2015年7月第3週 株 コメント

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週足株価201507-3Wブログ用


7月第3週の日経平均株価は前週末比871円高の20651円で引けた。7月第1週、第2週はギリシャと中国の混乱の影響が嫌気され、日経平均株価は2週連続で下げた。第3週はギリシャと中国の情勢が小康状態となったため、急速な株価の戻りが実際に実現した。

7月第3週に日本株を最も大きく買い越していた主体、そして買い越しの大部分を占めた主体は海外であった。海外は現先合計で1兆1040億円の買い越し。うち現物で3749億円の買い越し。先物で7291億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で4296億円の買い越し。手口ではABNクリア800億円の買い越しが見える。外資系大手15社の売買合計が4000億円の買い越しであったので、この大半が実際に海外の買いであったことになる。海外は日経平均ミニ先物で1720億円の買い越し。手口ではニューエッジ700億円の買い越しが見える。海外はTOPIXラージ先物で1076億円の買い越し。手口ではJPモルガン600億円の買い越しが見える。

7月第3週に関しては、海外は日経平均ラージ先物の買越金額が一番大きいので、割合としてはヘッジファンドを中心とする投機家の買いの比率が高かったと思われる。ギリシャと中国の混乱を見て7月第1週、第2週に大幅に売り越していた。そして、第3週は、第1週と第2週の売り越し合計金額の45%を買い越している。追加の悪材料が出なかった場合、7月第4週以降、海外が残りの55%、1.3兆円程度を買い越してくる可能性は存在する。

その他法人は88億円の買い越し。うち現物で139億円の買い越し。大半は従業員持株会の買いである。7月はボーナス月でもあるので、買い越しの金額がやや大きかった。授業員持株会は常に買い越しなので、この部門はそれ以外の特殊な売買がなければ、常に小幅の買い越しになる。

事法は471億円の売り越し。うち現物で372億円の売り越し。この週は自社株買い完了の発表が少なかった。自社株買いを上回る持合解消売りが出た。

証券は585億円の売り越し。うち現物で342億円の売り越し、先物で243億円の売り越し。東証、大証に会員権を持っていない中小証券の売りである。大半は個人の売りと見るべきである。

投信は現先合計で2292億円の売り越し。うち現物で446億円の買い越し。野村総研によると、7月第3週の国内株式型の公募投信は216億円の資金純流入になっている。この週の日銀によるETF買いはゼロであった。上げ相場にもかかわらずETF以外の公募投信の買い越しが確認でき、それ以外の私募投信も買い越していたようである。

投信先物は2738億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2812億円の売り越し。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は2700億円の売り越し。昨年11月以降、野村アセットの私募投信がヘッジファンドのような大量の回転売買を続けている。7月第2週にその私募投信が2500億円前後買い越していたので、第3週には同じ私募投信が2500億円前後売り越した。同じく第2週に大量に買い越した「NEXT FUNDS レバレッジ・インデックス連動型ETF」は、値上がり分を考慮すると資金は少しばかり流出していた。この資金流出に伴う日経平均ラージ先物は200億円前後の売り越しと計算できる。この2つのファンドの売り越し金額を合計すると、日経平均ラージ先物は2700億円の売り越しになる。この合計金額が野村証券による日経平均ラージ先物の売越金額全体とちょうど一致するのは、単なる偶然である。

7月第3週に日本株を最も大きく売り越していた主体は個人であった。現先合計で7244億円の売り越し。うち現物現金で3449億円の売り越し。信用で1475億円の売り越し。先物で2321億円の売り越し。7月第1週、第2週の個人の売買を足し合わせると、スイングトレーダーを中心に現先合計で7961億円の買い越しであった。その大半が第3週に利食い売りとなった。大量の金融資産を保有する高年齢富裕者層も売り越しであったはずである。株価が上がると、個人はどうしても売り越しになってしまう。

自己は359億円の売り越し。うち現物で1249億円の買い越し。先物で1688億円の売り越し。この大半は現物買い、先物売りの裁定売買である。7月第2週以前の6週間に自己は現先合計で9500億円の買い越しであった。内外の機関投資家による取引所外取引、OTCデリバの買いに対して自己が売り向かい、取引所でヘッジ買いを入れていたのである。7月第3週はそうした取引が少ないか、売買がほぼ均衡した週となった。この場合でも自己は、CB、ワラントの転換売り、発行市場での購入分の売りなどが存在するので、現先合計では小幅な売り越しが平常である。平常な週にようやく戻ったと言える。

7月第3週を合計すると、「海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」という株価上昇時に発生する典型的なパターンであった。株価が上がると、どうしても個人を中心とする国内が売り越しになるというヒステリシスは全く是正されていない。一つの仮説として、7月第3週に国内が買い越しであったと考えてみよう。この場合には、海外は買い越しではなく、売り越しにならざるをえなくなる。その時の日経平均株価は週間871円高ではなく、それを大幅に上回る値幅の急上昇となっていたはずなのである。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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7月第3週に国内が買い越しであったと考えてみよう。この場合には、海外は買い越しではなく、売り越しにならざるをえなくなる。その時の日経平均株価は週間871円高ではなく、それを大幅に上回る値幅の急上昇となっていたはずなのである。

この部分がよく理解出来ないのですが、外人が売り越しで国内が買い越しの状況で、大幅高になる可能性があるのでしょうか?

