2015年6月第3週 株 コメント

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投資部門別コメント週次2015025

週足株価201506-3Wブログ用


6月第3週の日経平均株価は前週末比233円安の20174円で引けた。

6月第3週に日本株を最も大きく買い越していた主体は、個人であった。現先合計で1965億円の買い越し。うち現物現金で92億円の買い越し。信用で1255億円の買い越し。先物で618億円の買い越し。現物現金の買い越し金額が第2週の534億円から大きく減少した。巨額の金融資産を保有する高年齢富裕者層は、売り越しであった可能性が高い。買いの中心はスイングトレーダーであり、現物現金、信用、先物で大量の押し目買いを入れた。

投信現物は22億円の買い越し。野村総研によると、6月第3週の国内株式型の投信は688億円の資金純流入になっている。野村総研の統計に含まれていない私募投信が670億円前後売り越していることになる。なお、この週は、日銀ETFが1110億円の買い越しになっている。現時点では、日銀ETFは自己か投信を通じて買われていると考えているが、この週はどちらの部門が中心であったかよくわからない。日銀ETF買いの何割かが投信に含まれるとしたならば、私募投信の売りはもっと大きな金額であったことになる。

投信先物は1536億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1590億円の買い越し。この週の野村証券の日経平均ラージ先物は900億円の買い越し。裁定の現物買い越しが200億円あるので、これをすべて日経平均型とみなし、自己勘定で日経平均ラージ先物を200億円売っていると考えると、野村証券の顧客勘定の日経平均ラージ先物買い越し金額は1100億円となる。この場合、投信による日経平均ラージ先物1536億円の買い越しのうち、70%強が野村証券を通した買いということになる。具体的には、昨年11月から日経平均ラージ先物を大量に売り越してきた野村アセットの私募投信の買いが中心であり、同じ野村アセットの「日経平均レバレッジ・インデックス連動型ETF」の買いも一部含まれている。なお、昨年11月からの投信の日経平均ラージ先物の売り越し金額合計は1782億円。「日経平均レバレッジ・インデックス連動型ETF」が数百億円買い越しているはずなので、野村アセットの私募投信が建てたショートの残りは2000億円強である。

事法は795億円の買い越し。現物だけで744億円の買い越し。大部分は自社株買いである。

自社株買いの発表は、「アサヒビール、98億円、6月1日-6月23日、信託方式」といったような形で発表される。そのため、6月第3週に実施された自社株買いが、取引所における市場買付(事法部門での買い)か、信託方式の買付(信託部門での買い)かの区別を厳密に分けることは不可能である。ただ、自社株買いの発表をざっと見た限りでは、6月第3週においても、自社株買いの多くは事法部門で行われた可能性が高く、信託部門の買いは少なかったと推定できる。

信託は現先合計で531億円の売り越し。現物で692億円の売り越し。先物で161億円の買い越し。先週書いたように、6月第2週にはクジラの現物買いがSQ時に800億円ほど入っていた。そのクジラの買いは、早くもストップしてしまった。企業年金などのクジラ以外の投資家が継続的に売りを出す。

海外は、現先合計で5383億円の売り越し。うち現物で1847億円の売り越し。先物で3536億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で898億円の売り越し。この週の日経平均ラージ先物の手口を見ると、JPモルガンの1000億円の売り越しが目立つ。海外は日経平均ミニ先物で1499億円の売り越し。この週の日経平均ミニ先物の手口に、この売り越しに相当する売買は存在しない。一つのシナリオとして、次のような売買が考えられる。ABNクレアが、海外顧客か海外本社(=海外)から日経平均ミニ先物1200億円相当の売り注文を受け、そのうちの300億円を取引所の日経平均ミニ先物で売却。残りの900億円をABNクレアの東京支店(=自己)が取引所で買い取り、そのポジションをOTCデリバ(SGX先物などの日経平均ラージ、ミニ先物以外のデリバも含む)を使って売りのポジションを作ったというものである。真相はABNクレアにしかわからないが、ABNクレアは先物の売買が非常に多いので、上記のようなシナリオである可能性が一番高いと思う。海外はTOPIXラージ先物で1088億円の売り越し。TOPIXラージ先物の主な売り越し手口は、ゴールドマン800億円、JPモルガン500億円などがあげられる。この週の海外も、短期の投機が中心とも、長期の投資が中心とも、どちらか一方に決めつけることはできない。第2週と同様に、短期~中期で売買を行う海外投資家が、現物先物に大量の利食い売りを出したと考える。

自己は現先合計で1462億円の買い越し。うち現物で33億円の売り越し。先物で1495億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で41億円の売り越し。投信のところで、野村証券の自己が日経平均ラージ先物売り、現物買いを200億円実施と書いたように、自己の日経平均ラージ売り越しはこうした売買の中の一部である。自己は日経平均ミニ先物で882億円の買い越し。これは海外のところで書いたABNクレアによる900億円の買い越しが中心である。自己はTOPIXラージ先物で593億円の買い越し。野村のTOPIXラージ先物買い、現物売りの裁定売買が800億円見えるので、その一部である。裁定売買だけなら現物先物合計がゼロになる。自己の現物先物合計が1462億円の買い越しである理由は、ABNクレアが日経ミニ先物900億円買い、OTCデリバ900億円売りという売買を行っていると推定されるからである。残りは、日銀ETFの1110億円の買いの何割かが自己で入っている可能性がある。可能性があるとしか書けないのは、日銀ETFは現物買いであり、自己が大きく買い越している先物ではないからだ。ABNクレア以外にも、海外のOTCデリバの買いを引き受けて、自己が先物を買っている外資系証券(パリバの先物合計1000億円の買い越し?)が存在する可能性が高い。

合計すると、6月第3週は、「個人、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。下げ相場ではよくあるパターンである。海外が現物先物で利食い売りを大量に出してきた。それに買い向かったのは、スイングトレーダー中心の個人であった。そして、投信の買い越しの大半は、野村アセットの私募投信による先物の買い戻しであった。それ以外にも、日銀ETF、事法の自社株買いが現物で買い向かっていた。

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

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