2017年10月第1週 株 コメント

10月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20171006


10月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用201701006


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年10月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20691円 前週末比+334円

10月第1週は為替レートはほぼ横ばいであったが、NY株がダウ、NASDAQがともに史上最高値を連日更新し続けていた。また、月曜の日銀短観が堅調であり、日本のファンダメンタルズが好調であることが確認された。こうした好環境の下で、日経平均株価も5日連続で上昇した。それは同時に5日連続の年初対高値更新でもあり、日経平均株価は4週連続の上昇で週を終えた。

買い方
(1)海外
現先総合 1兆1148億円の買い越し
現物     6575億円の買い越し
先物     4573億円の売り越し

まずは大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


10月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20171006

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20171006

ここでは海外だけではなく他の部門についても同時に説明する。他の部門については後で再度詳述する。

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。修正の(1)と(2)は裁定と12月限の日経平均ミニ先物なので、いつもと同じように当たりである可能性が高い。(3)は銀行のTOPIXラージ先物売りがゴールドマンに流れたという読みである。日系大手の手口を見る限り、2500億円ものTOPIXラージ先物を売った大手証券は見当たらない。この売りは外資系に流れたとしか考えられず、その先はゴールドマンであろう。この3点を修正しても1413億円という比較的大きな差が残る。これは日銀ETF以外の自己が大幅な売り越しであることと関係があるのだが、そこから先は複雑なので省略する。

先物手口概算が示すように、買い方のトップはUBSである。この週のUBS証券は売り越しである。従って、モルガンMUFGなどで買った分をUBS証券に建玉移管(より正確にはギブ・アップ)している。これをやる顧客はいつものようにUBS本体運用部しかありえない。8月第3週以降に振ったショートの買い戻しである。

UBSの次がモルガンMUFGとJPモルガン。特にTOPIXラージ先物は両社とも昨年秋、あるいはそれ以前から買い続けている。中長期志向の投資資金であり、日本株の組入比率を先物を使って調整しながら現物とともに買っている可能性が高い。

第3週の海外は全体的にも現物を中心に買い、日経平均型とTOPIXラージ先物を両方買っており、中長期性の投資資金の比率が高そうである。UBS本体運用部は短期から長期までスパンはさまざまであるが、ここでは中期性としておく。それ以外の外資系の日経平均ラージ先物などには投機的資金もある程度の比率で混じっている可能性が高い。


買い方
(1)信託
現先総合  421億円の買い越し
現物    255億円の買い越し
先物    166億円の買い越し

この位置で信託が買い越しになったことはやや驚きである。信託方式の自社株買いはあっても金額は多くない。株式組入比率が低く、持たざるリスクを強く感じた一部の信託が買いを入れたというくらいしか考えられない。もう一つの可能性として、信託は取引所外取引で売っており、合計すれば売り越しかもしれないことを後で示す。


売り方
(1)個人
現先総合 3899億円の売り越し
現物現金 3620億円の売り越し
信用    132億円の売り越し
先物    147億円の売り越し

現物現金の中には日本郵政株を売った個人が少しはいるであろう。ただ中心は高年齢富裕者層の売りだと思われる。株価が上昇したため、スイングトレーダーも利食い売りに回った。

売り方
(2)自己
自己はいつも最後に記載。

(2)銀行
現先総合 2389億円の売り越し
現物    337億円の売り越し
先物   2052億円の売り越し

銀行の現物は持ち合い解消の売りが続いている。先物は投機的なヘッジ売りである。近い将来買い戻しが入る。それにしても週間に2052億円の売り越しというのは規模が大きい。2006年5月第4週以来の高水準である。高値警戒感を持った上でのヘッジ売りであろう。銀行の先物売りはTOPIXラージ先物売りだけなら2530億円である。先にも書いた通り、日系大手には2530億円のTOPIXラージ先物売りの手口は見えない。そのため、1社で売ったとしたならば、ゴールドマンで売ったとしか考えられない。

なお、ゴールドマンは第1週は立会で売り、12日と13日にJNETで買っている。金額は近いが売買手法が異なっている。買い戻したかもしれないが、野村証券への建玉の移し替えかもしれない。買い戻しの有無は19日の投資部門別売買状況を見るまでわからない。


(4)投信
現先総合 1007億円の売り越し
現物     15億円の売り越し
先物    993億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 700億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で500億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物          690億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   300億円前後の売り越し

また裁定形成の形になった。現物390億円買いは公募・私募の通常の投信の買いの合計であろう。現物300億円買い・日経平均ラージ先物300億円売りは私募のロング・ショート型の投信の売買であると推測する。


(*)自己という特殊な部門
10月第1週は売り方の(2)になった
現先総合 3244億円の売り越し
現物   1907億円の売り越し
先物   1337億円の売り越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 3300億円前後の売り(現先合計)
自己は取引所外で3300億円前後買っており、何らかの主体が取引所外で3300億円売っている。金額が大きいと特殊なクロスなどを伴うことがあり、それを手がかりに背景の一部が推測可能になる週がたまにはある。10月第1週はそのようなことがなく、推測が難しい。

