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2019年7月第1週 株式需給コメント

7月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190705


7月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190705


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年7月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,746円 前週末比+470円

7月第1週の外部環境は、ドル円レートはほとんど横ばい、NY株は上昇であった。最大の材料は6月29日の米中首脳会談であった。その会合で、アメリカによる対中関税引き上げの先送りが決定した。それ以前の先行き不安材料が取り除かれ、月曜の日本株は大きく上昇した。その後は特に大きな材料は出ていない。アメリカではFRBの利下げ期待があったが、それが円高懸念にもつながり、日本株は週初の上昇後はほぼ横ばいで週を終えることになった。日経平均株価は5週連続の上昇ではあったが、水曜に過去最高値を更新したNYダウとの比較では依然として出遅れた状況に置かれたままであった。


買い方
(1)海外

現物先物合計     + 2,614 億円
現物          + 449 億円
先物合計       + 2,164 億円
日経平均ラージ先物   + 824 億円
日経平均ミニ先物    + 285 億円
TOPIXラージ先物    + 794 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

7月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190705

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190705

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は147億円。久々に小さく、第1週はこれ以上深く追及しないことにする。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

ドイツがグローバル株式売買業務撤退ということで売買が小さくなってしまった。少し前からパリバ、ナティクシスなども株で損をして売買を大きく減らしている。ソシエテも有力な海外自己部門を閉鎖と報道されている。しかし、ソシエテは6月第4週の大量買いで現在は日本株先物の最大の買い手でもある証券会社になっている。

第1週の海外は先物買いが中心である。買い方はゴールドマンを筆頭にして米系が並んでいる。

久々に海外が買い方の筆頭になったのは米中首脳会談でアメリカの対中関税引き上げの延期が決定されたからであろう。そのため米系証券、そしておそらく米系の運用会社が中心に久々に日本株を先物中心に買ってきたものと思われる。

海外先物は日経平均型の先物買いの比率がやや高い。従って中長期性の資金が本格的に日本株を買ったとは言えない。投機家が中心に主に先物を買ったとしか言えない。

現先合計で2614億円の買いというのは海外の本格的な買いからは遠く、小さな買い金額である。

(2)事法

現物先物合計     + 933 億円
現物         + 942 億円
先物合計        - 9 億円
日経平均ラージ先物  - 18 億円
日経平均ミニ先物   + 9 億円
TOPIXラージ先物   + 0 億円

事法の現物買いは自社株買いが中心。現在公表中の自社株買いはまだ6月分が多く、7月分は少ない。7月分の多くは8月上旬にまとめて公表される。

買い方
(3)投信

現物先物合計    + 555 億円
現物         - 40 億円
先物合計       + 595 億円
日経平均ラージ先物  + 160 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   + 432 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -307億円(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -200億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +600億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 +450億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+850億円前後。しかし、野村証券の日経平均ラージ先物は売り越しである。月曜のツイッターでブルベア投信が野村3本850億円売りと書いたが誤りで、正しくは買いであった。

設定解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計     + 20 億円
現物         + 270 億円
先物合計       - 250 億円
日経平均ラージ先物  - 680 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   + 430 億円

それ以外のもろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように20億円の買いであった。金額としては小さい。投信の売買は設定解約と大口ブルベア型投信7本で大体は説明できる。

しかし、現物も先物も売り買いは多めである。私募投信を中心にロングショート的な売買は続いている。


売り方
(1)個人

現物先物合計     - 3,632 億円
現物現金       - 2,559 億円
信用         - 513 億円
先物合計       - 560 億円
日経平均ラージ先物  - 169 億円
日経平均ミニ先物   - 373 億円
TOPIXラージ先物   - 10 億円

個人は伝統の逆張りの売り。好材料が出て上昇は、個人が売る典型的なパターンである。現物現金、信用、先物すべてが総売りになっている。

売り方
(2)銀行

現物先物合計     - 699 億円
現物         - 105 億円
先物合計       - 594 億円
日経平均ラージ先物  - 483 億円
日経平均ミニ先物    - 1 億円
TOPIXラージ先物   - 110 億円

現物の売りは持ち合い解消の売り。先物の売りは日経平均ラージ先物が中心。これは銀行の投機的なヘッジ売りである。野村の日経平均ラージ先物がブルベア型投信の買いにもかかわらず売り越しになっている。その一因は銀行の先物売りが野村に入った可能性が高い。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(5)になった。

