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2018年10月第2週 株 コメント

10月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181012


10月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181012



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年10月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22695円 前週末比-1089円

10月第2週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は下落であった。週初はNY株安に加え、国慶節明けの中国で人民元相場が大きく切り下げられ、上海株も急落した。そのため、火曜の日本株も下落で始まった。NY株が急落したのは10日水曜日である。木曜の日本株も急落した。木曜のNY株はもう一段下落したが、金曜の日本株は上海株の上昇により少し反発した。第2週のNY株安は世界に影響を及ぼした。日本株も大幅安で週を終えることになった。


10月第2週の投資部門別売買状況は全体では前回急落した2月第1週と共通点が多い。

買い方
(1)個人
現先合計  8177億円の買い越し
現物現金  3742億円の買い越し
信用    2281億円の買い越し
先物    2154億円の買い越し

個人は現先合計で過去最大の買い越し。しかも4営業日しかない週に最大を達成。2月第1週は個人現物(現物現金+信用)だけなら過去最大の買い越しであった。しかし、先物は1月が大幅買い越しであったので、投げ売りであった。

今回は週初の個人の先物ポジションは売りにも買いにも大きくは傾いていなかった。そのため、先物も大量の買いになった。結果として、現先を合計すると過去最大になった。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載

買い方
(3)投信
現先合計  4515億円の買い越し
現物    1048億円の買い越し
先物    3467億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 848億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 2650億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 350億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で3500億円前後の買い越し。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          200億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   470億円前後の買い越し
それ以外の先物     500億円前後の売り越し
合計          160億円前後の買い越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように160億円前後の買い越しであった。金額としては小さい。第1週の投信の買いは、設定と大口ブルベア型投信の買いで大半の説明がつく。

(3)銀行
先物  1218億円の買い越し

銀行による投機的なヘッジ売買。9月第4週、10月第1週に売った分の買い戻しが中心。外資系で買った分も多いと考えている。


売り方

(1)海外
現先合計 1兆8281億円の売り越し
現物     3290億円の売り越し
先物   1兆4991億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


10月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181012

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181012


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正、(2)は日経平均ミニ先物12月の売買が一部しかわからないので入れた修正である。

修正前の外資系と海外の差は5831億円。これが修正により5437億円になった。金額としては非常に大きい。

9月第3週で詳しく説明したように、海外は9月第1週から9月第3週までの間、OTCも合わせると配当課税節約のために相当多額の現物をデリバに変えていた。同じことが上場の現物売り・先物買いという形でも少し行われた。その反対売買、すなわち現物買い・先物売りが9月第4週の配当落ち後から出ている。

第2週もそうした現物買い・先物売りが存在するはずである。ただ具体的な金額は示さない。正確な金額がわからない上、相場には中立であるからだ。金額も第1週がピークであり、第1週よりは減少している。

それ以外に外資系の自己、具体的にはソシエテに3200億円前後の海外の代理とも言える買いがある。海外は取引所外(OTC)では買い越している。その理由は自己のところで説明する。

海外は現先合計で1兆8281億円の売り越しである。しかし、取引所外まで合計すると3200億円前後の買いを差し引く必要がある。そのため、海外による実質的な売りは1.5兆円前後ということになる。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは第2週も先物手口に関心がある方は見ていただきたい。

わかりやすい点はツイッターですでに説明しているので、それを再掲載する。高値を買い上がり、第3週以降も株価が下がっていたら、さらに売らざるをえない海外の大口顧客がいた。上がってもいずれは売るであろう。



それ以外の第3週の先物手口については難しいものが多い。後ほど自己の所で少し説明する。

海外は上海株やNY株の急落に驚いて日本株にも売りを出してきた。先物中心の売りである。投機筋の売りが多かったと思われる。2月にもあったことだが、OTCでは現物を買った投資家がいる。

(2)信託
現先合計 2006億円の売り越し

過去の信託の売買パターンを考えると、急落以降に売ったとは思えない。急落前の火曜と水曜に売った可能性が高い。


(*)自己という特殊な部門
10月第2週は買い方の(2)になった。

現先合計 5112億円の買い越し
現物   3798億円の売り越し
先物   8911億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1095億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ1650億円、ソシエテ600億円、みずほ250億円
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ200億円、野村200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 7000億円前後の裁定解消

2種類の数字の差は6000億円。自己の現物は3798億円の売りである。

裁定解消売買は7000億円と推測する。そのうち3800億円前後は日系大手とソシエテ、ドイツによる通常の現物売り・先物買いという裁定解消売買である。3200億円前後はソシエテ自己による特殊な裁定解消売買としか考えられない。ソシエテ自己は先物を取引所で買っているが、現物はOTCで海外顧客に売っている。

3200億円というのは後でも書く日銀ETF以外の自己から推測できる金額とも一致しているが、偶然である。

ソシエテの裁定残は従来は海外自己にあった。ところが9月に配当課税節約のために海外が売る現物を東京自己が買い、先物を売った。その分を裁定残として東証に報告していたようである。その現物を第2週にOTCで海外顧客に売却した。先物は取引所で買い戻した。