ただ可能性としては日系大手、外資系ともに売りがあり、外資系の売りの比率が大きめと考える。従って、海外の買い越し金額は、1兆円を下回っており、信託は売り越しの可能性がある。ただ確度は高くないので、可能性の例示にとどめておく。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 740億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定解消売買上位の証券会社
  みずほ700億円、三菱300億円、
 裁定形成売買上位の証券会社
  ドイツ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
  2500億円前後の裁定解消売買(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は1800億円と非常に大きい。実際には740億円と2500億円の中間であるとみている。日系大手には9月第2週、第3週に入った裁定類似の形成売買が10月第1週に裁定類似の解消売買になったと思われる。ただ2500億円までいくかどうかわからない。この点についても、日銀ETF以外の自己が3300億円売りなので、確度の高いシナリオを見つけるのは非常に難しい。

(9月第4週合計)
合計すると「海外、信託の買い越しvs個人、自己、銀行、投信の売り越し」であった。

信託の買いは少なく、実質的には海外のほぼ一手買いであった。国内投資家の大半は売りで向かった。高値の上昇局面では常にと言って良いほどよく見られる典型的なパターンであった。結果として日経平均株価は334円高の20691円で週を終えることになった。


(日経平均株価の上昇による損失拡大について)

海外投資家はバブル崩壊後の1991年から累計で、取引所内取引を通じて現物株を86兆円も買い越している。すなわち、海外投資家は今より低い価格で86兆円も仕込んでいる。国内から見れば、安値で海外投資家に株を86兆円も売り渡したことになる。現時点での国内投資家の選択肢は、海外から高値で株を買い戻して巨額の損失を確定させるか、デフレ不況に戻すしか選択肢がない。あるいは、株は全部海外投資家に売り払って日本企業をすべて外資系にし、たとえどんなに高くとも配当金を毎年支払い続けるという選択肢もあるかもしれない。

いずれにしても、どうすれば巨額の損失を少しでも少なくすることができるかという選択の問題であり、過去の長期にわたる金融政策の誤りが導いた悲劇的な結末である。

ただ買い戻すならば、早めに買い戻す必要がある。現状でも日経平均株価が1000円上昇すると、国富と対外純資産を10兆円弱ずつ失うことになる。株式債務の含み損の拡大である。2年半前の時点でアベノミクス相場開始以降の国富と対外純資産の損失は100兆円を超えていた。仮に、日経平均株価が3万円、4万円になった後で買い戻すと、国内投資家の損失と海外投資家の利益はとてつもなく巨額なものとなる。かつてフィンランドで類似の現象が発生したことがある。

株価が上がると利益は確実に増える。これは誰にでも理解できることであり、株価は安いよりも高い方が利益が大きい。しかし、利益だけではなく、同時に損失も発生することについては、ほとんど認識されていない。現在、日本の株式市場が置かれている大変深刻な状況を多くの人が認識し、どうすれば損失が一番少なくてすむのか議論くらいは始めることが必要だと思われる。


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2017年9月第4週 株 コメント

9月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170929


9月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20170929


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年9月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20356円 前週末比+60円

9月第4週はNY株は小幅高、為替も少し円安進行。日本株は少しばかりなら上昇しやすい環境があり、実際にその通りになった。前週末のドイツ総選挙でメルケル首相が辛勝という結果に終わり、為替は一時乱高下。ただ円に関しては円安方向に動いた。そのため月曜の寄りは上昇して始まった。火曜は寄り前に北朝鮮外相が宣戦布告発言をして少し下落。水曜はイエレンFRB議長の講演がタカ派的と受けとめられ円安が進行。配当落ち日だが配当分ほどは下げなかった。木曜はトランプ減税案を好感したNY株につられて上昇。日経平均株価は3週連続だが、小幅の上昇で週を終えた。


買い方
(1)信託
現先総合 3603億円の買い越し
現物    207億円の売り越し
先物   3809億円の買い越し

先物のうちTOPIXラージ先物で3382億円、JPX日経400先物で204億円の買い越しで、合計すると3586億円。信託によるこの2種の先物買いは、運用ポートフォリオをベンチマークである配当込みTOPIX、あるいはJPX日経400に連動させることを目的とした半年度初めの恒例の先物買いである。

今回も9月26日の権利付き最終日に野村の自己がTOPIXラージ先物を買い越し、26日夜間(新年度である27日扱い)のJNETでクロスを振って信託に引き渡していた。その後も信託と思われる買いが入っていた。

半年度の初めに信託がTOPIXラージ先物を最後に売り越したのは2002年3月第4週であった。信託は2002年9月第4週以降、半年度初めにずっとTOPIXラージ先物を買い越し続けている。その金額が増加し、ほぼ継続して1000億円を上回るまで拡大したのが2007年9月第4週以降である。そのグラフを下記に示す。

信託半年度初めの買い201709

上記の21回の合計で週間の株価騰落は11勝10敗、日経平均株価変動幅の平均は-5円となる。2014年9月第4週以降は6回連続で下げていたが、今回は久々の上昇となった。それでも過去7回なら1勝6敗、日経平均株価変動幅の平均は-280円となる。

