2015年4月第5週 株 コメント

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投資部門別コメント週次20150430

週足株価201505-1Wブログ用


4月第5週の日経平均株価は前週末比488円安の19532円で引けた。下げたのは4月30日であり、1日だけで538円安であった。4月29日の夜に発表されたアメリカの実質GDP成長率が+0.2%と低かったことが、NYだけではなく東京でも嫌気されて雰囲気が悪くなり、日経平均株価の急落につながったと言われている。

この週の最大の買い手は投信であった。現先合計で1258億円の買い越し。

投信の現物は503億円の売り越し。日銀ETF730億円の買い越しを差し引くと1233億円の売り越し。野村総研によると、国内株式型の投信は4月第5週に472億円の資金純流入になっている。株価が急落した翌日の5月1日に442億円の純流入になっている。5月1日の純流入分は、5月7日以降に現物株の買い越しになる可能性が高い。4月第5週の現物売りは、私募投信の解約売りが中心であったと推測する。

投信の先物は1761億円の買い越し。うち日経平均ラージ先物で1801億円の買い越し。先物の買いを枚数に直すと9186枚の買い越し。4月第5週に野村証券は日経平均ラージ先物を8101枚買い越し。何度も書いてきたように、昨年11月以降、野村アセットの私募投信が日経平均ラージ先物を大量に売り越してきた。4月第5週の買いはその分の反対売買。4月第5週の終了時点においても、この私募投信には5507億円前後のショートポジションがまだ残っている。

個人は現先合計で901億円の買い越し。うち現物現金で492億円の売り越し。信用で1314億円の買い越し。買い越しはスイングトレーダーが中心であり、遠くない将来に売りが出てくることになる。3月第4週の日経平均株価は19286円、前週末比275円安で引けたが、この週の個人現金は438億円の買い越しであった。4月第5週に高年齢富裕者層の現物現金での買いが入らなかったのは心配である。

自己は現先総合で835億円の買い越し。自己のロングが積み上がりすぎである。海外によるOTCデリバのロングを受けた自己が取引所でヘッジ買いをしている可能性が一番高いと考える。

信託は現先合計で350億円の売り越し。現物だけで150億円の売り越し。クジラは3月以降、ほとんど買っていない。企業年金などのクジラ以外の投資家が継続的に売りを出す。この押し目で買いを入れないクジラが何を考えているのか、正直言ってわからない。

海外は現先合計で2640億円の買い越し。うち現物で574億円の売り越し。日経平均ラージ先物で1991億円の売り越し。海外は日経平均ラージ先物を4月第3週、第4週に合計1826億円買い越しているので、この分の反対売買であろう。売りの主体はおそらくヘッジファンドであり、4月30日にUBS、モルガン・スタンレーMUFG、バークレーズ、ドイツなどを通して集中的に売りを出し、この日の急落を招いたと推測する。

合計すると、投信、個人の買い越しvs海外の売り越しという、下げ相場でよく見られるパターンであった。ただ投信の買いが先物中心、個人の買いが信用中心であったことには不安が残る。


4月月間


投資部門別コメント月次201505

4月月間では、買い方が海外で2兆0942億円、売り方が個人1兆4839億円、信託4553億円であった。いずれも現物の売買が中心。上げ相場で見られる典型的なパターンであった。海外の月間2兆円以上の買い越しというのは、過去にも例の少ない記録的な高水準の買い越し金額であった。その割には月間の日経平均株価が246円しか上がらなかったのは寂しい。個人を中心に、国内勢の売り圧力が非常に強い月であったと言える。



政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29日の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。

ここまで来てしまった以上、完全に手遅れであり、問題の解決策はもはや存在しない。できること、可能なことは、損失のさらなる拡大をくい止めることだけである。そのためには、国内投資家が株を買い越すようになるまで金融緩和の強化を続けるしかない。2013年4月の異次元緩和は、あまりにも遅すぎであり、金額も少なすぎた。実施の翌週に、国内投資家が過去最高の金額の現物株を海外投資家に売り渡すという非常に大きなマイナス効果が現実のものになってしまった。2014年10月の第2弾の翌週も、国内投資家が海外投資家に現物先物合計で過去最高の金額を売り渡すという巨額のマイナス効果しかもたらさなかった。現在も効果がマイナスになりやすいという状態が続いている。金融緩和を大幅に強化すれば、巨額の残高が存在する国債という運用先を失った国内投資家は、高値でも株を買わざるをえなくなる。この場合、国内投資家に、安く海外投資家へと売り渡した株をバブルに匹敵する高値で買い戻すように誘導することになる。実にバカバカしいことだ。しかし、これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎたので仕方がない。

株価が2万円近辺にまで戻っても、国内投資家が基調として海外投資家に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。



詳細は以下の記事もご覧ください。
株式市場のヒステリシス
株価上昇が引き起こす対外純資産の大幅な減少
過去最高に膨らんだ海外投資家による日本株買い越し
金融緩和に過去最高の売り越しで立ち向かう日本の株式投資家
アベノミクスがもたらした株価上昇による100兆円の損失




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