自己に含まれる日銀ETF
 2860億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2300億円前後の買い(現先合計)

野村とみずほの自己にはコンバージョンのポジションが450億円ずつあった。このポジションがSQ時に解消されている。そのため、SQ時に日経平均ミニ先物に合計で900億円の売り越しがある。日系大手の自己が900億円の売り越しで、日銀ETF以外の自己は2300億円の買い越しである。外資系だけの自己は3200億円前後の買い越しである可能性が高い。

海外のところで、外資系自己に海外の代理の買いが3200億円前後あると書いたのは上記の数字が根拠である。それが裁定残の減少から推測できるソシエテによるOTCでの裁定解消に伴う先物買いの金額と偶然にも一致している。OTCではソシエテ自己が現物を3200億円売り、海外大口顧客が現物を3200億円買っている。


(10月第2週合計)
合計すると、「個人、自己、投信、銀行の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。

自己の買いの中には海外の代理の買いがあると考えている。週を通した海外の売りは実質的には1.5兆円前後であった可能性が高い。それでも第2週の下げの主役はこの海外の売りであった。信託は急落以前の火曜と水曜に売った可能性が高い。

個人、日銀ETF、投信、銀行は下げたので買い越した。

結果として週末の日経平均株価は1089円下落した位置で需給が均衡し、10月第2週を終えることになった。



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2018年10月第1週 株 コメント

10月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181005


10月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181005


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年10月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23784円 前週末比-336円

10月第1週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。月曜と火曜は円安傾向の中でNY株が上昇し、日経平均株価は1991年以来の27年ぶりの高値を付けた。しかし、水曜からは高値警戒感から調整局面に入る。木曜はアメリカの長期金利が上昇し、NY株が下落に転じた。その結果、日本株も下落することになった。日経平均株価は4週ぶりに下落して週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先合計  4387億円の買い越し
現物    5757億円の買い越し
先物    1370億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


10月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181005

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181005

いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正、(2)は日経平均ミニ先物12月分がわからないので今の時期にはよく入れる修正である。

修正前の外資系と海外の差は1364億円。これが修正により1777億円に拡大した。

第1週は外資系にも流れそうな国内機関投資家の売買が多い。特に銀行が流れやすい。TOPIXラージ先物に関しては銀行の売りが外資系に流れた可能性がある。しかし、日経平均ラージ先物は大量に売る国内機関投資家はないので、外資系自己の売りである。

この外資系自己の売りは海外の代理の売りである。金額は1777億円前後ではあっても、銀行の売りが混じっている可能性があり、それほど近くはない。より近い金額は1400億円の方だと思う。後ほど自己のところで説明するが、日銀ETF以外の自己の売りの金額である。

9月第3週で詳しく説明したように、海外は9月第1週から9月第3週までの間、OTCも合わせると配当課税節約のために相当多額の現物をデリバに変えていた。同じことが上場の現物売り・先物買いという形でも少し行われた。その反対売買、すなわち現物買い・先物売りが9月第4週の配当落ち後から出ている。

財務省の統計では10月第1週の海外は1兆5784億円の買い越しであった。東証の統計では海外の現物は5757億円の買い越しである。OTCでは1兆円以上の反対売買が出ている。

10月第1週は上場分に関しては反対売買の金額はよくわからない。先物の売り金額である1370億円の売りが全部反対売買の金額と考えることにする。ツイッターを書いた時点ではすぐ後で説明するOTCデリバの売りも一部が反対売買に含まれているはずと考えて書いた。しかし、「はず」と断言できる証拠は、よく考えると見つからなかった。

繰り返すが、外資系の自己に1400億円前後の売りがある可能性は高い。この大部分が海外の代理の売りと考える。取引所外で海外が売り(OTCデリバの売り)、自己が買い向かい、そのポジションを自己が取引所の先物でカバー売りを出しているからだ。

海外は現先合計で4387億円の買い越しである。しかし、取引所外まで合計すると1400億円の売りを差し引く必要がある。そうなると海外による実質的な買いは3000億円前後ということになる。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフはおもしろい点が多い。先物手口に関心のある人には本当にいろいろと考えさせられる手口の動きになっている。

しかし、第1週の海外による先物売り越し金額の大半は9月に作った税金対策の現物売り・先物買いの反対売買である可能性が高い。これは相場中立である。株価を動かしたのは現物であり、先物ではない。先物は物語としてはおもしろいのであるが、株価を動かした決め手ではない。そのため先物手口の説明は省略する。

第1週の日経平均株価は月曜と火曜に27年ぶりの高値を更新した。水曜から下げに転じる。海外は基本的には週の前半は買い越しで、後半は売り越しであったはずだ。そして週間では実質的には3000億円前後の買い越しになった可能性が高い。現物主導の相場であり、NY株や為替レートなどを見ながら売買したのであろう。この高値を買ったのは投機筋が中心と推測する。しかし手口も公表されておらず、確実なことはわからない。

買い方
(2)個人
現先合計   952億円の買い越し
現物現金  1076億円の売り越し
信用    1286億円の買い越し
先物     742億円の買い越し