現物先物合計     + 243 億円
現物         + 223 億円
先物合計       + 19 億円
日経平均ラージ先物  + 202 億円
日経平均ミニ先物   + 89 億円
TOPIXラージ先物   - 77 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 +1296億円(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

みずほ   + 700 億円
野村    + 350 億円
三菱UFJ  + 300 億円
ソシエテ  - 100 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -200億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1500億円。差としては大きい。

信託がTOPIXラージ先物を1000億円前後売って現物買いに乗り換えている。日系大手はこの反対である現物売り・先物買いを1000億円前後行っている可能性が高い。6月第4週と同じである。第4週は日系大手以外にソシエテ自己も動いたが、第1週はよくわからない。

第1週は海外が先物を買い、日系大手が裁定売買を入れて株価が上昇したことは間違いなさそうである。表面上は信託の現物買いに見えるが、実際には自己の裁定の現物買いの方が多い。

自己に含まれる日銀ETF
 +764億円

日銀ETF以外の自己
 -500億円前後

ディーラーのポジション調整の売買の差と考えると金額は少し大きい。少しだけなので、そう考えることにしておく。


(7月第1週合計)
合計すると、「海外、事法、投信の買い越しvs個人、銀行の売り越し」であった。

6月29日の米中首脳会談でアメリカの対中関税引き上げが延期され、海外が米系投機筋中心に買ってきた。これが最大の上げ要因である。事法の自社株買いは通常通りに買った。投信もブルベア型投信を中心に買った。

株価が上昇したので個人は売りを出した。銀行も投機的なヘッジ売りを先物に入れてきた。

結果として、日経平均株価は470円上昇した位置で週末の需給は均衡し、7月第1週を終えることになった。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

2019年6月第4週 株式需給コメント

6月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190628


6月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190628


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年6月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,276円 前週末比+17円

6月第4週の外部環境は、ドル円レートは少しばかりの円安、NY株は下落であった。NY株は第3週の20日にSP500が終値ベースで過去最高値を更新していたが、高値を抜ける勢いはなく反落した。最大の材料は29日土曜の米中首脳会談であった。交渉進展などの楽観的なニュースの方が多かったと思う。しかし、いずれも信頼性が高いと言えるものではなかった。NY株よりも出遅れていることもあり、日本株は下げることにはならなかった。思惑だけで小幅な上げ下げが続いた。日経平均株価は6月は4週連続の上昇で週を終えることになった。


買い方
(1)自己

自己はいつも最後に掲載。

(2)信託

現物先物合計     + 503 億円
現物         + 2,587 億円
先物合計       - 2,084 億円
日経平均ラージ先物   + 27 億円
日経平均ミニ先物    + 1 億円
TOPIXラージ先物   - 1,944 億円

第4週は配当金支払いの多い週である。主にパッシブ型のファンドが現物を買った。3月末に先物をヘッジ買いしていたファンドは、1900憶円ほどTOPIXラージ先物を売って現物買いに乗り換えた。そうでないファンドは現物だけを600億円買った。

(3)その他法人

現物先物合計    + 483 億円
現物        + 496 億円

従業員持株会の買いが中心。ボーナス支給の時期なので買いが増えた。

売り方
(3)投信

現物先物合計     + 94 億円
現物         + 271 億円
先物合計       - 178 億円
日経平均ラージ先物  - 359 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   + 173 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -37億円(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -200億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -550億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-700億円前後。

設定解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計     + 830 億円
現物         + 310 億円
先物合計       + 520 億円
日経平均ラージ先物  + 340 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   + 170 億円

それ以外のもろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように830億円の買いであった。投信の売買は設定解約と大口ブルベア型投信7本で大体は説明できる週が多い。しかし、第4週はその両者が売り越しであったが、それ以外がより大きな買い越しになった。投機的な私募投信の買いが中心と思われる。最近は買いが続いている。それでも売る時は大量に売る。そのため、ヘッジファンド型私募投信と最近は書いている。


売り方
(1)海外

現物先物合計     - 1,693 億円
現物           - 6 億円
先物合計       - 1,688 億円
日経平均ラージ先物   + 276 億円
日経平均ミニ先物   - 456 億円
TOPIXラージ先物   - 1,532 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

6月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190628

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190628

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は1612億円。多くは外資系自己の買いであり、具体的にはソシエテの東京自己の買いが大半であると考える。2週連続である。少し後で説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