市場に売りがなければ、株価は上に飛ぶ

単純化のために、次のように仮定してみます。7月第3週に、国内の売りがゼロで、買いが1000億円、そしてその1000億円の買いはすべてが成り行きの買い注文であったと仮定します。自己は複雑になるので、売りも買いもゼロと仮定します。海外も買い越しなら売りはゼロ、売り越しなら買いはゼロと仮定します。

7月第3週は、海外が中国やギリシャの情勢が予想ほどに悪化せず、日本株が下がるという予想がはずれ、反対に上がるに違いないと考え方をかえて、日本株に買いを入れてきたわけです。この時、国内の売りがゼロで、成り行きの買いが1000億円だけ入っているのです。海外は、少なくとも株価が20651円以下であるならば、日本株を買い越したいと考えていたことは間違いありません。海外が日本株に買いを入れても、注文は国内の1000億円の成り行き買いだけです。売りがゼロなので、株価は買い気配が続くでしょう。海外は20651円までは買い越すつもりであったので、株価は20651円の買い気配までは上昇します。そこでも国内の売りはなく、成り行き買いが1000億円あるだけです。海外は株価が20651円以下であれば、1.1兆円の株を買い越す予定だったのです。しかし、1株も買うことが出来ずに株価が20651円にまで上昇してしまったので、買い越し金額を減らします。それでも売り物がないので、株価は22000円、23000円と買い気配値がどんどん上がります。海外はいくらなんでも上がりすぎと考えて買い注文を引っ込めます。そして売り注文に変わります。海外の売り注文が少しづつ増えて、24000円で1000億円の売り越しまで膨らんだ場合、そこで始めて株価24000円、前週末比4220円高、売買代金1000億円という取引が成立します。

その後はどうなるかわからないにしても、国内投資家が売り越すことはなく、株価が下落した局面と同様に買い越しを維持していれば、海外は日本株を買えなくなり、海外が日本株を売り越すような大幅高にまで、一時的には株価は大きく上昇します。上記の話は非常に単純化したケースを例にあげました。実際に発生することはもっと複雑です。

それでも実際の複雑な相場の世界でも似たような現象は発生します。つまり、国内が買い越しを維持し続ければ、海外の大幅買い越しが売り越しに変わるまで株価が急上昇することまでは間違いありません。上記では24000円まで上がるという例をあげました。実際には、どこまで上がるのかは誰にもわかりません。21000円かもしれないし、27000円かもしれません。しかし確実なことは、株価は最低でも20651円であり、20651円からさらに上に飛ぶ可能性は、非常に高いと言うことはできます。

No title

お返事ありがとうございます。
売りがなければ、株価は上に飛ぶというのはよく理解できるのですが、
3週目に20651円まで上がったのは、海外勢が1兆1040億円買い越しだったからではないのでしょうか?
「少なくとも株価が20651円以下であるならば、日本株を買い越したいと考えていたことは間違いありません」とありますが、海外勢が20651円以下で売りこしにならない理由がよく分かりませんでした。

変てことな言を聞いてたらすみません。もう少し考えてみます。

国内の1.1兆円売り越しは大問題

繰り返しますが、7月第3週は、海外が中国やギリシャの情勢が予想ほどに悪化せず、日本株が下がるという予想がはずれ、反対に上がるに違いないと考え方を180度変えて、日本株に買いを入れてきたわけです。中国やギリシャの情勢が予想ほどに悪化しないことを前提とすれば、日本株は少なくとも20651円までは買えると思って買い上がったのです。その際、国内が1.1兆円の売りを出したため、海外は1.1兆円の買い越しになりました。国内が、仮に1000億円の成り行き買いだけであったと仮定したならば、売り物がなく、海外は全く株を買うことが出来ず、株価は最低で20651円、おそらくこの株価を大きく上回ってぶち上がっていたことは間違いないと思います。

国内が1.1兆円を売り越す理由はもっと深刻です。「株式市場のヒステリシス」の続編である下記の記事を参考にしてください。
http://stockbondcurrency.blog.fc2.com/blog-entry-188.html
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