個人は今年に入って40週中37週で逆張りが続く。週前半の高値では高年齢者富裕層が中心に現物現金を売り。週後半に株価が下がったところではスイングトレーダーが信用を中心に押し目買いを入れたのだと思われる。


売り方
(1)投信
現先合計  1874億円の売り越し
現物    1270億円の売り越し
先物     604億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 612億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で50億円前後の買い越し。9月第4週は700億円前後の売り越しであった。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          660億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   140億円前後の売り越し
それ以外の先物     510億円前後の売り越し
合計         1310億円前後の売り越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように1310億円前後の売り越しであった。金額としては大きい。私募投信が中心の売りだと思われる。高値警戒感からの売りであろう。

(2)信託
現先合計  1672億円の売り越し
現物    1505億円の売り越し
先物     167億円の売り越し

現物中心の売り。投信と同様に高値警戒感があったのであろう。先物は日経平均ラージ先物買い・TOPIXラージ先物売り、の形になっている。手口は野村が中心だと思う。しかし、意図は全く不明。

(3)銀行
現先合計  1075億円の売り越し
現物     349億円の売り越し
先物     726億円の売り越し

現物は持ち合い解消の売り。これはほぼ毎週の売り。一方、先物は3週連続の売り。売買回転の速い銀行にしては珍しい。高値警戒感が強かった。


(*)自己という特殊な部門
10月第1週は売り方の(4)になった。

現先合計  670億円の売り越し
現物   2488億円の売り越し
先物   1818億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 2160億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ1500億円、三菱UFJ1900億円、野村250億円
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ550億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 900億円前後の裁定解消

2種類の数字の差は1300億円。

自己の現物は2488億円の売りである。従って、裁定解消売買は2160億円に近かったと思われる。自己は9月第3週に現物買い・先物売りのポジションを大量に作っていた。その現物バスケットの方を完全なインデックスに変え、裁定や日銀ETF準備用のポジションなどに移した。だから裁定解消売りよりも裁定残の減少の金額の方が小さかったと推測する。


自己に含まれる日銀ETF
 763億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1400億円前後の売り(現先合計)

海外のところに書いた通り、外資系の自己に1777億円前後の外資系自己の売りがあると推測した。この中の1400億円が実際に外資系自己の売りであったと考えている。裁定解消の買いと日銀ETFの買いだけでも3000億円近い自己の先物買いが見える。実際の自己の先物買いは1818億円である。海外の代理としての自己の先物売りは1200億円はある。1777億円と考えると少し多いが、1400億円程度なら可能性は高い。


(10月第1週合計)
合計すると、「海外、個人の買い越しvs投信、信託、銀行の売り越し」であった。

自己に日銀ETF以外の売りがあるので、これを海外の代理の売りと考えている。週を通した海外の買いは実質的には3000億円前後であった可能性が高い。

週の前半は、「海外の買いvs投信、信託、銀行、個人の売り」で株価は27年ぶりの高値を更新した。週の後半は、「海外の売りvs個人の買い」で下げた可能性が高い。

結果として週末の日経平均株価は336円下落した位置で需給が均衡し、10月第1週を終えることになった。



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テーマ : 経済
ジャンル : 政治・経済

2018年9月第4週 株 コメント

9月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180928

9月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180928


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年9月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 24120円 前週末比+250円

9月第4週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は下落であった。第4週の日経平均株価は上昇したが、第3週とは異なりNY株は支援材料になっていない。材料としては円安の進行、業績の改善期待であろう。木曜の寄り前に日米首脳会談で自動車輸入関税の先送りが発表された。ただ、木曜は高値警戒感から下落した。金曜はすぐに戻した。この週は配当落ちが160円弱あった。それを除いても日経平均株価は3週間に1800円を上回る大幅な上昇となった。


買い方
(1) 信託
現先総合 4911億円の買い越し
現物    582億円の売り越し
先物   5494億円の買い越し

先物のうちTOPIXラージ先物で4483億円、JPX日経400先物で226億円の買い越しで、合計すると4710億円。信託によるこの2種の先物買いは、運用ポートフォリオをベンチマークである配当込みTOPIX、あるいはJPX日経400に連動させることを目的とした半期の初めの先物買いである。

今回は9月25日の権利付き最終日に野村とみずほの自己がTOPIXラージ先物を買っていた。翌26日の初日のJNETでクロスを振って信託に引き渡していた。その後も信託と思われる買いが入っていた。

半期の初めに信託がTOPIXラージ先物を最後に売り越したのは2002年3月第4週であった。信託は2002年9月第4週以降、半期の初めにずっとTOPIXラージ先物を買い越し続けている。その金額が増加し、ほぼ継続して1000億円を上回るまで拡大したのが2007年9月第4週以降である。そのグラフを下記に示す。

信託半年度初めの買いブログ用2018928png

上記の23回の合計で週間の株価騰落は13勝10敗、日経平均株価変動幅の平均は+42円となる。最近では、2014年9月-2017年3月に6回連続で下げていた。2017年9月-2018年9月は3回連続で上昇。そのため過去9回なら3勝6敗、日経平均株価変動幅の平均は-97円となる。