売り方のトップはメリル・リンチ。先物合計で6900億円の売り。ただ大部分をメリル以外で売っている。ソシエテで売ってギブ・アップ(=建玉移管と同じで、今回は手仕舞い売り)したと考える。ということは、1社かせいぜい数社の売りである。今年の年初から買い続け、最近になって売っている大手ヘッジファンドの売りである可能性が高い。米中首脳会談を前にして、売りを大量に出したようだ。

買い方のトップはソシエテ。先物合計で5100億円の買い。

このうちの1600億円はソシエテの東京自己の買い、残りの3500億円は海外顧客の買いと考える。

1600億円の根拠は、上記の外資系と海外の買いの差1612億円である。これは必ずしもソシエテ東京自己だけの分とは限らない。誤差はある。しかし、ソシエテの東京自己が1600億円前後買っている可能性が高いことは後ほど示す。ソシエテ東京自己は現物を1600億円売ってヘッジをしている。

残りの3500億円の買いは海外である。現物でヘッジしている感じはない。海外の大口顧客の買いであろう。ソシエテは昨年の3月第2週に1.4兆円の先物を海外大手顧客に売った実績がある。3500億円はその4分の1の金額である。ソシエテは内外の自己勘定が大きいが、大口顧客も保有している。

第4週の海外はメリルの大手ヘッジファンドの売りvsソシエテを中心とする多くの外資系の買いであった。メリルの大手ヘッジファンドの売りの規模がより大きく、ソシエテの東京自己も買ったため、海外全体では1693億円の売りになった。


(*)自己という特殊な部門
第4週は買い方の(1)になった。

現物先物合計      + 670 億円
現物         - 3,484 億円
先物合計       + 4,153 億円
日経平均ラージ先物   + 241 億円
日経平均ミニ先物    + 380 億円
TOPIXラージ先物   + 3,391 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -189億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

野村    + 350 億円
ソシエテ  + 100 億円
三菱UFJ  + 50 億円
みずほ   - 700 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -1100億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は900億円。差としてはやや大きい。

海外のところで書いたように、ソシエテ東京自己が現物売り・先物買いを1600億円前後実施している。

それ以外に日系大手の現物売り・TOPIXラージ先物買いもある。信託が現物買い・TOPIXラージ先物売りを1900億円実施している。その反対売買を日系大手の自己が行っている可能性が高い。

この両者の一部が裁定残の変化として東証に報告されている。

東証公表の裁定解消は189億円、ソシエテの現物売り・先物買いは1600億円、日系大手の現物売り・先物買いは1900億円、合計すると現物売り・先物買いは3700億円になる。自己の現物売りは3484億円である。差はあるが、大きな差ではない。そのため、上記の推定は100%正しくはないが、それなりに当たっている可能性は高い。


自己に含まれる日銀ETF
 +60億円

日銀ETF以外の自己
 +600億円前後

ソシエテ自己の先物買いには現物売りがついているので、外資系自己の先物買いではない。勘のレベルでは大和自己の買いと考える。大和の先物は600億円の買いであるが、信託とのクロスを除いて大和の顧客である日系大手の機関投資家が買っている雰囲気がないからだ。大和自己がなんらかの理由で600億円前後買う必要があった可能性はある。しかし、それ以上のことは言えず、確かなことはわからない。


(6月第4週合計)
合計すると、「自己、信託、その他法人、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。

第4週は年初から大量に買ってきたメリルの大手ヘッジファンドが6900億円の先物を売り、ソシエテの大口顧客や他社を通じた海外顧客が買った。しかし、その一部をソシエテ東京自己が買い、現物に売りを出した。ただソシエテ自己のうまいところであるが、マーケットインパクトが小さい形、すなわち株価を下げさせない形で売った。

それに対して自己(大和自己?)、信託、その他法人、投信などが買い向かった。

結果として、日経平均株価は17円上昇した位置で週末の需給は均衡し、6月第4週を終えることになった。


6月月間


6月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201906

6月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口201906

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研による6月の日本株型公募投信の資金流出入
 -639億円

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -600億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -350億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 +100億円前後

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-1100億円前後。

(3)事法部門での自社株買い
NTTの599億円買いが一番大口

(4)裁定売買(自己が多いが、海外もある)
東証発表 裁定売買の金額合計
 -2131億円(現物売り・先物買い)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定売買推計値
 -4500億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は2400億円。月次なら差は大きいとまでは言えない。

