雇用の流動化による生産性と成長率の劇的な低下

日本の雇用に、誤った方向への大移動が発生し、日本経済の成長率を大きく引き下げてきたことについては、今までに何度も書いてきた。12月25日に、2012年度の国民経済計算確報が発表され、2011年度の統計にあった不備が解消された。その新しい統計を使って、もう一度その内容を説明したいと思う。

「雇用の流動化を進め、生産性の上昇率の低い分野から生産性の上昇率の高い分野へ、成熟産業から成長産業へ雇用を移動させ、経済全体の成長をはかるべきだ。」という考え方が広まっている。しかし、この考え方は、現実の経済で何が起こっているかを全く理解していない誤った考え方である。こうした誤りを少しでも正すために、説明を繰り返すことにする。

国民経済計算では、全産業を、「産業」、「政府サービス生産者」、「対家計民間非営利サービス生産者」の3つに大分類し、その下に中分類で15分類、小分類で28分類に分けている。その中から主要な24業種を選択し、産業別実質GDPの1994年-2012年の推移のグラフを下記に示す。


実質GDP

実質GDPの上昇率がずば抜けて高いのは「製造業 電気機械」である。理由は、過去10数年間の技術革新が、ITを中心とする電機産業に集中していたからである。技術革新はあらゆる部門で存在するが、経済成長に大きな影響を与えるほどの大きな技術革新は、IT産業、電機産業部門に集中していた。いわゆるIT革命のハードの分野である。この分野は、実際の生産性の上昇と、製品の性能が飛躍的に向上し、製品の質的な上昇も、生産量の上昇に換算されて、実質GDPの上昇に貢献してきた。電機産業に大きく離れて2位となったのは、「情報通信業」である。この分野は、IT革命のソフト・サービス部門である。この分野がハードほど上昇していない理由は、ソフトという製品が持つ特別な性質のためである。ハードの場合、価格がゼロで売買される物は、ほとんど存在しない。ソフトの場合、フリー、すなわち無料であるものが多い。どんなに素晴らしいソフトを開発しても、フリーで配布すれば、GDPの増加金額はゼロである。フリーソフトは、消費者の利便性向上に非常に大きく貢献してきたが、所得を生まない限り、GDPの増加として認めるわけにはいかない。広告を掲載した場合、広告収入を手にすることができるが、広告収入の金額は、GDPを大きく動かすような金額にはならない。また、有料ソフトの場合、たえず性能の向上が続いているが、ハードと異なって、生産量の上昇に換算して計算するのも不可能である。IT革命のソフト部門は、ハードと両輪で経済の成長に大きく貢献してきたのは事実である。しかし、GDPを尺度にした場合、生産量の上昇に、ハードほど貢献することはできないのである。実際、日本の場合、情報通信産業の増加の多くを占めるのは、ソフトではなく、通信産業の増加分であり、携帯電話の通信料というサービスに属する部門の増加である。

次に、産業別就業者数の推移のグラフを下記に示す。


就業者数

全体の就業人口は減少しつつある。その中で比較的大きな増加率を示しているのは、「サービス業」と、「情報通信業」である。

次に、産業ごとの実質GDPを就業者数で割った、産業別一人当たり実質GDPの推移のグラフを示す。


労働生産性

産業別一人当たり実質GDPというのは、産業別の労働生産性と言い換えることができる。「製造業 電気機械」の生産性の上昇が、他を圧倒している。それ以外に上位に来ている産業も、製造業が多い。

上記のグラフにある1994年と2012年の数字から、労働生産性の上昇率を計算し、その期間の就業者数の増減数、2012年の就業者数を並べて比較する表を下記に示す。


集計表f

表に余裕があるので、産業の分類を24業種ではなく、大から小までの分類を30業種に分けて掲載した。

繰り返しになるが、電気機械の生産性の爆発的な上昇と、それを含む製造業の生産性の大幅な上昇が目立つ。一方、そうした爆発的な生産性上昇を示す電機を中心とする製造業は、就業者の数も大幅に減少している。その一部は、生産性の上昇率が比較的高い情報通信産業に流れているが、圧倒的に多くが流れて行く先はサービス業である。1994年-2012年の19年間に、製造業の就業者数は411.4万人減少し、全産業の就業者数は261.5万人減少している。しかし、サービス業は、就業者数は452万人も増えている。しかし、サービス業の生産性上昇率は、19年間にわずか2.1%でしかない。労働力調査などの他の統計から推測すると、サービス業の就業者数の増加分の多くは、医療・福祉産業であると考えられる。

過去19年間の労働市場で発生した大規模な変化は、生産性の上昇率が爆発的に上昇してきた電気機械を中心とする製造業から、生産性がほとんど上昇しないサービス業への雇用者の大移動である。日本は、生産性の上昇率が高い産業から、生産性のほとんど上昇しない産業へ、雇用を大規模に移動させてきたのである。その結果、経済全体の生産性、あるいは潜在成長率を大きく低下させてきたのである。政府は、この劇的な生産性上昇率の低下を食い止める努力をしなかった。経済成長戦略が繰り返し叫ばれたが、実際に行われた政策は、経済成長率低下の放置戦略でしかないものが多かった。

次に言えることは、電機を中心とする実質GDPが爆発的に伸びている成長産業から、実質GDPは増えているものの、その伸び率は電機産業などに大きく劣るサービス業へと労働者を大量に移動させてきたことである。「成熟産業から成長産業への雇用の移転が必要」と繰り返し叫ばれてきた。しかし、実際に起こってきたことは、爆発的な成長率を示した電機などの製造業から雇用者を追い出し、成長率が低いサービス業へと雇用者を大規模に移動させてきたのである。超少子高齢化社会を迎え、今後、医療・福祉などのサービス業が成長するのは確実である。問題は、その成長率である。医薬品産業では、画期的な新薬の登場が減少しつつある。しかも、その数少ない新薬の開発に莫大な費用がかかるようになった。バイオ・医薬品産業のイメージは、日進月歩の技術革新である。ところが、急激な技術革新はあっても、それが最終製品の完成にまで、ごく一部しか到達できていないのである。その結果、新薬が登場した場合、その価格が大幅に上昇するという現象が広まっている。iPS細胞を使った治療が広まる可能性は高いと思うが、その普及には10年単位の時間が必要であろう。また医療機械では、技術革新は進んでいるが、IT産業と違って市場が分断されているので、生産コストが高止まりしたままである。その結果、医療費の全体的なコストは上昇傾向にある。高齢者の増加と医療費自体の価格上昇により、医療・福祉産業は、今後も成長し続けることは間違いない。しかし、その成長率は、人口増加率プラスアルファにすぎない。電機産業は、1994年-2012年の19年間に、541%という爆発的な成長率を示した。このような爆発的な成長を、将来の医療・福祉産業に期待することは、100%不可能である。日本が行ってきたことは、爆発的に成長する電機産業などの製造業を成熟産業と決めつけて破壊し、低い成長率しか期待できないサービス業を成長産業と位置付け、その振興をはかってきた。これは日本経済の衰退加速化政策である。

