2018年6月第2週 株 コメント

6月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180615


6月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180615



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年6月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22852円 前週末比+157円

6月第2週の外部環境は、為替レートが円安、NY株は小幅下落であった。火曜に米朝首脳会談、水曜に米FOMC、木曜にECB理事会、金曜に日銀金融政策決定会合があった。あえて言うなら、米朝首脳会談は期待で買われ、実際に悪材料は出なかった。FOMCはややタカ派的でNY株が売られたので、木曜の日本株も売られた。ECBはややハト派的でユーロが売られ、金曜の日本株も買われた。日銀は影響がなかった。日経平均株価は2週連続で上昇して引けることになった。


買い方
(1)海外
現先合計 5477億円の買い越し
現物    318億円の買い越し
先物   5160億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


6月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180615

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180615


いつものように海外と外資系を比較した。(1)(2)はほぼ毎週のようにある裁定売買の修正である。(3)は中心限月である日経平均ミニ先物の9月限の建玉がわからないので、今の時期は入れている修正である。

修正前の2705億円から修正後の1864億円へと差が縮小した。この1900億円近い売りが外資系の自己の売りであることはほぼ間違いない。

第2週に日経平均ラージ先物を大きく売り越している主体は自己以外は投信だが、投信の売りは大半が日系大手に回っている。従って、外資系で1900億円も売ることのできる主体は自己しかない。後で自己の所で示すが、第2週は日銀ETF以外の自己が2900億円の売り越しである。この自己の売りの何割かが外資系の自己の売り1900億円に相当すると考える。

自己が取引所内取引で1900億円も売り越す場合、取引所外では1900億円の買いがあるはずである。従って、何らかの主体が自己に対して1900億円売っている。何らかの主体とは海外であろう。第1週はここに4000億円近い海外による買いがあった。その反対売買としての売りがあったと考える。

海外の買いは現先合計で5477億円である。取引所外をも含めた海外の買いは、この分を差し引き、3600億円以下であった可能性が高い。2600億円であった可能性もある。それでも海外が最大の買い主体であったという事実に変わりはない。そして、日経平均ラージ先物を中心に買い越している。

先物の買い方上位5社中4社のゴールドマン、ソシエテ、メリル、モルガンMFUGは第1週と同じである。そして日経平均ラージ先物については、以前売った分の買い戻しが続いている可能性が高い。

買い戻しはTOPIXラージ先物にもいくらか入っている。それがパリバ、JPモルガン、クレディスイスのTOPIXラージ先物売り・日経平均ラージ先物買いを通じて、日経平均ラージ先物の買いに変わっている。

上から上位4番目のABNアムロクリアリングは売ったり買ったりしているが、ヘッジファンドを中心とする投機筋の買いである。建玉はゼロ近辺を移動しており、買い戻し、新規買いの両方がある。

第2週の海外は、米朝会談やECB理事会、そして円安といった材料を見ながら、日経平均ラージ先物を中心とした先物を買い戻す、あるいは投機的に買う投資家が多かった。


売り方
(1)個人
現先合計  2146億円の売り越し
現物現金  1631億円の売り越し
信用     204億円の買い越し
先物     720億円の売り越し

個人は5月第4週、第5週の下げ局面では押し目買いを入れていた。それが6月第1週、第2週に株価が上昇すると売り越しになった。逆張りの継続で売りになっている。信用だけは小幅だが買い越しである。スイングトレーダーは利食い売りから新規買いに転じる者が増えた。売り一辺倒の高年齢富裕者層による現物現金を中心とする売りは出ている。

売り方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。

売り方
(3)信託
現先合計  1187億円の売り越し
現物     307億円の売り越し
先物     880億円の売り越し

信託のTOPIXラージ先物は822億円の売りである。これは配当込みTOPIX連動目的でTOPIXラージ先物を買っていた分を売却し、現物を買っている分である。それを考慮すると、信託の売りの大半は現物に出ている。5月第5週、6月第1週と信託は買い越しになった。第2週は現物を中心に売り越しになった。この位置の信託は通常は売り越しであろう。

売り方
(4)投信
現先合計   690億円の売り越し
現物      69億円の売り越し
先物     620億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 382億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 550億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 150億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で800億円前後の売り越し。