信託の買いが増えるほど、株価の値下がり幅が大きくなる傾向が見える。しかし、これは単なる平均回帰の現象だと考える。信託の半年度初めの買いがあまり知られていなかった頃は多少は値上がりすることもあった。しかし、多くの人が知るところになると、買いの影響は事前に織り込まれてしまう。初期の頃は過小織り込み、最近は過大織り込みなのであろう。そのため長期で見た場合、日経平均株価の変動幅の平均は小幅のマイナスになると思われる。通常の週ならゼロ近辺に収束するはずだが、配当落ちの週に実行するわけであるから、ゼロと配当落ち分の間の金額に収束するはずである。

この週の信託は恒例の先物買い以外では小幅の現物売り、先物買い。合計すると少しばかりの買いであり、動きは少なかった。

買い方
(2)海外
現先総合   535億円の買い越し
現物    2018億円の買い越し
先物    1483億円の売り越し

まずは大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


9月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170929

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170929

ここでは海外だけではなく自己についても同時に説明する。自己については後で再度詳述する。

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。すると、修正前の212億円から修正後の652億円へと乖離が増加した。修正の内容はいつもの通り裁定と日経平均ミニ先物12月限だけであるので、当たりの可能性は100%ではないが、だいたいなら当たっている可能性は高い。

第4週の海外は「現物買い・TOPIXラージ先物売り」となり、第2週、第3週と正反対の形になった。しかし、自己の側にその反対売買が存在しない。すなわち、第2週、第3週に行われた海外による「現物売り・先物買い」の反対売買は行われていない。

財務省の対外・対内証券投資の海外は、株式・投資ファンド持分の部門で第2週、第3週と9000億円強の売り越しで、第4週は9000億円強の買い越しになっている。これを見る限り、海外は期末に現物株を大量に売り、期初に大量に買い戻している。おそらく現物とスワップを使って一時的に海外保有の名義の株から外資系証券会社の東京支店保有の名義の株へと変えたのであろう。日本経済新聞が報道していたような節税対策の売買としか考えられない。第2週、第3週の「海外による現物売り・先物買い」と「自己による現物買い・先物売り」も上場先物を使った節税対策売買であった可能性が出てきた。今後、反対売買もありうることになる。こうした大口クロスの売買が期末に中量以下までなら入ったことはあるが、大量に入ったのは今回が初めてである。

実質的な海外による現物買いは、第2週が2000億円、第3週が1600億円、第4週が2018億円となる。戻り相場で現物にはコンスタントに買いが続いていた。

その中で、第2週、第3週と連続して日経平均ラージ先物に新規の買いを入れていた投機筋と思われる買いが第4週は止まった。第3週にTOPIXラージ先物を買っていたゴールドマンの買いも止まった。

一方、8月第4週-9月第2週にソシエテがTOPIXラージ先物に押し目買いを入れていたのが、9月第3週-第4週と利食いを入れた形になっている。投機筋らしき短期の売買であった可能性が高い。投機筋が第2週、第3週と先物を買っていたが、第4週は別の投機筋が先物を売った。ただ海外の現物が買い越しであったので、第4週の海外全体では小幅の買い越しになった。


売り方
(1)個人
現先総合 2027億円の売り越し
現物現金 2589億円の売り越し
信用    262億円の買い越し
先物    299億円の買い越し

この週の金曜日は日本郵政株売り出し分の売却可能開始日なので、この日に日本郵政株を売った個人がいたはずである。今後しばらくは、上値に個人による日本郵政株の売り指し値が増えることになる。それ以外では現物現金を中心に高年齢富裕者層の売りは継続的に出ている。スイングトレーダーは信用と先物で買い越しになった。


売り方
(2)事法
現先総合  956億円の売り越し
現物    944億円の売り越し
先物     13億円の売り越し

富士通が9月26日に富士電機の株を345億円売ったと報道。しかし富士電機の株の売買株数は少なく、取引所ではなく取引所外で売られている。富士通以外にも報道はされていない持ち合い解消売りが増えた可能性が高い。一方、自社株買いはあるが、金額は低水準であったはずである。

売り方
(4)投信
現先総合  332億円の売り越し
現物   1816億円の売り越し
先物   1483億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 178億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 350億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で500億円前後の売り越し。

信託と同様に運用ポートフォリオをベンチマークである配当込みTOPIX、あるいはJPX日経400に連動させることを目的とした半年度初めの先物買いが入っているはずである。TOPIXラージ先物で860億円、JPX日経400先物で86億円、合計して946億円の買い越しの大部分は連動目的の買いである可能性が高い。

上記以外の投信による売買
現物         1650億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  1050億円前後の買い越し

最近、設定とブルベア型投信の売買を除くと裁定形成、裁定解消のような形になるケースが増えつつある。ロング・ショート型の公募投信の純資産は8月末時点で6458億円。しかし190兆円もある全投信の純資産と比較するとごくわずかな金額である。大口売買の頻度が高いとは思えない。裁定解消とそれ以外の売買も含めて、第4週も売買シェアは私募投信の比率が高かったと推測する。