今回は250円の上昇であった。ただ、その前の9月第2週、第3週も大きく上昇していた。従って、上昇幅は数字以上に大きい感じがした週であった。それでも前回の3月第4週は836円も上昇している。

信託の半期の初めの買いがあまり知られていなかった頃は多少は値上がりする傾向があった。しかし、多くの人が知るところになると、買いの影響は事前に織り込まれてしまう。

今回も信託の買いとは別の要因が働いて、日経平均株価は上昇した。具体的には海外の買いである。

長期で見た場合、日経平均株価の変動幅の平均は小幅のマイナスになると思われる。通常の週ならゼロ近辺に収束するはずである。ただ配当落ちの週に実行するわけであるから、ゼロと配当落ち分との間の金額に収束すると考える。

この週の信託は恒例の先物買い以外では現物売り、日経平均ラージ先物買いであり、ネットで買い越しではあった。ただ金額は200億円前後の少額であった。

買い方
(2)海外
現先合計  1712億円の買い越し
現物    3771億円の買い越し
先物    2058億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


ブログ週間先物手口20180928


上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180928


いつものように海外と外資系を比較した。そして、(1)は裁定絡みの売買の修正、(2)は日経平均ミニ先物12月分がわからないので今の時期にはよく入れる修正である。

修正前の外資系と海外の差は418億円。これが修正により819億円に拡大した。

819億円はやや大きいが、特に大きな金額でもない。外資系自己か、そうでなければ信託が買っている。

第3週で詳しく説明したように、海外は第1週から第3週までの間、OTCも合わせると配当課税節約のために相当多額の現物をデリバに変えていた。同じことが上場の現物売り・先物買いという形でも少し行われた。その反対売買、すなわち現物買い・先物売りが第4週の配当落ち後から出始めたのである。

第4週は財務省の統計では海外の現物は8357億円の買い越しであった。一方、東証の統計では海外の現物は3771億円の買い越しである。

現物買い・先物売りの金額は、現物の買い3771億円に近かったのではないか。海外は現先合計で買い越しであるが、買いは現物ではなく先物が中心であった可能性が高い。ただ具体的な金額はわからない。

そのため1つの例しかあげられないが、現物300億円買い、先物1400億円買い、それに加えて現物買い・先物売り3500億円があったといったケースなどが考えられる。現先合計は1712億円の買いと決まっている。

先物の買い方の上位3番目はクレディ・スイス(上から15番目のグラフ)。相変わらず順張りの買いが続いている。今まではボックス相場であったので、高く買って安く売り、大きく損をしてきた。利益を獲得するためには株価が大きく上に抜けなければならない。

先物の買い方の上位4番目はモルガンMUFG(上から10番目のグラフ)。日経平均ラージ先物は売りだが、その前は買っていた。現物・先物の乗り換え売買のようである。一方、TOPIXラージ先物は3週連続で大幅な買い越しである。これはモルガンでもめずらしい。日経平均とは別の大口顧客が大量の投機の買いで勝負をしにきたように見える。

先にも書いた通り、3月の終わりの週は信託が先物を大量に買う。従って、先回りして買っている主体が売る。その売り手はいつもが海外ではないが、最近は海外であるケースが多い。今回もそれを計算して売りに回っていた海外がいたと思う。

TOPIXラージ先物を大きく売った海外がいた。現物買い・TOPIXラージ先物売りをした海外もいた。しかし別の海外が、その売りに近い金額だけTOPIXラージ先物を買っていた。そのため、海外のTOPIXラージ先物の買いは184億円しか見えていない。

日経平均ラージ先物は、モルガンをはじめとして現物買い・日経平均ラージ先物売りがかなり多いと思われる。

海外は現先合計で1712億円の買い越しである。上記のように、信託等に対する大量の売りが差し引かれた後の金額である。税金対策の売買もあるが、現先合計ではゼロである。純粋な先高感から買う海外が相当大量にいたことになる。

第4週の株価が上昇した最大の理由は、こうした海外の買いが中心であった。1712億円+信託等に対する大量売りの金額に相当する。クレディ・スイスやモルガンなどを通した投機筋の買いがかなり多かったと思われる。

買い方
(4)投信
現先合計    89億円の買い越し
現物    1350億円の売り越し
先物    1439億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 398億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 500億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 50億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で700億円前後の売り越し。第3週は2700億円前後の売り越しであった。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          950億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   680億円前後の買い越し
TOPIXラージ先物 1305億円の買い越し
JPX400先物    148億円の買い越し
それ以外の先物      13億円の売り越し
合計         1180億円前後の買い越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように1180億円前後の買い越しであった。

このうちTOPIXラージ先物とJPX400先物の合計で1452億円の買いがある。この全部ではないが多くは信託と同様のインデックス連動目的の先物買いである可能性が高い。

このインデックス連動目的の買いをも除くと280億円前後の売りとなる。これが上記以外の通常の公募、私募の投信による売買の合計に近いと考える。


売り方
(1)個人
現先合計  3345億円の売り越し
現物現金  2936億円の売り越し
信用     428億円の売り越し
先物      18億円の買い越し