(5)自己
日銀ETFが+2355億円

(6)合計
6月月間では

  事法  +4531億円
  自己  +2340億円
  
        vs
  
  個人  -4580億円
  海外  -3549億円
  
であった。

事法と自己(大半が日銀ETF)が買う。また同時に海外が売った。

それでも日経平均株価は675円上昇して月末の需給は均衡し、6月の4週間を終えることになった。

この組み合わせで上昇は昨年11月以来。海外の大量売りで急落した月の翌月であるという点が共通。


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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

2019年6月第3週 株式需給コメント

6月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190621


6月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190621



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年6月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,259円 前週末比+142円

6月第3週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は上昇であった。週初は第2週の香港デモの後遺症などから弱含みで推移した。火曜の引け後にトランプ大統領が米中首脳会談実施を発表し、米中貿易戦争の緩和期待を引き起こす。水曜のFOMCでは予想通りであったがパウエルFRB 議長がハト派的な金融政策を示唆。そのためNY株が大きく上昇し、日本株も追随して上昇した。週末はイラン情勢の緊迫化や円高進行で下落した。日経平均株価は3週連続の上昇であったが、TOPIXは小幅下落で週を終えることになった。


買い方
(1)事法

現物先物合計   + 1,297 億円
現物       + 1,294 億円
先物合計       + 2 億円
日経平均ラージ先物  - 4 億円
日経平均ミニ先物   + 3 億円
TOPIXラージ先物   + 3 億円

事法の現物買いは自社株買いが中心。6月分の自社株買い終了の発表はあるが、大口と言えるものは少ない。7月上旬にまとめて公表されることになる。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。


売り方
(1)海外

現物先物合計     - 973 億円
現物         - 1,126 億円
先物合計       + 153 億円
日経平均ラージ先物  + 64 億円
日経平均ミニ先物   - 253 億円
TOPIXラージ先物   + 445 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

6月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190621

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190621

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は1089億円。多くは外資系自己の買いである可能性が高い。そして、その大半はソシエテの東京自己の買いであると考える。少し後で説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方のトップはゴールドマン。ゴールドマンは自社であまり買っておらず、他社で買って移管した分が多い。移管をするのは投機筋とは限らない。ただ投機筋の方が移管の比率は高い感じはする。特にTOPIXラージ先物のフローは売り越しであり、700億円以上を他社で買ってゴールドマンに移管している。日経平均型は普段から投機筋の売買比率が高い。従って、ゴールドマンの先物買いはヘッジファンドを中心とする投機筋の買いの比率が高いと考える。

買い方の上位3番目はソシエテ。うちTOPIXラージ先物は1250億円の買いである。移管ではなくソシエテで買った建玉である。

このうちの1000億円は東京自己の買いと考える。その中の700億円は取引所で現物を売るという裁定解消売買(=新規売り裁定)、残りの300億円はOTCで現物を売るという裁定解消売買と考える。これが上記の海外と外資系の差1089億円の先物買いの大部分を占めることになる。

これは、確度が高いとまでは言えない1つのシナリオである。追加の説明は自己のところでする。

海外は先物が153億円の買いであり少ない。現物は1126億円の売りである。現物は昨年から売りが続いている。投機よりも中長期性の資金の利食い売りが多いのであろう。

ただし先に書いた通り、ソシエテを通じて300億円ほどOTCで現物を買った海外顧客がいる。OTCをも加えた海外合計は700億円弱の売りとさらに小幅の売りになる。

売り方
(2)個人

現物先物合計     - 772 億円
現物現金       - 738 億円
信用         - 153 億円
先物合計       + 119 億円
日経平均ラージ先物  + 34 億円
日経平均ミニ先物   + 78 億円
TOPIXラージ先物    - 1 億円

個人は伝統の逆張りの売り。ただ売り越し金額は少なめである。日経平均は上昇したが、TOPIXは小幅の下落であったので、売りの減少は当然かもしれない。ショートポジションであった先物には買い戻しが入っている。

売り方
(3)投信

現物先物合計     - 483 億円
現物         + 613 億円
先物合計      - 1,096 億円
日経平均ラージ先物  - 812 億円
日経平均ミニ先物    - 1 億円
TOPIXラージ先物   - 267 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -238億円(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -600億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -50億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-700億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計     + 440 億円
現物         + 850 億円
先物合計       - 410 億円
日経平均ラージ先物  - 130 億円
日経平均ミニ先物   + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 270 億円