(*)自己という特殊な部門
9月第4週は買い方の(4)になった
現先総合  145億円の買い越し
現物   4204億円の買い越し
先物   4059億円の売り越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 1538億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1400億円前後の売り(現先合計)
自己は取引所外で1400億円前後買っており、何らかの主体が取引所外で1400億円売っている。第3週はこれがゼロに近かったので自己の手の内もかなり見えた。ゼロでない場合、自己の手の内を読むのは難しい。ごくまれに見えることもあるが、第4週は見えない。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 347億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定形成売買上位の証券会社
  みずほ400億円、ドイツ200億円、
 裁定解消売買上位の証券会社
  ソシエテ350億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
  400億円前後の裁定形成売買(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は50億円と小さいので、ほぼ一致と見て良いと思われる。なお、自己の現物と先物の売買を見ると、4000億円ほどの裁定形成売買があるように見える。細かく計算すると4000億よりは小さいが、2500億円~4000億円程度の現物買い、先物売りが日系大手を中心に存在するはずである。多くはETF組成用の現物バスケット買い・先物ヘッジ売りであると考える。


(9月第4週合計)
合計すると「信託、海外の買い越しvs個人、事法、銀行、投信の売り越し」であった。

信託からは半年度初めの恒例の先物買いが今回も入った。海外は第2週、第3週と先物を中心に買いが大量に入ったが、第4週は現物中心で規模も小さかった。

個人は逆張りの売りだが、日本郵政株の売りがあったので、上げ幅の割りには売り越し金額が多かった。事法、銀行には持ち合い解消の売りが増えている。

国内投資家の売りは、現在の環境では上値の指し値売りである。信託は買う必要があるので、多少の上値でも買った。海外が金額は少なかったが、上値を買うことはいつもと同じである。結果として日経平均株価は60円の上昇で週を終えることになった。


9月月間


投資部門別コメント月次20170929

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると、7月の公募型日本株投信は1997億円の資金純流出

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 2800億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 400億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 350億円前後の売り越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計では3900億円前後の売り越し

(3)事法部門での自社株買い
日本郵政の1000億円買いが一番大口

(4)信託部門での自社株買い
野村ホールディングスの235億円買いが一番大口

(5)信託部門での半年度初めの先物買い
TOPIXラージ先物 3382億円の買い
JPX400先物    204億円の買い
合計         3586億円の買い

(6)自己
日銀ETFが4662億円の買い

(7)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 1157億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値
 8000億円前後(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は非常に大きい。第4週以外は差が大きく、それぞれの週でわかる範囲内で説明してある。

(8)合計
9月月間では

「海外1兆3366億円の買い越し、自己4243億円の買い越しvs個人9631億円の売り越し、投信4224億円の売り越し」

で日経平均株価は665円上昇の20356円で9月の4週を終えた。



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2017年9月第3週 株 コメント

9月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170922

9月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用201708922

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年9月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20296円 前週末比+387円

9月第3週はNYダウの上昇、円安進行と日本株が上昇しやすい条件がそろっていた。それでもこの週の株価に最も大きな影響を与えたのは、前週末に急に吹き始めた衆議院の解散総選挙という風である。火曜は休み中のNY株価の上昇を好感して高寄りしたが、過去の解散総選挙後の株高再現期待が続き、年初来高値を更新して引けた。木曜にはアメリカFOMC、日銀金融政策決定会合といったイベントがあったが株価に対する影響は限定的であった。金曜は北朝鮮の核の恫喝で株価は少し下げた。週間では火曜の大幅高が寄与し、2週連続で上昇して週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先総合  8566億円の買い越し
現物     611億円の売り越し
先物    9178億円の買い越し

まずは大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


ブログ週間先物手口20170915

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170915

ここでは海外だけではなく自己についても同時に説明する。自己については後で再度詳述する。

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。上記には3つの理由をあげている。これらのシナリオが金額に多少の乖離があっても当たりと呼ぶのならば、当たりの確度は(1)が90%、(2)が90%、(3)が99%である。

ただ、なぜ当たりの可能性が高いかを正確に説明すると非常に長くなってしまう。重要でも難解な部分は結論だけにとどめ、比較的簡単な部分だけを説明することにする。

(3)は日経平均ミニ先物の中心限月である12月限の建玉が公表されていないので、12月限に海外の買いが外資系に400億円前後あったことはほぼ間違いない。

(1)と(2)は第2週は確度75%であったが、第3週は90%に上がった。理由は自己の買いと日銀ETFの買いの差が1億円しかなく、ほぼ同金額で均衡していたからである。この場合、外資系自己、日系自己、裁定、日銀ETFなどの数字が正確な数字と近くなるシナリオが狭い範囲内に限定できるのである。日銀ETF以外の自己がゼロでない場合、その原因が現物か先物かがわからないので、どんなシナリオを作っても正確性という点ではかなりの幅をもったものしか作れない。今回は自己の現先合計がゼロに近いので、この条件を満たすシナリオを幅が狭い1つのシナリオに限定できる。