そしてより重要なことは、電機を中心とする製造業は、税金創出産業であり、医療・福祉などのサービス業は、税金消費産業であるということである。税金創出産業が次々と崩壊し、雇用者が税金消費産業へとどんどん移動していく。その結果、日本政府の歳出は増えるが、歳入は増えず、財政赤字が慢性的に拡大する結果となってしまった。高齢化の進展により医療・福祉産業を成長させれば良いと考えている人は多いが、それは不可能なのである。医療・福祉産業というのは、税金消費産業であり、寄生産業である。他に大きな税金創出産業があって初めて成立する産業なのである。アフリカなどの貧困国には、無限の医療・福祉に対するニーズが存在するが、そのニーズに答えることができない。それは、アフリカなどの貧困国の税金創出産業が非常に弱いからである。日本が進んでいる道は、このアフリカなどの貧困国への道であるのだ。

諸悪の根源は、雇用の大規模な流動が、望ましい方向と正反対に発生し続けてきたことである。現在、雇用の流動性を高め、生産性の上昇率の低い産業から高い産業へ、成熟産業から成長産業へと移動させることは、日本経済の重要な成長戦略だと言われている。冗談もいい加減にしてもらいたい。日本の雇用は、過去においてすでに、大規模な流動化が発生してきたのである。問題はその流動化が、生産性の上昇率の高い産業から低い産業へ、爆発的な成長産業から緩やかな成長産業へと、望ましい方向と正反対に発生し、日本経済の衰退と没落に大きく貢献してきたことである。その認識を持たずに、「雇用の流動化は経済成長率の上昇につながる」という誤った神話を信じる人が多すぎる。経済の自由化が経済問題の解決に役立つ局面はいくつもあることは認める。しかし、雇用の誤った方向への移動という問題を、自由化によって解決することは不可能なのである。

岩盤規制の撤廃という目標を掲げて、雇用を流動化させることは、良い悪いの問題以前に、意味のない政策である。現在、早急に必要とされる政策は、すでに流動化している雇用の誤った移動の方向を、正反対に逆転させることである。生産性の上昇率が低い産業から生産性の高い産業へ、緩やかな成長が確実な産業から爆発的な成長が期待される産業へ、税金消費産業から税金創造産業へ雇用を移動させることである。この場合、サービス業が超人手不足になるのは見えている。サービス業の効率化、生産性の上昇を、困難ではあるが、強力に推進する必要性も同時に存在する。

安倍政権の成長戦略には、電機を中心とする製造業を立て直す政策があまり存在しない。産業振興策は、農業や医療などの産業を重点的に取り扱っている。農業や医療の振興策は必要であるが、それだけでは、日本経済は復活することができない。爆発的な生産性の上昇率と成長率を持つ電機を中心とする製造業を復活させなければ、日本経済の再生はありえない。製造業の中でも、特に電機産業は、成長産業であっても、比較優位と、規模の経済が失われてしまったものが多い。低賃金のアジア諸国との競争に勝つことは困難な部門が存在するのは事実である。その結果、「電機を中心とする製造業の成長あきらめ派」がいつの間にか多数派になってしまった。

何度も繰り返し主張してきたことだが、日本の電機を中心とする製造業の崩壊の半分は、運命としてあきらめるしかないが、半分は政府の政策の失敗が原因であり、避けることができたし、避けなければならなかったものであるのだ。日本周辺のアジア諸国は、大規模な自国通貨安誘導政策を実施し続けてきた。その結果として生じる超円高・アジア通貨安の結果、日本の電機を中心とする製造業はボロボロになってしまった(*1)(*2)。日本政府が、超円高・アジア通貨安を放置し続けなければ、すでに崩壊してしまった製造業の半分くらいは、崩壊を避けられたはずである。あきらめるしかない分野は、競争相手が、低賃金の中国である最終製品の組み立てや労働集約型部品製造の何割かである。一方、競争相手が韓国、台湾である産業は、長年にわたる超円高、韓国ウォン、台湾ドル安誘導政策がなければ、その大半が敗北することはなかったのである。従って、依然として続く円高、韓国ウォン、台湾ドル安を、完全に是正することにより再生が可能な分野が存在している。その例として、半導体等電子部品の何割かがあげられる。現在、日本の国内の半導体等電子部品産業は、過去の超円高で大打撃を受け、回復不能の状態に陥っている企業もある。超円高により一度破壊された半導体等電子部品産業を、円高是正だけで完全に再生させることはできない。それでもあきらめてはいけない。しかし、日本周辺のアジア諸国の大規模な自国通貨安誘導政策という為替操作を認識していない多くの人たちは、日本の製造業は、低賃金のアジア諸国との競争に勝つことはできないと決めつけ、「電機を中心とする製造業の成長あきらめ派」の立場をとる人が増えている。低賃金の原因として、大規模な為替操作の存在があることが見えていないため、このように考えるしかないのである。そして、今後は、製造業から、将来の成長が期待できる医療や福祉などのサービス業の成長に力を入れるべきであると主張する。しかし、この戦略は、先に述べた通り、税金創造産業を潰し、税金消費産業だけの成長を目指すわけであるから、日本経済破壊戦略であるのだ。

昨年の11月から超円高の是正が行われたことは評価できる。しかし、その先の成長戦略が存在しない。長く続いた超円高でボロボロになってしまった電機を中心とする製造業を再生させることは、困難であるが、不可能ではない。私が今までに提案してきた政策は、超円安誘導(*3)、半導体産業への大規模支援(*4)、ロボット技術の海外流出の禁止(*5)などである。電機を中心とする製造業を見捨ててはいけない。必ず立ち直らせなければならない。生産性の上昇率が低い産業から生産性の上昇率の高い産業へ、緩やかな成長が確実な産業から爆発的な成長が期待される産業へ、税金消費産業から税金創造産業へ雇用を移動させるようにしなければならない。現在必要な政策は、雇用の誤った流動化の方向を逆転化させるという政策である。この困難な問題を解決できたならば、その後、初めて、雇用の流動化自体が意味のある政策になりうるのである。


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アメリカQE1、QE2、QE3の効果

アメリカのFRBは、2013年12月18日のFOMCで、量的緩和第3弾(QE3)の縮小を決定した。月額850億ドルの証券購入額を100億ドル減らし、750億ドルまで縮小するという内容であった。ちょうどQE3が開始された2012年の9月に、アメリカのQE1、QE2の効果について書いたことがある(*1)。今回は、QE1、QE2と比較しながら、QE3がもたらしたいくつかの異なる効果について述べたいと思う。昨年9月にも使用したグラフを更新し、加えて、いくつかの別のデータとあわせて説明することにする。