設定解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          310億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物    80億円前後の売り越し
それ以外の先物     270億円前後の買い越し
合計          500億円前後の買い越し

設定解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように500億円の買い越しであった。この金額なら、公募より私募の方が少し多いという感じはする。投信全体では売り越しであるが、この位置を買う投信もあるということだ。


(*)自己という特殊な部門
6月第2週は売り方の(2)になった

現先合計 2120億円の売り越し
現物    871億円の買い越し
先物   2991億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 359億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ400億円、みずほ150億円、UBS100億円

裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1500億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の方法の差は1100億円

この差についても確かなことはわからない。勘のレベルでは、第1週の公表裁定残は少し減りすぎであり、第2週は減りすぎた公表裁定残を事実上訂正して少し増やしているような感じがする。自己による現物買いが871億円であるから、この前後が真の裁定形成売買の数字の1つの目途になるかもしれない。

自己に含まれる日銀ETF
 763億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2900億円前後の売り(現先合計)

かなり大きく増加した。海外のところでも書いたように、取引所外で2900億円売った主体があり、同じく取引所外で自己が2900億円買っているから取引所内の自己に2900億円の売りが現れる。

取引所外で売った主体のうち、少なくとも1900億円は海外である。残りの1000億円はわからない。その多くも海外である可能性はそれなりに高いと思われる。


(6月第2週合計)
合計すると「海外の買い越しvs個人、自己、信託、投信の売り越し」であった。

自己には日銀ETFの買いが含まれている。従って、それ以外に多くの売りが存在している。その多くは海外の代理の売りである可能性が高い。海外の実質的な買い越し金額は減少するが、最大の買い越し主体であることに変わりはない。日経平均ラージ先物に対する買い戻しが多かった。

個人に加え、信託、投信の上値の戻り売りは続いた。

戻り相場での「海外の買いvs国内中心の売り」という伝統的なパターンであった。

週末の日経平均株価は157円上昇した位置で需給は均衡し、6月第2週を終えることになった。



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2018年6月第1週 株 コメント

6月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180608


6月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180608


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年6月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22695円 前週末比+523円

6月第1週の外部環境は、為替レートが円安、NY株は上昇であった。NASDAQが特に強く、過去最高値を更新した。6月1日に発表されたアメリカ雇用統計の数字が良く、1日のNY株は大きく上昇した。日本も月曜の日経平均は大きく上昇して始まった。その後に発表されたアメリカの経済統計には強いものがあり、NY株の上昇は続いた。第1週の日本の株価が上昇した理由は、このアメリカ経済の強さと株価上昇で説明できるであろう。円安は少しであり、付け足しである。日経平均株価は3週ぶりに上昇して週を終えることになった。

買い方
(1)信託
現先合計  2783億円の買い越し
現物    1119億円の買い越し
先物    1664億円の買い越し

第1週の信託による買いの最大のポイントは日経平均ラージ先物の2130億円の買いである。これは同じ運用会社が信託部門で買って、私募投信部門で売ったものと考えている。2017年1月第4週に先例がある。信託と投信による日経平均ラージ先物の売買を2016年1月から示したグラフを下記に示す。

投信と信託の先物売買20180608ブログ用

投信とは異なり、信託の先物売買はTOPIXラージ先物が中心であり、日経平均ラージ先物の大口売買は少ない。過去2年数か月の間、その少ない大口売買で1番規模が大きかったのが2017年1月第4週であった。この週の売買は投信の売りとのセット売買であり、合計すれば新しく買いのポジションをとったものではなかった。おそらく、同じ運用会社の中での信託買い・私募投信売りのセット売買である。

ただし、わかるのはここまでである。このポジションを作った目的が何かはわからない。反対売買は大口ではなく、小口にわけて少しずつ売買されたことまでしかわからない。私募投信の買いポジションを信託の買いポジションへと移したようにも見えた。しかし、確かなことはわからない。わからないことだらけと言った方がよい。それでも先例にはなっている。今回も同じ運用会社による私募投信とのセット売買であった可能性は高いと考える。

第1週の信託のTOPIXラージ先物は386億円の売りである。これは配当込みTOPIX連動目的でTOPIXラージ先物を買っていた分を売却し、現物を買ったものであろう。他にも現物買いにはトヨタなどの信託方式の自社株買いがいくらか入っていたかもしれない。

