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2019年5月第2週 株式需給コメント

5月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190510


5月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190510


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年5月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21,345円 前週末比-914円

5月第2週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株も下落であった。改元を記念した10連休ということで、休み中の波乱が懸念されていた。その懸念が杞憂に終わるかと思われた5月5日に、トランプ大統領がツイッター上で10%の対中関税を25%に引き上げることを表明。6日月曜から上海を始めとしてアジア株が下落を開始した。NY株も同じく下落した。休み明け7日火曜の日本株も下げて始まった。10日の日本時間午後1時に予告通り関税の引き上げが実行に移された。日経平均株価は4営業日連続して下落し、5週ぶりに週次でも下落して週を終えることになった。


買い方
(1)個人

現物先物合計     + 4,040 億円
現物現金       + 1,821 億円
信用         + 1,869 億円
先物合計       + 2,069 億円
日経平均ラージ先物   + 839 億円
日経平均ミニ先物   + 1,202 億円
TOPIXラージ先物     + 30 億円

個人は伝統の逆張りの買い。今年に入ってからの株価上昇局面では売り越し傾向が続いていた。久々に大きく下げたので、買い越し金額も増加した。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(3)投信

現物先物合計    + 1,067 億円
現物          + 40 億円
先物合計      + 1,027 億円
日経平均ラージ先物 + 1,588 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 548 億円


野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 +413億円(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 +1300億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +100億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 +20億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で+1450億円前後。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計     - 790 億円
現物         - 370 億円
先物合計       - 420 億円
日経平均ラージ先物  + 140 億円
日経平均ミニ先物    + 0 億円
TOPIXラージ先物   - 550 億円

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように790億円の売りであった。第1週もやはり私募投信が中心の売りだと思われる。銀行や信託も売り越しである。国内機関投資家にとってはファンダメンタルズと比較すると、まだ下げが足りないのであろう。


売り方
(1)海外

現物先物合計    - 8,510 億円
現物         - 191 億円
先物合計      - 8,319 億円
日経平均ラージ先物 - 3,928 億円
日経平均ミニ先物  - 1,893 億円
TOPIXラージ先物  - 2,451 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


5月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190510

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190510

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は2172億円。SQ週ということもあり大きい。この多くは外資系自己の買いである可能性が高い。その内容は普通はわからない。今回もわからないが、可能性が高いとは言えないが仮設ならば立てられる。その内容は後ほど自己のところに記す。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

先物売り方のトップはMUFGモルガン。上記のページにある過去の売買推移から考えると、ヘッジファンドの売りである可能性が高い。

先物売り方の上位2番目はクレディ・スイス。ここも昨年秋にCTAを含むヘッジファンドが大きく動いた会社である。4月末のポジションは日経平均型先物はショート、TOPIXラージ先物はロングと少し異なる。TOPIXラージ先物はヘッジファンドの利食い売りである可能性が高い。日経平均型先物はそこまでは言えないが、回転が速いためやはりヘッジファンドの売りである可能性がそれなりに高い。

先物売り方の上位3番目はドイツ。ここは以前なら東京自己がSQ時に現物買い・先物売りを実施し、過去数年、SQ清算値をブチ上げてきた会社である。ところが4月以降、東証公表の裁定売買がなくなった。自己は大量の売り越しなのでトイツの東京自己は買っていない。ただSQ清算値は高かった。海外自己か海外大口顧客が現物買い・先物売りをした可能性はそれなりに高いと思われる。

5月4日以前は米中貿易摩擦は合意に近づいているとの見方が強かった。それを前提にしてNY株は上昇してきた。それを大きく否定したのが5月5日のトランプ大統領による対中関税25%引き上げ表明である。これは今年に入って先物中心に日本株を買ってきたヘッジファンドにとっては大変大きな見込み違いである。

モルガンMUFGで両先物を、クレディ・スイスでTOPIXラージ先物を買っていた投機家は一斉に売りを出してきた。先物を中心に売った海外がすべてが投機筋というわけではない。それでも投機筋の比率は高かったと思われる。