まずは、QEという政策の核心部分である、FRBのバランスシートと資産内訳の推移のグラフを下記に示す。


FRBの資産内容

以前、説明した通り、QE1は、必ずしもバランスシートの拡大を伴わなかった。しかし、QE2、QE3においては、バランスシートの明確な拡大を見いだすことができる。

次に、マネーストックM2の推移のグラフを下記に示す。


マネーストックの推移

QEの期間、マネーストックの増加率が増えたのは、QE2の期間だけであり、QE1、QE3の期間は増えていない。QE否定論者の中には、マネーストックの伸び率が低いことを根拠にして、QEに効果がないと批判する人がいる。しかし、このような批判者は、QEという政策を、古いマネタリズムの教義の枠内でしか理解することのできない人たちである。QEは、マネーストックと無関係ではないが、直接的な関係は薄いことを理解しなければならない。

次に、中長期国債の金利の推移のグラフを下記に示す。


中長期金利の推移

QEの間、中長期の金利はやや上昇している。QE3の期間では、2013年5月からの金利上昇が目立つ。これは、5月の始め頃に、FRBが、将来、QE縮小を開始するであろうとの予想が現れ始めたからである。その少し後の5月22日に、バーナンキ議長が、QE縮小を初めて示唆している。QEが金利を引き下げる効果があるとは言えないが、金利を引き上げる効果があるとも言い切れない。QEと金利の関係は複雑、としか言えないのが現状だと思う。

次に、代表的な資産価格である株価と住宅価格の推移のグラフを下記に示す。


株価と住宅価格の推移

QEが、株価と住宅価格という資産価格を引き上げる効果があったことを、見いだすことができる。QE2では、住宅価格の下落を止めることに失敗している。それを除けば、QEが、資産価格の下落を食い止めたり、上昇に向かわせたりする効果は大きかったと断言できると思う。

次に、為替レートの推移のグラフを下記に示す。


為替レートの推移

以前の記事(*1)では、QE1、QE2がドル安を引き起こし、その結果、対外純輸出は増加したと書いた。しかし、QE3では、ドル安は発生していない。一方、日本では、QE3開始から2ヶ月ほど遅れて、アベノミクスによる量的緩和強化の予想から、円安という大きな効果が発生している。

次に、消費者物価上昇率(CPI)の推移のグラフを下記に示す。


消費者物価上昇率の推移

CPIの引き上げ効果は、QE1、QE2では、商品価格の高騰の影響を通じ、ある程度、存在した。しかし、QE3においては、バーナンキ議長も認めている通り、CPI引き上げの効果は現れていない。

次に、失業率の推移のグラフを下記に示す。


失業率の推移

アメリカでは、多くの国と異なり、FRBが物価の安定だけではなく、雇用の最大化も目指さなければならないという法的義務を課されている。実際、バーナンキ議長も、雇用の拡大のためにQEを続けるという決意を何度も述べている。QEは、失業率の上昇阻止、低下に、貢献してきたとものと思われる。

ところが、現在のアメリカでは、失業率の低下が、必ずしも雇用の最大化につながっていない。 就業率の推移を示すグラフを下記に示す。


就業率の推移

アメリカでは、グラフの赤茶色で示した年齢16歳以上の就業率か、あるいは分子を就業者ではなく、労働力人口にした労働参加率を見ることが多い。これは、アメリカには、雇用における年齢差別禁止法という法律が存在するためである。しかし、アメリカ社会も、日本ほどではないが、高齢化が進行しており、高齢者の就業率は大きく低下する。従って、グローバルスタンダードである生産年齢人口(16歳-64歳)の就業率をOECDのサイトから引用した数字が、グラフの濃紺色の線である。

このグラフを見ると、生産年齢人口の就業率上昇は、非常に鈍い。これは、多くの失業者が職探しを諦めてしまっているからである。ただ、アメリカでは、雇用の絶対数は、日本よりもはるかに速いスピードで増えている。問題は、雇用の増加率が、人口の増加率を、直近においても、ごくわずかしか上回っていないことである。この問題は、バーナンキ議長を悩ませてきた問題であり、次期イエレン議長も、しばらくは悩まなければならない問題となり続けるであろう。

次に、鉱工業生産指数の推移のグラフを下記に示す。


鉱工業生産の推移

経済の体温を適切に表す指標を1つだけ上げるとすれば、日本では、鉱工業生産となるであろう。アメリカでは雇用統計の方が重視されるが、鉱工業生産も、重要統計であることに変わりはない。鉱工業生産は、11月に住宅バブル崩壊前のピークを上回り、過去最高を記録した。この回復にも、QEは貢献したものと考えられる。

次に、新設住宅着工件数の推移のグラフを下記に示す。


住宅着工件数の推移

先に示した住宅価格と同様に、回復はしているものの、水準は低い。しかし、住宅価格にしろ、住宅着工件数にしろ、水準が低いことが問題と考えるべきではない。将来、まだいくらでも伸びる伸びしろがあると考えるべきであろう。日本と異なり、アメリカは人口が増え続けているのである。住宅価格、住宅着工件数は今後も上昇し続け、近い将来においても、アメリカ経済の力強い回復の牽引力となり続ける可能性が高い。

次に、すべての指標を総合した実質GDPの推移のグラフを下記に示す。


実質GDPの推移

QE1の実質GDPの引き上げ効果は、明確に見いだすことができる。しかし、QE2、QE3では、表面上は、それほど明確な実質GDPの引き上げ効果を見いだすことはできないと思われる。

以上、アメリカの主要な経済指標を見てきた。その中で、QE3の効果は、どのように評価できるであろうか。目立った効果は、株価と住宅価格の上昇である。それ以外で、鉱工業生産なども回復しているが、QEが行われていない時期にも伸びている。従って、QE3の効果が大であるとは断言できない。

それでは、QE3は、資産価格の上昇以外に効果がなかったのであろうか。悪い言い方をすれば、資産バブルを引き起こす効果しかなかったのであろうか。その答えは明らかにNOである。財政赤字の推移を示すグラフを下記に示す。


財政赤字の推移

単月の財政赤字は、変動が非常に大きいので、過去12ヶ月、つまり1年間の財政赤字額を合計してグラフ化した。QE3が始まって以降、財政赤字は急速に縮小しつつある。

アメリカでは、議会のねじれの影響で、「決められない政治」が続いているとも言われる。しかし、議会全体で一致している点は、財政赤字の削減である。ただ、削減のための手段が異なっていた。オバマ大統領と民主党は、主として高額所得者に対する増税の実施を柱にしていた。一方、下院を支配する野党共和党は、社会保障費の削減を柱にしていた。この両者の激突で、2012年の終わり頃、アメリカ経済は財政の崖から突き落とされるかもしれない、という予想が広がっていた。両者の妥協が成立しなかった場合、年間5000億ドル前後の強制的な財政赤字削減策が実施され、その結果、アメリカ経済は、再び景気後退に突入するかもしれない、という心配であった。民主、共和がギリギリで妥協案を成立させ、財政の崖を回避できた、というのが常識的な理解だと思う。

しかし、両者の妥協の結果、いくつもの財政赤字削減策が実施に移され、実際に、財政赤字は大きく減少したのであった。QE3の直前の2012年8月末から2013年11月末までの15ヶ月間の財政赤字削減額は、6100億ドルにものぼる。年率にすると、4900億ドルである。この金額は、財政の崖による年間の財政赤字削減額に近い金額である。対GDP比で2.9%、日本に当てはめれば、1年間で国家の財政赤字額を14兆円前後削減したのである。アメリカ経済は、財政の崖を回避したのではなかった。与野党間の妥協により、大規模な財政赤字削減策が次々と実施され、財政の崖からころげ落ちるのと大して変わらない不況圧力を、アメリカ経済は受けていたのである。

