2015年6月第4週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20150702

週足株価201506-4Wブログ用


6月第4週の日経平均株価は前週末比532円高の20706円で引けた。

6月第4週に日本株を最も大きく買い越していた主体は海外であった。現先合計で6426億円の買い越し。うち現物で1457億円の買い越し。先物で4969億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1489億円の買い越し。先物手口では、ドイツ900億円、メリル700億円といった買いが目立つ。日経ミニ先物で2223億円の買い越し。ここまで大きな買いに相当する先物手口は見えない。先週も説明したとおり、ABNクリアの売買と思われる。海外による日経ミニ先物の売買は、6月第2週と第3週の合計で2561億円の売り越し、第4週で2233億円の買い越しであり、3週合計で338億円の売り越し。第2週、第3週と大幅に売り越し、第4週に大半を買い戻している。その反対売買の多くをABNクリアの東京支店(自己)が取引所で実施し、そのポジションをOTCデリバを使ってカバーした。一部は取引所に出されて、結果として個人が反対売買をすることになった。3週間分を合計すれば、その取引の大部分は解消され、海外の顧客、ABNクリア東京支店はともにフラットに近いポジションに戻っている。推測にすぎないが、多分これと同じか、これに近い取引が実際にあった可能性が高い。海外はTOPIXラージ先物で1175億円の買い越し。外資系では、ニューエッジ600億円、HSBC600億円の買いが見られる。全体として先物の買い主体としては、ヘッジファンドを中心とする投機家たちが、ギリシャ情勢などを見ながら、短期売買を繰り返していた割合が高かったと思われる。

信託は現先合計で465億円の買い越し。先物を合計すると2000万円だけの買い越しになるので、現物だけで465億円の買い越し。自社株買いの中で、信託方式による大口買いの発表はなかった。クジラが少し買った可能性が高い。

事法は現先合計で191億円の売り越し。現物だけで206億円の売り越し。買い金額、売り金額の両方が減少しているので、第4週に自社株買いはごく少額しか入らなかった。

投信現物は154億円の売り越し。野村総研によると、6月第4週の国内株式型の投信は170億円の資金純流出になっている。この週の日銀によるETF買いは740億円。後で書くように、この買いの大部分は、投信ではなく自己で入った可能性が高い。

投信先物は2481億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で2536億円の売り越し。この週の野村証券による日経平均ラージ先物は1500億円の売り越し。これは、何度も書いてきた野村アセットの私募投信の売りである。昨年11月から売り始め、踏み上げと買い戻しを強いられ続けてきた。それと同じ私募投信が、再び売りで勝負してきた可能性が高い。多分、この私募投信は2500億円前後のショートを実施したのだと思う。野村証券には自己裁定や銀行、信託、海外などその他もろもろからの買いが入るため、1000億円の買いが見えないだけである可能性が高い。

個人は現先合計で4664億円の売り越し。うち現物現金で3350億円の売り越し。信用で381億円の売り越し。先物で933億円の売り越し。株価が上昇すると、どうしても個人は全面的な売り越しになってしまう。

自己は808億円の買い越し。うち現物で2682億円の買い越し。先物で1874億円の売り越し。日経平均ラージ先物で384億円の買い越し。日経平均ミニ先物で1255億円の売り越し。これは海外のところで説明したABNクリアによる自己の売りである。TOPIX先物で915億円の売り越し。この大半は、三菱UFJモルガンによるTOPIX先物売り・現物買いの裁定売買である。裁定だけなら現先合計でゼロになる。それが808億円の買い越しになっている。加えて、ABNクリアの自己が1255億円前後の日経平均ミニ先物売り・OTCデリバの買いを実施している。この取引を除くと、自己は現先合計で2100億円の買い越しになる。うち730億円は日銀ETFの買いであろう。残り1300億円はABNクリアと正反対の買いであろう。海外によるOTCでの買いに売り向かった自己が、取引所を通じてカバー買いを入れたと思われる。

合計すると、6月第4週は、「海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」という過去24年間の株価上昇時にたびたび発生したパターンとほとんど同じパターンであった。ただ、投信の売りが解約に伴う売りではなく、私募投信による投機的な先物売りであるという点が以前とは大きく異なっていた。


6月月間


投資部門別コメント月次201506


6月月間の日経平均株価は前月末比143円高の20706円で引けた。

6月月間では、「自己5308億円の買い越し、事法2770億円の買い越しvs海外9633億円の売り越し」であった。この自己の買い越しの内容を推測することにする。ここから先は非常にわかりにくい。飛ばして、最終段落の結論部分だけを読んでいただいてもかまわない。

現時点で、日銀ETFは自己と投信の両方の部門を通じて売買されていると考えている。6月の4週間合計の日銀ETF買いは3691億円であった。この大半は自己に、一部が投信に計上されていると推測している。現物だけを見ると自己は1403億円、投信は1192億円の売り越しである。投信は私募投信がかなり売り越していたようであるので、日銀ETFの買いが少しは入った可能性はあるが、大量に入ったとは考えづらい。一方、自己は取引所で日銀ETF向けに最大で3691億円を買い越し、海外投資家から買い取った3691億円前後の現物株を取引所で売り越していた可能性が高いと考える。3691億円の買い越しの部分は日銀ETF組成のために取引所外取引で売り渡された。3691億円の売り越しの部分は海外投資家から自己が取引所外取引でその現物株を買い取っていたのである。

かなり無理のある説明のように見える。それでも、私募投信の大量解約を仮定するよりも、海外投資家による取引所外取引での最大で3691億円の売りを仮定する方が、現実妥当性が高いと思われるからだ。

こうした推測をするもう一つの理由は、この推測が正しいとした場合、SQ時に謎のバスケット買いを入れた正体がわかるからだ。6月第2週のSQは、大規模な裁定解消売りが出たにもかかわらず、謎の主体が大量のバスケット買いを入れたためSQ値は高くなったと6月第2週のコメントに書いた。SQ時の謎のバスケット買いの正体は、自己の買いであったのである。4月第2週の自己は2438億円の現物を売り越しており、自己の大量の現物バスケット買いが見えなかった。その理由は、SQ時には自己が大量のバスケット買いを入れた一方で、3691億円近くの自己の現物売りが、SQ時以外の6月第2週に分散して出ていたからである。その第2週での分散された自己の売りも、他の自己の複雑な売買と重なり合って見えにくくなっていた。1ヶ月分を合計し、さらに想像力を働かせてみると、ようやく見えるようになったと考える。この推測が正しい保証はない。しかし、このように考えれば、SQ時の謎も含めて自己の複雑なオペレーションが説明可能になる。

海外は上記のような取引所外取引やOTCデリバを使って売買をしている。最大3691億円もの自己の現物売りは、取引所外取引での海外による売り、自己の買いがあり、取引所内取引では自己の売りだけしか記録されていない。加えて、それとは全く別個に入った自己の買いに相殺されて、その記録さえも外からは全く見えないと推測しているわけである。しかし、6月の月間を合計すると、海外による現物の取引所外取引やOTCデリバでの売買は、売り越しではなく、買い越しであった可能性が高い。その買い越しの多くが上場先物での自己の買いと計上されている。

上記のような自己の複雑なオペレーション内容を推測して整理すると、本当の売買は次のような売買であった可能性が高い。「日銀ETF買い3691億円、事法の自社株買い2629億円vs海外の売り9633億円-アルファ」。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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