2018年2月第1週 株 コメント

2月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180209


2月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180209

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年2月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21383円 前週末比-1892円

2月第2週の日経平均株価はNY株価に振り回されて下げた週であった。前週末の雇用統計で賃金上昇率の加速が確認され、トランプ減税の結果としての財政赤字拡大懸念とも合わさってアメリカの長期金利に上昇圧力がかかった。NY株は金利上昇を嫌気して急落となった。日経平均株価はNY株価の終値だけではなく、東京時間の昼に売買されているNYダウの先物価格にも大きな影響を受けた。少しばかりの円高が進行した為替レートの影響も受けた。日経平均株価は大きな変動を伴い急落し、4か月ぶりの安値まで下落して週を終えた。


買い方
(1)個人
現先合計  6560億円の買い越し
現物現金  5644億円の買い越し
信用    1814億円の買い越し
先物     898億円の売り越し

現物(現物現金+信用)の買い越し金額は過去最高。スイングトレーダーは買い建てが増えていた先物は売った。安い位置から買い続けている信用は引き続き買った。現物現金が大幅な買い越しなので、普段はあまり株を売買しない人たちも買いを入れていたのだと思われる。株を初めて買った人もいたかもしれない。ただ大きく下げた局面での順張りの買いは通常、見られるパターンである。

買い方
(2)投信
現先合計 3623億円の買い越し
現物   1052億円の買い越し
先物   2571億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1047億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 2350億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で2400億円前後の買い越し。

上記以外の投信による売買
現物          10億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  980億円前後の買い越し
それ以外の先物    790億円前後の売り越し
合計         200億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると上記の金額であり、現先合計では200億円の買い越しであった。第1週も投信による買いの大部分は設定と大口のブルベア型投信の買いで説明できる。

買い方
(3) 自己
自己はいつも最後に掲載

買い方
(4)信託
現先合計 1947億円の買い越し
現物    917億円の買い越し
先物   1030億円の買い越し

現物買いが1月第5週についで917億円も入っている。根拠のない勘のレベルでは、ゆうちょ銀行かかんぽ生命の信託勘定が買っている。先物は昨年9-10月の株価上昇期に売った分を買い戻している。現物とは異なり、先物は当たっている可能性が高い。


売り方
(1)海外
現先合計 1兆8021億円の売り越し
現物     6446億円の売り越し
先物   1兆1575億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


2月第1週 大手証券 先物手口概算

ブログ週間先物手口20180209

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180209


いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。

(1)はいつもと同じ東証公表の裁定売買分の修正である。修正後も3864億円の差が残る。最近2つの数字の差が小さい週が続いていた。1月第5週も差は非常に小さかった。それが一転して大変大きな差になった。

差の原因について確かなことはわからないのが通常であるのだが、3800億円と金額が大きいので無視するわけにもいかない。3800億円の何割かは海外の売りが日系大手に流れた可能性が高い。金額が大きいので少しくらいは日系大手に流れてもおかしくはない。外資系の東京自己の買いも何割かはあるだろう。SQのある週なので自己がいろいろな操作をしているケースは通常よりも多い。ただSQのある週のいろいろな操作、オペレーションは外から見てわかるものではない。この週はSQがあろうとなかろうと海外が外資系だけではなく日系大手も含めて大量に買ったということにしておく。

海外の中で、売り方のトップはUBS。第1週もモルガンMUFG、クレディ・スイスなど他社で売ってUBS証券へ建玉移管をしている。こうした売買手法を用いるのはUBS本体運用部であることに間違いはない。5週連続の大幅売り越しである。大量の売買を順張り傾向で売買する。かつては大損をしたこともあったが、今回は大当たりであった。大当たりした後も追撃の売りを入れている。

他に手口から推測がつくことはABNアムロクリアリングの売りであり、これは投機筋の売りであろう。バークレーズ、モルガンMUFG、JPモルガンの先物建玉推移を12、10、9番目に表示している。サイクルがABNは短く、UBSは中期、それに対してこの3社のTOPIXラージ先物のサイクルは長い。従って、年金などの中長期性の資金が日本株のポジションを少し減らしている可能性が高い。日経平均ラージ先物の売買はまた別の投資家の売買である。

クレディ・スイスを例にあげると、会社全体では昨年の年初からずっと買い建玉を持っている。しかし、買い建玉は増えたり減ったりする。クレディ・スイスには両先物とも長期性の資金と、短期性の資金が両方混じっているのである。従って、クレディ・スイスの売りだけではどちらが動いたかはわからない。普通の外資系は両方とも存在しているのであり、長期性が多い、短期性が多いというのは一部の証券会社に限られるのである。

ただ最近のクレディ・スイスはUBS本体運用部からの注文が多い。UBS証券に移されるので確実にわかる。ところが、このUBS本体運用部の売買がCTAの売買と誤解されるケースが多い。先物手口の分析をする以上、建玉移管、ギブ・アップという制度の存在を知っておくことは最低限必要である。

海外は現物にも6446億円の売りがある。現物は確かなことはわからない。ただ現物と先物の比率からみると、現物の比率が少し低く、日経平均型先物の比率が少し高い。短期性から長期性までいろいろな種類の資金が混ざっていたのは当然であるが、現先合計では短期性から中期性にかけての資金の比率がやや高かったと一般論としては言うことができる。


