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2019年9月第2週 株式需給コメント

9月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190913


9月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190913


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年9月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,988円 前週末比+779円

9月第2週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。第2週の材料は木曜にECBによる金融緩和があった。しかしそれ以上に大きな影響を与えたのは米中貿易摩擦の動向であった。当初は緩和期待が先行したが、木曜の寄り前にトランプ大統領が10月1日からの対中関税引き上げを15日まで延期と発表した。こうした緩和期待が少しずつ現実化の方へと向かうにつれて日本株も買われる展開が続いた。日経平均株価は9日連続で上昇し、第2週は週間での上げ幅もかなり大きなものとなった。


買い方
(1)海外

現物先物合計      + 9,674 億円
現物          - 3,092 億円
先物合計       + 12,766 億円
日経平均ラージ先物   + 5,300 億円
日経平均ミニ先物    + 1,333 億円
TOPIXラージ先物    + 5,814 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

9月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190913

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190913

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は2896億円。差は大きい。この差を勘をも含めて変形したのが上記の表である。MSQ週であり複雑な売買が多く、100%正しい姿を当てることは不可能である。とはいえ、わからないことだらけでもない。100%正しくはなくても、真実に多少は近い姿である可能性がある程度高い1つのシナリオとして考えたのが上記の想定である。この想定により差は3213億円にまで拡大した。

(1)はソシエテ東京自己の裁定、(3)は日銀ETF以外の自己の売買ということで、自己のところで詳しく説明する。(2)は日経平均ミニ先物の中心限月である12月限の建玉が現在はわからない。そのためこの期間にはよく入れる想定である。

言いたいことは外資系の東京自己に日経平均ラージ先物を中心に3200億円前後の売りが存在している可能性が高いということである。これは自己のポジションから見て3200億円の現物買いを伴っているはずである。

この背後には外資系の海外顧客に3200億円の日経平均ラージ先物買い・現物売りが存在している可能性が高い。最近の3月と9月は海外顧客が配当金節税対策のため、こうした売買をすることが増えている。

財務省の統計では海外の現物売りは1兆円近くであり、東証統計よりも7000億円近く多かった。OTCではより大規模な節税対策の現物売りが行われている。

この3200億円の現物買い・日経平均ラージ先物売りを1番大規模に行った可能性が高いのはソシエテ東京自己である。ソシエテ以外にも売買をしている外資系証券はあると思うが、具体名はわからない。小口も含めれば多数考えられる。大口なら売買金額が大きい証券会社でなければならない。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ、 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフは先物手口や先物投資部門別売買状況に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

先物手口で買い方トップはJPモルガン。日経平均ラージ先物の買いが1番多く、しかもその半分はSQ決済で買っている。JPの日経平均ラージ先物はMSQでの大口決済が多い。今回のMSQ値は上昇である。過去にはJPが大量に売ってもMSQ値が上昇したこともあり、SQ清算値に通常は影響を与えない。そういうケースは別の証券会社に反対売買がある可能性が高い。

その1つの可能性として考えられるのがゴールドマンの売りである。GSの売りの何割かもSQ決済である。JPとGSの背後に1社の大口顧客がいる可能性がある。JPは日経平均ラージ先物のMSQ大口決済を常に何らかの形でカバーしている。過去にJPの裏にGSが見えたことはない。今回はたまたまかもしれない。JPの先物カバーの行きついた先にGSがいた可能性はありえる。

外資系の買い方上位6社であるJP、バークレイズ、パリバ、ソシエテ、ドイツ、クレディ・スイスの中で第2週末の先物がショートになっているのはパリバの日経平均型先物だけである。それ以外はすべてロングである。

すなわち、海外の買いの中心は買い戻しではなく、新規買いが多い。ロングは新規買いと等しくないが、新規買いの比率が高いことを意味する。そして日経平均ラージ先物中心に3200億円前後の配当金節税対策の現物売り・先物買いがある。これを考えると海外の買いの大半は先物の買いであり、実質的にはTOPIXラージ先物買いの方が多い。

海外は投機筋を中心にNY株高、貿易戦争緩和期待、日本株の出遅れなどを材料にして日本株を買いにきた。その際、選択した銘柄は先物であり、実質的にはTOPIXラージ先物の買いが多かった。

10月下期初頭に信託のTOPIXラージ先物買いを中心に日系の機関投資家が先物買いを入れてくることが確実である。その金額は半年前には7800億円前後であった。これだけの先物買いが近い将来に見えている。そのため、海外投機筋は先物、しかもTOPIXラージ先物を中心に買ってきた可能性が高い。

買い方
(2)事法

現物先物合計      + 2,755 億円
現物          + 2,807 億円

事法の買いは自社株買いが中心。11日にNTTが自社株買いを実施。それに対して財務省が2494億円のNTT株売りで応じたと報道されている。

NTTは事法。一方、財務省はその他法人に属する。その他法人による現物売り金額は2509億円であり、通常よりはるかに多い。この事法買い・その他法人売りのうち2494億円はNTTによる自社株買いと財務省によるNTT株売りであった。


