越し、第5週は3036億円の売り越しになった。

7月第5週を合計すると、「投信、自己(日銀ETF買いが中心)の買い越しvs海外の売り越し」というパターンで日経平均株価は41円の上昇であった。このパターンで値下がりというのはよくある。最初に書いたとおり、この週は中国もNYも下げたが、急落したわけではなかった。海外の投機家は、売り越しながらも中途半端な弱気であり、日本株を1秒でも早く売り切ってポジションをゼロにしてしまおうという恐怖に支配された超弱気の強引な売りはほとんどなかったようである。結果として、海外が売り越しながらも、日経平均株価は上昇した。しかし、41円高である。41円上昇したが、大幅に上昇しないところに、戻り高値の買いは極力避けるという国内投資家の強固な投資行動パターンがまだ崩れていないことが示されている。


7月月間


投資部門別コメント週次20150731


7月月間の日経平均株価は前月末比121円安の20585円で引けた。7月月間では、「投信6837億円の買い越し、自己4742億円の買い越しvs海外1兆5370億円の売り越し」であった。

投信現物1931億円の買い越しの理由は、個人のニューマネーが国内株式型公募投信への流入が続いていることである。投信先物の買いの4906億円のうち5475億円は日経平均ラージ先物の買いである。うち野村アセットの「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」の買いが1500億円前後と計算できる。同じく野村アセットのヘッジファンド型私募投信の買いが3700億円前後と推定できる。

日銀ETF買いが3332億円入っているが、この大部分は自己部門で入ったと思われる。自己の残りの1410億円は、内外の機関投資家による取引所外取引、OTCデリバを通した買いを自己が売り向かい、取引所でカバー買いを入れたものと思われる。

売りは海外に集中しており、その金額は1兆5370億円である。日本株の保有ポジションが膨らんだところに、どちらかというとヘッジファンドを中心とした投機家たちが、ギリシャ、中国情勢の悪化に懸念し、日本株の保有ポジションを減らしてきたようである。

海外が1.5兆円の売り越にもかかわらず、日経平均株価は121円安でしかなかった。日銀ETF買い継続の結果、昨年11月以降、大量売りから入ってきた野村アセットの私募投信が、7月第2週からは買いから入るように行動パターンを変化させた。そして、投信現物に個人のニューマネーが流入し続けるように変わってきた。こうした国内投資家の投資行動パターンの変化も、海外の大量売りのわりには、日経平均株価の下げ幅が小さかった原因の一つであろう。


追記
日本経済新聞朝刊8月7日21面掲載の日経平均株価のグラフを見ると、7月は小幅上昇になっています。6月末-7月末の日経平均株価は350円の上昇です。しかし、投資部門別売買状況の集計期間である6月第4週末-7月第5週末は上記のとおり121円の下落です。個人が投信とともに下げ局面で大量の買いを入れ、買い越しになったのは事実ですが、日経平均株価は下がっています。

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