第1週の投信とのセット売買を除く信託は、現物を中心に買い越しであったと思われる。しかし、金額は小さかった可能性が高い。

買い方
(2)海外
現先合計 2272億円の買い越し
現物    205億円の買い越し
先物   2066億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


6月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180608

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180608


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにあるドイツの自己による裁定売買の修正である。

修正前の5337億円から修正後の5987億円へと差が拡大した。5987億円という差は大きい。

メジャーSQのある週はこの差が大きく開くことが多い。過去にもこれくらい開いたケースはあった。差は毎週発生するが、メジャーSQがある週は差が拡大しやすい。先に書いた信託の買い2100億円はおそらく外資系に流れたのであろう。それ以外の4000億円弱の解明は不可能である。

第1週の海外はTOPIXラージ先物中心の買いであるが、外資系のTOPIXラージ先物の買いは450億円と小幅である。海外の買いがどこの外資系証券を通じて買われたのかもわからない。第1週は先物手口分析から得られるものは少ない。海外による買いの背景も、NY株高が原因という誰にでもわかること以上のことはわからない。


売り方
(1)個人
現先合計  3510億円の売り越し
現物現金  2404億円の売り越し
信用     655億円の売り越し
先物     451億円の売り越し

個人は5月第4週、第5週の下げ局面では押し目買いを入れていた。それが6月第1週になってすかさず売りに転じた。5月第4週、第5週に買ったスイングトレーダーの大半は利食い売りである。売り一辺倒の高年齢富裕者層による現物現金を中心とする売りも増えたと思われる。

売り方
(2)投信
現先合計  2468億円の売り越し
現物      90億円の買い越し
先物    2558億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 71億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 400億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 150億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で250億円前後の売り越し。

設定とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          160億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  2310億円前後の売り越し
それ以外の先物      10億円前後の売り越し
合計         2160億円前後の売り越し

設定とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように2160億円の売り越しであった。そのうち、日経平均ラージ先物が2310億円の売りである。先に書いた通り、このうち2100億円前後は同じ運用会社の信託の買いとのセット売りである可能性が高い。公募投信では考えられないので、私募投信の売りであろう。設定とブルベア型以外の売りの大半もこの私募投信による売りで説明できる。


(*)自己という特殊な部門
6月第1週は買い方の(4)になった

現先合計  555億円の買い越し
現物   1871億円の買い越し
先物   1316億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 2179億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 みずほ2350億円、ドイツ650億円

裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ300億円、野村200億円、UBS200億円
 三菱UFJ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 4000億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の方法の差は6000億円

この差についても、メジャーSQの週だから不明ということにさせてもらう。メジャーSQの週は通常の週よりも差が開きやすいことは真実である。先に書いた海外と外資系の差とも関係しているであろう。しかし、第1週に関しては解明は不可能である。

自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 500億円前後の買い(現先合計)

通常の週なら、500億円は小さく、ディーラーのポジション調整の売買として許される範囲内の金額である、で終わりである。

しかし、海外と外資系、裁定売買と裁定残変化の間で、メジャーSQの週らしく大変大きな差が発生している。日銀ETF以外の自己もプラスマイナスのどちらかに大きく傾いてもおかしくない。500億円という小さな金額になったのは、様々な偶然が重なった結果のはずである。


(6月第1週合計)
合計すると「信託、海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。

過去に先例があるので、「信託買いvs投信売り」は同じ運用会社によるセット売買である可能性が高い。それを除くと「海外の買いvs個人の売り」であった。

第1週は5月第4週、第5週と連続で売り越した海外が、NY株価の上昇を好感して買い越しになった。海外の買いで株価が上昇すると、上値を戻り売りするのは個人であった。

この昔からのパターンで、週末の日経平均株価は523円上昇した位置で需給は均衡し、6月第1週を終えることになった。

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2018年5月第5週 株 コメント

5月第5週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180601


5月第5週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180601


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年5月第5週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22171円 前週末比-279円

5月第5週の外部環境は、為替レートが円高、NY株は下落であった。第5週の大きな材料は、イタリアを中心とする南欧の政治リスクである。このリスクは前から存在していた。それが市場関係者が嫌気するほど拡大し、イタリア国債の金利が急上昇したのが火曜であったということである。その日はNY株価が急落したこともあり、水曜は日本の株価も急落した。その後はイタリア国債の金利も低下に向かったことから日本の株価も戻した。日経平均株価は2週連続して下落したまま週を終えることになった。


