2014年10-12月期 日銀統計 株 コメント

日銀 資金循環統計に基づく株式売買と株式保有残高はこちら

資金循環統計コメント表201412


日銀の資金循環統計から、株式投資部門別売買・保有残高の直近分を取り上げ、重要な箇所に色をつけて示した。

薄赤色の部分が、企業年金を中心とする年金基金、すなわち私的年金と、公的年金、および両者の合計を示す。2014年は、年を通して私的年金は売り越し継続であったが、公的年金は買い越し継続であった。そして年金合計では、年を通して買い越し継続であった

公的年金の大半は、GPIFと国家公務員共済組合連合会、地方公務員共済組合連合会、日本私立学校振興・共済事業団の3共済である。GPIFは、その運用状況の報告資料から、昨年後半から株を本格的に買い始めたことがわかっている。従って、昨年前半の公的年金の買いの主役は、3共済であったということになる。

他に重要な箇所は水色で示した。これは、毎週、東証が発表する投資部門別売買状況の数字と、かなりの程度重なる。

2014年10-12月期において、買い方の中心は、公的年金1兆7281億円、海外1兆2460億円であり、売り方の中心は、個人(家計)2兆0025億円、自己(証券会社)9719億円であった。自己の売りの多くは、裁定解消に伴う現物株の売りである。

2014年の年間を通しても、買い方の中心は、公的年金3兆4696億円、海外1兆5680億円であり、売り方の中心は、個人3兆0506億円、私的年金(年金基金)1兆0936億円であった。


(注意点)
日銀の資金循環統計は、東証の投資部門別売買状況と大きく異なるので、その重要な相違点だけを説明する。

公的年金、私的年金の売買は、東証の投資部門別売買状況の中では信託銀行の中に含まれている。しかし、信託銀行の中には、年金だけではなく様々な機関投資家の売買分も含まれている。信託銀行の中の年金以外の売買は、2014年は買い越しであった。

東証と資金循環統計との最大の違いは、東証の売買の合計はゼロ(近辺)になるが、資金循環統計の売買の合計はゼロではなく、プラスになることである。東証の数字は、取引所内取引での売買だけである。一方、資金循環統計の数字は、取引所内取引の売買だけではなく、取引所外取引の売買や発行市場と売り出しでの買いも含まれているからだ。一方、企業の自社株の償却は、発行と正反対なので、本来全額をマイナスとして計上すべきである。しかし、日銀はその全体を把握できておらず、把握分だけを集計して計上している。発行と売り出しでの買いは全額計上、買い取った自社株の償却は一部計上となるので、合計するとプラスになる。

このように、発行市場と売り出しでの買いが含まれているので、水色の売買金額の多くは、東証の数字よりも大きい。その中で、東証の数字と完全に一致するのが投信(証券投資信託)である。投信は、発行市場と売り出しでは株を買わないからである。また、投信の一種である日銀ETFが株を買う場合は、証券会社が取引所で買った株が、その後に取引所外取引で証券会社から投信会社へと売却される。東証の数字は、取引所内取引だけの数字なので、東証は日銀ETF買いの金額を把握できていない。しかし、資金循環統計の投信と、東証の投信の数字は一致する。これは、証券会社が取引所で購入し、取引所外取引で投信会社に売却した分を、自己ではなく、投信の買いとして東証に報告しているからである。

                                   2015年3月24日更新



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テーマ : 経済
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