(*)自己という特殊な部門
1月第5週は買い方の(3)になった
現先合計 3169億円の買い越し
現物   6630億円の売り越し
先物   9799億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 447億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ1600億円、みずほ200億円
裁定形成売買上位の証券会社
 野村750億円、ソシエテ350億円、ドイツ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 5300億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差は4900億円。差は大きい。それでも第1週の自己の現物売りは6630億円もある。バスケットでの現物売り・先物買いを広義の裁定売買とするならば、裁定解消売りは5300億円以上、おそらく6630億円前後出ていた可能性が高い。野村、ソシエテ、ドイツは裁定形成売買を行っている。この3社は現物買い・先物売りのポジションが少ないのであろう。そうは言っても野村は他の2社とは異なり、先物のポジションは依然として大きめのショートである。野村に関しては、以前との比較で少ないだけであって、現物買い・先物売りのポジションはまだ大量に保有しているはずである。

自己に含まれる日銀ETF
 2253億円の買い

日銀ETF以外の自己
 900億円前後の買い(現先合計)

この週はミニSQの週であり、野村にリバーサルのSQ決済が2100億円、みずほにコンバージョンのSQ決済が300億円ほど見えた。そのため自己の日経平均ミニ先物は1815億円の買い越しになっている。残りの多くは外資系の海外自己かトレーディング会社が日経平均ミニ先物を1600億円前後売る何らかのポジションを組んでいたと思われる。ミニSQの週はこうした売買が毎回存在する。ただ野村の2100億円、日経平均ミニ先物で10万枚のリバーサルというのは最近ではあまり見られない大きなポジションである。大きかったからわかっただけである。

野村とみずほの売買を考慮すると、日銀ETF以外の自己は900億円前後の売りになる。海外のところに書いたように、SQの週はいろいろなことがあるので、第1週に900億円前後存在する売りの内容はわからない。


(2月第1週合計)
合計すると「個人、投信、自己、信託の買い越しvs海外の売り越し」であった。

上記の組み合わせは1月第5週と同じである。売り越し買い越しの金額は5割ほど拡大した。しかし、日経平均の下落率は大幅に拡大した。

これはアメリカの金利上昇、NY株価の大幅下落により、主として国内投資家の買い指し値が大きく下に移動したからである。そして株価が急落したために、個人を中心に普段はあまり売買をしない投資家が新しく買い手として加わった。1月第5週から2月第1週にかけて買いが拡大したのは主として個人であったからである。しかし、こうした個人の買いを増やすためには日経平均株価は1892円も下落する必要があった。この大幅下落の結果、売りと買いは均衡することができた。


(追記)
個人現物の過去最高の買い越しについて

先に記したとおり、個人現物は7458億円の買い越しであり、ブラックマンデーがあった週(1987年10月第3週)を抜いて、過去最高の買い越しとなった。しかし、東証は現物しか見ていない。

ブラックマンデーはポートフォリオインシュアランスの売り、今回はボラティリティーインデックスの拡大による売りが、下げ幅を大きくする一因となった。

しかし、ブラックマンデーは約5か月の調整期間で日経平均株価は戻した。ブラックマンデーの時の戻りの立役者は銀行であり、その大半は特金・ファントラであったと推測できる。現在とは環境が違いすぎる。

現先合計では2015年7月第2週が6750億円の買い越しであり、今回の6560億円よりも買い越し金額は大きかった。ブラックマンデーのあった週は先物がなかったので現物だけの合計になるが、その時の6505億円をも上回っている。2月第1週はブラックマンデーの週よりも、2015年7月第2週の方が類似点が多く、参考になると思う。

2015年7月第2週は下げた後、すぐに戻した。しかし、7月第3週の高値から始まった2度目の下げから回復するまでには2年以上の年月を必要とした。

2015年7月第2週は日経平均株価が760円の下落で1万9780円まで下げていた。海外が1兆5895億円の売りを出していた。個人が現物に加えて先物にも買いを入れていた。7月第1週末時点の個人による先物買いのポジションは大きくなかったからである。そして今回以上に野村のレバETFにも大量の買いを入れていた。投信の買い越し金額は現先合計で5276億円であり、個人と同様に今回を上回っていた。

7月第2週の時点では個人の押し目買いの意欲は非常に強かった。9月初頭の下げまでは個人と野村のレバETFは押し目を積極的に買い下がっていた。ただこのあたりから押し目買い意欲は衰えている。9月の後半はUBS本体運用部が先物に順張りの売りを大量に出して底を形成するのであるが、買い向かったのは個人よりも公的年金の方が多かった。ここまで来ると現在とは環境が異なり、参考にならない点が増える。ただ2015年7月の場合は、個人の押し目買い意欲は当初は強かったが、2か月以上売られ続けると買い意欲は衰えていた。

従来からのスイングトレーダーの押し目買い意欲は1月に非常に強かったので2月の下げで買い意欲は少し衰えるであろう。信用の買残が多すぎる。ただ今回はニューマネーを伴った新しい個人投資家の参入が少し増えたと感じられる。これが大きく広がれば株価は下がらなくなるのだが、実際には少しずつである。広がる速度も正確に予想することはできない。いずれにせよ、しばらくは戻りは売るにしても個人の押し目買いは続くであろう。しかし、外部環境に変化がなければ、2か月とは言わないが長期間続く可能性は低い。そして大きく戻れば売るので、個人だけの買いでは本格的な上昇相場は難しい。別の買い主体がないと24000円はこえられない。