なお今年に入って日本株の先物を最も大量に買ってきたのはメリル・リンチである。メリルの顧客も大手ヘッジファンドである可能性が高い。しかしメリルの先物は600億円の売りでしかない。TOPIXラージ先物を中心にまだ大量の先物ロングを保有したままである。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現物先物合計     + 1,170 億円
現物          - 4,595 億円
先物合計       + 5,765 億円
日経平均ラージ先物  + 2,048 億円
日経平均ミニ先物    + 585 億円
TOPIXラージ先物   + 3,065 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -1290億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「-」は現物売り・先物買いを示す)
野村   + 450 億円
三菱UFJ  - 50 億円
UBS    - 750 億円
みずほ  - 1,100 億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 +1400億円前後(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は2700億円。

海外のところで示したように外資系の東京自己は2200億円の先物を買い越している。銘柄はTOPIXラージ先物である。どこかの外資系の東京自己が大量の現物売り・TOPIX先物買いを実施している。この売買はSQのあった金曜ではなく火曜に行われている。

火曜にTOPIXラージ先物の売買が通常よりも多かった証券会社がソシエテである。従って、ソシエテ東京自己の現物売り・TOPIXラージ先物買い、ソシエテ海外自己の現物買い・TOPIXラージ先物売りが2200億円ほどあった可能性がある。そして海外自己はいつものように裁定残として東証にその金額を報告した。

ソシエテはこうした大口の訳のわからない売買が多い証券会社である。しかしあまり儲かってはいないようで、自己売買は撤退検討と報道されている。しかしパリバとは異なりまだ撤退はしていない。

この説の最大の難点はソシエテの東京自己が現物買い・TOPIXラージ先物売り2200億円のポジションをいつ作ったかという点である。短期で作ったのならば、見破ることができる。しかし短期では作っていない。作ったとしたら長期間に少しずつである。ただその証拠は全く存在しない。加えて、そのポジションを第1週に東京自己から海外自己に移し、わざわざ裁定残と東証に報告する理由もわからない。そのためこの説明はあくまでも1つの仮説であり、可能性が高いと言うことはできない。

ただ大量の裁定解消売買にもかかわらず、東証の裁定残は大きく増加している。東証の数字が完全なデタラメか、上記のソシエテのような通常はあまりない特殊な大口売買があったかのどちらかである。

なお、自己は現物売り4595億円・先物買い5765億円である。ソシエテ東京自己以外、すなわち野村を中心とした日系自己にも現物売り・先物買いがある。こうした広義分も含めると、海外を除く自己だけの裁定解消売買は4595億円近くあったことになる。


自己に含まれる日銀ETF
 +1462億円

日銀ETF以外の自己
 -300億円前後

金額としては小さく、ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内である。


(5月第2週合計)
合計すると、「個人、自己、投信の買い越しvs海外の売り越し」であった。

売り方の中心は海外。トランプ大統領による対中関税引き上げ宣言のため、NY株のみならず世界中の株価が下落した。ヘッジファンドなどの投機筋が中心となって日本株にも売りを出してきた。

なお、私募投信、銀行、信託といった国内機関投資家は、まだ高いと考えているためか小幅の売りであった。

買い方は個人、自己の日銀ETF、投信が中心。特に個人と日銀ETFは大きく下がると逆張りで買う。

結果として、日経平均株価は914円下落した位置で週末の需給は均衡し、5月第2週を終えることになった。


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2019年4月第4週 株式需給コメント

4月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190426


4月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190426


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年4月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22,259円 前週末比+58円

4月第4週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円高、NY株も小幅の下落であった。材料としては木曜に日銀の金融政策決定会合があったが、ほとんど現状維持に近い内容であった。経済指標では金曜の鉱工業生産が予想より悪かった。決算発表も本格化し始めたが今年度の企業の業績予想はアナリスト予想を下回る数字の方が少し多かった。このように特に良い材料は出ていない。10連休前ということもあり、連休後の様々な思惑が絡み、株価は下げることはなかった。日経平均株価は4週連続の上昇であり、週次での年初来高値を更新して週を終えることになった。


買い方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2)海外
現物先物合計      + 1,158 億円
現物          + 3,079 億円
先物合計        - 1,922 億円
日経平均先物(ラージ) - 1,563 億円
日経平均先物(ミニ)   - 290 億円
TOPIX先物 (ラージ)  + 25 億円

