製造業の重要性(その1)

国家の経済成長の原動力となる産業=基幹産業である。

基幹産業は、周辺産業に寄生することなく、雇用を産み、税金を創出する産業。

日本の場合、第二次産業の大部分と、第一次産業と第三次産業の一部が含まれる。そして、日本の場合、第二次産業の多くは製造業であり、基幹産業でもある。

GDP統計より____実質GDPの推移とその主な内訳______
_________2001年_____2010年_______伸び率
実質GDP___476.5兆円___511.3兆円___+7.3%
製造業_______ 90.2兆円___108.6兆円__ +20.4%
電気機械_______8.7兆円_____26.9兆円__+209.1%
公共サービス業__ 23.1兆円_____27.5兆円__+19.0%
(公共サービス業は、医療、保険衛生、教育、研究等のサ-ビス業)

GDP統計より_就業者(雇用者+自営業者)数の推移とその主な内訳
________2001年______2010年_______伸び率
就業者数___6,489.9万人___6,391.5万人_ -1.5%
製造業____1,216.5万人___1,018.2万人_-16.3%
電気機械_____188.7万人____148.7万人_-21.2%
サービス業__ 1,925.2万人__ 1,962.3万人___+1.9%
(GDP統計には、公共サービス業の就業者数が無いので、公共サービス業に、民間の対事業所サービス、対個人サービスを加えたサービス業を示す)

従来の日本経済では、製造業が、雇用を減らしながらも、生産性を大幅に上昇させることによって、成長を遂げてきた。しかし、製造業の中でも、最も大幅な成長を遂げてきたてきた電気機械産業は、現在、急激な崩壊へと進む危機に瀕している。電気機械産業以外でも、伸び悩み、または衰退へと向かっている製造業は多い。

電気機械産業の中には、DRAM,薄型テレビ等の、価格が急落し、赤字ばかり産み出す、いわゆるコモディティ産業が含まれている。ハイテク・コモディティ産業の不振に対して、最初からそのような製品の製造に手を出すのが悪かったと言う人は多い。しかし、ハイテク・コモディティ産業は、従来、日本経済の成長率を大幅に引き上げる役割を果たしてきた。従って、政府が、ハイテク・コモディティ産業でも赤字にならない環境をつくり上げる政策こそが、日本の潜在成長率の低下を食い止めるために、必要な政策なのである。

一方、今後、急速に拡大することが確実な産業は、医療、保険衛生産業。これは、大部分が税金と保険料に依存する寄生産業である。その他の第三次産業は、基幹産業と寄生産業の中間的な性質を持つものが多い。

1930年代に、コーリン・クラークが提唱した国民所得を少し改造したGDPを見て経済成長を判断すると、大変な間違いをおかす。GDPの一部である基幹産業を成長させなければ、真の経済成長はありえない。

また、コーリン・クラークは、「経済社会・産業社会の発展につれて、第一次産業から第二次産業、第二次産業から第三次産業へと就業人口の比率および国民所得に占める比率の重点がシフトしていく」という「ペティ=クラークの法則」の提唱者の一人でもある。しかし、この法則は、ある程度の真実を捕らえているが、完全には正しくないということも、理解すべきである。

日本は、地下資源に恵まれていない。第一次産業の生産性向上は必要であるが、自然条件の制約により限界がある。また、アメリカが世界で圧倒的な優位を持つ高度なソフトウェア産業は、日本人には不向きであると思われる。

日本人に向いた基幹産業の代表は、製造業であろう。日本は、製造業を死守しながら、より高度化して、成長し続けていくことが必要である。


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ソフトウェア産業について

>ソフトウェア産業は、日本人には不向きである

何故、そのように思われるのですか?根拠を教えて下さい。
確かに、現状の日本のIT企業は問題が多すぎます。
多重請負のような土木産業の真似をしたような構造もあります。
しかし、日本人がソフトウェア産業に向いていないってことは無いと思います。
問題なのは、プログラミング能力を認めない産業構造でしょう。
つまり、「プログラミングなんて誰でも出来る」「コミュニケーション能力がプログラミング能力より重要」などといった間違った見解を持つ人間がIT産業に多く存在している点です。

No title

20年くらい前、日本の電機産業が世界を制していた頃でも、「日本はハードは強いがソフトは弱い国」と呼ばれていました。そのころから日本の電機産業をずっと観察していますが、日本企業がソフトに力を入れなかったという感じはしません。ソフトに力を入れたけれども成功しなかった、という風に感じています。日本で世界的にも有名で、かつ利益を上げたソフトウェア企業は、任天堂を中心とするゲーム産業くらいでしょう。スマホのゲーム企業には期待はしていますが、まだ世界を制したと言える段階ではないと思います。反対に、力を入れたけれども、失敗に終わったソフトウェアプロジェクトは、今まで多数存在していたと思います。日本企業にはiモードを作る能力はありながら、iPhoneのOSを作る能力はなかったのだと思います。こうしたソフトに関する成功、失敗の歴史を振り返り、日本人とアメリカ人を比らべたならば、ソフトに関してはアメリカ人の方が、より向いていると感じられます。
「向いていない」ということは、「日本企業の幹部が、社員のプログラミング能力を引き出す能力に乏しい」ということも含んでいるとお考えください。
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