2015年7月第2週の下げが起こったきっかけはギリシャ・中国経済危機である。2016年になると円高が加わって、2016年半ばまで株価は下げた。

今回の下げの大元の原因はアメリカのインフレ、金利上昇である。それに円高も加わった。

前回と同様に危険なのは円高である。円高が続くとEPSが下がるので、買い手、売り手の両方の指し値が下に移動するからだ。そして、NY株の騰落にも短期的には大きな影響を受ける。

2015年7月第2週との比較だけで現時点における将来の株価を当てることは不可能である。為替レート1つをとっても先行きを正確に予想することは常に難しいからである。ただ正しい分析を積み重ねれば、長い目で見た場合には運用成績を引き上げることができるとは考えている。



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2018年1月第5週 株 コメント

1月第5週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180202


1月第5週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180202


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年1月第5週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23275円 前週末比-357円

1月第5週は為替レートが少しばかりの円安が進行した。一方、今まで上昇が続いていたNY株が長期金利の上昇を嫌気して26日金曜日を頂点にして下落に転じた。今まで世界の株価上昇の原動力であったNY株が下落に転じると、日本の株価も上昇力を失う。1日の木曜日だけはNY株の上昇を好感する形で大きく反発したが、2日金曜日は再度下落した。日経平均株価は第4週よりは少し大きいが、大幅まではいかない下落幅で週を終えることになった。


買い方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載

(2)個人
現先合計  3590億円の買い越し
現物現金   985億円の買い越し
信用    1749億円の買い越し
先物     857億円の買い越し

高年齢富裕者層の売りは減ったとは思うが続いている。スイングトレーダーは信用と先物の両方で買いを入れ続けた。週間で見ると個人はいつもと同様に逆張りの買いとなった。逆張りの買いといっても指し値は引き続き高めであったが、第5週は海外の売りがあまりにも大きかったので少し売りに押される形になった。

(3)投信
現先合計 2539億円の買い越し
現物   1322億円の買い越し
先物   1217億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1087億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1200億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1500億円前後の買い越し。

上記以外の投信による売買
現物         240億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   40億円前後の売り越し
それ以外の先物    220億円前後の売り越し
合計          30億円前後の売り越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると上記の金額であり、現先合計では30億円だけの売り越しであった。第5週の投信による買いのほとんどすべてが設定と大口のブルベア型投信の買いで説明できる。

買い方
(4)信託
現先合計 1435億円の買い越し
現物   1787億円の買い越し
先物    352億円の売り越し

第5週はトヨタの自社株買いが210億円入っている。それ以外に信託の現物買いが1580億円ほど入っている。この買いについては根拠のあることは何もわからない。直観では、この高値を買うのは運用の歴史の浅い会社であり、ゆうちょ銀行かかんぽ生命の信託勘定。


売り方
(1)海外
現先合計 1兆1888億円の売り越し
現物     3526億円の売り越し
先物     8362億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


1月第5週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180202

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180202


いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。

(1)はいつもと同じ東証公表の裁定売買分の修正である。修正前の差は206億円、修正後は56億円である。最近、修正後の差が小さい週が続いているが、第5週も非常に小さかった。

海外の売買の全部が外資系だけに流れているわけではない。外資系に日系の機関投資家の売買も流れているはずである。ただ、そうした売買の「買い-売り」が偶然にもゼロかゼロに近かったということである。そして外資系の自己の売買は修正前の200億円前後の買いに近かった可能性が高い。この200億円は自己のところでも使うので覚えておいていただきたい。

海外の中で、売り方のトップはUBS。第5週もモルガンMUFG、クレディ・スイスなど他社で売ってUBS証券へギブ・アップ、または建玉移管をしている。こうした売買手法を用いるのはUBS本体運用部であることに間違いない。4週連続の大幅な売り越しである。

売り方の2番目はABNアムロクリアリング。この会社の売買はヘッジファンドとは限らないが、短期か短期に近い中期志向の投機的な売買である可能性が高い。

第3週の海外による現先合計の売りは1兆1888億円である。後で示すが、海外は日系の自己を通した代理の買いが2200億円程度入っている。実質的な海外による売りは9700億円なのである。UBSとABNの先物売りの合計は1兆0400億円である。この2社の売りが海外全体の実質的な売りよりも多い。海外は現物が売り越しでメリル・リンチは先物を買い越している。ただ第5週の海外の売りを要約すると、UBS本体運用部とABNの少数、すなわち1社から数社の大口投機顧客の売りであったとまとめても良いと思われる。


(*)自己という特殊な部門
1月第5週は買い方の(1)になった
現先合計 3749億円の買い越し
現物   3270億円の売り越し
先物   7019億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 2594億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ2300億円、みずほ200億円、ドイツ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 5300億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差は2700億円。結論から言うと、このうち500億円程度は日系大手を中心とする広義の裁定解消売りであり、2200億円程度は日系大手の自己から取引所外取引で海外の大口顧客に売却されたと考える。この場合、自己の取引所での現物売りは狭義広義の裁定解消で3100億円となり、自己の現物売り3270億円と一致はしないが、近い金額になる。