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように440億円の買いであった。

買いの多くは私募投信の買いであろう。まず、ロングショート型の売買が入っている。純粋なロングの買いも現物中心に入っている。ヘッジファンドに近い私募投信が買いを入れた可能性が高い。NY株高に反応した買いであろう。


(*)自己という特殊な部門
第3週は買い方の(2)になった。

現物先物合計     + 380 億円
現物         + 98 億円
先物合計       + 282 億円
日経平均ラージ先物  + 299 億円
日経平均ミニ先物   + 147 億円
TOPIXラージ先物   - 284 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -1042億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

野村    + 50 億円
みずほ   - 50 億円
三菱UFJ  - 150 億円
UBS    - 200 億円
ソシエテ  - 700 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -2100億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1100億円。差としてはやや大きい。

海外のところで書いたように、ソシエテでOTCの裁定解消売買が300億円あると考えている。従って、裁定解消売買は1342億円くらいまでは確実にありそうだ。

残りの800億円については確かなことはわからない。ただ大量の裁定解消売買で株価が下がった感じはしない。過去の現物売り・先物買いを第3週に裁定解消と計上しただけかもしれない。

裁定売買のある証券会社のうちUBSは東京自己、海外自己の両方がありうるが、わからないので海外自己と考えておく。すると東京自己の裁定解消に伴う現物売りは850億円になる。一方、自己の現物買いは98億円である。

この場合、日系大手が日銀ETF準備用の現物買い・先物売りを1000億円近く入れていなければならない。数百億円規模なら入っている可能性は高い。しかし1000億円弱も入った保証はどこにもない。そのため、ソシエテの裁定解消売買が海外自己ではなく東京自己と考えたのは確度の高いシナリオではなく、それほど確度は高くない1つのシナリオと書いている。

自己に含まれる日銀ETF
 +60億円

日銀ETF以外の自己
 +300億円前後

この大半がソシエテ自己による先物買い・OTCでの現物売りと考えた。ソシエテの売買と考えるのは確度の高くない1つのシナリオである。しかし、どこかの外資系自己の先物買い・OTCでの現物かデリバの売り+海外顧客のOTCでの現物かデリバの買いである可能性は高い。


(6月第3週合計)
合計すると、「事法、自己の買い越しvs海外、個人、投信の売り越し」であった。

買い方のトップは事法の自社株買い。自己は海外の代理の買いが中心。ヘッジファンド型私募投信も買った。

売り方のトップは海外。個人とブルベア型投信も売った。

海外は売り買い両方があり、差し引くと700億円弱の売りである。個人とブルベア型投信の売りよりも少し金額が小さくなる。売り崩すような主体の売りは少なかった。

買い方は事法が中心であるため、下げの防止には貢献したが買い上がる投資家は少なかった。

NY株高に反応してヘッジファンド型私募投信が金額は少ないが買い越している。売り越した海外の中に、ゴールドマンの手口でヘッジファンドらしき投機家がやはりNY株高に反応して先物を1600憶円近く買っている。こうした買いが株価上昇に貢献した。

さらに付け加えると、株価が1番大きく上昇した水曜日には、週間では売り越しの野村のブルベア型投信が株価上昇が原因で日経平均ラージ先物を買っていた。

結果として、日経平均株価は142円上昇、TOPIXは1ポイント下落した位置で週末の需給は均衡し、6月第3週を終えることになった。


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2019年6月第2週 株式需給コメント

6月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190614


6月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190614


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年6月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,117円 前週末比+232円

6月第2週の外部環境は、ドル円レートはほぼ横ばい、NY株は上昇であった。前週末のアメリカ雇用統計が弱めであったため、利下げ期待からNY株が上昇した。トランプ大統領が対メキシコ関税の引き上げの延期を表明したことも加わり、月曜は高く始まった。第1週に続きこの利下げ期待がNY株を大きく引き上げ、日本の株価上昇にも貢献した。木曜は香港のデモが嫌気されて下落。金曜はペルシャ湾で日本のタンカーが攻撃されるなどの悪材料が出たが影響は小さかった。日経平均株価は2週連続で上昇して週を終えることになった。


買い方
(1)事法

現物先物合計    + 1,564 億円
現物        + 1,547 億円
先物合計       + 17 億円
日経平均ラージ先物  + 19 億円
日経平均ミニ先物    - 1 億円
TOPIXラージ先物    - 0 億円