第2週に海外が実施したのは6000億円の現物売り・TOPIXラージ先物買いであった。これだけ金額が大きいと考えられるシナリオを非常に狭く限定できる。まず6000億円もの多額のTOPIXラージ先物の売買を行っている証券会社はソシエテとABNアムロクリアしか存在しない。ABNアムロクリアとしたならば、毎週入っているHFTが非常に小さな金額にならざるをえない。従ってソシエテしかありえない。ソシエテであったとしても、9月第2週の先物売買は普段と同じ規模であるので、6000億の売買が9月第2週だけに入ったということは考えにくい。そしてまた、先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフの上から7番目がソシエテであるが、ソシエテは過去1年半ほどは基本的には買いを増やしており、第1週末のTOPIXラージ先物の建玉も買い越しであった。この間、ソシエテで6000億円、3万6000枚のTOPIXラージ先物を売ることはほとんど不可能である。

TOPIXラージ先物を売り越しているのは大半が日系大手であり、外資系ではパリバが断トツで売り越している。しかしパリバの第2週のTOPIXラージ先物の売買は6000億円よりはるかに小さい。すなわち、第2週のTOPIXラージ先物6000億円を売ったのは1社の海外自己ということはありえない。超大手の海外顧客が複数の外資系証券を使って現物買い・TOPIXラージ先物売りというアービトラージを解消する決め商いを実施したわけである。外資系の海外自己から東京自己へのポジションの移転は1社であれば不可能なのである。複数の外資系がこのオペレーションを同じ週にTOPIXラージ先物だけで実施するということは、過去の例からしてありえない。

第3週は金額が2200億円である。現物買い日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を1100億円ずつ売りというアービトラージのポジションを解消する決め商いを海外が外資系証券の東京自己と実施している。2200億円なら実施可能な海外顧客の幅が広がる。外資系の海外自己から東京自己へのポジション移転ということもありえないわけではない。ただ実際問題としては、第2週と同じ海外顧客の売買である可能性が高い。

第3週の先物買いはTOPIXラージ先物を中心に買ったゴールドマンが買い方のトップである。これは昨年秋以降に大量に買った現物中心の中長期志向の投資家で組入比率の調整をTOPIXラージ先物を使っている投資家である可能性が高い。それ以外の海外の買いは日経平均ラージ先物の買いである。第2週に続いてほとんどの買いがショートカバーではなく買い乗せである。ただ多くの外資系証券に細分化された形で入っている。どちらかというとヘッジファンドのような投機筋の買いの割合が高そうである。

9月第3週の海外の売買を整理すると、日経平均ラージ先物の買いが4900億円、日経平均ミニ先物の買いが274億円、TOPIXラージ先物の買いが1700億円、現物2200億円売り・日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を1100億円ずつ買いというアービトラージ解消売買をしたヘッジファンドらしき顧客の売買、それ以外では現物が1600億円ほどの買いということになる。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に記載


売り方
(1)個人
現先総合 3052億円の売り越し
現物現金 2980億円の売り越し
信用    200億円の売り越し
先物    128億円の買い越し

現物現金を中心に高年齢富裕者層の売りは継続的に出ている。ただ第2週に先物を1946億円売ったスイングトレーダーが第3週に先物を128億円の買いに転じている。そのため個人の売り越し金額は第2週よりも減少した。

売り方
(2)投信
現先総合 2782億円の売り越し
現物    735億円の売り越し
先物   2047億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1279億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1400億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 200億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で2050億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物         550億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  700億円前後の売り越し
TOPIXラージ先物 705億円の買い越し
金額としてはやや多く、売り買いの方向もバラバラである。公募投信の売買は一部であり、私募投信の売買の比率が高かったと推測する。

売り方
(3)信託
現先総合 1758億円の売り越し
現物   1009億円の売り越し
先物    749億円の売り越し

昔の信託と同じで戻れば売り。国内投資家は戻れば売りというヒステリシス

売り方
(4)銀行
現先総合 1024億円の売り越し
現物    467億円の売り越し
先物    556億円の売り越し

現物は持ち合い解消の売り。先物は投機的なヘッジ売り。水準が高くなると売りになるのは国内投資家共通のヒステリシス


(*)自己という特殊な部門
9月第3週は買い方の(2)になった
現先総合  788億円の買い越し
現物   6937億円の買い越し
先物   6149億円の売り越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 787億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1億円前後の買い(現先合計)
売り買い均衡に近い。これが自己の常態であるはずなのだが、実際にはここまで均衡に近いことは非常にまれ。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 2037億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定形成売買上位の証券会社
  三菱UFJ1400億円、みずほ650億円、ドイツ200億円、
 裁定解消売買上位の証券会社
  ソシエテ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
  4500億円前後の裁定形成売買(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は2500億円と大きい。しかし、第3週の裁定売買は4500億円に近かった可能性が高い。海外のアービトラージ解消を受けた自己の現物買いが2200億円なので、それを加えると6700億円の現物買いになる。自己の6937億円の現物買いとかなり近い金額になる。日系大手5社の先物は皆売り越しであり、投信や信託の売りよりもずっと多い。自己の裁定形成の売りが4500億円に近かったことは先物からも算出が可能なのである。

(9月第3週合計)
合計すると「海外、自己の買い越しvs個人、投信、信託、銀行の売り越し」であった。

この週の買い方は大半が海外であった。2週連続でアービトラージの解消売買が出た。それを除いても投機筋による先物の新規買いを中心にしてほとんど一手買いに近かった。金曜の下がったところでは日銀ETFも買った。

