2015年4月第4週 株 コメント

投資部門別売買状況 長期時系列表はこちら

投資部門別コメント週次20150430

週足株価201504-4Wブログ用


4月第4週の日経平均株価は前週末比367円高の20020円で引けた。終値が2万円台で引けたのは、2000年4月14日以来である。

この週の最大の買い手は、4週連続で海外であった。現先合計で8827億円の買い越し。うち現物が7080億円の買い越し。先物が1747億円の買い越し。4月30日に急落したことを考えると、ヘッジファンドなどの投機的な資金から、年金、投信、投資顧問を通じる長期性の資金まで、多様な投資家が日本株を買い越してきたと思われる。

自己は現先総合で507億円の買い越し。うち現物は1734億円の買い越し。先物は1226億円の売り越し。4月第4週の裁定売買は売り越しなので、現物買い・先物売りの純粋な裁定ではないが、裁定に類似した売買が1200億円強存在した。それに加えて現物を中心に500億円前後の買いがあり、このところ自己の買いが積み上がっている。海外によるOTCデリバのロングを受けた自己が取引所でヘッジ買いをしている可能性が一番高いと考える。

投信は現先合計で386億円の売り越し。うち現物は805億円の売り越し。日銀ETF730億円の買い越しを差し引くと1535億円の売り越し。野村総研によると、国内株式型の公募投信は4月第4週に467億円の資金純流出になっている。日本株の公募投信の解約に伴う売りが467億円近く出ていたことは間違いない。それに加えて私募投信、日銀以外のETFの解約に伴う売りが出ている模様。

証券は現先合計で422億円の売り越し。証券は、東証などに会員権を持っていない中小証券による売買。この大半は個人の売りである。

信託は現先合計で1292億円の売り越し。現物だけで987億円の売り越し。クジラは3月以降、ほとんど買っていない。企業年金などのクジラ以外の投資家が継続的に売りを出す。

個人は現先合計で6561億円の売り越し。うち現物現金で5284億円の売り越し。現物信用で725億円の売り越し。先物で551億円の売り越し。高年齢富裕者層は、過去24年以上の間、株価の上昇局面で現物株を売り越し続けてきた。加えて、最近参加したデートレーダー、スイングトレーダーも皆そろって売り越しの模様。アベノミクス相場が始まって以来、16兆円の現物株を売り越しているが、いくら株価が上昇しても株を売り越す金額は減っていない。

合計すると、海外の買い越しvs国内のほぼ総売り越しという、1991年以降の株価が大きく上昇する局面でよく見られる典型的なパターンであった。



政府・日銀の犯罪的な政策について

日本企業の株というものは、日本国民にとっての大変貴重な財産である。それに対して政府・日銀が過去にとってきた政策は、1989年12月29年の高値38,915円から2009年3月10日の安値7,054円まで、19年強の期間、最大で82%も日経平均株価を下落させたことである。そして、国内投資家に、株価はもう上がらないという非常に強い予想、期待、確信と、株価が戻れば売らなければならないという非常に強固な信念を抱かせてしまった。そして、1991年以降、結果として取引所という流通市場だけで92兆円、発行市場も含めた国際収支ベースでは114兆円もの日本の現物株を国内投資家が海外投資家に安値で売り渡すことになってしまった。これは犯罪的とも言えるレベルの政策である。アベノミクス相場が始まってからも、国内投資家は取引所という流通市場だけで20兆円の現物株を海外投資家に売り渡しており、犯罪的な政策は是正されていない。

ここまで来てしまった以上、完全に手遅れであり、問題の解決策はもはや存在しない。できること、可能なことは、損失のさらなる拡大をくい止めることだけである。そのためには、国内投資家が株を買い越すようになるまで金融緩和の強化を続けるしかない。2013年4月の異次元緩和は、あまりにも遅すぎであり、金額も少なすぎた。実施の翌週に、国内投資家が過去最高の金額の現物株を海外投資家に売り渡すという非常に大きなマイナス効果が現実のものになってしまった。2014年10月の第2弾の翌週も、国内投資家が海外投資家に現物先物合計で過去最高の金額を売り渡すという巨額のマイナス効果しかもたらさなかった。現在も効果がマイナスという状態が続いている。金融緩和を大幅に強化すれば、巨額の残高が存在する国債という運用先を失った国内投資家は、高値でも株を買わざるをえなくなる。この場合、国内投資家に、安く海外投資家へと売り渡した株をバブルに匹敵する高値で買い戻すように誘導することになる。実にバカバカしいことだ。しかし、これ以上海外投資家に株を売り渡せば、株価上昇と並行して増える損失がさらに拡大する。過去の政策があまりにも犯罪的すぎたので仕方がない。

株価が2万円にまで戻っても、国内投資家がまだ海外投資家に大量に株を売り渡し続けているという現状は異常である。過去における政府・日銀による犯罪的な政策を容認し、現在の異常な状態を異常と思わない人が多すぎることは、大問題である。




詳細は以下の記事もご覧ください。
株式市場のヒステリシス
株価上昇が引き起こす対外純資産の大幅な減少
過去最高に膨らんだ海外投資家による日本株買い越し
金融緩和に過去最高の売り越しで立ち向かう日本の株式投資家

人気ブログランキング

テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

コメントの投稿

非公開コメント

全記事表示リンク
目次のページを表示

株式関連 株 コメント一覧

  • 投資部門別 現物先物 時系列表

  • 投資部門別売買状況 時系列グラフ

  • 8月第2週 株 コメント

  • 8月第1週 株 コメント

  • 7月第4週 株 コメント

  • 7月第3週 株 コメント

  • 7月第2週 株 コメント

  • 7月第1週 株 コメント

  • 6月第4週 株 コメント

  • 6月第3週 株 コメント

  • 6月第2週 株 コメント

  • 6月第1週 株 コメント

  • 5月第5週 株 コメント

  • 5月第4週 株 コメント

  • 5月第3週 株 コメント

  • 5月第2週 株 コメント

  • 5月第1週 株 コメント

  • 4月第4週 株 コメント

  • 4月第3週 株 コメント

  • 2016年 年間 株 コメント

  • 投資部門別売買状況アノマリー

  • 日本株 株式分布状況調査

  • 日銀資金循環統計 株 長期グラフ

  • 日銀資金循環統計 株 コメント

  • 株式先物投資部門別売買状況

  • 大手証券 先物建玉推移 グラフ

  • 海外投資家の株式買い越し金額

  • 世界の株価 国別 長期推移

  • 世界の住宅用不動産価格

  • 長期の実質実質為替レート

  • 最新記事
    カテゴリ
    最新コメント
    Twitterを表示
    経済指標が意味するところを解説
    FC2カウンター
    最新トラックバック
    検索フォーム
    リンク
    ブロとも申請フォーム

    この人とブロともになる

    QRコード
    QR
    RSSリンクの表示
    Web Analytics