事法の現物買いは自社株買いが中心。6月分の自社株買いは依然として少ししか公表されていない。7月上旬にまとめて公表される。持ち合い解消売りも多少は出ているはずなので、それを差し引いたのが上記の金額ということになる。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。


売り方
(1)海外

現物先物合計    - 1,908 億円
現物        - 1,992 億円
先物合計       + 84 億円
日経平均ラージ先物  + 358 億円
日経平均ミニ先物   - 221 億円
TOPIXラージ先物   - 117 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

6月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190614

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190614

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は350億円。外資系自己が売っている可能性が高い。メジャー SQの週なので数千億円の差が出ることもしばしばある。そうした週と比べると差の金額は非常に小さい。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方のトップはABNアムロクリアリング。ただこの会社の買いの大半は日経平均ミニ先物である。6月限に大量の売りを持っていた。そのため買い戻したのではなく、9月限にロールオーバーされただけの可能性が高い。建玉は8月限までしかわからず、9月限はわからないからだ。

買い方の上位2番目はソシエテ。一方、売り方のトップはメリル。両社とも日経平均型の先物では1000億円以上の売買をSQ時に行っている。この売買は同じ大口顧客の売買である可能性がある。メリルで買ってソシエテで売っていた分の裁定解消というわけである。あくまでも1つの可能性である。

売り方の上位3番目はドイツ。このドイツの売りの多くは広義裁定の売りである可能性が高い。この週もメジャーSQ値は高かった。過去数年、ドイツはSQ時に買いを入れ続け、時にはSQ清算値をブチ上げてきた。最近は裁定売買を東証に報告しないので確かなことはわからない。勘のレベルでは、買っていた先物をSQ時に売って現物買いに変えている分があるはずである。ただ東京自己か海外自己かまではわからない。

それ以外にも勘のレベルなら考えられることはあるが、ドイツよりも確度が落ちるので書くことは控える。

海外全体は投資部門別売買状況の数字に近いのであろう。先物は小幅の買い越し、現物は売り越し、現先合計では売り越し。木曜に香港の大規模デモのため下げた時、海外は現物を中心に売っていたようである。


売り方
(2)個人

現物先物合計    - 1,058 億円
現物現金      - 774 億円
信用        + 16 億円
先物合計      - 301 億円
日経平均ラージ先物  - 187 億円
日経平均ミニ先物   - 19 億円
TOPIXラージ先物   - 94 億円

個人は伝統の逆張りの売り。ただ売り越し金額は第1週よりもかなり減っている。信用は小幅であるが買い越しである。スイングトレーダーは第1週にはかなり売り越したが、第2週は買いに転じた者も増えた様である。


売り方
(3)投信

現物先物合計     - 347 億円
現物          - 23 億円
先物合計       - 323 億円
日経平均ラージ先物  - 645 億円
日経平均ミニ先物    + 4 億円
TOPIXラージ先物   + 335 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -422億円(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -400億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -200億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-600億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計     + 700 億円
現物         + 400 億円
先物合計       + 300 億円
日経平均ラージ先物   - 20 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   + 330 億円

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように700億円の買いであった。金額としては大きめである。

買いの多くは私募投信の買いであろう。ヘッジファンドに近い私募投信が買いを入れた可能性が高い。NYが高いと海外のヘッジファンドが連動して買うケースが多い。第2週は海外のヘッジファンドが少しは買ったかもしれない。それ以上に国内のヘッジファンド型私募投信が買ったようである。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現物先物合計    + 1,375 億円
現物         + 733 億円
先物合計       + 642 億円
日経平均ラージ先物  + 415 億円
日経平均ミニ先物   + 199 億円
TOPIXラージ先物    + 71 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -1427億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

三菱UFJ   + 400 億円
野村     + 250 億円
ソシエテ   - 350 億円
みずほ   - 1,700 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -1800億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は400億円。差としては小さい。

海外のところで書いたように、ドイツが裁定形成売買を実施した可能性が高い。ドイツは昔から裁定売買の一部しか東証に報告しなかった。最近は全く報告しないようになった。従って、ドイツの裁定形成と上記の400億円は関係がない。

ただドイツだけではなく、日系大手も日銀ETF準備用の現物買い・先物売りをかなり大量に入れていたと思われる。こうした広義の裁定売買をも合計した実質的な裁定解消売買は少なく、裁定解消が株価を大きく引き下げた可能性は低い。