売り方は個人、投信、信託、銀行。ファンダメンタルズが改善して株価が上昇するといつも大幅な売り越しになる。右肩上がりではない相場の中では、戻りを売る投資家でなければ生き残れなかったのである。過去20数年間の経験から作り上げられた非常に強固なヒステリシスである。

国内投資家は戻れば売りであるが、上げ相場で投げ売りはしない。上値での指し値売りである。国内とは異なり、海外は買い上がりも普通に行う。結果として日経平均株価は387円の上昇で週を終えることになった。



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2017年9月第2週 株 コメント

9月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170915

9月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用201708915

時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年9月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 19910円 前週末比+635円

9月第2週は北朝鮮の核・ミサイル問題対する悲観論の後退、およびハリケーン・イルマによる被害がそれほど大きなものとはならなかったことによりNY株が上昇。NYダウは過去最高値を更新。アメリカの長期金利も上昇したことから、円安が進行。これらを好感する形で日経平均株価は戻り相場となった。14日木曜日は前場に朝鮮中央通信が日本に対して核による脅しを放送したことから伸び悩み。しかし、15日金曜日は北朝鮮が朝方に日本上空をこえるミサイルを発射したが、瞬間円高になった以外は株価も為替も反応がなかった。結局は週を通して上昇し、日経平均株価は比較的大きめの上昇幅で週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先総合  8274億円の買い越し
現物    4173億円の売り越し
先物  1兆2446億円の買い越し

まずは大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


9月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170915

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170915

これから海外と自己について同時に説明するが、自己については後で詳述する。

いつものように海外と外資系の差を修正することによって近づけた。上記には3つの理由をあげている。これらはいくつかの考えられるシナリオの中で相当確度が高いと思われるシナリオである。金額に多少の乖離があっても当たりと呼ぶのならば、当たりの確度は(1)が75%、(2)が99%、(3)が75%である。

ただ、なぜ当たりの可能性が高いかを正確に説明すると非常に長くかつ難解になってしまう。重要でも難解な部分は省略し、比較的簡単な部分だけを説明することにする。

(1)は外資系と自己の現物と先物の売買を見れば、外資系で裁定解消、自己で裁定形成の形になっている。その売買はTOPIXラージ先物を使ったもので、金額は6000億円と算出した。裁定残を海外自己から東京自己に移したという推測をQUICKで見た。私はその可能性は低いと思う。外資系の海外自己に広義の裁定残はある。一番残高が多そうな外資系はパリバである。しかし、9月第2週のパリバのTOPIXラージ先物買いは1000億円未満であり、6000億円は移せない。パリバ以外ではどの外資系でも1社で海外自己に6000億円という裁定残は大きすぎであり、6000億円の裁定残の移動があったとは考えられない。

より可能性が高いのはアービトラージ型のヘッジファンドのポジション解消を外資系の東京自己が受けたというものである。1社で解消売買を受けたとすれば、その会社は売買金額が一番大きいソシエテであると考える。ただ数社に分けて出された可能性もあり、その場合はどこの外資系証券が受けたかはわからない。ヘッジファンドの売買が外資系の東京自己に直接出されずに、外資系の海外自己を通して東京自己に出されたことならありえる。

(2)は日経平均ミニ先物中心限月である12月限の建玉が公表されていないので、12月限に海外の買いが外資系に2000億円前後あったことはほぼ間違いない。

(3)は後で示す日銀ETFを除く自己の買いが2000億円強あるからだ。第2週は日系大手が買った可能性は非常に低いので、外資系の自己が2000億円前後買っているはずである。これも証券会社はどこかはわからないがおそらく複数であり、2000億円に相当する現物かデリバをOTCで売っているはずである。買い向かったのは海外であり、海外はOTCで現物かデリバを2000億円買い越していた。

ちなみに、この週の海外による先物買い越し1兆2446億円というのは、過去第2位という記録的な大きさであった。過去第1位は2014年11月第1週。黒田バズーカ砲第2弾の炸裂直後の週であり、先物だけでも過去最高、現先総合でも過去最高の買い越しを記録した。黒田バズーカ砲第2弾は国内投資家による週間の株式離れが過去最高というすざまじいマイナスの破壊力を発揮したのであった。この時と比較すると、今回の海外による現先合計の買いはかなり少ない。

またこの週の外資系の先物買い越し上位にある証券会社の先物建玉は、大半が9月第1週末時点において買い建玉となっていた。第2週はショートカバーではなく、買い乗せが大半を占めている。アービトラージ解消を除くと海外の買いは日経平均型の先物の買いが一番多い。この週はいろいろな種類の海外が買っていたと思うが、日経平均型先物の買いが中心なので、ヘッジファンドを中心とする投機筋の比率がかなり高かったと思われる。

9月第2週の海外は投機筋を中心に日経平均型の先物を6000億円強買ってきた。別の投機筋は現物売り・TOPIXラージ先物買いというアービトラージの解消売買を6000億円実施した。その他に現物を2000億円買った投資家、OTCで2000億円買った投資家もいた。北朝鮮の核・ミサイルを恐れず、NY株の上昇を見て日本株を急に大量に買ってきた。海外の買いの合計は現先総合で8274億円、OTCも含めると1兆円強の買い越しであった。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に記載