買い方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載

買い方
(2)個人
現先合計  2048億円の買い越し
現物現金  1340億円の買い越し
信用     732億円の買い越し
先物      23億円の売り越し

スイングトレーダーを中心に株価が下がったので押し目買いを入れた。現物現金の買い越し金額が第4週よりも増えた。もう少し中長期志向で現物投資をする個人も買いを増やしたようだ。売り一辺倒の高年齢富裕者層の売りは減少した。

買い方
(3)事法
現先合計  1469億円の買い越し
現物    1439億円の買い越し
先物      30億円の買い越し

大半が自社株買い。6月に入って5月分の自社株買い実施の発表が相次いでいる。大口のものとしては、5月16日-31日、三菱UFJ銀行(持ち株会社=事法)、397億円といった形の発表になっている。


売り方
(1)海外
現先合計 5663億円の売り越し
現物   3076億円の売り越し
先物   2586億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


5月第5週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180525

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180601


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにあるドイツの自己による裁定売買の修正である。

修正前の487億円から修正後の637億円へと差が少し拡大した。それでも637億円くらいの差は平均的な差の水準であるので、これ以上深くは追求しない。

先物手口の買い方のトップはソシエテ(上から7番目)

ソシエテの先物売りは2月が7000億円、3月が1.2兆円。このうち、3月第2週にUBSとのクロスの形で1.4兆円の売りがあった。そして4月と5月の買いの合計は1.2兆円である。3月第2週の1.4兆円の売りについては買い戻しがないかもしれないと何度か書いてきたが、買い戻しが入っている可能性がさらに高まった。

ただ、第5週については海外自己による裁定の買いが500億円入っている。買い戻しを中心とするそれ以外の買いは3000億円前後になる。

海外はソシエテの先物買い以外は売りである。合計で9200億円ほどの売り越しになる。

先物手口の売り方のトップはJPモルガン(上から9番目)。普通の読み方は、年金などの長期志向の投資家がずっと前から保有しているインデックス連動目的の先物の手仕舞い売りになる。ただ過去の例からすると金額が少し大きい。それ以外の何らかの売りも混じっている可能性がある。

第5週は現物も売り越しである。確かなことはわからない。ただ南欧の政治の混乱と金利が急上昇したことを見ると、グローバルに株を運用している投資家なら、混乱が一定水準をこえると株のポジションを全般的に引き下げてくる投資家はいるであろう。海外はソシエテの買いを除くと9200億円の売りである。日本だけではなく世界的に株が一度は売られる環境であったと思われる。

なお、MSCIの銘柄見直しに伴い、3400億円の売りが出たという説がある。インデックス運用で日本株をどうしても売らなければならない投資家の売り越し金額の推定値としては3400億円は大きすぎる。ただ、それをイベントとして捉えて売る投資家の売り金額までを推定することは不可能である。そうした売りが、5月15日-31日に出たことは間違いない。

売り方
(2)投信
現先合計  1399億円の売り越し
現物    1350億円の売り越し
先物      49億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 588億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 400億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 50億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で400億円前後の売り越し。

設定とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物         1940億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物    80億円前後の売り越し
それ以外の先物     360億円前後の売り越し
合計         2380億円前後の売り越し

設定とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように2380億円の売り越しであった。公募投信だけでは多すぎる。私募投信の売りが中心と思われる。

少し前は設定とブルベア型投信以外の売買は非常に少なかった。それが最近、売りを増やしており、第5週はさらに増加した。弱気になった投資家が、南欧の政治リスクも加わって売りを増やしたものと思われる。


(*)自己という特殊な部門
5月第5週は買い方の(1)になった

現先合計 2701億円の買い越し
現物    389億円の売り越し
先物   3090億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1722億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ650億円、みずほ650億円、ソシエテ500億円

裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 3700億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の方法の差は2000億円。この差が発生する確かな理由はわからない。

第5週は自己の現物売りが389億円しかなく、裁定解消売りで下がったのではない。裁定解消売買の金額はわからない。ただ実質的には、証券会社間で裁定のポジションから日銀ETF準備用のポジションに移動しただけと考える。