にもかかわらず、アメリカ経済は崖から落ちることはなかった。その理由は、QE3が、アメリカ経済の景気回復力を、強力に下支えしていたからである。QE3という景気刺激策がもたらした税の自然増収と、増税、歳出削減による財政赤字削減額が、年率で4900億ドルにも達し、景気回復と財政赤字の大幅な削減という結果につながったのである。

経済の成長、財政再建の2つの問題を同時に解決することは非常に難しい。アメリカでは、QE3という大規模な量的緩和策と、議会における財政赤字削減策の実施により、その2つを同時に解決することに成功しつつある。これこそが、QE3の最大の成果と言うべきである。ただ漫然とアメリカの景気指標を眺めるだけでは、QE3の効果を見いだすことはできない。QE3は、見えにくいところで、大変大きな効果を発揮していたのである。大規模な財政赤字削減という不況促進策が実施されていなければ、QE3によるアメリカ経済の刺激策の効果は、統計上に、もっと分かりやすい数値の形で現実化していたはずであるのだ。

日本は、このアメリカのQE3の成果から、今まで以上に学ばなければならない。日本では財政赤字削減を強く主張する政党がなく、バブル崩壊後、財政赤字は傾向としては拡大する一方であった。日本でも、財政再建を強く主張するエコノミスト、経済学者は存在する。しかし、その多くは構造改革派であり、量的緩和を、無意味、あるいは有害と考える人が多数派だと思う。増税、歳出削減、いくつかの構造改革も必要であろう。しかし、本当に財政再建を成功させるためには、大規模な量的緩和策が前提として行われることが、必要最低限の条件であるのだ。


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アメリカの量的緩和政策(*1)






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量的緩和の出口戦略 増税、増税、増税 !

量的緩和政策に対する批判はいくつもあるが、その中で、過去1年間、一貫して行われている批判がある。それは、量的緩和の出口戦略についてである。たとえ予定通り2%のインフレが実現できたとしても、その後の出口戦略の段階で、日銀は大変な苦労をするだろう、あるいは、出口戦略時に日本経済は無茶苦茶になるであろう、といった批判である。出口戦略破綻派とでもいう考え方である。

日銀の黒田総裁は、従来、出口戦略を語るのは速すぎる、と具体的な出口戦略を語るのを避けてきた。ところが、11月22日、衆議院財務金融委員会で初めて出口戦略について語った。

「具体的な手段については保有国債の償還や、各種の資金吸収オペレーション、付利である補完当座預金制度の適用金利の引き上げなどが考えられる」

上記の発言は、通説的見解である。しかし、問題点をいくつも含む政策でもある。反リフレ派はその問題点を誇張して宣伝する。その一つに、2%を超えたインフレが発生すると、インフレの進行が止まらなくなる、という根拠のない主張をするのである。しかし、実際には、2000年以降の最近の例を見ると、スイス、香港、台湾などの中央銀行が、バランスシート、マネタリーベースを急激に拡大させたことがあるが、2%を大幅に上回るインフレは発生していないのである(*1)。ハイパーインフレが発生した例としては、ジンバブエがあるが、金融政策以前に、経済の供給サイドの崩壊という大元の原因が存在していた。

量的緩和の結果、高率のインフレが発生する可能性は非常に低い。しかし、高率のインフレが、絶対に発生しないわけではないので、その場合のことも頭に入れて、金融政策を実施しなければならない。

例えば、2%のインフレを達成した後、インフレ率が、2%から翌年に2.1%、翌々年に2.2%くらいの速度で進行するのであれば、保有国債の償還という、2006年に採られた、緩やかな引き締め政策だけで十分である。しかし、インフレ率が、2%から翌年に3%、翌々年に4%くらいの速度で進行するのであれば、もう少し厳しい金融引き締め策が必要になる。その場合、超過準備(補完当座預金制度)に対する付利の引き上げか、資金吸収オペか必要、というのが通説的見解である。付利の引き上げは、日銀から銀行へ利息分を与えるわけであるから、日銀にとっては損失となる。資金吸収オペは、国債の売現先、国債の売却(短期国債、CP、社債の売却なども含む)の2通りの手段がある。売現先の効果は、付利の引き上げと似た効果を持つ。国債の売却の場合は、日銀に国債売却損という実現損が発生する。付利の大幅な引き上げや国債の大量売却を実施した場合、日銀の決算は赤字になるであろう。赤字決算が続けば、いずれ債務超過になる。日銀の場合、債務超過になっても、倒産することはない。

2%のインフレが発生し、その後もグングンとインフレ率が上昇したため、日銀が、付利の大幅な引き上げと国債の大量売却という金融引き締め政策を行ったと仮定する。その結果、ある程度の時間が経った後、インフレ率が2%程度まで低下したならば、日銀は付利を大きく引き下げ、国債の売却を停止することができる。この場合、かなり長期の間、日銀は通貨発行益(シニョレッジ)を獲得することができず、日銀の国庫納付金がゼロの期間が長く続く。日銀の国庫納付金のゼロが続く場合、従来ならば獲得できた国庫納付金による収入分を、政府は、増税をするなどして、別の財源を探す必要が出てくる。このため、反リフレ派は、この部分を取り上げて、量的緩和の出口戦略を実行する局面に入ると、国民の負担が増えると主張する。私は、その主張は、正しくないと思う。付利の引き上げや国債の売却の際、日銀が、銀行や国債の投資家に対して、一種の補助金を与えたわけであるから、それに等しいだけ、国民の誰かが、増税などの形で、負担しなければならない。負担だけが発生するのではなく、利益も発生するのであるから、差し引きはゼロである。

ただし、この政策には別の問題点がある。問題点の第一は、出口戦略の際、ネットの負担はゼロだとは言え、受益と負担の主体が異なるため、所得分配を歪める効果は避けられないことである。第二は、出口戦略の際、金融引き締めを行うわけであるが、その際、補助金を銀行や国債の投資家に与えているので、金融引き締め、財政支出の拡大を同時に行っていることになり、金融引き締めの効果が弱くなることである。このような欠点があるので、私は、付利の大幅な引き上げや国債の大量売却という政策は、非常に筋の悪い政策であると考える。

加えて、出口戦略の実行時に、日銀が債務超過にでも陥ったら、経済的な影響を横に置いたとしても、政治的には日銀の債務超過に対する責任の声が高まり、日銀総裁が政治的に袋叩きにあうことは目に見えている。債務超過の前に、日銀の決算が赤字になっただけでも、政治的に大きな非難を受けるであろう。黒田総裁も、日銀の債務超過は言うまでもなく、民間企業の純利益に相当する日銀の剰余金を赤字にまでして、インフレを引き起こし、そして食い止める覚悟はできていないようである。