買い方
(3)事法
現先総合  637億円の買い越し
現物    762億円の買い越し
先物    124億円の売り越し

9月13日に日本郵政が1000億円の自社株買いを実施している。政府が売ったのでその他法人が1000億円近い売り越しになっている。この自社株買いを除くと事法は売り越しであったようだ。


売り方
(1)個人
現先総合 6199億円の売り越し
現物現金 3524億円の売り越し
信用    729億円の売り越し
先物   1946億円の売り越し

久々の大幅売り越しであり、最近は買い越しが続いていた信用も含めて売り越し。上がれば売らないと日本株は儲からないという鉄則を守っている。


売り方
(2)投信
現先総合 1654億円の売り越し
現物    478億円の買い越し
先物   2132億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 563億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1050億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1150億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物        1000億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  600億円前後の売り越し
TOPIXラージ先物 397億円の売り越し

現物買い・先物売りの裁定の形になっている。公募投信の売買も当然あるはずだが、多くは私募投信の売買であり、実際に裁定に近い売買をしていた可能性が高い。

売り方
(3)信託
現先総合 1511億円の売り越し
現物   1044億円の売り越し
先物    467億円の売り越し

クジラの上値の買いは完全になくなった。日本株には戻れば売りという勝利の方程式があり、それを忠実に実行。


(*)自己という特殊な部門
9月第2週は買い方の(2)になった
現先総合 2219億円の買い越し
現物   9785億円の買い越し
先物   7565億円の売り越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2150億円前後の買い(現先合計)
海外のところで書いたが、この買いは外資系から入っているとしか考えられない。そのため、2000億円前後は自己がTOPIXラージ先物を買い、OTCで現物かデリバを売っていると考えた。従って、OTCで現物かデリバを買っているのは海外である。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 837億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定形成売買上位の証券会社
  三菱UFJ900億円、ドイツ600億円、
 裁定解消売買上位の証券会社
  ソシエテ600億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
  3400億円前後の裁定形成売買(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は2600億円と大きい。ただ、この週は自己の現物買いが多いので実際の裁定形成売買も多かったと考えている。三菱UFJ以下日系大手5社の先物はすべて売り越しである。投信、信託など国内機関投資家の売りを大幅に上回っている。この週は日系大手の東証に報告された狭義、広義の現物買い・先物売りは合計で3400億円前後あるはずである。これに外資系自己の現物買い・先物売りというアービトラージ解消の受け6000億円を加えると、自己の現物買いは9400億円。正確な自己の買いである9785億円に近い金額になる。

(9月第2週合計)
合計すると「海外、自己、事法の買い越しvs個人、投信、信託の売り越し」であった。

この週の買い方は大半が海外であった。自己の買いの大半も海外の買いの代理であり、現先合計にOTCを加えた海外の買い越し金額は1兆円をこえていた。

売り方は個人、投信、信託。どんなにファンダメンタルズが良くとも、高値で上がると必ず大幅な売り越しになる。これが右肩上がりではない相場で勝ち残る勝利の方程式であるからだ。経済学の用語を使うとヒステリシスということになる。

ただし、国内の売りの大半は上値の指し値売りである。一方、海外の買いは買い上がりである。結果として日経平均株価は635円の上昇で週を終えることになった。



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2017年9月第1週 株 コメント

9月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20170908

9月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用201708908


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年9月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 19275円 前週末比-417円

9月第1週は、3日日曜日に実施された北朝鮮の核実験が株式市場に下落圧力をもたらした。地政学的リスクの回避のためにNY株は下げた。同時に長期金利も低下したため、円高が進行。これを嫌気して日本の株価は下がり続けた。水曜にアメリカの連邦債務上限問題の3か月先送りが決定されNY株が上昇したため、木曜だけは日本株も上昇。それ以外は下落が続き、久々に大きめの下落で週を終えることになった。

買い方
(1)個人
現先総合 1647億円の買い越し
現物現金  390億円の買い越し
信用    273億円の買い越し
先物    984億円の買い越し

8月第5週の株価の戻りは売り越しであったが、9月第1週になって株価が下がるとすかさず買い越しになった。スイングトレーダーを中心に売りが続いていた先物が一番大幅な買いとなった。高年齢富裕者層の売り切りはあったと思う。しかし株価が下がったところではそれ以外の大半の中短期志向の投資家は買いになり、現物現金、信用ともに買いになった。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に記載

買い方
(3)事法
現先総合  590億円の買い越し
現物    532億円の買い越し
先物     57億円の買い越し

大部分が自社株買い。小口の買いの集積。


売り方
(1)海外
現先総合 4009億円の売り越し
現物   2949億円の売り越し
先物   1060億円の売り越し

まずは大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


9月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20170908

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20170908

これから海外と自己について同時に説明するが、自己については後で詳述する。

メジャーSQのあった週なので、外資系と海外の売買に差が出るケースが多い。修正前は2687億円もの差があった。上記では4つの理由を仮定して外資系と海外の売買の差を無理矢理37億円まで減らした。この修正は単なる1つのシナリオにすぎない。4つの仮定のうち、上から順に数えて(1)、(2)は当たりの可能性が高く、(3)は当たりの可能性は50%、(4)が当たりとなる可能性は低い。外資系の自己のポジション変化は通常の週でも複雑であり、外から見て当てられるようなものではない。メジャーSQのある週はさらに複雑になる。この全部が当たりとなる可能性が低いシナリオを説明するだけでも長くなるので、これ以上の説明は省略する。