自己に含まれる日銀ETF
 2220億円の買い

日銀ETF以外の自己
 480億円前後の買い(現先合計)

480億円は小さく、ディーラーのポジション調整の売買として許される範囲内の金額である。


(5月第5週合計)
合計すると「自己、個人、事法の買い越しvs海外、投信の売り越し」であった。

第5週のポイントは、イタリアを中心とする南欧の政治リスク、金融不安である。前から存在していたが、今まではほとんど誰も気にとめなかった。その混乱レベルが一定水準をこえ、実際に海外が日本株を売るという行動をとり始めたのが第5週であった。これには下値の投げ売りもあった。投信の売りは続いており、南欧の政治リスクが売りを拡大させた可能性はある。

買い方は第4週と同様に南欧の政治リスクなどの悪材料に反応しない、あるいは株価が下がれば買う主体である。反応しないのは事法、下がれば買うのが日銀ETFを中心とする自己、そして逆張りが基本の個人であった。下値の指し値買いが多い。

こうした主体の売買の結果、週末の日経平均株価は279円下落した位置で需給は均衡し、5月第5週を終えることになった。


5月月間

5月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201806

5月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口201806


記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると5月の公募型日本株投信は419億円の資金純流入

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1000億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 150億円前後の売り越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1600億円前後の売り越し

(3)事法部門での自社株買い
NTTの464億円買いが一番大口

(4)自己
日銀ETFが6024億円買い

(5)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定解消売買の金額合計
 512億円(現物売り・先物買い)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値
 3000億円前後(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は3500億円。最近の裁定残の増加期は、裁定売買は裁定残の増加に追いついておらず、裁定残の方が正しい数字に少しは近い。

(6)合計
5月月間では

  自己   7294億円の買い越し
  事法   4521億円の買い越し
           vs
  投信   5170億円の売り越し
  個人   3631億円の売り越し
  
自己の買いには日銀ETFの買いが6024億円含まれていた。事法の自社株買いはあったものの、日銀ETFの買いがあったからこそ、5月も下げは小幅ですんだ。

加えてソシエテの先物買いが1兆円あった。2月、3月に売った分の買い戻しが中心と思われる。この買いのおかげで、海外は131億円の小幅の売り越しにとどまることができた。

結果として日経平均株価は301円下落し、需給は均衡して5月の5週間を終えることになった。

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2018年5月第4週 株 コメント

5月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180525


5月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180525



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年5月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22451円 前週末比-480円

5月第4週の外部環境は、為替レートが円高、NY株は小幅上昇であった。この週はトランプ大統領が米朝首脳会談の延期を22日に示唆し、24日に正式に発表した。23日には自動車輸入関税の25%までの引き上げの検討を発表した。こうしたトランプ政権の政策が23日水曜日以降の日本株の下げ材料となった。日経平均株価の連続上昇は8週で途切れ、9週ぶりに下落して週を終えることになった。


買い方
(1)個人
現先合計  2216億円の買い越し
現物現金    78億円の買い越し
信用    1374億円の買い越し
先物     764億円の買い越し

個人は8週連続で逆張りの売りが続いていた。その翌週の第4週は逆張りの買いになった。現物現金、信用、先物がすべて買い越しになっている。スイングトレーダーが中心に株価が下がったので押し目買いを入れた。現物現金の買い越し金額は小さい。売り一辺倒の高年齢富裕者層の売りは減ったが、継続して出ているようである。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載

買い方
(3)事法
現先合計  1456億円の買い越し
現物    1466億円の買い越し
先物       9億円の売り越し

大半が自社株買い。大口のものとしては、5月23日、スタートトゥデイ、244億円が上げられる。まだ買い付け終了の発表は少ない。6月1日から大量発表があるはずだ。


売り方
(1)投信
現先合計  2748億円の売り越し
現物     759億円の売り越し
先物    1989億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 153億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1200億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 150億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1600億円前後の売り越し。

ブルベア型投信の売買の大半は個人である。しかし、個人の信用、先物の売買の方向とはあまり一致しない。この週も個人の信用、先物は押し目買いになったが、ブルベア型投信は戻り売りになった。