黒田総裁をはじめとする日銀執行部は、通説的な出口戦略しか持ち合わせていない。従って、今後、量的緩和を強化した場合、インフレが進行し、場合によっては、日銀の決算が赤字となり、その後、債務超過となるリスクを負いたくないようである。だから、金融緩和の強化が必要な時にも、金融緩和の強化を実施することができないのであろう。これは、黒田総裁の白川総裁化現象である。

日銀が通説的な出口戦略しか持ち合わせていない場合、将来の債務超過を覚悟してまでも、現在、必要な金融緩和の強化を実施する覚悟のある総裁や審議委員は、ほとんどいないと思う。中央銀行の債務超過の経済的影響については、長くなるので別の機会にしたいと思う。その前に、根本的に間違っているのは、黒田総裁が国会で述べた、通説的な出口戦略の方なのである。

インフレを抑制するためには、通常は、金融引き締めという政策が採られることが多い。しかし、金融引き締めが、唯一のインフレ抑制策ではない。他にも政策が存在する。それは、財政政策である。財政政策によるインフレ抑制政策が最も大きな効果を発揮したのは、1949年のドッジ・ラインという政策である。

ドッジ・ラインの中心は、超均衡財政の実現である。超均衡財政と呼ぶ理由は、財政赤字を無くし、均衡財政に戻しただけではなく、債務償還も含めて財政を均衡化させたからである。たった1年間で、財政を、大幅な赤字から大幅な黒字に転換させたのである。第二次世界大戦後に発生したハイパーインフレは、ドッジ・ラインの少し前から鎮静化の兆しを見せていたのであるが、超均衡財政により、一挙にデフレへと転換したのであった。この時、金融政策は、量的には、現代用語で言うところのテーパリングの状態にあった。一方、金利については、超均衡財政の開始からしばらくして、発生しつつあるデフレ不況を食い止めるために、いくつかの規制金利の引き下げを行っていた。ハイパーインフレは、金融引き締めではなく、超均衡財政の実現によって、終結したのであった。しかし、この直後、日本経済は深刻な不況に陥り、1950年に朝鮮戦争が勃発していなければ、戦後の日本経済は、異なった歩みをとげていたであろう。

財政政策を利用したインフレ抑制という政策は、現在でもなお、有効である。終戦直後と同様に、現在の日本政府も、毎年、巨額の財政赤字を出している。2%を超えるインフレが発生した場合、金融引き締め政策を発動すべきではない。財政赤字の削減の方が、インフレ対策として重要である。1949年の時のような「超均衡財政」は、ハイパーインフレが発生していない状況では、採用すべきではない。しかし、漸進的に財政赤字を削減していくことは可能であり、同時にそのようにすべきである。

私の考え方は、(*2)で詳しく述べた通りであるが、もう一度別の角度から説明することにする。量的緩和の出口戦略の柱は、増税にすべきである。通説的な付利の引き上げや国債売却は、先に述べた通り、いくつかの問題点があるので、採用すべきではない。

まず、2%を超えるインフレと名目GDPの上昇が発生している場合、経済に何が起きているかを説明する。GDPから減価償却費などを差し引いた国民所得は、賃金、利潤、利子の3部門に分解できる。日本の国民経済計算では、賃金を主体とした雇用者報酬、利子を主体とした財産所得、企業の利潤を主体としたとした企業所得の3部門に分かれている。インフレが発生し、名目GDPが上昇した場合、賃金、利潤、利子のどれかが必ず増加する。出口戦略の前に、インフレ率が2%を超えて上昇し、名目GDPも上昇した場合、必ず賃金、利潤、利子のいずれかか、あるいはその全てが増えるのである。長期で見た場合、インフレ率が上昇して、同時に名目GDPが上昇した場合、インフレ率と一番連動して増えるのは、賃金である。日本の消費者物価と賃金の上昇率を表すグラフを下記に示す。


消費者物価と賃金

完全とは言えないが、大体は連動している。ただし、バブル以前は、実質GDP成長率が高かったため、賃金マイナス消費者物価上昇率である実質賃金の上昇率が高かったが、最近では実質GDP成長率の低下を反映して、実質賃金はほとんど上がらなくなっている。もう一つ、何度も使ったことがあるが、労働分配率の推移のグラフを下記に示す。

労働分配率

国民経済計算ベースでの労働分配率は、雇用者報酬/国民所得の数字である。最新の数字が2011年と古いので、それに類似した法人企業統計ベースでの労働分配率をも示した。2012度の時点において、労働分配率は高くも低くもなく、ほぼ適正水準であった。しかし、昨年11月14日に、当時の野田総理が衆議院解散を表明して以降、円安が進行し、今年の6月以降、デフレからインフレへの転換が実現している。円安とインフレ進行の結果、雇用者報酬が増えない中、企業所得が増えているので、足元では、労働分配率は低下しているはずである。

現在では、主として輸入品価格の上昇によりインフレが発生し、一方、賃金は上昇していない。従って、実質賃金の上昇率はマイナスである。しかし、この状態は一時的なものである。景気回復とインフレ率の上昇が続く場合には、雇用者報酬もラグをおいて必ず上昇するはずである(*3)。現在のインフレは、円安を原因とする輸入インフレである。しかし、輸入インフレは、円安の進行が止まれば、鎮静化する。

将来、インフレ率が2%を超えて上昇する場合、その時には、輸入インフレから賃金インフレへと転換している可能性が高い。そのインフレを、金融引き締めで抑え込むのが、普通の政策である。私は、所得税の増税により、インフレを抑え込むのが一番望ましいと考える。仮に、企業が労働者に分配することなく、利潤だけが増加し、その結果、インフレが進行した場合には、法人税を引き上げればよいのである。インフレ率が上昇し、その結果、名目GDPが上昇する場合、日本国内で誰かの所得が上昇しているはずなのである。インフレ率が2%を超えてグングン上昇し、同時に名目GDPも上昇する場合、所得が増えた主体、すなわち賃金に対して、場合によっては企業の利潤に対して、税金を引き上げればよいのである。

そしてまた(*2)において、増税が不動産バブルの抑制にも有効であることを示した。前回のバブルの時は、バブルが崩壊し始めた後の1992年に地価税が導入された。タイミングとしては、あまりにも遅すぎであり、最悪であった。次回は、不動産バブルが始まったと認識できれば、すみやかに不動産に対する課税を強化すればよい。なお、株については、増税の余地はあるが、小さいので、ある程度のバブルとその崩壊を覚悟する必要がある。

通常は、増税と経済成長はトレードオフの関係にあり、双方を追求することは、非常に困難である。しかし、これからの日本で、インフレ率と名目GDPの双方が上昇し始めた場合、インフレ率の上昇で利益を獲得する人たちに対する税金を増やし、インフレを抑え込み、同時に財政再建にも貢献することが可能となる。1990年以降、インフレ率の上昇が発生したことはある。しかし、そのインフレは、名目GDPの成長を伴わないインフレであった。今回、2%超のインフレが発生し、なおかつそれ以上に名目GDPが上昇すれば、財政再建を実施するチャンスの到来になる。