売り方
(1)個人

現物先物合計      - 6,022 億円
現物現金        - 3,611 億円
信用          - 1,346 億円
先物合計        - 1,065 億円
日経平均ラージ先物    - 215 億円
日経平均ミニ先物     - 674 億円
TOPIXラージ先物     - 171 億円

個人は伝統の逆張りの売り。上がれば売りは続く。

月曜のツイッターでは個人の先物はゼロ近辺と書いた。ところが実際には1065億円の売りであった。この推計誤差の大部分は日経平均ミニ先物で出た。

この原因は外資系と海外の差が出た原因の(2)と同じである。日経平均ミニ先物は中心限月である12月限の建玉が見えない。この見えない日経平均ミニ先物12月限で海外買い・個人売りが900億円前後あったのである。

売り方
(2)投信

現物先物合計      - 3,810 億円
現物           - 825 億円
先物合計        - 2,985 億円
日経平均ラージ先物   - 3,015 億円
日経平均ミニ先物      - 2 億円
TOPIXラージ先物     + 29 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -619億円(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -1850億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -450億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 -50億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-2550億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      - 620 億円
現物          - 210 億円
先物合計        - 420 億円
日経平均ラージ先物   - 450 億円
日経平均ミニ先物     + 0 億円
TOPIXラージ先物    + 30 億円

それ以外のもろもろの投信は、上記のように現先合計で620億円の売り。この売りの多くは私募投信の売りと考える。8月第2週-9月第1週に4週連続で買い越しであったので、利食い売りを出した可能性が高い。


(*)自己という特殊な部門
第2週は買い方の(3)になった。

現物先物合計       + 481 億円
現物          + 8,882 億円
先物合計        - 8,401 億円
日経平均ラージ先物   - 1,646 億円
日経平均ミニ先物     - 589 億円
TOPIXラージ先物    - 5,860 億円


裁定売買
東証発表の裁定売買
 +3,399億円(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

野村    + 5,150 億円
三菱UFJ    + 50 億円
ソシエテ  - 800 億円
みずほ   - 1,000 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 +3,100億円前後(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は300億円。差は小さいのでこれ以上追及しない。

自己の現物買いは8,882億円である。

イメージとしては裁定で3400億円買い、海外顧客のポジションを引き受けた外資系自己による現物買い・先物売りが3200億円、残りの2200億円は大和を中心とした日銀ETF準備用の現物買い・先物売りであると考える。

自己に含まれる日銀ETF
 +60億円

日銀ETF以外の自己
 +400億円前後

金額が小さいので本当はよくわからない。

ただ外資系自己のTOPIXラージ先物に理由が不明の買いが400億円以上見える。これを海外顧客がOTCで現物かデリバを使って400億円ほど外資系自己から買い、外資系自己がTOPIXラージ先物に400億円のカバー買いを入れたと想定してみた。


(9月第2週合計)
合計すると、「海外、事法の買い越し vs 個人、投信の売り越し」であった。

買い方は海外投機筋の買いが中心。事法の買いの大部分はその他法人とのクロスであり、名目だけの買いである。

海外投機筋の買いはNY株上昇が主な材料であるが、先物、しかも実質的にはTOPIXラージ先物の買いが多く、同時に新規買いが多い。これは10月下期初頭の日系機関投資家による大量の先物買いを考慮した上での銘柄選択であった可能性が高い。この先物新規買いが大量の裁定の現物買いを引き起こし、株価を引き上げた。

売り方は個人と投信が中心。上値で戻り待ちの指値売りをいつものように出した。

結果として、日経平均株価は779円上昇した位置で週末の需給は均衡し、9月第2週を終えることになった。


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2019年9月第1週 株式需給コメント

9月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190906



9月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190906



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年9月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,200円 前週末比+495円

9月第1週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。週前半はアメリカの対中関税引き上げの実施などの材料が嫌気されて弱含みが続いた。相場の雰囲気が変ったのは水曜のNY市場からである。香港の逃亡犯条例が撤回され、香港情勢の落ち着きが期待された。イギリスでもブレグジット延期法案が成立し、10月末の合意なきブレグジットの確率が低下。米中問題でも10月に閣僚級の通商交渉を発表。これらを好感してNY株価は急上昇。木曜の日経平均も大きく上昇。週間でも日経平均株価は2週ぶりに495円上昇して週を終えることになった。

買い方
(1)海外

現物先物合計      + 4,699 億円
現物          + 1,285 億円
先物合計        + 3,414 億円
日経平均ラージ先物    - 414 億円
日経平均ミニ先物    + 1,169 億円
TOPIXラージ先物    + 2,692 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

9月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190906

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190906


いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は2397億円。海外以外の何者かが外資系で売っている。