自己に含まれる日銀ETF
 1526億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2200億円前後の買い(現先合計)

財務省の統計では第5週の海外による現物売りは1267億円であり、東証統計3526億円の売りとの差は2259億円であった。日銀ETF以外の自己と近い金額である。

第5週は上表にも記された3種の先物において、日系大手の先物買いの合計は7150億円、投資部門別売買状況先物の個人を除く国内投資家の先物買い+自己の先物買い=7689億円と計算できる。差は539億円。何が言いたいかというと、先物投資部門別売買状況の自己による3種の先物買いの合計を計算すると6945億円になるが、そのすべてが日系大手ではないが、その大部分は日系大手による先物買いである可能性が高いということである。先に外資系の自己が先物を200億円買いと書いた。539億円から200億円を引くと340億円になる。この340億円が残りのよくわからない先物買いになる。説明が不可能な誤差なのであるが、7000億円前後の売買を推定する際の誤差なので、金額としてはかなり小さい。

起こったことは海外の超大手の1顧客が、現物のインデックス買いを2200億円だけ決め商いで買おうとしたのである。現物インデックスの保有が少ない外資系では対応できず、日系大手に流れた。日系大手は裁定のポジションとして保有していた2200億円を崩して取引所外取引で現物を海外の超大手顧客に引き渡した。そしてポジションカバーのために裁定で売り建てていた先物を買い戻した。取引所内での裁定解消売りがない中で、裁定残が2200億円減少したのは先に書いた通りである。

これは第2週に5000億の売買があった時と全く同じ構造である。顧客も同一の1顧客かもしれない。東証と財務省の統計の金額の差とほぼ同じであるなど、状況証拠としては有力なものが多く、説明の不可能な誤差が小さい。このシナリオは第2週と同様に当たりの可能性が高いと考える。


(1月第5週合計)
合計すると「自己、個人、投信、信託の買い越しvs海外の売り越し」であった。

自己は海外の代理の買い2200億円、日銀ETFの買い1526億円がその内容である。個人、投信、信託が押し目でかなり高い位置に指し値を置いていた。

海外の実質的な売りは自己による代理の買い2200億円を引いた9700億円である。その内容はUBS本体運用部とABNアムロクリアリングの少数の大口投機顧客による先物の売りであった。

外資系2社から出た巨額の先物売りに国内勢が買い向かい、日経平均株価は357円安にとどめることができた。


1月月間


1月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20180202

1月月間 大手証券 先物手口概算
201801月次手口


記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると1月の公募型日本株投信は2537億円の資金純流入

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1500億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 550億円前後の買い越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で2400億円前後の買い越し

(3)事法部門での自社株買い
富士フイルムの157億円買いが一番大口

(4)信託方式の自社株買い
トヨタの1320億円買いが一番大口

(5)自己
日銀ETFが5393億円買い

(6)日銀ETF以外の自己
 8500億円の買い
この中で第2週の5000億円、第5週の2200億円、合計7200億円は自己による海外の代理の買いであった。

(7)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定解消売買の金額合計
 3945億円(現物売り・先物買い)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値
 9000億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は5000億円、月間でも非常に大きい。第5週のように差を説明できる週もあった。

(8)合計
1月月間では

  自己 1兆3924億円の買い越し
  投信   4509億円の買い越し
  信託   3830億円の買い越し
  個人   2046億円の買い越し  
           vs
  海外 2兆5306億円の売り越し
  
で日経平均株価は510円上昇して1月の5週を終えた。

自己に海外による代理の買いが少なくとも7200億円は入っている。この分を含めると海外の実質的な買いは1兆8000億円。UBS本体運用部とABNの投機筋と思われる少数大口顧客が合計で1兆9450億円の先物を売っている。1月第1週に海外による買いで急上昇した後、第2週以降は国内投資家が高めの指し値で押し目買いを積極的に入れ続けた。UBSとABNの2社から大量の先物売りが出て少しずつ崩されたが、1月第5週末時点では前月比510円高と高値を維持することができた。

1月の5週間は、海外2社から大量に出た先物売りを国内勢が受け止め、月間では国内勢が買い越しのまま上昇して終えることになった。バブル崩壊後、日銀ETFと公的年金以外の国内投資家がこの高値を大量に買い越して株価が上がったという月は1度もない。20数年間戻り売りを続けてきた国内勢の投資行動に重大な変化が訪れたのかもしれない。しかし、2月2日夜にアメリカ雇用統計でアメリカの長期金利が上昇、NY株下落で日本株も大きく下落してしまった。残念ながらこの変化が一時的ではないことを現時点ではまだ確認できない。



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2018年1月第4週 株 コメント

1月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180126

1月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180126


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年1月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23632円 前週末比-176円