設定とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物         610億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   90億円前後の買い越し
それ以外の先物    450億円前後の売り越し
合計         970億円前後の売り越し

設定とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように970億円の売り越しであった。公募投信だけでは多いので私募投信の売りが中心と思われる。ブルベア型も含めた投信は、高値警戒感が出てきている中、北朝鮮問題などの悪材料が出てきたので売ったようである。

売り方
(2)海外
現先合計 1279億円の売り越し
現物   3404億円の売り越し
先物   2126億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


5月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180525

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180525


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにあるドイツの自己による裁定売買の修正である。

修正前の2641億円から修正後の2541億円へと差が少し減少した。それでも2541億円というのは大きい。

第3週が2600億円であったので2週連続で大きな差である。続きは後ほど自己のところで説明する。

先物手口の買い方のトップはソシエテ(上から7番目)

ソシエテの先物売りは2月が7000億円、3月が1.2兆円。このうち、3月第2週にUBSとのクロスの形で1.4兆円の売りがあった。そして4月以降の買いの合計は第4週までで8000億円である。

今まで3月第2週の1.4兆円の売りはカバーがついており、買い戻しはないかもしれないと何度か書いてきた。しかし、ここまで買いが連続すると、3月第2週の1.4兆円の分についても買い戻しが入っている可能性が高くなってきた。

先に外資系に2541億円の売りがあると書いた。自己のところでも説明するが、これは海外がソシエテで1700億円の先物を買った他に、2541億円の先物を買い、ソシエテの自己が2541億円売り向かっている可能性がある。これも可能性があるまでで、断定はしない。

いずれにせよ、ソシエテを通して海外が買い戻しを続けていることまでは可能性が高い。

先物手口の売り方のトップはゴールドマン(上から2番目)。第4週の売りはTOPIXラージ先物が中心である。長期性の資金がインデックス連動目的でずっと前に買っていた分の売りである可能性が高い。

第4週の海外による現物は3404億円の売り越しである。海外の先物は8週連続の買い越しであるが、現物は3週連続の売り越しである。第4週も外見上は現物売り・先物買いのロングショート型の形になった。実際に、ロングショート型の売買が何割かは存在している可能性は高い。

海外は現先合計では7週連続で買いが続き、株価上昇の原動力であった。それが、北朝鮮、25%関税などの悪材料が出てきたので、現先合計では小幅ながら売り越しに転じた。

売り方
(3)信託
現先合計  1261億円の売り越し
現物     403億円の売り越し
先物     858億円の売り越し

信託は5週連続の売り越しであり、売り越し金額も増えた。投信と同様に高値警戒感を感じている中、北朝鮮問題などの悪材料が出たから売ったのであろう。


(*)自己という特殊な部門
5月第4週は買い方の(2)になった

現先合計 1971億円の買い越し
現物   1749億円の買い越し
先物    223億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 651億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ500億円、野村300億円

裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 500億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の方法の差は1100億円。この差が発生する確かな理由はわからない。しかし、第4週については次のように推測する。

第4週は月曜から金曜まで5日とも裁定解消売買が超過していた。それでも裁定残が増えたのは、第3週以前の裁定形成売買で現物買い・先物売りになったポジションを裁定残と東証に報告するのが遅れ、東証発表の数字だけが第4週に増えたと考える。

そうであるならば、自己に裁定以外の現物買い・先物売りが2500億円近く存在することになる。この先物売りが海外のところで書いたように、海外の先物買いを受けた外資系の自己の売り2541億円の大部分と考える。現物の買いとセットであり裁定と同じ形である。この現物買いは裁定ではなく、先物売りのカバーである。

裁定解消売買が大量に出ている中での現物買い・先物売り。これをやるのがソシエテ自己である。第4週に関しては、2500億円前後がソシエテによる海外先物買い・自己先物売り・自己現物買いである可能性はそれなりに高い。第3週もソシエテの売買で説明は可能である。しかし、海外と外資系の差をソシエテの売買で説明できる週はこの2週以外には少ない。従って、第3週、第4週についてもソシエテの売買である可能性があるまでであり、ソシエテの売買であるとは断定しない。

自己に含まれる日銀ETF
 2220億円の買い

日銀ETF以外の自己
 250億円前後の売り(現先合計)