このうちの1700億円前後はソシエテ東京自己の日経平均ラージ先物の売りである可能性が高い。自己のところでも説明するが、みずほの自己とクロスを振っていた。

これ以外に700億円の売りがある。この売りはソシエテ東京自己のTOPIXラージ先物売りか、ゴールドマン東京自己の日経平均ラージ先物売りである。

ソシエテ東京自己のTOPIXラージ先物売り700億円が一番自然な説明が可能になる。ソシエテは木曜にみずほとのクロスでTOPIXラージ先物を買った。しかし週間のTOPIXラージ先物は売り越しなので、みずほとのクロス以外では大量に売っている。その一部がソシエテ東京自己による広義裁定形成売買になる。

ゴールドマンもみずほの買いに対してクロスの形で日経平均ラージ先物に売りを出していた。ただこの場合は、自己の日経平均ラージ先物買い2547億円が、金額が大きくて説明が難しくなる。自己のTOPIXラージ先物2908億円売りも説明が難しい。つまり、ゴールドマン以外の日経平均ラージ先物の自己の売りを説明しにくい。ゴールドマン東京自己の可能性はある。しかし、ソシエテ東京自己の方が説明をしやすい。とういうことは、正解である可能性も高い。

そのため、ソシエテ東京自己が2種のラージ先物を大量に売ったと考えることにする。ただソシエテには大手の海外顧客も多い。ソシエテの売りの全部が東京自己とは考えられない。第1週の日経平均ミニ先物買い以外の売買の多くが東京自己であるにしても、一部に海外顧客の売買がある可能性はむしろ高い。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ、 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフは先物手口や先物投資部門別売買状況に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

先物手口で買い方トップはクレディ・スイス。Cスイスはトランプ大統領が対中関税引き上げ表明をした直後の8月2日に大量に売って以降、しばらく売りが続いていた。その分の買い戻しが8月第3週、第4週と入った。9月第1週は買い戻しから新規買いに転じている。そのため、第4週以前と同じ顧客かはわからない。いずれにせよ、CTAを中心とする投機筋の買いである可能性が高い。

水曜のNY株高に反応して木曜に1番大量に買っており、株価上昇の最大の主役であった。

ただ昨年も9月以前にCTAが大量に買い上がり、10月以降の下げに売り遅れて大損をした会社でもある。

海外は現物も買いである。ただこの買いはゴールドマンの買いである可能性が高い。ゴールドマンは日経平均ラージ先物で2度の大口のクロスを振り、みずほに対して売っている。金額は1600億円前後である。先に書いた通り、これがゴールドマンの東京自己の売りなら自己の日経平均ラージ先物の買いを説明しにくくなる。

しかし、これが海外自己なら2度の大口クロスを説明しやすくなる。海外の現物買いのうち1600億円はゴールドマンの海外自己による裁定形成の買いである。それを除くと海外は現物は小幅の売り越しになる。日経平均ラージ先物も1000億円以上の買い越しになる。

第1週の海外の買いはCスイスを筆頭とする先物買いということになる。投機筋中心の買いである。それに対してゴールドマン海外自己、ソシエテ東京自己がみずほと裁定のクロスのような売買も行い、外資系と海外の売買を複雑にした。そしてこの2社を除くと外資系の大半は買いである。

大口の買いはCスイス以外には少なかったが、大口のネットの売り手もいなかった。海外の買い越し金額は特に多くもないが、水曜のNY株上昇以降、上値で短期の利食い売りはあっても、売り崩しで勝負をしにくる海外がほとんどいなかったことも株価が大きく上昇した1つの原因である。

買い方
(2)事法

現物先物合計      + 482 億円
現物          + 529 億円

事法の買いは自社株買いが中心。買い越しの金額だけではなく、買いだけの金額も減少。9月11日のNTTのような持ち合い解消を伴う自社株買いはまだ入る。それ以外の自社株買いの金額は、今後減少しそう。


売り方
(1)個人

現物先物合計      - 3,011億円
現物現金        - 1,711億円
信用          - 562 億円
先物合計        - 738 億円
日経平均ラージ先物   - 409 億円
日経平均ミニ先物    - 390 億円
TOPIXラージ先物    + 54 億円

個人は伝統の逆張りの売り。上がれば売りは続く。

売り方
(2)投信

現物先物合計      - 2,377 億円
現物           - 252 億円
先物合計        - 2,125 億円
日経平均ラージ先物   - 2,069 億円
日経平均ミニ先物      + 2 億円
TOPIXラージ先物     - 53 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -540億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -1450億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -400億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 -10億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-2000億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      + 220億円
現物          + 290億円
先物合計         - 70億円
日経平均ラージ先物     - 10億円
日経平均ミニ先物     + 0億円
TOPIXラージ先物      - 50億円

それ以外のもろもろの投信は、上記のように現先合計で+220億円の買い。投信の売りの大半は解約とブルベア型投信の売りで説明できる。個人と同様に上がれば売りが続く。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(4)になった。

現物先物合計       + 69 億円
現物          + 1,145 億円
先物合計        - 1,076 億円
日経平均ラージ先物   + 2,547 億円
日経平均ミニ先物     - 749 億円
TOPIXラージ先物    - 2,908 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -1380億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

三菱UFJ   + 250 億円
UBS     + 50 億円
野村     - 150 億円
みずほ  - 1,500 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -1450億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は70億円。非常に小さく、誤差の範囲内。