1月第4週はNY株が引き続き大きく上昇した。為替レートは少しばかりだが円高が進行した。22日、23日はNY株高を素直に好感して日本株も上昇が続いた。23日の金融政策決定会合で現在の金融緩和策に変更なしということで株高となり、日経平均株価は26年ぶりに24000円の大台を回復して引けた。雰囲気が変わったのは23日の夕方からである。日銀金融政策決定会合での金融緩和縮小観測から円高が進行した。この円高を嫌気する形で日経平均株価も下落に転じた。週の前半は株高、後半は株安ということで、日経平均株価は下落して週を終えることになった。


買い方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載

(2)個人
現先合計  2494億円の買い越し
現物現金   145億円の買い越し
信用    1673億円の買い越し
先物     677億円の買い越し

高年齢富裕者層の売りは減ったとは思うが続いている。スイングトレーダーは信用では買い越しが続いている。先物は第3週にいったん利食い売りをした後、再度押し目買いに転じた。合計するといつもと同様の逆張りの買いになった。ただ、日経平均株価の週間の下げ幅は176円にすぎなかった。個人は下値での指し値買いが基本である。第2週と同様に下値とはいっても現値に近いかなり高い位置で買っていたものが多かったのである。

(3)投信
現先合計 1560億円の買い越し
現物    872億円の買い越し
先物    688億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 771億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で400億円前後の買い越し。

上記以外の投信による売買
現物         100億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  250億円前後の買い越し
それ以外の先物     40億円前後の買い越し
合計         380億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると上記の金額であった。第4週の投信による買いの75%は設定と大口のブルベア型投信の買いで説明できる。投信による買いの25%がそれ以外のもろもろの投信の買いの合計であった。


売り方
(1)海外
現先合計 8238億円の売り越し
現物   3560億円の売り越し
先物   4678億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


1月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180126

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180126

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。

(1)はいつもと同じ東証公表の裁定売買分の修正である。修正後の差は367億円で、修正前から差は少し拡大した。週間の差の大きさとしては平均よりは少ないレベルだと思う。

ここで1つだけ指摘しておきたいのは、修正前の217億円という金額である。これが仮に全部が外資系の自己であるとするならば、外資系の自己の合計は217億円の売り越しになる。実際には国内機関投資家の売りが少し外資系に流れたことなども考えられる。外資系の自己は売り越しとは断定できないが、売り越しである可能性が高い。後で詳しく説明するが、自己の先物は2564億円の買い越しなのであるが、外資系の自己の合計は売り越しである可能性が高いので、日系大手5社の自己が2564億円の買い越しに近かった可能性が高い。

海外の中で、売り方の2番目はUBS。第4週もモルガンなど他社で売ってUBS証券へギブ・アップ、または建玉移管をしている。この売りの大半がUBS本体運用部の売りであることは間違いない。昨年秋に大量に買った分を3週連続で大量に売っている。

海外の中で、売り方の3番目はABNアムロクリアリング。この会社の売買はヘッジファンドとは限らないが、短期か短期に近い中期志向の投機的な売買である可能性が高い。

海外の中でもっとも多くの先物を売ったのはゴールドマン。昨年秋の上昇局面でもUBS本体運用部と共同で買い上がっていた。ただ第4週のゴールドマンの買いは昨年秋に買った主力の顧客とは異なる顧客である可能性が高い。昨年秋の株価が連続して上昇した9週間の大手証券先物手口概算を示す。

週間先物手口2017 9-111月の連続上昇期

昨年秋のゴールドマンの買いの中心はTOPIXラージ先物であった。第4週の売りは日経平均ラージ先物が中心である。そして第4週の売りはUBSと同様に大半をメリルなど他社で売ってゴールドマンへギブ・アップまたは建玉移管をしている。UBS、ゴールドマンに限らず、多くの外資系ではギブ・アップ、建玉移管は多かれ少なかれ毎週見られることであり、特殊な売買ではない。ただ昨年秋のゴールドマンのTOPIXラージ先物買いの半分以上はゴールドマンで買っていた。第4週のように他社で大量に売買してゴールドマンへ移したという露骨なまでのUBS方式があったことは記憶にない。第4週にTOPIXラージ先物を売ったゴールドマンの大口顧客は、ゴールドマンの中では異端の大口顧客であったと思われる。

言いたいことは、ゴールドマンでは年金などの長期性の資金がTOPIXラージ先物で大量の買いヘッジを続けているのであるが、その中心的な長期性の資金はあまり動かず、それとは異なる種類の資金が大量に売った可能性が高いということである。

第4週の海外は現物も3560億円の売り。2週連続で少し大きめの売りである。第3週とは異なり株価は下がっている。従って、昨年11月以降に、余裕の上値の指し値売りをしたのと同種の顧客が第3週から第4週の前半にかけてはいたと思う。週の後半はそうした顧客の比率は低下し、株の先安感を抱いて成り行きに近い売りが増えた可能性が高い。

まとめると、海外の売りは第3週と共通する顧客は一部であり、第2週の売り手、すなわち日銀の金融緩和縮小政策を読んで、それを嫌気した中短期性の資金の売りの割合が高かったと思われる。ゴールドマンやバークレーズ、JPモルガンなどでTOPIXラージ先物を買い、ずっと買い持ちを続けている長期性の資金はあまり動いていない。短期の投機、中期の投資といった性格の資金が多かったと思われる。短期はABNの先物、中期はUBSの先物が代表である。ゴールドマンの先物も長期は少なく、中短期が中心であったと思われる。現物も似たようなものだと推測する。


