2015年6月第2週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20150618

週足株価201506-2Wブログ用


6月第2週の日経平均株価は前週末比54円安の20407円で引けた。一方、TOPIXは前週末比16ポイント安の1651であり、実体は日経平均株価以上に下げ率は大きかったと言うべきであろう。

6月第2週に日本株を最も大きく買い越していた主体は、個人であった。現先合計で2980億円の買い越し。うち現物現金で534億円の買い越し。信用で1456億円の買い越し。先物で991億円の買い越し。売買頻度が少なく、ほとんど売り一辺倒であった高年齢富裕者層が買い越しに転じたかどうかは、現物現金の買い越し金額が534億円と比較的少なかったのでよくわからない。しかし、高年齢富裕者層の売り切りが減ったことまでは間違いない。それ以外のスイングトレーダーが現物現金、信用、先物で大量の押し目買いを入れた。

投信先物は2802億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で3013億円の買い越し。この週の野村証券の日経平均ラージ先物は1700億円の買い越し。裁定の現物買い越しが700億円あるので、これをすべて日経平均型とみなし、自己勘定で日経平均ラージ先物を700億円売っていると考えると、野村証券の顧客勘定の日経平均ラージ先物買い越し金額は2400億円となる。この場合、日経平均ラージ先物3013億円の買い越しの約80%が野村証券を通した買いということになる。具体的には、昨年11月から日経平均ラージ先物を大量に売り越してきた野村アセットの私募投信と、同じく野村アセットの「日経平均レバレッジ・インデックス連動型ETF」の両者の買いの合計である。

投信現物は260億円の売り越し。野村総研によると、6月第2週の国内株式型の投信は651億円の資金純流入になっている。この統計に含まれていない私募投信が900億円前後売り越していることになる。なお、この週は、日銀ETFが740億円の買い越しになっている。この日銀ETFも、投信中心ではなく、自己中心で買われた可能性が高い。

事法は1232億円の買い越し。現物だけで1199億円の買い越し。大部分は自社株買いである。

信託は現先合計で20億円の売り越し。現物で776億円の買い越し。先物で796億円の売り越し。直近に発表されている自社株買いのうち、信託方式の自社株買いは非常に少ない。信託による現物買い越し776億円のうち、自社株買いはわずかであり、大半はクジラ、すなわちGPIF中心の政府系の資金であったと考える。クジラは3月以降ほとんど動いていなかったが、少し前から動き出したようである。なお、信託は先物に796億円の売り越しがある。これは、クジラが6月第1週以前に800億円ほどの先物を買っており、その先物をSQで現物に振り替えた可能性が高い。

海外は、現先合計で8160億円の売り越し。うち現物で1727億円の売り越し。先物で6433億円の売り越し。うち日経平均ラージ先物で4220億円の売り越し。日経平均ミニ先物で1062億円の売り越し。TOPIXラージ先物で983億円の売り越し。先物の主な売り越し手口は、日経平均ラージ先物でJPモルガン5000億円。日経平均ミニ先物でメリル1000億円。TOPIXラージ先物でゴールドマン3000億円。この週は、短期~中期で売買を行う海外投資家が、先物中心に大量の利食い売りを出したと考える。

自己は現先合計で1247億円の買い越し。うち現物で2438億円の売り越し。先物で3685億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1261億円の買い越し。日経平均ミニ先物で311億円の買い越し。TOPIXラージ先物で1870億円の買い越し。この週の現物の裁定売買は、買いが4657億円、売りが8150億円。SQ前日の先物建玉から類推すると、TOPIX型では現物買い先物売りがソシエテ1000億円、現物売り先物買いが三菱UFJモルガン2000億円、SMBC日興2000億円程度は、ほぼ間違いなく入ったと思われる。日経平均型ははっきり見えないが、裁定売買の中でよくわからないものをすべて日経平均型と仮定すると、現物買い先物売りがドイツ1000億円、野村700億円、現物売り先物買いがクレディスイス2000億円、みずほ2000億円ほどあったことになる。裁定売買だけなら現物先物合計がゼロになる。自己の現物先物合計が1247億円の買い越しである理由は、いつもと同様に、日銀ETF740億円の買いと、海外のOTC絡みのカバー買いが原因であると推測する。

12日のSQは、裁定売買だけなら大幅な売り越しであった。ところがSQ値は前日比プラスであった。クジラの800億円のバスケット買いを考慮してもプラスになることは考えられない。海外のところで書いたように、JPモルガンはこの週に日経平均ラージ先物を5000億円売り越している。そのうち、SQ前日時点で保有していた日経平均ラージ先物6限月4000億円の買いをSQで売却している。4000億円もの先物売りがSQで出たならば、SQは大幅安になる。そのため、JPモルガンは、SQ時に日経平均ラージ先物6限月4000億円の買いを日経平均連動型の現物バスケットに振り替えているはずである。この場合、自己か海外かのどちらかに4000億円の現物買いが記録されることになる。しかし、この週の海外の現物は大幅な売り越しである。自己は裁定を除けば買い越しであるが、買い越しの中心は現物ではなく先物である。SQ時に現物バスケット買いが大量に入ったことは間違いないが、その主体が見えない。個人か事法が現物バスケット買いを入れることは考えられないからだ。SQ時の大量の現物バスケット買いは謎としか言いようがない。

合計すると、6月第2週は、「個人、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。下げ相場ではよくあるパターンである。ただ、海外の売り越しが8160億円と巨額であったわりには下げ幅は小さく、比較的堅調な週であったと言える。しかし、SQ時の大量のバスケット買いの謎は、解明できていない。


追記
SQ時の謎の大規模バスケット買いの正体はおそらく「自己」。
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後半の6月月間の部分で解説


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