ただ東証報告の数字の誤差が小さいだけ。先物売買の大半は海外、自己、ブルベア型投信、個人であり、それ以外の国内機関投資家のシェアは小さい。みずほの先物の大口売買、ネットでも2350億円の買いは自己が中心としか考えられず、東証に報告はされていなくても現物売買を伴った広義裁定の売買があるはず。

加えて、外資系と海外の差が2397億円。みずほと大量のクロスを振ったソシエテの2種のラージ先物2450億円売りのかなりの部分も東京自己と考えられる。裁定売買であり、同金額の現物買いを伴っている。

みずほの先物買いに対してクロスを振ったゴールドマンは、海外自己による売りと考えた。海外自己による裁定形成売買である。

少なくともこの3社には東証に報告されていない裁定売買がある。裁定売買のおおよその金額はネットで、

 みずほ     自己  2350億円 裁定解消 (=売り裁定形成)
 ソシエテ   東京自己 2450億円 裁定形成 (=売り裁定解消)
 ゴールドマン 海外自己 1600億円 裁定形成

である。この中で裁定売買として東証に報告されたのはみずほの1500億円だけである。

なお、上記のようにみずほ自己の裁定解消とソシエテ東京自己の裁定形成の金額は近そうである。

そうなると三菱UFJの裁定形成250億円などでは1100億円前後の自己による現物買い・先物売りを説明できない。おそらく大和自己が日銀ETF準備用の現物買い・TOPIXラージ先物売りを650億円以上実施していると考える。

現在売り裁定の残高増加が問題になっている。

上記のように考えると、売り裁定の残高以前に、裁定残とは何なのかがわからなくなってしまう。裁定残というのは多くの買い裁定、売り裁定の残高の中で、東証が裁定残と公表している部分だけの残高である。


自己に含まれる日銀ETF
 +60億円

日銀ETF以外の自己
 +10億円前後

第1週は自己や裁定について、通常の週よりはわかりやすい説明ができた。その理由の1つが上記の数字がゼロ近辺であるからだ。自己の現物売買には先物売買がセットになっている。

この数字がゼロ近辺になる週は非常に少ない。その非常に少ない週は、分析をする側にとっては大変有難い週になる。

通常の週の分析は、的中率は低いのにわかりにくい。自己という部門は分析したくないのであるが、他部門に影響があるため、わかる範囲内で分析せざるをえない。


(9月第1週合計)
合計すると、「海外、事法の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。

買い方はクレディ・スイスの先物を通じた海外投機筋の買いが最大。株価上昇の主役。事法の自社株買いも入った。

売り方は個人と投信が中心。いずれも上がれば売る主体である。

結果として、日経平均株価は495円上昇した位置で週末の需給は均衡し、9月第1週を終えることになった。


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ジャンル : 政治・経済

2019年8月第4週 株式需給コメント

8月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190830


8月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190830



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年8月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20,704円 前週末比-7円

8月第4週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円安、NY株は上昇であった。23日金曜にトランプ大統領が対中関税5%引き上げを表明。これを嫌気して23日のNY株は急落し、月曜の日経平均も安く始まった。この材料は強力であったが、その後は特に大きな材料は出ていない。ただ米中協議の再開などが公表され、貿易戦争緩和期待から戻す展開となった。トランプ大統領のツイッターとその真意に対する思惑に振り回された週という感じであった。日経平均株価は週間では7円の下落。ここではベンチマークに日経平均を使っているので下落の週として扱う。しかしTOPIXは10ポイントの上昇であり、実際には上昇と表現した方が良いかもしれない週になった。


買い方
(1)事法

現物先物合計      + 1,257 億円
現物          + 1,255 億円

事法の買いは自社株買いが中心。オリンパス934億円買いが1番大口。ただ、ソニーの持ち合い解消売りに応じた買いであるため、事法の買い越しには貢献していない。現在8月分の数多くの自社株買いが公表中であるが、その中の一部が第4週分の買いということになる。

買い方
(2)投信

現物先物合計      + 845 億円
現物          + 159 億円
先物合計        + 686 億円
日経平均ラージ先物   + 597 億円
日経平均ミニ先物     + 0 億円
TOPIXラージ先物    + 77 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +27億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +150億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 +300億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 -5億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+450億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      + 360 億円
現物          + 130 億円
先物合計        + 230 億円
日経平均ラージ先物   + 140 億円
日経平均ミニ先物     + 0 億円
TOPIXラージ先物    + 80 億円

それ以外のもろもろの投信は、上記のように現先合計で+360億円の買い。金額としては小さいが、投信全体の買いの4割を占める。いつものように私募投信の買い比率が高いと思う。私募投信以外の買いも、いくらかはあったであろう。

買い方
(4)海外

現物先物合計       + 97 億円
現物          - 34 億円
先物合計        + 131 億円
日経平均ラージ先物   - 105 億円
日経平均ミニ先物    + 45 億円
TOPIXラージ先物    + 211億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

8月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190830

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190830

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は199億円。差としては小さいので、これ以上追及しない。