(*)自己という特殊な部門
1月第4週は買い方の(1)になった
現先合計 2566億円の買い越し
現物      2億円の買い越し
先物   2564億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 486億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ400億円、ドイツ200億円

裁定形成売買の証券会社
 野村100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 100億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は600億円。形成と解消とでは正反対であるが、金額としては大きくない。この週の自己による現物・先物のセット売買、すなわち広義の裁定売買はよくわからない。ただ、裁定解消があったとしても最大で486億円であり、大量の裁定解消売りが出て下げたわけではないことは確かである。海外がゴールドマンを筆頭に大量に先物を売ってくると、普通なら大量の裁定解消売りが出て下げる。第4週はゴールドマンらの大量の売りに対して、別の海外、投信、個人の先物が買い向かい、株価は少し下がったが、広義の裁定売買は少なかったのである。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 1530億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1000億円前後の買い(現先合計)

先に書いた通り、第4週の外資系の自己の先物は売りである可能性が高い。日系大手5社は3種の先物を3550億円買っている。国内機関投資家と自己の投資部門別先物売買3種の合計は3688億円の買いと計算できる。差は138億円でしかない。従って、自己の買いの大半は日系大手の買いであり、上記の日銀ETF以外の1000億円の買いは日系大手5社の先物買いの一部である可能性が高い。

第2週はこの金額が5000億円であり、その背後は海外の買いと断定できた。1000億円だと国内、海外の両方がありえる。先物手口分析は最初からシナリオをごく一部に限定できる超大口が一番読みやすく、小口になるほど何でもありになるので1つには決められなくなる。日系大手5社の自己が取引所で先物を1000億円買い、1000億円の現物かデリバを取引所外で機関投資家に売却した。取引所外で買った機関投資家は第2週と同様に海外である可能性が少し高いが、断定できるレベルではない。


(1月第4週合計)
合計すると「自己、個人、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。

自己は日銀ETFの買いがあり、それ以外に日系大手の自己が先物を買っていた。個人と投信は押し目買いを入れていた。それに対して海外は中短期筋を中心に大幅な売り越しになった。

海外による大量の売り越し、自己、個人、投信の買い越しというのは最近ではよくあるパターンである。従来と大きく異なる点は、第2週と同様に個人を中心とする国内勢の買い指し値の位置がかなり高かったことである。その結果、日経平均株価は176円安という小幅の下げで週を終えることができた。



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2018年1月第3週 株 コメント

1月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180119

1月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180119


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年1月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23808円 前週末比+154円

1月第3週はNY株が引き続き大きく上昇した。為替レートはほんの少しの円高であった。第3週は日次レベルで見るとNY株価と日経平均株価はかならずしも連動してはいない。それでも大きな流れとしては、円高がほとんど停止した環境下で、NY株価の上昇を材料とした上げ相場であったと思う。今年に入ってからは、第1週が大きく上昇、第2週は小幅下落、そして第3週は再度上昇ということになった。


買い方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載

(2)投信
現先合計 1079億円の買い越し
現物     52億円の売り越し
先物   1131億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 571億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で500億円前後の買い越し。

上記以外の投信による売買
現物         560億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  620億円前後の買い越し
それ以外の先物     10億円前後の買い越し
合計          70億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると上記の金額であった。その中で現物売り・日経平均ラージ先物買いが500億円程度は存在しているように見える。私募投信の中にはアービトラージ方式で運用しているファンドは存在し、その売買は過去にも何度か見られた。第3週も同種の私募投信のアービトラージ解消売買があった可能性は十分に考えられる。なお、上記以外による投信の売買合計は70億円前後の買いにすぎない。第3週の投信の買いの大半は設定とブルベア型投信の買いで説明できる。


売り方
(1)海外
現先合計 1899億円の売り越し
現物   2222億円の売り越し
先物    323億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


1月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180119

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180119

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。

(1)、(2)はいつもと同様の東証公表の裁定売買分の修正である。修正後の差は554億円で、修正前から差は少し拡大した。週間の差の大きさとしては平均的なレベルである。

海外の中で、UBSの売りの多くは本体運用部の売りである。いつもと同様にクレディ・スイスなどの他社で大半を売って、UBS証券へ建玉移管またはギブ・アップをしている。これはUBS本体運用部の売りでしかありえない。ただし、東京自己の裁定の売りも150億円存在している。2週連続の大量売りで、UBS証券の日経平均ラージ先物のポジションはショートになった。

しかし、海外全体では先物は323億円の買い越しになっている。売りの大半は現物の2222億円の売り越しである。

昨年も海外は11月第1週までは連続買い越しで株価は大きく上昇した。11月第3週以降に現物は5週連続でかなりの金額の売り越しになった。しかし、株価はほとんど横ばいに近かった。ファンダメンタルズが悪くないので、大量の売りは出したものの、売り指し値は上値に置いて売り急がなかったからである。

今回も同様に現物を上値の指し値で売っている。先物は売りと買いが激突しており、合計は小幅の買い越しである。現物の売り手は、先物を売買しているグループとは異なるようである。昨年はオイルマネーかもしれないと書いたことがある。第3週もオイルマネーとは決めつけないが、普段大量に売買する年金、投信、ヘッジファンドなどとは異なる集団であると思われる。