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190426

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190426

いつものように海外と外資系を比較した。

海外と外資系の差は1177億円。やや大きい。この多くは外資系自己の買いである可能性が高い。

自己のところでも説明するが、第4週は日銀ETF以外の自己が600億円の買いである。こうした自己のアウトライトの買いは他の主体による代理の買いであるケースがよくある。第4週の外資系自己による買い1100億円のうち600億円は、海外の代理の買いである可能性が高い。

第4週の財務省統計での海外による現物買い金額は東証統計を3000億円ほど上回っている。3月に行われた配当金節税目的のOTCデリバを利用した現物売りの反対売買が続いている。

上場分でも3月に行われた海外による現物売り・先物買いの反対売買、すなわち現物買い・先物売りが行われ、それに対して外資系自己が現物売り・先物買いで向かっていると思われる。外資系自己の先物は買いになる。

この買い金額を500億円と置いてみる。もっと多いとも考えられるが、理由を説明するとこじつけが多くなるので500億円以上という意味で500億円にしておく。

外資系自己の買いは1100億円であるが、海外の代理の買いが600億円、節税対策の受けの買いが500億円と想定する。

過去の経緯からすると、こうした複雑な売買にかかわっていることが多い外資系証券は、ソシエテ、ゴールドマンなどである。ただこの2社が比較的多いというまでであり、第4週も具体的にどこの外資系証券かの特定は難しい。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

手口の重要な部分はツイッター上に公表済みである。それを下に再掲載する。



先物の買い方のトップはメリル・リンチ。上に書いた通りであり、今年に入ってからずっと買い続けている。

先物の売り方のトップはJPモルガン。その上に引用先を示した過去の建玉推移を見ると、昨年12月SQ時に買った分の売りである可能性が高いことがわかる。

海外は節税対策の現物買い・先物売りが少なくとも500億円はある。そして自己に代理の買いが600億円ある。現先合計にこの代理の買いも含めた海外の買いの合計は1700億円前後ということになる。

現物の買いが一番多く、次がOTCを通した自己の代理の買いである。先物が1922億円売りというのは実体を上回るが、売り越しであることに変わりはない。

第4週はNY株も安く、ファンダメンタルズ的にもあまりいい材料は出ていない。それでもメリルに見られるように買いで勝負する海外の投資家がいた。現物やOTCでも10連休中のNY株の上昇、連休後の日本株の上昇を予想して買い越した海外投資家が多少はいたということである。


売り方
(1)信託

現物先物合計       - 1,302 億円
現物            - 437 億円
先物合計          - 865 億円
日経平均先物(ラージ)   + 281 億円
日経平均先物(ミニ)     + 1 億円
TOPIX先物 (ラージ)  - 1,155 億円

信託はTOPIXラージ先物中心の売りである。これは新規のヘッジ売りであろう。日経平均ラージ先物は買い戻し。現物も売り越し。ファンダメンタルズが今一つなので逆張りの売りを継続。

売り方
(2)投信

現物先物合計      - 1,166 億円
現物           - 561 億円
先物合計         - 605 億円
日経平均先物(ラージ)  - 720 億円
日経平均先物(ミニ)    - 0 億円
TOPIX先物 (ラージ)  + 99 億円

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 -621億円の流出入(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -550億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 -50億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 -100億円前後

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-700億円前後。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物先物合計      + 160 億円
現物           + 60 億円
先物合計        + 100 億円
日経平均先物(ラージ)  - 10 億円
日経平均先物(ミニ)   + 0 億円
TOPIX先物 (ラージ) + 100 億円

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように160億円の買いであった。金額は少ない。第4週の投信による売買の大部分は、解約とブルベア型投信7本による売りで説明できる。


(*)自己という特殊な部門
第4週は買い方の(1)になった。

現物先物合計      + 1,340 億円
現物          - 1,962 億円
先物合計        + 3,301 億円
日経平均先物(ラージ) + 1,772 億円
日経平均先物(ミニ)   + 190 億円
TOPIX先物 (ラージ) + 1,260 億円

裁定売買
東証発表の裁定売買
 -587億円(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した証券会社(「-」は現物売り・先物買いを示す)
みずほ   - 200 億円
三菱UFJ  - 200 億円
ソシエテ  - 200 億円
野村    + 50 億円


東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 -2500億円前後(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1900億円。

海外のところで書いた通り、外資系自己には現物売り・先物買いが500億円はある。それを差し引いた自己は現物1500億円売り・先物2800億円買いになる。自己の裁定解消売買は1500億円になる。