250億円は小さく、ディーラーのポジション調整の売買として許される範囲内の金額である。


(5月第4週合計)
合計すると「個人、自己、事法の買い越しvs投信、海外、信託の売り越し」であった。

第4週のポイントは、日経平均株価8週連続上昇の後の週に出た北朝鮮問題の悪化、自動車関税25%、そして円高という悪材料である。こうした高値での悪材料に反応して売る主体は売った。その主体が投信、海外、信託であった。

買い方は高値での悪材料に反応しない、あるいは株価が下がれば買う主体である。反応しないのは事法、下がれば買うのが日銀ETFを中心とする自己、そして逆張りが基本の個人であった。

こうした主体の売買の結果、週末の日経平均株価は480円下落した位置で需給は均衡し、5月第4週を終えることになった。



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2017年 年間 株 コメント

2017年 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント年次2017


2017年 日経平均株価 日中足チャート
2017年年間株価ブログ用


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22765円 前年末比+3651円

2017年は前年の大統領選挙で当選を果たしたトランプ氏が大統領に就任し、夏頃まではトランプ大統領への政策期待と不安定感から株価は一進一退であった。9月からアメリカの大型減税法案の成立期待が高まるとともに、NY株の上昇に加速が付いた。12月に税制改革法案は成立し、NY株価は過去最高値まで上昇した。日本株もNY株に連動する形で9月から上昇が続き、26年ぶりの高値まで上昇して年を終えた。世界中が好景気で株高が進行した。日本も企業収益の回復が著しかったということが株高の大元に存在していた。


買い方
(1)自己
現先合計 5兆5613億円の買い越し
現物   6兆0321億円の買い越し
先物     4708億円の売り越し

裁定売買(大部分が自己だが、一部に海外もある)
東証発表の裁定売買
 5278億円の裁定形成(現物買い・先物売り)
東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 4000億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は1300億円。年間の乖離金額としては小さい。裁定形成売買は年間5000億円前後であった。

自己に含まれる日銀ETF
 5兆9033億円の買い 

2017年の最大の買い越し主体は日銀ETF。海外が買い上がった後、反落するところを買い支えた。これが基本であるが、2017年の最高値12月25日と2番目の12月11日は日銀ETF買いにより上昇した日であった。

日銀ETF以外の自己
 3000億円前後の売り(現先合計)

確かなことはわからない。勘のレベルでは法人の持ち合い解消売りを取引所外取引で自己が引き取り、取引所内で売却した分が多いという感じがする。

買い方
(2)海外
現先合計 1兆9571億円の買い越し
現物     7532億円の買い越し
先物   1兆2038億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


2017年 大手証券 先物手口概算
ブログ先物手口2017年年間

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較2017年年間

海外と外資系の差を比較した。乖離は1.3兆円とかなり大きい。特に日経平均ラージ先物の乖離が1.7兆円と大きい。

先物の買い越しトップはゴールドマン。日経平均ラージ先物の5700億円買いが中心である。ゴールドマンには2017年年間(3月第3週第4週6月第2週)に日経平均ラージ先物で自己買い・海外売りと思われるクロスが合計3.6万枚、7400億円存在した。ゴールドマン自己の日経平均ラージ先物の買い5700億円プラス1700億円は自己が海外の代理として買っている分なのである。

これを考慮すると海外の日経平均ラージ+ミニ先物は売り越しではなく、買い越しになる。同時に年間の海外は実質的な買い越し金額が2.7兆円であった。現物とTOPIXラージ先物の買いが中心であり、日経平均型の先物は小幅の買い越しである。この点から、2017年の海外の買いは投機ではなく中長期性の投資的資金による買いが中心であったことがわかる。

日経平均株価が16日連騰を含んで一番大きく上昇したのは9月第2週-11月第2週の9週間である。この期間の海外による現先合計は5.4兆円の買い越し。9週間の買い越し金額としては過去最高であった。

この期間に先物を大量に買い越したのはUBS1.4兆円、ゴールドマン1.1兆円。UBSの買いの大半はUBS本体運用部の買いである。UBSは年間では9550億円もの売り越しであるが、株価の上昇局面では買い越していた。UBS本体運用部とゴールドマンの少数の大口顧客の先物買いが11月7日以前の8週間と2日の大幅上昇を作り上げた最大の主体であった。