個人は今年に入って39週中36週で逆張りが続く。先物は踏み上げ買い戻しがあるので、少しばかりの買い越しになった。それ以外はスイングトレーダーから高年齢富裕者層まで売りになった。


(*)自己という特殊な部門
9月第4週は売り方の(2)になった。

現先合計 1172億円の売り越し
現物   3193億円の買い越し
先物   4365億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1714億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 三菱UFJ1350億円、ドイツ650億円、野村350億円
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ600億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 3600億円前後の裁定形成

2種類の数字の差は1900億円。差はやや大きい。

確かなことはわからない。自己の現物は3193億円の買いである。従って、裁定形成売買は両者の中間であり、3600億円に近かったと思われる。


自己に含まれる日銀ETF
 751億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1900億円前後の売り(現先合計)

ディーラーによるポジション調整の売買の差としては少し大きい。外資系の自己は買い越しなので、日系大手の自己の売りが中心である。第4週の信託と投信の買いが見えていたので、日系大手の自己がリスクをとってショートを振った分が含まれている可能性がある。

信託と投信による期初のインデックス連動目的のTOPIXラージ先物とJPX400先物の買いの合計は6162億円であった。

これに対して売り向かったのは海外が中心であるが、日系大手の自己も売った可能性が高い。短期のリスクを取った玉、OTCでカバーした玉の両方がありそうだ。


(9月第4週合計)
合計すると、「信託、海外の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。

期初の週ということで、信託を中心に先物の買いが大量に入った。しかし、これは織り込み済みである。実質的には海外の買いが株価を引き上げた。

先回りをして買い、期初に売り向かう主体は海外が多い。第4週は海外に加えて自己も売り向かった可能性が高い。

個人の売りは逆張りの売りである。

ただ海外の買いが3週連続で続いた。個人も売りが続いたが、売っても上がるので、売り指し値も上へと移動した。そのため、株価もさらに上に抜けた。

結果として週末の日経平均株価は250円上昇した位置で需給が均衡し、9月第4週を終えることになった。


9月月間


9月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201809


9月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口201809

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると9月の公募型日本株投信は972億円の資金純流出

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1750億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 20億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 30億円前後の買い越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1950億円前後の売り越し

(3)事法部門での自社株買い
富士フイルムの110億円買いが一番大口

(4)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 4071億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値
 1兆円前後(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は6000億円。差は大きい。先物が買われ、裁定残が増加する際にはこれくらいの差はよく発生する。

(5)自己
日銀ETFが4434億円の買い

(6)合計
9月月間では

  海外   7428億円の買い越し
  信託   5374億円の買い越し
  自己   3331億円の買い越し
            vs
  個人   8555億円の売り越し
  投信   4028億円の売り越し
  
であった。

日経平均株価は1255円上昇し、月末の需給は均衡して9月の4週間を終えることになった。

9月は海外の買い、信託の恒例の先物買い、下げ局面の日銀ETFの買いに対して個人と投信が売り向かった。

海外は第1週に大量に売った後、第2週以降は買い越しになり、しかも大胆に買い上がり始めた。この買いにより株価は上昇し、上に抜けた。この海外の買いと株価上昇は国内の多くにとっては意外感も多かった。そのため個人を中心とする売り指し値もより高くなった。結果として海外の買い越し金額はそれほど大きな金額ではなかったが、日経平均株価は大幅に上昇することになった。



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2018年9月第3週 株 コメント

9月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180921


9月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180921


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年9月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23870円 前週末比+775円

9月第3週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。特にNYダウは過去最高値を更新した。週初にトランプ政権が中国からの輸入品2000億ドルに対して10%の関税を24日から課すことを公表。しかし、市場では悪材料の出尽くし感が強く、通常とは反対に買い材料になった。その後は大きな悪材料がない中、NY株が上昇し続けたので、日本株もそれに追随して上昇することになった。日経平均株価は2週連続の上昇であるが、2週間の上昇幅は1500円を上回る大幅な上昇で週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先合計  1兆4969億円の買い越し
現物      2771億円の買い越し
先物    1兆2198億円の買い越し

海外による先物だけの買い越し金額1兆2198億円は週間では過去3番目の大きさであった。ただし、第3週の営業日は4日しかなかった。1営業日当たりの海外による買い越し金額は2014年11月第1週の過去最高(週間1兆4572億円)を上回った。

次に、大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


9月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180921

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180921


いつものように海外と外資系を比較した。そして、ほぼ毎週のようにある裁定絡みの売買を修正した。

修正前の外資系と海外の差は974億円。これが裁定売買の修正によりゼロになった。

ゼロというのは、いくつかの仮定、推定を置いた結果である。ゼロになったのはまぐれである。しかし、外資系と海外の買いの差が小さい週であったことまでは確かである。

最近の9月の海外は配当課税節約のために自己に対して現物株を売るケースが多い。東証の統計では現物は2771億円の買い越しである。一方、財務省の統計では海外の第3週の現物は5198億円の売り越しであった。