自己に含まれる日銀ETF
 +765億円

日銀ETF以外の自己
 +600億円前後

第2週はメジャーSQの週である。現物、先物、オプション、OTCデリバ等の間で自己のポジション移動が発生しているはずである。みずほの先物買いの金額が非常に大きいため、みずほの自己は買い越しである可能性が高い。他社にも売りと買いがたくさんあり、その差がたまたまみずほを中心に600億円あっただけであると思われる。

ただそこから先、すなわちみずほの自己が+600億円をどうやってカバーしたのか、他社はどうなのかはわからない。ごくまれにわかることがありその時はおもしろいが、普通はわかるものではない。


(6月第2週合計)
合計すると、「事法、自己の買い越しvs海外、個人、投信の売り越し」であった。

買い方のトップは事法の自社株買い。木曜の下げ局面では自己の日銀ETFも買った。

売り方のトップは海外。個人とブルベア型投信も売った。

外見上は上記の通りである。ただ事法の自社株買いが上げの主役かというと、実際は異なると考える。

第2週の日経平均株価は上昇だが、上に飛んだのは月曜の寄り付き直後までであり、その後はほぼ横ばいである。上げの主役は7日のアメリカ雇用統計発表後のNY株上昇とトランプ大統領による対メキシコ関税引き上げ延期である。この結果、月曜の寄り時点の売りと買いの指値が両方とも前週末から大きく上に移動した。

その後、事法の自社株買いが入り続け、木曜の安値では日銀ETFも買い支えた。海外は売り越しであったが、大きく売り越したのは木曜の香港混乱の日であった。

結果として、日経平均株価は232円上昇した位置で週末の需給は均衡し、6月第2週を終えることになった。

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2019年6月第1週 株式需給コメント

6月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190607


6月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190607


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年6月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20,885円 前週末比+284円

6月第1週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円高、NY株は大幅な上昇であった。5月第4週のトランプ大統領によるメキシコに対する関税の引き上げ宣言にNY株が反応し、火曜までは弱含みで推移した。変化は火曜の夜のパウエルFRB議長による金利引き下げ示唆の発言からである。まずNY株が反応し、株高へと向かった。NY高に影響され、水曜から日本株も買われた。日経平均株価は5週ぶりに上昇して週を終えることになった。


買い方
(1)事法

現物先物合計     + 1,670 億円
現物         + 1,726 億円
先物合計        - 55 億円
日経平均ラージ先物   - 81 億円
日経平均ミニ先物    + 19 億円
TOPIXラージ先物    + 6 億円

事法の現物買いは自社株買いが中心。6月分の自社株買いは少ししか公表されていない。7月上旬にまとめて公表される。持ち合い解消売りも多少は出ているはずなので、それを差し引いたのが上記の金額ということになる。

買い方
(2)投信

現物先物合計     + 891 億円
現物         + 542 億円
先物合計       + 349 億円
日経平均ラージ先物  + 655 億円
日経平均ミニ先物    + 3 億円
TOPIXラージ先物   - 285 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +58億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +600億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +450億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 -250億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+900億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      - 70 億円
現物         + 480 億円
先物合計       - 560 億円
日経平均ラージ先物  - 250 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 280 億円

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように70億円の売りであった。金額としては小さい。

私募投信らしき現物買い・先物売りが2週連続で見える。しかし、投信の売買の大半は公募投信の設定と大口ブルベア型投信7本の買いで説明できる。


売り方
(1)個人

現物先物合計    - 2,750 億円
現物現金       - 460 億円
信用         - 512 億円
先物合計       - 1,778 億円
日経平均ラージ先物  - 830 億円
日経平均ミニ先物   - 913 億円
TOPIXラージ先物   - 32 億円

個人は伝統の逆張りの売り。5月の下げ相場は月間で約8000億円の買い。最大の買い手であった。戻るとすかさず逆張りの売りになった。総売りでもある。

売り方
(2)海外

現物先物合計       - 667 億円
現物           - 1,143 億円
先物合計         + 476 億円
日経平均ラージ先物    - 1,517 億円
日経平均ミニ先物     + 826 億円
TOPIXラージ先物     + 1,122 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

6月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190607

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190607

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は1419億円。この買いは通常なら外資系自己の買いであると説明する。確かなことなどはわからない。第1週は銀行の買いが600億円、ドイツ自己の買いが800億円あるという1つのシナリオを示したいと思う。