(2)個人
現先合計  722億円の売り越し
現物現金  624億円の売り越し
信用    395億円の買い越し
先物    492億円の売り越し

高年齢富裕者層の売りは続いている。スイングトレーダーは信用では買い越しが続いた。先物は第2週に大量に買い越したので、第3週は利食いの売りになった。合計するといつもと同様の逆張りの売りになった。



(*)自己という特殊な部門
1月第3週は買い方の(1)になった
現先合計 1899億円の買い越し
現物   2020億円の買い越し
先物    121億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 91億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 野村200億円、みずほ150億円、UBS150億円

裁定解消売買の証券会社
 三菱UFJ300億円、ドイツ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1100億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差は1200億円。形成と解消とでは正反対であり、金額としても大きい。

この週の自己は現物が2020億円の買い越しである。裁定解消売買は出ていない。裁定売買をする自己の現物インデックスのごく一部に少額の売りがあったなどのため、裁定のポジションが厳密な裁定のポジションではなくなっただけだと思われる。すぐ後に書くが、第3週は日銀ETF買いが先物に795億円入っているので、自己に先物売りが900億円前後存在しているはずである。第3週は狭義広義の裁定と日銀ETF準備用に、現物買い・先物売りが900億円前後あった可能性が高い。

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 795億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1100億円前後の買い(現先合計)

第3週の自己は現物2020億円買い・先物121億円売りである。日銀ETFは原則は先物買いなので、日銀ETFを除く自己の先物は900億円ほどの売りになる。買いではない。

この週の日銀ETF以外の自己による買いは、先物ではなく現物に入っている。取引所内取引で現物を買い、取引所外取引で同金額の現物を大口顧客に売却している。だから自己は現物で2020億円もの買い越しになっている。

QUICKによると、16日火曜日の10時過ぎに、銘柄数が少ないクロスが1600億円入ったとのことである。日銀ETF以外の自己の1100億円買いはこの1600億円クロスの一部なのであろう。このような現物買いをする大口顧客が国内にいるとは思えない。多分海外であろう。ただ第2週のような明確な証拠はないので、海外の買いと断定はしない。


(1月第3週合計)
合計すると「自己、投信の買い越しvs海外、個人の売り越し」であった。

自己は日銀ETFの買いがあり、それ以外に大口の現物買いがあった。投信は公募投信とブルベア型投信の設定に伴う買いがあった。売りの中心は海外であり、個人も逆張りの売りであった。

自己の大口の現物買いと投信は上値をも買い上がった。海外と個人は上値に指し値を置いていた。結果として日経平均株価は154円の上昇で週を終えた。



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2017年 年間 株 コメント

2017年 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント年次2017


2017年 日経平均株価 日中足チャート
2017年年間株価ブログ用


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22765円 前年末比+3651円

2017年は前年の大統領選挙で当選を果たしたトランプ氏が大統領に就任し、夏頃まではトランプ大統領への政策期待と不安定感から株価は一進一退であった。9月からアメリカの大型減税法案の成立期待が高まるとともに、NY株の上昇に加速が付いた。12月に税制改革法案は成立し、NY株価は過去最高値まで上昇した。日本株もNY株に連動する形で9月から上昇が続き、26年ぶりの高値まで上昇して年を終えた。世界中が好景気で株高が進行した。日本も企業収益の回復が著しかったということが株高の大元に存在していた。


買い方
(1)自己
現先合計 5兆5613億円の買い越し
現物   6兆0321億円の買い越し
先物     4708億円の売り越し

裁定売買(大部分が自己だが、一部に海外もある)
東証発表の裁定売買
 5278億円の裁定形成(現物買い・先物売り)
東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 4000億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は1300億円。年間の乖離金額としては小さい。裁定形成売買は年間5000億円前後であった。

自己に含まれる日銀ETF
 5兆9033億円の買い 

2017年の最大の買い越し主体は日銀ETF。海外が買い上がった後、反落するところを買い支えた。これが基本であるが、2017年の最高値12月25日と2番目の12月11日は日銀ETF買いにより上昇した日であった。

日銀ETF以外の自己
 3000億円前後の売り(現先合計)

確かなことはわからない。勘のレベルでは法人の持ち合い解消売りを取引所外取引で自己が引き取り、取引所内で売却した分が多いという感じがする。

買い方
(2)海外
現先合計 1兆9571億円の買い越し
現物     7532億円の買い越し
先物   1兆2038億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


2017年 大手証券 先物手口概算
ブログ先物手口2017年年間

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較2017年年間

海外と外資系の差を比較した。乖離は1.3兆円とかなり大きい。特に日経平均ラージ先物の乖離が1.7兆円と大きい。

先物の買い越しトップはゴールドマン。日経平均ラージ先物の5700億円買いが中心である。ゴールドマンには2017年年間(3月第3週第4週6月第2週)に日経平均ラージ先物で自己買い・海外売りと思われるクロスが合計3.6万枚、7400億円存在した。ゴールドマン自己の日経平均ラージ先物の買い5700億円プラス1700億円は自己が海外の代理として買っている分なのである。