先物手口を見るとみずほの先物買いは1300億円もある。裁定解消は200億円よりかなり多く、1300億円であってもおかしくない。日系大手の東証公表の裁定解消は400億円。これにみずほの広義裁定解消1100億円を加えると自己の裁定解消は1500億円になる。さらにソシエテ海外自己の裁定解消200億円を加えると1700億円。

このように裁定解消売買は2500億円までいくかはわからないが、みすほの広義裁定解消を加えると1700億円までは行きそうである。

裁定解消売買が2500億円が正しいのならば、残りはソシエテの裁定解消であろう。ただこれは少し強引な説明が必要になるので、可能性があるにとどめておく。裁定解消売買は見える範囲内では1700億円程度である。


自己に含まれる日銀ETF
 +765億円

日銀ETF以外の自己
 +600億円前後

少し大きい。ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内と言える金額を上回る。

上回る部分の金額については、海外か国内投資家の代理の買いである。第3週は海外か国内かよくわからなかったが、第4週は外資系の自己が買い越しており、海外の代理の買いである可能性が高い。

海外自己が先物を600億円前後買って、同金額のデリバをOTCで売っている。つまりデリバをOTCで買った海外顧客が存在する。

海外顧客がOTCで買ったのがデリバではなく現物であるとしたら、その現物を売ったのはソシエテの東京自己である可能性が高い。現物をOTCで売り、先物を取引所で買う裁定解消売買を行っている。ただソシエテの裁定残は東京自己よりも海外自己の方が多い。そのため、メインのシナリオとして示すのは避けた。可能性があるにとどめておく。

それでも日銀ETF以外の自己600億円の買いは、海外の代理の買いである可能性までは高い。


(4月第4週合計)
合計すると、「自己、海外の買い越しvs信託、投信の売り越し」であった。

買い方は自己が最大であるが、これは金曜の下げ局面における日銀ETFの買いが中心である。海外は自己の代理の買いも含めると1700億円前後の買いであり、第4週の実質的な最大の買い手として株価を引き上げた。

売り方は信託と投信を中心とする国内勢。ファンダメンタルズがあまり良くない中で株価が上昇すると、自社株買いや先物買い戻し以外の大半の国内勢は売りに回らざるをえない。

結果として、日経平均株価は58円上昇した位置で週末の需給は均衡し、4月第4週を終えることになった。


4月月間


4月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201904

4月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口201904

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると4月の日本株型公募投信の資金流出入
 -2665億円

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 -3500億円前後
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 +350億円前後
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 -200億円前後

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で-3500億円前後。

(3)事法部門での自社株買い
伊藤忠の209億円買いが一番大口

(4)信託部門での自社株買い
ソフトバンクによる信託方式の自社株買いは現時点では公表されていない。2月、3月と大量に買ってるので、今後公表される可能性が高い。
 
 (5月15日頃公表される)

(5)裁定売買(自己が多いが、海外もある)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 +1107億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値
 -2800億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は3900億円。差は大きいが、月次ならよくある現象。

(6)自己
日銀ETFが+3060億円

(7)合計
4月月間では

  海外  +8815億円
  自己  +2304億円

        vs

  個人   -6850億円
  投信   -1450億円
  信託   -1405億円

であった。

自己は日銀ETFの買いが中心。少しばかり下がった局面では日銀ETFが買い支え、それ以外の局面では海外が中心になって買い上がった。NY株が大きく上昇したので、出遅れ感から日本株にも買いを入れてきた。

国内勢は個人を筆頭にして大半が売り方に回った。ファンダメンタルズ面で今一ついい材料に欠けていたので、戻り売りが続いた。

結果として、日経平均株価は1053月円上昇して月末の需給は均衡し、4月の4週間を終えることになった。



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2019年4月第3週 株式需給コメント

4月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190419

4月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190419



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年4月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22201円 前週末比+330円

4月第3週の外部環境は、ドル円レートはほぼ横ばい、NY株は上昇であった。材料としては、中国の第2週末の金融統計、水曜の鉱工業生産は改善であった。第2週末のJPモルガンの決算と木曜のアメリカの小売売上高も良かった。こうした材料は、日米ともに株の買い材料とみなされた。木曜の下げは連騰の調整であろう。ただしファンダメンタルズ面での良い材料は日本ではなく海外での材料が中心であった。それでも日経平均株価は週次では年初来高値を更新して終えた。