第1週からOTCも合わせると海外は相当多額の現物をデリバに変えている。同じことが上場の現物と先物を使っても行われている。この点は、後ほど自己のところでも再度説明する。第3週の海外の買いは先物の買いが中心であるが、実質的には半分以上は現物の買いであった可能性が高い。

先物の買い方のトップはJPモルガン(上から9番目のグラフ)。このうちのTOPIXラージ先物は第2週が1800億円の売り越しであった。第3週の買いの大半は第2週に売った分の買い戻しである可能性が高い。短期なので投機筋の買いであろう。

先物の買い方の上位2番目はABNアムロクリアリング(1番上のグラフ)。ABNの買いはヘッジファンドなどの投機筋の買いとほぼ決まっている。日経平均ラージ先物を中心に新規の買いを入れた。

JPモルガンとABNには投機筋の買いが見えている。しかし他の証券会社には、必ずしも投機筋とは思えない買いがある。また現物売り・先物買いを行っている海外も多い。これは中立要因である。しかし、現物だけを買っている海外も多い。この中には投機だけではなく、より中長期志向の投資家の買いも含まれている可能性が高い。

投機、投資など様々な種類の買いが合計して1兆4969億円もの買い越しになった。ただ先物で過去最高の買い越しであった2014年11月第1週は、現先合計では2兆2263億円の買い越しであった。黒田バズーカ砲第2弾が入った週の翌週である。この週を1営業日当たりの先物買いでは抜いた。しかし、現先合計ではまだ差がある。

それでも第3週は週間で1.5兆円近い現先合計の買いであり、4営業日であったことを考えると相当大きい。日本株だけには大きな買い材料は出ていない。主にNY株の大幅な上昇、過去最高値の更新を見て、海外は日本株にもいっせいに買いを入れてきたわけである。その結果として日経平均株価が上昇したため、買いが買いを生んだ形になった。


売り方
(1)個人
現先合計  6738億円の売り越し
現物現金  4863億円の売り越し
信用    1836億円の売り越し
先物      39億円の売り越し

個人は今年に入って38週中35週で逆張りが続く。株価が上がったのでスイングトレーダーから高年齢富裕者層まで総売りになった。今年の1月第1週が7237億円の売り越しで日経平均株価は950円上昇した。その時に次ぐ売り越し金額である。

売り方
(2)投信
現先合計  3862億円の売り越し
現物    2238億円の売り越し
先物    1624億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1117億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 2000億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 300億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で2700億円前後の売り越し。第2週は1150億円前後の買い越しであった。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物        1120億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  740億円前後の買い越し
それ以外の先物    360億円前後の買い越し
合計          20億円前後の売り越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように20億円前後の売り越しであった。非常に少ない。第3週の投信の売りは、解約と大口ブルベア型投信7本の売りで大半が説明できてしまう。

売り越し金額は少ないが現物売り・先物買いの金額は大きい。ロングショート型の運用をする私募投信が大きく動いたと推測する。


(*)自己という特殊な部門
9月第3週は売り方の(4)になった。

現先合計  783億円の売り越し
現物   8913億円の買い越し
先物   9696億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 2221億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 三菱UFJ1650億円、ドイツ850億円、みずほ700億円
 UBS150億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ950億円、野村200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 2100億円前後の裁定形成

2種類の数字の差は100億円。差は小さく誤差のレベル。しかし、自己の現物買い・先物売りは9000億円前後見える。金額としては非常に大きい。

推測だがOTCで行われた現物売りはスワップで外資系自己が受けている。スワップの満期日に反対売買となり、海外顧客も外資系自己もリスクはとっていない。

それ以外に海外は取引所を通じて現物売り・先物買いを行っている。これも反対売買時に税金は少し節約可能である。しかし、反対売買時に売買損失が出る可能性があり、リスクを少し取った売買である。

9000億円前後の現物買い・先物売りのうち1000億円弱はドイツとUBSの自己が受けたが、残りの8000億円前後は日系大手の自己が中心に受けた。海外が現物売り・先物買いを大量に行った。外資系自己はOTCで受けた現物を大量に保有している。そのためドイツとUBS以外の外資系自己は取引所では受けていない。だから海外のところで外資系と海外の差がゼロかゼロに近い小さな金額になった。最終的な受け手は日系大手が中心になった。

日系大手とドイツ、UBSの自己が受けた9000億円前後の現物.買い・先物売りのうち、インデックス連動の高いバスケット2000億円強は裁定売買と東証に報告した。それ以外の7000億円弱はインデックス連動がそれほど高くないバスケットである。だから裁定売買ではない。

実際に何が起こったかは全く知らない。数千億の現物と先物のセット売買はしばしばある。しかし裁定になったり、広義裁定になったり、裁定にはならなかったりする。その理由はわからない週が多い。第3週は海外の売買と外資系の売買を比較すると、上記のような推測が可能であるめずらしい週であった。