2%を超えるインフレが発生した場合、そのインフレの進行を止めるのは、日銀の役割ではなく、政府の役割にしなければならない。2%を超えるインフレが発生した場合、あるいは資産バブルが発生し始めた場合、政府が、インフレやバブルで利益を獲得する人たちに増税をすると宣言し、その準備をすべきなのである。出口戦略を日銀に任せてはならない。出口戦略の時期こそが、増税が不況をもたらさない数少ない機会であるからだ。インフレ率が中長期で見て3%を超えて進行した場合は、日銀ではなく、政府がインフレ抑制の責任を負うと宣言すべきである。そうすれば、日銀は異次元金融緩和とは何次元も異なる金融緩和を追加して実施することが可能になる。ただ、増税の場合、増税法案を作成し、国会で成立するまで時間がかかり、金融政策のような機動性がないという欠点がある。従って、インフレ率の上限を厳密に3%とすべきではない。上限の3%は中長期的な目標にとどめ、一時的にインフレ率が5%くらいまで上昇するのは、容認すべきである。

政府債務の残高が1100兆円を超えているが、政府債務の削減の展望は、ほとんど描かれていない。財政再建のためには、ハイパーインフレが不可欠であると言う人もいるし、消費税の税率を30%にまで引き上げなければならないと主張する人もいる。どちらの政策を採用しても、実質GDPという日本経済の成長率を大きく引き下げることを避けることはできない。加えて、最初に指摘したように、2%のインフレ率が実現した後、その後もグングンとインフレ率が上昇してくれれば、増税という財政再建策を発動することが可能になる。しかし、実際には、2%のインフレ率が達成できても、その後もグングンとインフレ率が上昇する可能性は低い。加えて、すでに決定済みの消費税増税も存在する。可能性としては、財政再建が可能なほどには、インフレ率が上昇してくれない可能性が非常に高い。出口戦略破綻派が期待する、際限のないインフレの発生が実現してくれればよいのであるが、実現してくれない可能性が非常に高いのである。

そうした事態を避けるためには、もっと踏み込んだ、攻めの財政再建策が必要である。まず、日銀は、2%のインフレ目標を取り下げるべきである。代わりに、ハイパーインフレの発生も可能なくらい、猛烈に国債などの資産を買いまくるべきである。そして政府は、インフレやバブルを無理して押さえつけるために、大規模な増税を繰り返すのである。日銀はアクセルを踏みまくり、政府はブレーキをかけまくるのである。日銀による無制限の金融緩和と政府による無制限の増税のポリシーミックスの実施である。このポリシーミックスにより、結果として、中長期的なインフレ率を、2-3%の範囲に誘導することができたならば、財政再建を、最小限の痛みで実現することが可能になる政策となる。こうした政策は、口で言うのはやさしいが、実際に実行に移した場合、計画通りに行かない様々な問題点が噴出するに違いない。その場合でも、そのコストは、ハイパーインフレや消費税率を30%まで引き上げる時のコストよりは、小さなものになるはずである。

2%を超えるインフレが発生したならば、付利の引き上げ、国債の売却、というのが、出口戦略の通説的な見解である。そんな筋の悪い政策を実施して財政再建のチャンスを逃すのは、あまりにも、もったいなさすぎる。終戦直後のハイパーインフレを封じ込めたドッジの政策を思いだそう。正しい出口戦略は、増税以外にありえない。「量的緩和の出口戦略は、増税、増税、増税 !」でなければならない。


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対中貿易赤字の拡大と必要な成長戦略

日本の貿易収支の赤字が定着しつつある。(*1)で対アメリカ、対EUとの貿易収支は時間と共に改善していく可能性が高いが、対アジアとの貿易収支は時間だけでは解決せず、超円高・アジア通貨安の是正が必要であることを説明した。ところが、超円高の是正がなされても貿易収支の赤字を解消できそうもない国が存在する。それは、中国である。日本の対中貿易赤字は、このところ急激に拡大している。まず、日本の中国に対する輸出入の推移のグラフを下記に示す。

日本の対中貿易 全体

2011年3月頃から、対中貿易赤字が急速に拡大している。日本が東日本大震災に襲われた時期と一致するが、震災との関係はほとんどないと考える。なお、上記のグラフは、対香港との輸出、輸入の数字が含まれていない。従来は、香港をも加えた収支を見ると、日本と中国の貿易収支は日本側が黒字基調であった。しかし、最近では、香港を加えた収支で見ても、日本側が赤字基調になっている。

次に日中貿易を商品別に見た場合、どの商品で赤字が拡大したかを見ることにする。特に大きく悪化したのは、電気機械である。電気機械の対中輸出、輸入の推移のグラフを下記に示す。


電気機械の対中貿易

2010年の半ば頃から、電気機械の収支が急激に悪化している。その中でも特に目立った動きをした通信機器の対中輸出、輸入の推移のグラフを下記に示す。

通信機器の対中貿易

2008年頃から赤字が拡大し始め、直近は赤字額が急増している。中身の大半はスマホである。ガラケーからスマホに変わるにつれて、生産地が日本国内から中国へと大移動し、大幅な赤字を記録するようになった。

次に、半導体等電子部品の対中輸出、輸入の推移のグラフを下記に示す。


半導体等電子部品の対中貿易

ここはまだ黒字であるが、最近、急速に輸入が増え、黒字幅が縮小しつつある。私は、スマホの赤字以上に、半導体等電子部品の黒字縮小の方が問題が大きいと考えている。台湾や韓国のスマホメーカーも、スマホの生産地は、中国やベトナムなどの低賃金国家へと急速に移しつつある。しかし、半導体等電子部品の輸出が増えているため、全体の貿易収支は悪化していない。日本の場合、スマホ本体だけではなく、その部品を生産する多くの工場もまた、アジア諸国に移転しつつある。日本の電子部品産業には、完成品のスマホとは異なり、依然として競争力を維持している企業は多い。しかし、その生産地は、急速に日本国内からアジア諸国へと移転しつつある。その結果、スマホは、ごく一部の部品を除いて、大半が非日本製となり、貿易赤字の急拡大につながっている。

こうした日本の対中貿易収支が悪化した大元には、中国の極端な自国通貨安誘導政策、すなわち為替操作があった。人民元の対円での為替レートが、長期でどのように推移したかを表すグラフを下記に示す。


人民元の為替レート

中国は、1979年-1994年の15年間に、人民元の対円レートを91%下落させた。この超人民元安誘導政策こそが、中国の労働者の外貨建て賃金を大幅に低下させ、中国を世界の工場へと成長させた最大の原因である。