ただ後ほど自己のところで説明するが、外資系の自己の売買があったとすれば買いである。第3週と同様に外資系の自己の売りはあったかもしれない。あったならばTOPIXラージ先物であるが、61億円前後という小さな金額であった。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ、 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフは先物手口や先物投資部門別売買状況に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方トップはクレディ・スイス。Cスイスはトランプ大統領が対中関税引き上げ表明をした直後の8月2日に大量に売って以降、しばらく売りが続いていた。その分の買い戻しが2週連続で入っている可能性が高い。第3週と同じくCTAの買い戻しであろう。

売り方トップはソシエテ。ソシエテはCスイスより客層が広く、内外の自己売買も多い。あまり確かなことは言えない。ただ傾向としては6月にメリルの大量の売りに対して買い向かった。その後少しずつ売り越している。それでも先物買い建玉が1番多い証券会社である。その買い建玉を引き続き売った可能性が高い。損切りである。

海外は現物売り・先物買いであるがその金額は小さい。現先合計で97億円の買いである。当然だが、トランプ発言を気にしながら売った会社、買った会社に分かれる。そして合計すると海外にしては非常に小さな買いであった。この海外の中途半端さが日経平均下げ、TOPIX上げという中途半端な結果を招いた。


売り方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載。

売り方
(2)個人

現物先物合計      - 615 億円
現物現金        - 424 億円
信用          - 225 億円
先物合計        + 33 億円
日経平均ラージ先物   + 103 億円
日経平均ミニ先物    - 80 億円
TOPIXラージ先物    + 10 億円

個人は14週連続で逆張りが続いたが、15週目にして途絶えた。ここでは日経平均がベンチマークなので、上昇した対TOPIXなら15週連続逆張りにはならない。ただ通常通りの逆張りの売り、上値の戻り売りが多かったと思われる。


(*)自己という特殊な部門
第4週は売り方の(1)になった。

現物先物合計      - 626 億円
現物          - 626 億円
先物合計         - 0 億円
日経平均ラージ先物   + 112 億円
日経平均ミニ先物   + 41 億円
TOPIXラージ先物    - 164 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -680億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

みずほ   + 100 億円
ソシエテ  + 100 億円
三菱UFJ   - 50 億円
野村    - 800 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -400億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は300億円。自己の現物の売りは626億円である。どちらかというと680億円の方が近そうである。ただ差が小さいため、理由まではわからない。

自己に含まれる日銀ETF
 +1474億円

日銀ETF以外の自己
 -2100億円前後

第3週は-900億円であったが、第4週は-2100億円まで拡大した。海外のところに書いたように、外資系の自己には大きな売りは存在しない。従って、売りの中心は日系大手の自己であろう。

第3週の自己は日経平均ラージ先物の売りであり、手口はみずほ1社かみずほを中心とした数社であった。

第4週は大和で日銀ETF買い(日銀が買った月曜と木曜に大和のTOPIXラージ先物が大量買い)や野村のTOPIX型売り裁定(現物買いの単価から推測するとTOPIX型になる)の先物買いがTOPIXラージ先物中心に入っているはずである。それらが少ししか見えない。

第4週の顧客の代理とも言える売りはTOPIXラージ先物の売りであり、手口は野村と大和が中心であった可能性が高い。野村の日経平均ラージ先物の売りは銀行と信託が中心であると考える。

第3週に続いてOTCでTOPIX連動型バスケットかETFを野村と大和で売り、両社の自己がそれに対して買い向かい、そのヘッジをTOPIXラージ先物に出した可能性が高い。現物バスケットならおそらく信託の売りであろう。ただETFなら大手の銀行、信託、保険、私募投信などが考えられ、国内機関投資家としか言えない。


(8月第4週合計)
合計すると、「事法、投信、海外の買い越しvs自己、個人の売り越し」であった。

買い方は事法の金額が1番大きい。次が投信である。買い上がったのは投信の中のブルベア型投信や私募投信の買いが中心であった。Cスイスを通じるCTAの買い戻しもTOPIX上昇に寄与したと思われる。自己の日銀ETFも下げを食い止めることには事法とともに大きく貢献した。

売り方は自己と個人が中心。自己の売りは実質的には国内機関投資家の売りであった可能性が高い。

悪材料が出た直後の月曜の寄りは売り方も買い方も指値が下がって大きく下げた。それ以外に下値を売り崩したような局面は少なかった。すなわち、売り方は上値の指値売りが多かった。

結果として、日経平均株価は7円下落、TOPIXは10ポイント上昇した位置で週末の需給は均衡し、8月第4週を終えることになった。


8月月間


8月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201908

8月月間 大手証券 先物手口概算

ブログ月間先物手口201908

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物

野村総研による6月の日本株型公募投信の資金流出入
 +643億円

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +3000億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +1000億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 +150億円前後

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+4600億円前後。

(3)事法部門での自社株買い

トヨタ    1080億円買い
オリンパス  934億円買い
東芝     723億円買い
などが大口
トヨタは手法を明示していないので信託方式かもしれない

(4)裁定売買(自己が多いが、海外もある)