海外は日経平均ラージ先物売り、TOPIXラージ先物買いであるが、パリバが日経平均ラージ先物売り、TOPIXラージ先物買いを大量に実施し、ゴールドマンがその反対の売買をしている。先物だけでも実質的にどちらの種類の先物をどれだけ売買したのかもよくわからない。

ただこの週の海外は先物ではなく、現物中心の売りである。北朝鮮の核実験を嫌気した海外は、ヘッジファンドのような投機家は少なく、もう少し中長期的な観点から売買する年金、投信といった投資家の売りの比率が高かったと思われる。

売り方
(2)信託
現先総合  304億円の売り越し
現物   1074億円の買い越し
先物   1377億円の売り越し

信託は1400億円ほどの現物買い・TOPIXラージ先物売りを実施した投資家がいたように見える。みずほのTOPIXラージ先物が1650億円の売り越しであり、自己の裁定ではないので、顧客の売りである。みずほで1400億円の現物買い・TOPIXラージ先物売りを実施した信託がいる。常識的には、アセットマネジメントOneだと思われる。

1月第2週のブログで説明したが、昨年末から今年の初めにかけてアセットマネジメントOneと思われる投資家が信託勘定で1400億円の現物売り・TOPIXラージ先物買いを実施している。今回の売買はその反対売買である。8か月ほど前に現物買いを先物買いに乗り換え、9月第1週に先物買いを現物買いに戻している。外見上は合う。ただこうした売買をする動機がわからない。SQとその直前のみずほのTOPIXラージ先物売買も変則的であり、見えないところで何かやっていそうなのであるが、その部分も読めない。

このみずほの乗り換え売買を除いても、信託は現先合計で304億円の売りということに変わりはない。まだ信託が買いを入れる位置ではないようだ。


(*)自己という特殊な部門
9月第1週は買い方の(2)になった
現先総合 1091億円の買い越し
現物    120億円の売り越し
先物   1210億円の買い越し

日銀ETF
自己に含まれる日銀ETF
 2277億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1200億円前後の売り(現先合計)
海外のところで書いたが、この週の先物は外資系が買い越し、海外は売り越しである。理由の1つは外資系の買いの中に自己の買いが隠れているからである。従って1200億円前後の売りは外資系ではなく日系大手の売りである。SMBC日興と野村が先物を大量に売り越しているが、国内機関投資家にはみずほを通じたアセットマネジメントOneと思われる信託部門以外に大きく先物を売り越している部門はない。日興と野村の自己は先物を売って、OTCで現物かデリバを買っている。その買いに対して国内機関投資家がOTCで1200億円前後の売りを出している。

裁定売買
東証発表の裁定売買
 2064億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
 裁定解消売買上位の証券会社
  みずほ2700億円、ソシエテ500億円、三菱UFJ300億円
 裁定形成売買上位の証券会社
  ドイツ1250億円、野村200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
  400億円前後の裁定解消売買(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は1700億円。金額としては大きいが、メジャーSQのある週にはしばしば見られる大きさ。


(9月第1週合計)
合計すると「個人、自己、事法の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。

メジャーSQのあった週なので、よくわからない売買がかなり大量に入っていた。それでもパターンとしては下げ相場の標準的パターンであった。海外は北朝鮮の核実験を嫌気して、現物を中心に売ってきた。そして下がった局面では、日銀ETF、個人、事法が下値に買いの指し値を入れていた。

過去に何度も見てきたパターンと同じパターンで、9月第1週の日経平均株価は417円の下落で週を終えることになった。


(追記)
アベノミクス相場開始以降、海外が13.7兆円の買い越し、日銀ETFが13.9兆円の買い越しで、日銀ETFの買いが海外の買いを上回るという異常事態が発生したかのような報道があった。しかし本質的な問題はそこにあるのではない。アベノミクス相場開始以降、国内投資家が27兆円以上も売り越しているという点である。

国内投資家の株式離れは超がつくほど異常としか言いようがない。異常な現象に対して普通の政策で対応すること自体が間違っているのである。このすさまじい国内投資家の株式離れの原因は、日銀の金融緩和があまりにも遅く、あまりにも小規模であったことにある。

現在必要な政策は、日銀が国債の購入金額を減らすのではなく、大幅に増やすことが必要である。市場から国債が本当になくなれば、運用先のない資金の一部は株の購入に回るはずである。国内投資家が株を買い上がるようになれば、株価は上昇する。株価上昇が長く続けば、いずれ必ずバブルに到達する。その時こそETF売却という出口戦略が見えてくるのである。


(参照)
ETFだけではなく国債をも含めた出口戦略を含む政策は下記のブログ記事に書いております(ただし内容は株式投資家向けではなく、金融政策の専門家向けです)。
日銀「長短金利操作付き量的・質的金融緩和」に対する代替案




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