買い方
(1)海外
現先合計    7959億円の買い越し
現物      5534億円の買い越し
先物      2425億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190419

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190419

いつものように海外と外資系を比較した。

第3週は外資系自己の裁定売買が東証から公表されていないので修正はない。

海外と外資系の差は1376億円。平均的な週よりも大きい。この多くは外資系自己の買いである可能性が高い。

自己のところで説明するが、第3週は日銀ETF以外の自己が1300億円の売りである。こうした自己のアウトライトの売りは他の主体による代理売りであるケースがよくある。しかし第3週の外資系自己の先物は、売りではなく買いである。従って、海外の代理の売りが外資系自己にある可能性は低い。

第3週の財務省統計での海外による現物買い金額は東証統計を9000億円ほど上回っている。3月に行われた配当金節税目的のOTCデリバを利用した現物売りの反対売買が続いている。

上場分でも3月に行われた海外による現物売り・先物買いの反対売買、すなわち現物買い・先物売りが行われ、それに対して外資系自己が現物売り・先物買いで向かっていると思われる。外資系自己の先物は買いになる。先に書いた1376億円の外資系自己の先物買いは、その多くは海外による節税目的の先物売りを受けた買いであると考えられる。

過去の経緯からすると、そうした複雑な売買にかかわっていることが多い外資系証券は、ソシエテ、ゴールドマン、UBS、ドイツなどである。ただ多数の会社が少しずつ実施している可能性もある。第3週もこの複雑な売買を実施した外資系証券はわからない。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

先物の買い方のトップはゴールドマン。

先に複雑な売買が多い証券会社の中にゴールドマンも書いた。ゴールドマンは自己で複雑な売買をよくする上に、客層もヘッジファンドから年金まで幅広い。ゴールドマンの先物は3週連続の買いである。しかし上記の様々な種類の売買の中でどの部分の買いが第3週に1番多かったかの判別は難しい。

買い方上位の2、3番目はメリルとクレディ・スイス。この2社はゴールドマンとは異なり複雑な売買は比較的少ない。多くの部分は投機筋、特にCTAも含むヘッジファンドの買いと思われる。

ただメリルは今年に入ってから買いがずっと続いている。クレディ・スイスは売ったり買ったりしており、回転が速い。

第3週の海外は現先合計で7959億円の買い越しである。節税目的の反対売買である現物買い・先物売りが多ければ1400億円近くある。そのため、表面数字ほどの現物主導の買いではない。

それでも海外全体が大幅な買い越しであることに違いはない。先物は投機筋の買いが多そうである。現物はわからないが、投機筋以外も多いであろう。

投機であろうと中長期の投資であろうと、米中の好材料に反応して上昇したNY株に対してあまりにも出遅れているため、日本株にも買いを入れてきた可能性が高い。現在のファンダメンタルズが今一つ良くなくても、世界経済が回復すれば日本経済も遅れて回復するという読みがあるのかもしれない。


売り方
(1)投信
現先合計  3524億円の売り越し
現物     807億円の売り越し
先物    2717億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1041億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1450億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1800億円前後の売り越し。

解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          230億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   100億円前後の売り越し
それ以外の先物     800億円前後の売り越し
合計          670億円前後の売り越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように670億円の売りであった。

確かなことはわからない。投信の場合、ブルベア型投信が今年に入って大半の週で先物を売り続けている。しかし、それ以外の投信の先物は買い越し傾向であった。私募投信の買いが中心であろう。私募投信は2週連続でTOPIXラージ先物を中心に利食いの売りを出したものと思われる。

売り方
(2)個人
現先合計  2777億円の売り越し
現物現金  2608億円の売り越し
信用     509億円の売り越し
先物     340億円の買い越し

個人は伝統の逆張りの売り。日経平均が年初来高値に達したので、売り越し金額は増えた。高年齢富裕者層からスイングトレーダーまで基本は売りであった。

ただ先物は今年の戻り局面では売り越し傾向が続いていた。現在はショートがたまっている。そのため2週連続で買い戻しをさせられた。


(*)自己という特殊な部門
第3週は売り方の(3)になった。

現先合計   1217億円の売り越し
現物     1305億円の売り越し
先物      88億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 456億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社
裁定形成売買上位の証券会社(売り裁定の解消が多い)
 ソシエテ(海外自己)300億円、UBS(海外自己)250億円
 野村150億円
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ300億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 20億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は450億円。第3週については456億円の裁定形成に近いと考える。