東証発表 裁定売買の金額合計
 -2685億円(現物売り・先物買い)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定売買推計値
 -8000億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は5500億円
金額は大きめだが、月次ならよくある大きさ

(5)自己

日銀ETFが+5884億円

(6)合計
8月月間では
  
  投信   +6,196億円
  事法   +5,560億円
  自己   +2,854億円
  
        vs
  
  海外  -1兆5,540億円
  
であった。

8月1日のトランプ大統領による関税引き上げ発言を嫌気して、海外が大量に売ってきた。しかし、その押し目を国内が買い向かい、月後半には海外の一部も買い戻しにきた。

日経平均株価は383円下落して月末の需給は均衡し、8月の4週間を終えることになった。


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2019年8月第3週 株式需給コメント

8月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190823


8月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190823


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年8月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20,711円 前週末比+292円

8月第3週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円安、NY株は上昇であった。23日金曜のジャクソンホールにおけるパウエルFRB議長の講演に注目と言われ続けていた。そして中国やドイツの財政刺激策などの材料が出たが、特に大きな材料は出ていない。8月1日のトランプ大統領による対中関税引き上げ第4弾の表明以降、NY株が週次では連続して下げていた。それが戻り始めたのが8月第3週であったと言えるだけかもしれない。NY株に並行して日経平均株価も3週連続で下落した後、8月第3週は多少の戻りを実現した週になった。


買い方
(1)事法

現物先物合計      + 1,080 億円
現物          + 1,077 億円

事法の買いは自社株買いが中心。依然として公表済みは小口が多く、大口は9月上旬にまとめて公表される予定。

買い方
(2)海外

現物先物合計       + 572 億円
現物           - 403 億円
先物合計        + 974 億円
日経平均ラージ先物   + 1,653 億円
日経平均ミニ先物    + 891 億円
TOPIXラージ先物    - 1,527 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

8月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190823

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190823

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は333億円。差としては小さい。理由は何でもありの金額なので、これ以上追及しない。

後ほど自己のところで説明するが、外資系の自己の売買があったとすれば買いである。日経平均型は小幅の売りもありうるが、大きな金額の売りはない。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ、 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフは先物手口や先物投資部門別売買状況に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方トップはクレディ・スイス。Cスイスはトランプ大統領が対中関税引き上げ表明を行った直後の8月2日に大量に売って以降、しばらく売りが続いていた。その一部を買い戻した可能性が高い。昨年9月に大量に買って大損をした時よりは金額が小さい。そこそこの規模のCTAの売買であろう。

モルガンMUFGは2週連続で売り越し。TOPIXラージ先物650億円売りが中心。第2週は信託と思われるTOPIXラージ先物売りがあった。そのため月曜のツイッターでは信託の売りかもしれないと書いた。しかし信託はTOPIXラージ先物を買っており、間違いであった。650億円の売りというのは金額が小さく、理由は何種類も考えられる。海外の売りということ以外はわからない。

Cスイス以外の手口は1000億円以下であり、大口ではない。海外全体の現先合計も572億円の買いにすぎない。繰り返すが、中口以下の場合は理由が何種類も考えられる。ただ最大の買い手であるCスイスが投機主体なので、海外全体の買いも投機主体といっても間違いは少ないと思う。


売り方
(1)個人

個人
現物先物合計      - 2,452 億円
現物現金         - 841 億円
信用           - 474 億円
先物合計        - 1,138 億円
日経平均ラージ先物    - 484 億円
日経平均ミニ先物     - 632 億円
TOPIXラージ先物      - 15 億円

個人は伝統の逆張りの売り。14週連続で逆張りが続く。しかし日経平均が292円高にしては売り越し金額がやや大きい。総売りでもある。利食いも、損切りも、新規売りもある。買い下がっていた頃よりは、高値警戒感が膨らんだようである。

買い方
(4)投信

現物先物合計      + 184 億円
現物          - 182 億円
先物合計        + 367 億円
日経平均ラージ先物   + 80 億円
日経平均ミニ先物     + 1 億円
TOPIXラージ先物   + 283 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -78億円(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -5億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -5億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 +40億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+30億円前後。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      + 230 億円
現物          - 100 億円
先物合計        + 340 億円
日経平均ラージ先物   + 50 億円
日経平均ミニ先物     + 0 億円
TOPIXラージ先物    + 280 億円

それ以外のもろもろの投信は、上記のように現先合計で+230億円の買い。金額としては小さい。海外のところで書いたように、金額が小さいので理由を決め打つのは難しい。

大口ブルベア型投信7本の売買は決め打ちが可能であり、設定に伴う売買もだいたいなら決め打ちが可能である。決め打ちが可能なものは非常に少ないため掲載している。


(*)自己という特殊な部門
第3週は売り方の(2)になった。

現物先物合計       - 148 億円
現物          + 479 億円
先物合計         - 627 億円
日経平均ラージ先物   - 1,540 億円
日経平均ミニ先物     - 170 億円
TOPIXラージ先物    + 1,047 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -124億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