これを考慮すると海外の日経平均ラージ+ミニ先物は売り越しではなく、買い越しになる。同時に年間の海外は実質的な買い越し金額が2.7兆円であった。現物とTOPIXラージ先物の買いが中心であり、日経平均型の先物は小幅の買い越しである。この点から、2017年の海外の買いは投機ではなく中長期性の投資的資金による買いが中心であったことがわかる。

日経平均株価が16日連騰を含んで一番大きく上昇したのは9月第2週-11月第2週の9週間である。この期間の海外による現先合計は5.4兆円の買い越し。9週間の買い越し金額としては過去最高であった。

この期間に先物を大量に買い越したのはUBS1.4兆円、ゴールドマン1.1兆円。UBSの買いの大半はUBS本体運用部の買いである。UBSは年間では9550億円もの売り越しであるが、株価の上昇局面では買い越していた。UBS本体運用部とゴールドマンの少数の大口顧客の先物買いが11月7日以前の8週間と2日の大幅上昇を作り上げた最大の主体であった。

買い方
(3)事法
現先合計 1兆2491億円の買い越し
現物   1兆2325億円の買い越し
先物      167億円の買い越し

買いの中心は自社株買い。持ち合い解消の売りが出ているので、それを差し引いた金額が上記の金額。

買い方
(4)その他法人
現先合計 6122億円の買い越し
現物   6047億円の買い越し
先物     74億円の買い越し

従業員持ち株買いによる買いが3000億-5000億程度。

買い方
(5)その他金融機関
現先合計 1440億円の買い越し
現物   1348億円の買い越し
先物     92億円の買い越し

日銀の資金循環統計によると、農林水産金融機関が現物株を買い越している。農林中金を筆頭とした農林系の金融機関が買い越していると考える。


売り方
(1)個人
現先合計 5兆5524億円の売り越し
現物現金 7兆7105億円の売り越し
信用   1兆9171億円の買い越し
先物     2410億円の買い越し

巨額の株式資産を保有する高年齢富裕者層は売り一辺倒である投資家が多い。特に株価の上昇局面に上値の指し値で売る。従って、個人が大量に売り越す結果は下げではなく上げになるケースが多い。

もう少し若い年齢層が中心のスイングトレーターは信用、先物を中心に買い越した。個人の基本は逆張りだが、スイングトレーターは年を通して見ると順張りの買いになっている。

売り方
(2)投信
現先合計 1兆7119億円の売り越し
現物   1兆0435億円の売り越し
先物     6685億円の売り越し


野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1兆6488億円の純流出
 (この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 3300億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 1000億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 900億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で3800億円前後の売り越し。

投信の売買のかなりの部分は上記の解約とブルベア投信の売りで説明がつく。

売り方
(3)銀行
現先合計 7612億円の売り越し
現物   8650億円の売り越し
先物   1037億円の買い越し

現物を中心に持ち合い解消売りが継続。

売り方
(4)信託
現先総合   5935億円の売り越し
現物      939億円の買い越し
先物     6874億円の売り越し

信託方式の自社株買いがトヨタ1社で3800億円。自社株買いを除く信託の現物は売り越し。先物はヘッジ売り。

売り方
(5)証券会社
現先合計 4281億円の売り越し
現物   4319億円の売り越し
先物     38億円の買い越し

東証に会員権を保有していない中小証券の売買。実質的には大半が個人の売買であり、個人と同様に売り越し。

売り方
(6)保険
現先合計 3819億円の売り越し
現物   5709億円の売り越し
先物   1890億円の買い越し

現物は持ち合い解消売りが続く。先物はアベノミクス相場開始の初期に売った分の買い戻し。

(2017年合計)
2017年年間では

  自己 5兆5613億円の買い越し
  海外 1兆9571億円の買い越し
          vs
  個人 5兆5524億円の売り越し
  投信 1兆7119億円の売り越し

で日経平均株価は3651円上昇して2017年を終えた。


(2017年の評価)

日経平均株価は上昇したが、日銀ETFと海外による買いで上昇の大半が説明できる。株価の上昇局面で買い上がったのは大半が海外であった。海外は年間で2兆円、実質なら2.7兆円程度の買い越し。上昇局面で大量に買い、その後の下げ局面で何割か売ったため、年間の買い越し金額としては大幅とは言えない金額である。海外が売り越すと日銀ETFが大量に買い、株価を下支えした。5.9兆円の日銀ETF買いの株価下支え効果は非常に大きかった。

高年齢富裕者層を中心とする個人の現物株の売り越しにも変化はない。アベノミクス相場開始以降、金額は増加している。投信の売りも個人中心の解約売りの金額に近い。信託の先物売り越し金額0.7兆円というのはファンドマネージャーの先安感が非常に強かったということである。

日本経済新聞社が算出している日経平均株価の予想PERは2016年末が16.2倍、2017年末は15.1倍。前年末と比べてPERは少し低下。すなわち株価はEPSの増加率を少し下回る上昇。それでも割安とも割高とも言いにくい適正価格の範囲内の上昇であった。しかし、その適正価格を作り出したのは海外を除くと日銀ETFによる買いの影響が大きかった。日銀ETFによる大量の買い支えがあった結果、日経平均株価は企業業績の増加に見合う適正価格を形成して2017年を終えることになった。



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 株式関連 株 コメント一覧

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