もう1つ加えると、海外が行った節税目的の現物売り・先物買いが9000億円であったわけではない。繰り返しになるが、日系大手の現物買い・先物売りが8000億円前後であり、ドイツ、UBSの自己の現物買い・先物売りが1000億円弱であっただけである。しかし、7000億円に近かった可能性まではある。節税目的を除いた実質ベースならば、海外は現物1兆円、先物5000億円、合計1.5兆円の買いと書くと正確な金額ではなくなる。しかし、1つの目途にはなると思う。

節税目的の現物売りといっても、単なる現物から先物への乗り換えもあるかもしれない。それ以外にもロングショートの解消も多そうであり、その両方の合計金額が7000億円に近かったということである。

唯一の真実は、第3週の海外の買いが現先合計で1.5兆円に近かったことだけである。そして1営業日当たりの海外による先物買いが過去最高といっても節税目的の先物買いが多く含まれている。実際には現物の買いも多く、1.5兆円の半分以上は実質的には現物買いであった可能性は高い。


自己に含まれる日銀ETF
 48億円の買い

日銀ETF以外の自己
 800億円前後の売り(現先合計)

ディーラーによるポジション調整の売買の差としては少し大きい。海外などの代理の売りも入っていそうである。そうした売買は毎週存在するが、週間の金額としては少なめの週であった。


(9月第3週合計)
合計すると、「海外の買い越しs個人、投信の売り越し」であった。

国内に大きな買い材料はなく、海外は主として過去最高を記録したNY株の動向を見ながら日本株にも買いを入れてきた。

国内はその他法人が少し買い越しているが、それ以外はすべて売り越しであった。すなわち、「海外買いvs国内ほぼ総売り」であった。株価が大きく上昇する週にはよくある伝統的パターンであった。

結果として週末の日経平均株価は775円上昇した位置で需給が均衡し、9月第3週を終えることになった。


(追記)
海外による現物売り・先物買いは論理に基づく推測です。おかしな点があればご指摘していただければ有り難く思います。誤りがあれば正して、より正確な方向へと書き直したいのです。



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2018年9月第2週 株 コメント

9月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180914


9月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180914



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年9月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 23095円 前週末比+788円

9月第2週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。こうした中、それまで嫌気されていた材料が良い方向に解釈されることになった。第1週は地震や台風の悪影響が懸念されたが、第2週に入ると懸念が和らいだ。木曜は通商問題で米中間での閣僚級会議開催が発表された。そしてトルコ中央銀行が大幅な利上げを決定。従来の悪材料が少し好転したことから、週後半の株価は大きく上昇した。週間の日経平均株価は第1週の下げを上回る大幅な上昇になった。


買い方
(1)信託
現先合計  1965億円の買い越し
現物     276億円の買い越し
先物    1689億円の買い越し

株価の上昇局面としては先物を中心に買いが多い。特にTOPIXラージ先物の買いが1263億円と多い。単なるショートカバーかもしれない。しかしここでは、投信のTOPIXラージ先物売りとのセット売買であると考えた。

同じ運用会社の中での信託部門1300億円買い・私募投信1300億円売りという考え方である。信託の買い以上に投信の売りの方が説明しにくい。そのためセット売買と考えた。2017年1月第4週、2018年6月第1週にも同様の売買があった。

投信・信託間で金額は近いが方向が反対の売買が2年弱の期間に3回あったのである。先物のポジション移動に見えるが、本当の目的はわからない。確かとまでは言えないが、可能性としては低いわけでもないと考える。

それ以外にも信託には700億円近い買いがあった。これくらいの買いならどの週でもありえるだろう。

買い方
(2)海外
現先合計  1346億円の買い越し
現物    2819億円の売り越し
先物    4165億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


9月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180914

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180914


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの修正である。

修正後の外資系と海外の差は253億円。メジャーSQの週にしては非常に小さい。

非常に小さいが、これは様々な偶然が重なってたまたま小さな金額になった可能性が高い。メジャーSQとその前後は自己と海外を中心に現物、大証上場先物、それ以外のデリバの間に乗り換えがある。その結果、数千億円レベルの差が生じる週が多い。

第2週はそうした売買が重なり合い、外資系自己の先物売買の合計が非常に小さな金額になった。結果として外資系と海外の差も253億円という非常に小さな金額になったと考える。

実際に金額が小さいのは3種の先物の合計だけである。日経平均型先物とTOPIXラージ先物のそれぞれでは大きく異なっている。複雑な売買の結果、合計だけが小さな金額になった。

最近は配当課税の軽減のため、海外は3月と9月には現物売り・先物買いになりやすい。昨年も海外は9月第2週から日本株を大量に買い越し始めた。しかし、海外の現物は9月第2週、第3週は売り越しであった。

今年も財務省の統計では海外の第2週の現物は1兆4817億円の売り越しであった。OTCも合わせると海外は相当大規模な現物を半期の末の少し前に売ってデリバに変えている。それを自己がOTCで受けている。同じことが上場の現物と先物を使っても少しは行われているわけである。