三菱UFJ  + 150 億円
野村    - 100 億円
みずほ   - 200 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -2700億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は-2600億円。自己による現物は買い越しであり、金額は479億円である。

実際の裁定売買は-124億円に近かった。加えて大和自己が日銀ETF買いのヘッジ用にTOPIXラージ先物を600億円近く買った。同時にETF準備用の現物買い・先物売りを600億円近く行ったと考える。

2600憶円もの新規売り裁定の残高を東証に報告した証券会社は、過去の例からするとソシエテである可能性が高い。ただソシエテが何時どのようにして2600憶円もの売り裁定を形成したのか、具体的なことまではわからない。

自己に含まれる日銀ETF
 +767億円

日銀ETF以外の自己
 -900億円前後

金額としてはやや大きい。

自己は現物の買いよりも先物を900億円ほど多く売っている。自己が先物を売り越しているのはTOPIXラージ先物ではなく、日経平均型先物である。海外のところで書いたように、外資系自己の先物は買い越しである。日経平均型先物は少額の買い越しはありうるが900億円までは行かない。すなわち、900億円前後の自己の売りは日系大手の自己の売りが大半になる。

これは、日系大手の自己が日経平均連動型の現物バスケットかETFをOTCで日系の機関投資家から買い取り、日経平均型先物を売ってヘッジをしていることを意味する。

さらに付け加えると、日経平均型先物を大きく売り越している主体は自己と個人である。しかし個人の売りは大半がネット証券に行く。日経平均型先物を900億円前後売ったのは日系大手の自己としか考えられない。

日系大手はみずほ、野村、大和などによくわからない日経平均型先物の売りがある。どこか1社が1度に売ったのならば、21日水曜にみずほが日経平均ラージ先物を850億円前後売り越している。21日のみずほ自己は裁定でTOPIXラージ先物を買い越している。この日のみずほの日経平均ラージ先物売りが自己のOTC買いのヘッジ売りである可能性が1番高い。


(8月第3週合計)
合計すると、「事法、海外の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。

買い方は事法の金額が1番大きい。ただ積極的に買い上がる金額はそれほど多くはない。買い上がりの中心はCスイスに入ったCTAなどの海外勢であったと考えられる。

売り方は個人と自己が中心。個人の売り越し金額が大きい。高値警戒感があったからだと思うが、急落予想ではない。いつも通りの上値の指値売りが多かった。自己の売りは実質的には国内機関投資家の利食い売りである可能性が高い。

結果として、日経平均株価は292円上昇した位置で週末の需給は均衡し、8月第3週を終えることになった。



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2019年8月第2週 株式需給コメント

8月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190816


8月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190816


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年8月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20,419円 前週末比-265円

8月第2週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円安、NY株は下落であった。月曜に激化する香港のデモやアルゼンチンの株価、通貨の暴落を嫌気してNY株が下落、火曜の日本株も下げた。火曜のNY時間にトランプ大統領が対中関税第4弾の一部延期を公表し、NY株は上昇、水曜の日本株も上げた。水曜はアメリカで2年債と10年債の逆イールドが発生してNY株が下落、木曜の日本株も下げた。金曜は大きな材料は出なかったが、少し戻した。日経平均株価は3週連続の下落で週を終えることになった。


買い方
(1)自己

自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2)事法

現物先物合計      + 1,291 億円
現物          + 1,314 億円

事法の買いは自社株買いが中心。依然として公表済は小口が多く、大口は9月上旬にまとめて公表される予定。

買い方
(3)個人

現物先物合計      + 1,035 億円
現物現金         + 422 億円
信用           + 421 億円
先物合計         + 192 億円
日経平均ラージ先物    + 114 億円
日経平均ミニ先物      + 66 億円
TOPIXラージ先物      + 7 億円

個人は伝統の逆張りの買い。13週連続で逆張りが続く。総買いではあるが、株価の下げ幅が小さくなったので、買い越し金額も減少した。

買い方
(4)投信

現物先物合計      + 521 億円
現物          + 500 億円
先物合計        + 21 億円
日経平均ラージ先物   - 25 億円
日経平均ミニ先物    - 0 億円
TOPIXラージ先物    + 51 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +115億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -100億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 +30億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 -30億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-150億円前後。

第1週の+4250億円の買いから、小幅の売りに転換。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      + 560 億円
現物          + 390 億円
先物合計        + 170 億円
日経平均ラージ先物   + 130 億円
日経平均ミニ先物     + 0 億円
TOPIXラージ先物    + 50 億円

それ以外のもろもろの投信は、上記のように現先合計で+560億円の買い。金額としてはやや大きい。第1週の投信による買いは設定とブルベア型投信の買いによって説明できた。第2週は上記2つ以外でほとんどを説明できる。

いつもと同様だが、かなり多くの部分は私募投信の買いであると考える。最近は売り越しの週が多かった。ポジションが軽くなり、押し目買いを実施したと考える。


売り方
(1)海外

現物先物合計      - 4,383 億円
現物          - 3,036 億円
先物合計        - 1,348 億円
日経平均ラージ先物   + 525 億円
日経平均ミニ先物    - 437 億円
TOPIXラージ先物    - 1,341 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。