一方、経済成長とともに、中国では、賃金や物価の上昇も続いている。購買力平価で見た人民元の日本円に対する割安度合いの推移のグラフを下記に示す。


人民元の購買力平価

1980年-1994年まで、対円での購買力平価で見た人民元の価値は大幅に低下した。しかし、その後は、中国国内の賃金や物価の上昇、人民元レートの切り上げとともに、対円での購買力平価で見た人民元の価値は上昇しつつある。2013年のIMFの推計では、対円での購買力平価で見た人民元の価値は、37%割安であった。ただ、中国は、日本よりまだ貧しい国なので、対円での購買力平価で見た人民元の価値が、安くなるのは当然である(バラッサ=サミュエルソン効果(*2の後半を参照))。日本の半導体や液晶産業が崩壊寸前になっているのは、韓国と台湾の為替操作の結果である。そうした超円高・韓国ウォン、台湾ドル安を容認してきた財務省、日銀に大きな責任がある。しかし、スマホの場合、主な競争相手は中国である。中国の1979年-1994年の15年間における為替操作の規模は、極端に大きなものであったが、現時点での為替操作の規模は、それほど大きいとは言えない。従って、過去はともかく、現在の財務省、日銀に大きな責任あるとは言い切れない。半導体や液晶とは異なり、現時点で、為替操作がなかったとしても、スマホの生産は、日本から中国へと移っていったであろう。韓国や台湾と異なり、日本と中国との賃金格差は、為替操作の影響よりも、経済の発展段階の差から生じる影響の方がはるかに大きい。この点は、先進国として、ある程度は、運命として受け入れざるをえないのである。

このように、日本が対中国での貿易収支を短期に回復させることは、非常に困難である。しかし、中国との価格競争には勝てないというのは、運命的なものであるからといって、日本政府が何の対策も打たない現在の政策は誤りである。日本に残る競争力のある産業が、最近になって、急速に空洞化しつつある。この空洞化を防ぐために、日本は強力な規制という政策を導入することが必要である。

日本では、中国の不動産バブルの崩壊により、中国経済が危機に陥るという見方をする人が多い。一方、中国の側では、今後も経済成長が続くという強気の見方が多い。その理由として、ガーシェンクロンの後発性の利益を今後も享受することができる、という考え方があげられる。ガーシェンクロンの後発性の利益というのは、先進国よりも、後進国の方が、成長が容易である、という考え方である。例えば、先進国が、全く新しい技術を開発することは、容易なことではない。一方、後進国は、先進国から新技術を導入することは、より簡単であるからだ。中国は、鄧小平が改革、開放政策を進め、同時に人民元の通貨価値を極端に安く誘導して以降、そうした後発性の利益を、最大限に享受し続けてきた。後発性の利益を享受し続ける政策を継続すれば、今後も経済成長は可能という考え方があるようだ。多くの先進国は、世界最大の人口を有する中国市場に潜在的な魅力があると考え、その市場支配のために、中国に積極的に工場や技術を移転させてきた。中国の側も、国家主導で、巧みに先進国から技術を導入することに成功してきた。中国のエコノミストの一部は、今後も引き続き、後発性の利益を享受し続けることが可能であると考えているようだ。この点については、次に述べるように、日本政府が現在の政策を変更しないという条件を付けるならば、私も完全に同意できるのである。

日本から中国へ多くの技術が流出し、多くの日本製の製品は、中国製の工業製品に対する競争力を失ってしまった。しかし、依然としてまだ日本が優位にある製品が存在する。現在の市場規模が大きい製品としては、自動車があげられる。しかし、将来の市場規模を考慮に入れた場合、日本にとってより重要な製品は、製品の製造装置の方である。スマホの場合、製品と部品の双方の工場と技術が流出してしまい、その結果、日本国内のスマホの製造業が崩壊してしまった。しかし、スマホを作る製造装置の分野では、日本はまだ競争力を維持している。具体的には、工作機械、ロボットの分野である。特に重要なロボットについて述べたいと思う。

民生用のロボットは、衰退した日本の製造業の中で、依然として世界一の競争力を持つ数少ない製品である。しかし、日本製のロボットの生産金額は、2012年時点において、年間5300億円である。ロボット産業は、現時点では、日本経済の成長を左右するほどの大きな市場規模ではない。しかし、数十年という長期で見た場合、その市場規模は10倍、100倍にまで拡大する可能性を秘めている数少ない製品である。数十年後の数十兆円規模のロボット生産工場を、すべて日本国内で独占できるのならば、一番望ましい。ロボットの生産工場を日本国内に残すことができるか、できないかで、将来の日本人の生活水準は大きく変わってくる。将来、数十兆円の市場規模に膨れ上がるロボットだけは、何としても、生産工場を日本国内に残すような政策を、政府は実施しなければならない。ところが、ここ1~2年ほどの間に、将来のロボット生産国が、日本ではなく、中国になる可能性が、急激に高まっているのである。

以前から、ロボットの生産が、中国で行われる例は、多少は存在した。例えば、ファナックは、上海に中国企業との合弁工場を持っている。しかし、その生産品目は、本体以外の周辺システムとなっている。他の日本のロボットメーカーも、少数の例外はあるとしても、大部分は、ロボット本体を日本国内で生産し、輸出してきた。しかし、この状況が、最近、急激に変わろうとしている。

その先頭が、安川電機である。2011年12月に、ロボットの中国生産を開始し、2015年には年間6000台の生産を行うと発表した。2012年9月に尖閣諸島の国有化問題が発生し、チャイナ・プラス・ワンが叫ばれ、今後の日本の直接投資の多くは、中国以外のアジア諸国で行われるようになるという雰囲気ができてきた。ところが、2012年12月、川重が中国でのロボット生産を発表した。翌2013年1月になると、不二越が中国でのロボット生産を開始し、2015年に年間3000台生産することを発表した。6月に安川電機が2015年のロボット生産台数を年間6000台から1万2000台へと引き上げることを発表した。7月には、川重が、2020年に年間1万台のロボットの中国生産を行うことを発表した。11月の新聞記事によると、川重が年間1万台の中国生産を2020年から2017年に前倒しすることが掲載されていた。その他に、セイコーエプソンやヤマハ発動機が中国でロボット生産を開始している。これだけの生産規模でも、中国では過剰生産になる可能性があるらしい。以上は、私が気が付いただけの情報である。それ以外にも、日本から中国へロボット生産工場が移転しつつある案件はあるかもしれないし、移転の計画をしている案件はもっと多いと思う。

現在の環境下で、ロボットの生産が全面的に中国に移転することはあり得ない。旧ココム、現在はワッセナー・アレンジメントで、中国などの共産圏諸国への軍事技術の移転が禁止されているからである。1987年に、東芝機械のココム違反事件で、東芝機械の旧ソ連への工作機械輸出が、親会社の東芝をも巻き込んで、アメリカから非常に激しく非難されたことがあった。その結果、武器生産に使用される可能性があるロボットは、現在でも、中国で生産することだけではなく、輸出さえすることができない。しかし、日本の法律での規制は、それだけであり、純粋な民生用のロボットについては、以前から中国に輸出されてきたし、工場移転も可能である。