日系の機関投資家でも信託と投信の売買が外資系に流れる比率は低い。それに対して銀行はもっと高い。以前は数千億円レベルの超大口が外資系に流れたこともあった。銀行の先物買いは588億円であるが、それに匹敵する600億円が外資系に流れることは起こりえる話なのである。ドイツの買いについては後ほど自己のところで説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方のトップはナティクシス。第1週に買った結果、今までずっとあった売り建玉がほとんどゼロに近づいた。3月に仕組債の損失を公表している。3月以前は海外自己が仕組債のポジションをヘッジする売りを出し続けていたようだ。しかし、3月の損失後はそうしたポジションをなくす方向に動いているように見える。

買い方の上位2番目はドイツ。先にも買いたが、この買いの大半が東京自己の買いかもしれないと考える。詳しくは自己のところで説明する。

売り方のトップはABNアムロクリアリング。ここはヘッジファンドの売りと考えてほぼ間違いない、ただし第1週の売りは600億円でしかない。

海外はナティクシスのように広義のロングショートの解消売買がある。しかし新規のロングショートもありそうである。

海外は現先合計で667億円の売り越しである。ロングショートとその逆が多そうなので、現物中心か先物中心かもよくわからない。合計すると667億円の売り越しになったことだけは確かである。

火曜のパウエル FRB議長による利下げ示唆発言をきっかけに NY株は急上昇を開始した。こうした場合、過去においては、海外の投機筋が先物を中心に日本株も買うケースが多かった。しかし第1週はそうした買いもあったかもしれないが、少なかった。海外全体では小幅の売り越しであった。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(4)になった。

現物先物合計     + 585 億円
現物          - 18 億円
先物合計       + 603 億円
日経平均ラージ先物  + 1,104 億円
日経平均ミニ先物   + 214 億円
TOPIXラージ先物   - 721 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 +526億円(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)
みずほ   + 300 億円
三菱UFJ  + 250 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 +450億円前後(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は100億円。差としては非常に小さく無視して良いレベル。

自己に含まれる日銀ETF
 +1470億円

日銀ETF以外の自己
 -900億円前後

海外のところでドイツ自己が800億円買ったという1つのシナリオを示した。ドイツのTOPIXラージ先物買いは日銀 ETF の買いであるかもしれない。日経平均ラージ先物の買いは広義の裁定解消売買の可能性がある。

第1週だけを考えるとあたりの可能性が高そうな感じもする。ただ5月第4週に近い金額の売りがあった。従って、第1週の買いはその反対売買である可能性が高い。

ところが5月第4週の売りはドイツの海外自己による実質裁定形成であると推測していた。しかし、第4週は海外ではなく東京自己による実質裁定形成であり、第4週の推測が誤りであることになる。そうなると第4週でドイツ以外の外資系に東京自己の買いを探さなければならない。しかしそれは難しい。

そのため第1週もドイツの800億円の買いも東京自己の買いではないかもしれない。従って、「1つのシナリオ」という言葉を使った。

第1週だけを考えるならばドイツで東京自己が800億円買った可能性は高いように見える。しかし5月第4週とのセット売買をうまく説明できない。自己というのは様々な種類の売買の集積であり、簡単に正しく説明可能な週はごくまれにしかない。

日銀ETF以外の900億円の売りも難しい。外資系自己の先物は買いである。従って900億円の売りは日系自己の売りである可能性が高い。ディーラーのポジション調整の売買の差として許される範囲を超えている。日系の機関投資家の代理の売りである可能性が高いが、それ以上のことはよくわからない。


(6月第1週合計)
合計すると、「事法、投信の買い越しvs個人、海外の売り越し」であった。

買い方のトップは事法の自社株買い。投信もうブルベア投信を中心に買った。それ以外に日銀 ETFが買い 、信託、銀行も先物の買い戻しを中心に買っている。

売り方のトップは上がれば売る個人。そして海外も少しばかり売り越しであった。

株価が上昇した最大の理由は事法などの国内投資家が買ったからというより、パウエル発言とNY株の上昇のため、水曜の寄りに売り方も買い方も強気になって指値を引き上げたからであった。従来なら海外が買い上がりを続け、NY株に遅れて日本株ももっと上昇していた。第1週は海外の買いがなかったため、上昇は水曜の寄りに集中することになった。それ以外は事法と日銀ETFが買い支え、ブルベア型投信や銀行、信託が先物を少し買い上がった。

結果として、日経平均株価は284円上昇した位置で週末の需給は均衡し、6月第1週を終えることになった。


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