8月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190816

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190816

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は997億円。差としては大きい。

どこかの主体がTOPIXラージ先物を中心に1000億円近い先物を外資系で売っている。通常なら外資系自己である可能性が高い。しかし第2週の自己はTOPIXラージ先物を2389億円買い越しており、日銀ETFの買い1452憶円を大きく上回っている。この週に関しては外資系自己の売りではなさそうである。

第2週にTOPIXラージ先物を1035億円売り越しているのは信託である。過去の経緯からすると、信託が外資系に大口の注文を出すケースは少ない。ただ第2週に関しては信託が外資系で売ったと考えるのが1番自然である。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

売り方トップはソシエテ。ソシエテは海外自己を中心に戦線縮小であるが、依然として大手である。欧州系は縮小どころか撤退する会社も増えているので、客層はむしろ拡大している感じがする。TOPIX ラージ先物を中心に最大の買い建玉を持っている。第2週の売りはどの種類の投資家が多いかは分からない。ただ大量の買い建玉を持っているので、TOPIXラージ先物に関しては新規売りではなく手仕舞い売りであろう。

売り方の上位2番目はABNアムロクリアリング。ここの売りはヘッジファンドの売りと考えて良い。手仕舞い売りである。これでネットの建玉は小幅のショートとなった。残りは日経平均ラージ先物買い・ミニ先物売りの両建て分が大半である。

先に信託がTOPIXラージ先物を外資系で1000億円売ったと書いた。JPモルガンかモルガンMUFGのどちらかで売った可能性が高い。

海外は現物の売りが1番多く、次がTOPIIXラージ先物の売りである。日経平均型は小幅だが買い越している。セオリーからすれば、中長期性の投資的資金の売りの比率が高そうである。ABNで投機筋が売っているが、全体での割合は大きくない。

8月1日にトランプ大統領が対中関税引き上げ第4弾を発表し、13日にその半分強を12月まで延期した。しかし2日以降の海外は売り越しが続いている。売り越し金額は第1週の1.2兆円から減少したが、第2週は中長期性の資金の売り越し比率が高くなった。

売り方
(2)信託

現物先物合計       - 741 億円
現物          + 366 億円
先物合計        - 1,107 億円
日経平均ラージ先物     - 75 億円
日経平均ミニ先物      + 0 億円
TOPIXラージ先物    - 1,035 億円

信託は今年に入って、現物はソフトバンクの信託方式の自社株買いなどがあるので買い越しである。先物はトピックスラージ先物を中心にかなり大量に売り越している。第2週の売りも同様であり、長期のヘッジ売りである。


(*)自己という特殊な部門
第2週は買い方の(2)になった。

現物先物合計      + 1,510 億円
現物           - 511 億円
先物合計        + 2,022 億円
日経平均ラージ先物    - 817 億円
日経平均ミニ先物     + 358 億円
TOPIXラージ先物    + 2,389 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -491億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「+」は現物買い・先物売りを示す)

みずほ   + 150 億円
三菱UFJ  + 100 億円
ソシエテ  - 50 億円
野村    - 700 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -2,100億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1600億円。

自己による現物の売り越し金額は511億円。実際の裁定売買は491億円に近かった。

7月第5週、8月第1週とソシエテが現物売り・先物買いの売り裁定を大量に実施していた。しかしそれ以外にも同様な売買があり、その合計金額は1千数百億円レベルであった。

おそらくその1千数百億円レベル、より厳密に言うと1600億円はソシエテ以外の証券会社ではなく、ソシエテ東京自己の現物売り・先物買いであったと思われる。その時に実質的には完成していた売り裁定の残を東証には報告せずに、何らかの理由で第2週に正式に東証に売り裁定の残と報告した可能性が高い。過去に何度もあった話である。

第2週も売り裁定の残が大きく増えたのを見て、月曜のツイッターではソシエテが売り裁定を実施したように書いた。これは誤りであった。先物手口だけでそこまでは読めなかった。


自己に含まれる日銀ETF
 +1,462億円

日銀ETF以外の自己
 +50億円前後

金額としては非常に小さい。ディーラーのポジション調整の売買の差として許される範囲内の金額である。


(8月第2週合計)
合計すると、「自己、事法、個人、投信の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。

売り方は海外が中心。金額は第1週より減ったが、中長期性の資金の比率が高まっている。トランプ大統領による対中関税引き上げを嫌っている。信託も先物売りであるが、長期のヘッジ売りである。

買い方は自己の日銀ETFが最大。事法の自社株買いは金額を減らしながらも買いは続く。個人も逆張りの買いが続く。投信は中身は大きく変ったが、買いを維持した。

売り方のヘッジファンド、買い方のブルベア型投信など、積極的に売り下がり、買い上がりをする主体は減った。それでもヘッジファンド以外の海外は下値も売るが、買い方の国内は押し目買いが中心である。

結果として、日経平均株価は265円下落した位置で週末の需給は均衡し、8月第2週を終えることになった。



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