先物の買い方のトップはBNPパリバ(上から14番目のグラフ)。メジャーSQ週に時々大きな売買がある。おそらく現物売りとのセット売買が多いと思われる。パリバに関しては昔から同様な売買があった。10月に入ってその反対売買が出るとは限らない。最近広まった税金対策よりも、ロングショート解消の方の可能性が高いと思われる。

ただ4900億円の先物買い全部がロングショート解消とも言いにくい。現物売りが4900億円出ているとしたら少し大きすぎる。一部は純粋なショートカバーであるかもしれない。

パリバのTOPIXラージ先物は3300億円の買い越し。しかし、海外のTOPIXラージ先物は55億円の売り越し。この差が先に書いたSQ時の複雑で様々な売買が原因である可能性が高い。

先物の買い方の上位2番目はドイツ(上から13番目のグラフ)。ドイツはずっとSQの日には裁定形成売買を入れ続け、時にはSQ値をぶち上げてきた。14日も裁定形成売買は多かった。しかし、裁定解消売買がそれを上回った。非常に久しぶりのことである。

それでもここまで大量の先物買いが入る理由はわからない。裁定形成売買が多く、そのための先物売りが多いはずの証券会社である。しかし、最近の先物ポジションはロングである期間が長い。第1週のような大量買いも時々入る。ずっと前から謎であったが、まだ解けない。

先物の買い方の上位3番目はモルガンMUFG(上から10番目のグラフ)。このTOPIXラージ先物買いがモルガンにしてはあまり見られない大量の買いである。

この大部分が11日火曜日にJ-NETで実施されている。これこそ税金対策の現物売り・先物買いとみている。相手はみずほ。みずほが自己の現物買い・先物売りの形で受けた。みずほはそのポジションを14日金曜日のSQの日に裁定残へと変えた。

海外は第1週は現先合計で1兆0600億円も売り越した。第2週の買い越しはそのごく一部であり、1346億円でしかない。

しかし、この少額の買いで第2週の株価は上昇した。国内中心の売りが少なかったために上昇したのである。国内勢にとってはトルコの利上げは売り材料ではないが、それ以前に関心がなく、株価上昇以外に売る理由が少なかったからだ。


売り方
(1)個人
現先合計  3730億円の売り越し
現物現金  1637億円の売り越し
信用     567億円の売り越し
先物    1526億円の売り越し

個人は今年に入って37週中34週で逆張りが続く。第1週の個人は下がったので買い越していた。第2週になると、スイングトレーダーから高年齢富裕者層までいっせいに売った。上がればどうしても売りになる。それでも株価は大きく上昇した。売り指し値は相当高かったのである。

売り方
(2)投信
現先合計   736億円の売り越し
現物      93億円の買い越し
先物     829億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 306億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 500億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 350億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
200億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1150億円前後の買い越し。第1週は450億円前後の買い越しであった。

解約とブルベア型投信8本以外の投信による売買
現物         210億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  600億円前後の売り越し
それ以外の先物   1380億円前後の売り越し
合計        2190億円前後の売り越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように2190億円前後の売り越しであった。非常に多いというか、多すぎる。そのため、このうちの1300億円は同じ運用会社の信託勘定の買いとセット、つまり移動と見た。

それを除いてもまだ900億円ほどの売りがある。セット売買と同様に私募投信が中心だと思われる。900億円の売りでもまだ多い方である。


(*)自己という特殊な部門
9月第2週は買い方の(3)になった

現先合計 1163億円の買い越し
現物   4920億円の買い越し
先物   3757億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 310億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 野村450億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ドイツ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 5500億円前後の裁定形成

2種類の数字の差は5000億円。差は大きい。全部ではないが、この多くが海外による税金対策のための現物から先物への乗り換え売買、ロングショートの解消売買に対する反対売買と考える。自己は現物買い・先物売りであり、裁定残は積み上がった。みずほの手口が一番多そうである。

自己に含まれる日銀ETF
 763億円の買い

日銀ETF以外の自己
 400億円前後の買い(現先合計)

メジャーSQの週にしては非常に小さい。外資系と海外との差も非常に小さかった。これは両方とも偶然であると思われる。現物、上場大証先物、それ以外のデリバの間の乗り換えの中で、第2週は現物と上場大証先物を合計すると、たまたま小さな金額になった。


(9月第2週合計)
合計すると、「信託、海外の買い越しs個人、投信の売り越し」であった。

信託と投信の間には同じ運用会社の中で1300億円の信託買い、投信売りがあったと考えている。

それを除くと、「海外、日銀ETF買いvs個人売り」が中心であった。上げ相場の標準的パターンであった。

第1週は海外が1兆円以上売り越し、国内が買っていた。第2週に海外が小幅の買いに転じた。しかし、国内の大半はしばらく様子を見た。個人などの一部がかなり上値の指し値で売った。ファンダメンタルズが悪化していないからすぐに売る必要がない。

グローバル運用をする海外にとっては、トルコの利上げは重要事項であろう。しかし、国内投資家の大半にとっては関係がない。そのため海外の少額の買いに対して国内の売りが不足し、株価だけが上に飛んだ。

結果として週末の日経平均株価は788円上昇した位置で需給は均衡し、9月第2週を終えることになった。



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