買い方
(3)事法
現先合計 1兆2491億円の買い越し
現物   1兆2325億円の買い越し
先物      167億円の買い越し

買いの中心は自社株買い。持ち合い解消の売りが出ているので、それを差し引いた金額が上記の金額。

買い方
(4)その他法人
現先合計 6122億円の買い越し
現物   6047億円の買い越し
先物     74億円の買い越し

従業員持ち株買いによる買いが3000億-5000億程度。

買い方
(5)その他金融機関
現先合計 1440億円の買い越し
現物   1348億円の買い越し
先物     92億円の買い越し

日銀の資金循環統計によると、農林水産金融機関が現物株を買い越している。農林中金を筆頭とした農林系の金融機関が買い越していると考える。


売り方
(1)個人
現先合計 5兆5524億円の売り越し
現物現金 7兆7105億円の売り越し
信用   1兆9171億円の買い越し
先物     2410億円の買い越し

巨額の株式資産を保有する高年齢富裕者層は売り一辺倒である投資家が多い。特に株価の上昇局面に上値の指し値で売る。従って、個人が大量に売り越す結果は下げではなく上げになるケースが多い。

もう少し若い年齢層が中心のスイングトレーターは信用、先物を中心に買い越した。個人の基本は逆張りだが、スイングトレーターは年を通して見ると順張りの買いになっている。

売り方
(2)投信
現先合計 1兆7119億円の売り越し
現物   1兆0435億円の売り越し
先物     6685億円の売り越し


野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1兆6488億円の純流出
 (この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 3300億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 1000億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 900億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で3800億円前後の売り越し。

投信の売買のかなりの部分は上記の解約とブルベア投信の売りで説明がつく。

売り方
(3)銀行
現先合計 7612億円の売り越し
現物   8650億円の売り越し
先物   1037億円の買い越し

現物を中心に持ち合い解消売りが継続。

売り方
(4)信託
現先総合   5935億円の売り越し
現物      939億円の買い越し
先物     6874億円の売り越し

信託方式の自社株買いがトヨタ1社で3800億円。自社株買いを除く信託の現物は売り越し。先物はヘッジ売り。

売り方
(5)証券会社
現先合計 4281億円の売り越し
現物   4319億円の売り越し
先物     38億円の買い越し

東証に会員権を保有していない中小証券の売買。実質的には大半が個人の売買であり、個人と同様に売り越し。

売り方
(6)保険
現先合計 3819億円の売り越し
現物   5709億円の売り越し
先物   1890億円の買い越し

現物は持ち合い解消売りが続く。先物はアベノミクス相場開始の初期に売った分の買い戻し。

(2017年合計)
2017年年間では

  自己 5兆5613億円の買い越し
  海外 1兆9571億円の買い越し
          vs
  個人 5兆5524億円の売り越し
  投信 1兆7119億円の売り越し

で日経平均株価は3651円上昇して2017年を終えた。


(2017年の評価)

日経平均株価は上昇したが、日銀ETFと海外による買いで上昇の大半が説明できる。株価の上昇局面で買い上がったのは大半が海外であった。海外は年間で2兆円、実質なら2.7兆円程度の買い越し。上昇局面で大量に買い、その後の下げ局面で何割か売ったため、年間の買い越し金額としては大幅とは言えない金額である。海外が売り越すと日銀ETFが大量に買い、株価を下支えした。5.9兆円の日銀ETF買いの株価下支え効果は非常に大きかった。

高年齢富裕者層を中心とする個人の現物株の売り越しにも変化はない。アベノミクス相場開始以降、金額は増加している。投信の売りも個人中心の解約売りの金額に近い。信託の先物売り越し金額0.7兆円というのはファンドマネージャーの先安感が非常に強かったということである。

日本経済新聞社が算出している日経平均株価の予想PERは2016年末が16.2倍、2017年末は15.1倍。前年末と比べてPERは少し低下。すなわち株価はEPSの増加率を少し下回る上昇。それでも割安とも割高とも言いにくい適正価格の範囲内の上昇であった。しかし、その適正価格を作り出したのは海外を除くと日銀ETFによる買いの影響が大きかった。日銀ETFによる大量の買い支えがあった結果、日経平均株価は企業業績の増加に見合う適正価格を形成して2017年を終えることになった。



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