日本企業が続々とロボットの中国生産を始める理由は、中国の人件費上昇である。そのため、鴻海精密などの大規模組み立て工場に、続々とロボットが導入されるようになっているからである。スマホで言えば、製品の製造移転が完了し、部品の製造移転が大規模に進行し、最後の製造装置の製造の移転、すなわち、スマホ丸ごとの中国移転の最終段階が始まりつつあるのである。次に、その特需を獲得するために、ヨーロッパ最大のロボットメーカーであるスイスのアセア・ブラウン・ボベリ(ABB)社が中国でロボット生産を始めたからである。ヨーロッパの企業が中国へロボットを輸出するには、生産コストだけではなく、輸送費、輸送期間などの点で、日本企業に対して大変不利である。ABBが中国で日本企業に打ち勝つためには、中国でのロボット生産しか手段がなかったのであろう。すると、ABBに対抗するために、安川電機が、中国生産に乗り出すことになった。そして、他の日本のロボットメーカーが、安川電機の後を続々と追い始めているのである。

これは、ガーシェンクロンが考えていた以上に、中国が容易に獲得できる後発性の利益である。市場原理に任せていれば、規制がある武器製造に移転が可能なロボットを除いて、最終的には大半の日本のロボット生産工場が中国に移転してしまう可能性がある。

私は、中国のロボット市場の一部を、ABBや他の欧州メーカーに渡してでも、日本のロボットメーカーの中国生産を、今後、全面禁止にすべきだと考える。そもそも、中国では、直接投資の規制が非常に厳しい。中国に有利なロボットなどの工場建設なら、様々な特典付きで工場建設を大歓迎して迎え入れてくれる。しかし、中国に不要になった日本企業の工場建設には許可を出さない。富士重工が中国に自動車工場を建設しようとしても、中国政府は許可を出さない。そして、自動車の場合、中国生産企業の外資比率は、最大で50%までという厳しい規制がある。

一方、韓国や台湾の場合、先端技術を使う工場の中国移転には、政府の許可が必要である。特に、台湾は、言語も文化も共通だが、賃金だけは低い中国に対して、工場移転を自由にさせておけば、台湾の半導体、液晶などのハイテク製品の生産工場が、すべて低賃金の中国に移転してしまう恐れがあった。従って、台湾政府は、鴻海精密のような労働集約型の工場の中国移転は許可したが、半導体、液晶、電子部品などの工場で、先端的な技術を使う工場は、厳格な規制をかけて、中国への工場移転を禁止してきた。この規制は、中国とのECFA(=FTA)が締結されても変わらない。その結果、台湾の対中貿易収支は現在でも大幅な黒字を維持している。アメリカも同様である。アメリカのロボット技術は大半が軍関連である。アフガニスタンなどでは、ロボット兵器が大活躍しているが、そうした技術は、中国だけではなく、日本にも流出することはありえない。以前、インテルが先端的なMPUの工場を中国に建設することを計画したが、アメリカ政府が介入して旧世代の製品の生産工場しか許可を与えなかった。

このように、技術が中国に移転するのを政府が規制している国はたくさんある。日本だけが、規制が緩すぎるのである。日本の製造業は、超円高による高賃金が原因で劣化し、技術が続々とアジア諸国に流出してしまった。しかし、まだ、優秀な技術を有する製造業が存在する。従来の製造業、その中にはロボットのような将来性のある産業も存在するのである。そうした産業の海外流出を食い止め、将来の成長産業の柱とするような発想が、日本国内にほとんど存在しないのが大問題である。製造業=過去の産業、サービス産業=将来の産業という、とてつもなく
誤った考え方が蔓延しているのは、非常に残念である。

ガーシェンクロンの理論の通りに、今後も中国が高度経済成長を続けるか、あるいは不動産バブルの崩壊で経済が大打撃を受けるか、予想を的中させる能力は、私にはない。ただ、中国には、ガーシェンクロンの理論に基づいて、依然としてロボットなどの先端技術を日本から引き出すことができると想定し、その結果、今後も高度経済成長が持続可能であるという、日本にはほとんど存在しない意見が存在するのである。尖閣諸島などの問題で、どれほど政治的、軍事的に中国と日本が対立しようとも、ロボットなどの先端技術を持つ日本企業の中国進出だけは、常に中国政府は大歓迎するのである。

自由化や自由貿易が日本の経済成長に必要なケースは確かに存在する。しかし、それだけでは日本経済の将来は暗い。ロボットなどの数少ない優良かつ将来性のある産業は、アメリカの軍事産業並みに大幅に規制を強化して、戦略的に技術を囲い込まなければならない。民生用ロボットの製造技術は、直接的には武器の生産に使われなくとも、武器製造に応用可能な技術が多い。日本の高度な民生用ロボットの製造技術は、中国だけではなく、世界の多くの国の政府や武器製造企業が、その技術を盗み取ろうと努力を続けている。日本には、経済的だけではなく、軍事的にも重要な技術の海外移転を防止しようとする感覚が、不足していると言わざるをえない。将来の戦争は、ロボット対ロボットの戦争になるであろう。そこまでいかなくても、日本企業がスマホ製造用に中国で製造したロボットの製造技術が、中国企業に流出し、中国で武器製造用に転用される可能性はいくらでも存在するのである。民生用のロボット産業は、広い意味での武器製造業の基礎となる産業でもある。アメリカは、軍用ロボットの製造技術を囲い込み、中国どころか、日本に対しても流出させることはない。

1986年、富士通がフェアチャイルドというアメリカの半導体製造企業を、半分はフランス企業とも言えるシュルンベルジェ社から買収しようとした。しかし、アメリカは安全保障を理由にして、富士通による買収に許可を与えなかった。当時のフランスは、NATOの軍事機構から脱退しており、フランスは、アメリカと政治同盟を結んでいたが、軍事同盟を結んでいなかった。一方、日本は日米安保条約を締結する完全な軍事同盟国である。アメリカ政府は、相当乱暴な論理を使って、アメリカの半導体技術の日本への流出を阻止したのである。アメリカという国は、基本的には自由な経済活動が保障されている国だと思う。しかし、安全保障や軍事が絡むと、何でも禁止という極端に閉鎖的、保護主義的な国へと変身する。最近、
グーグルが、日本のロボットベンチャー企業を買収し始めた。重要な同盟国であるアメリカを怒らせるような政策を安易に発動すべきではない。しかし、いざという時には、たとえ相手が中国ではなく、アメリカであったとしても、ロボット技術の流出を阻止する気合と覚悟を持って、技術流出阻止の準備はしておくべきだと思う。アメリカの企業は、日本のロボット技術を保有する企業を自由に買収することができる。しかし、日本企業が、アメリカの軍用ロボット技術を少しでも保有する企業を、買収することはできないからである。

現在のような、ロボットなどの先端技術の流出を放置するような政策を続けることは、将来の日本を貧しくする道へと確実に導くことになる。仮に中国の不動産バブルが崩壊することなく、順調な経済成長をとげたとする。その場合、数十年後の日本は、ロボットが中国で生産する高価な工業製品を、買わせてもらうだけの三流の経済小国へと転落してしまうであろう。武器だけではなく、ロボット製造技術などの先端的な技術の海外への流出規制の強化は、日本経済にとって必要不可欠な成長戦略なのである。

日本の貿易収支 赤字から黒字への道(*1)
購買力平価とは(*2)
購買力平価から見た円相場 超円高による産業の空洞化



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