海外のところで書いた通り、外資系自己には現物売り・先物買いが1400億円近くある。それを差し引くと自己は現物100億円買い・先物1300億円売りになる。

東証公表の裁定形成売買456億円は外資系の海外自己が中心である。日経大手は100億円の裁定解消売買である。従って多少の差はあるものの、自己の裁定売買は現物売り・先物買いが100億円という裁定解消売買である可能性が高い。それ以外の日系大手の自己は現物200億円買い、先物1400億円売り、合計1200億円の売りになる。


自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1300億円前後の売り

少し大きい。ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内と言える金額を上回る。

上回る部分の金額については、海外か国内投資家の代理の売りである。ただ1300億円は、すぐ上に書いたそれ以外の日系大手の自己による1200億円という先物中心の売り金額に近い。

日系大手の自己は先物を1300億円前後売って、同金額の現物かデリバ等をOTCで買っている。つまり現物かデリバ等をOTCで売った顧客が存在する。この顧客は国内の機関投資家、すなわち信託、私募投信、銀行、保険である可能性が高い。

過去にはOTCで日系大手の自己が買って海外顧客が売ったと思われるケースがあった。ただ第3週の国内投資家の売りが多いことを考えると、OTCでも売ったのは国内投資家である可能性の方が高いと考える。


(4月第3週合計)
合計すると、「海外の買い越しvs投信、個人、自己の売り越し」であった。

買い方は海外が大量買い。現物、先物ともに買い越した。NY株に対する出遅れ感から日本株にも買いを入れてきた可能性が高い。

売り方は投信と個人を中心とする国内勢。加えて自己にも代理の売りがある可能性が高い。

国内勢で買っているのは自己の日銀ETF、事法と信託の自社株買い、先物の買い戻しくらいである。大半の国内投資家は日本のファンダメンタルズに自信が持てず、戻りを売り続けている。

結果として、日経平均株価は330円上昇した位置で週末の需給は均衡し、4月第3週を終えることになった。


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2019年4月第2週 株式需給コメント

4月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190412


4月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190412


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次)
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年4月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21871円 前週末比+63円

4月第2週の外部環境は、ドル円レートはほぼ横ばい、NY株は下落であった。第2週は材料不足で小動きの週であった。ファンダメンタルズ的には水曜の機械受注が予想以下で少し売られる結果になった。NY株も値下がりしており、上昇のエネルギーは乏しかった。それでも決算の良かったファーストリテイリングが金曜に大きく上昇し、日経平均株価は週次での年初来高値を更新して終えた。とはいえTOPIXは5日連続下落の20ポイント安であり、実質的には下げの週であったかもしれない。ここでは日経平均株価をメインのベンチマークとして使用している。


買い方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載

買い方
(2)海外
現先合計    787億円の買い越し
現物     1214億円の買い越し
先物      427億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190412

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190412

いつものように海外と外資系を比較した。

第2週は外資系自己の裁定売買が東証から公表されていないので修正はない。

海外と外資系の差は1562億円。ミニとはいえSQ週であるのでこれくらいの差は生じる。SQ時に外資系自己と海外の間で現物、先物、オプション、OTCデリバ等の玉移動が発生するからだ。そのため1562億円の大半は外資系自己による買いであると考える。

自己のところで説明するが、第2週は日銀 ETF 以外の自己が900億円の売りである。こうした自己のアウトライトの売りは他の主体の代理の売りであるケースがよくある。しかし第2週の外資系自己は売りではなく1562億円の買いである。従って、海外の代理の売りが自己にある可能性は低い。ただ SQ時に先物以外と現物等との玉移動などもあるので可能性はゼロではない。

第2週は財務省統計での海外の現物買い金額は東証統計を4000億円ほど上回っている。3月に行われた配当金節税目的のOTCデリバを利用した現物売りの反対売買が行われている。上場分でも3月に行われた海外による現物売り・先物買いの反対売買、すなわち現物買い・先物売りが行われ、それに対して外資系自己が向かっている。先物は海外が売りなので外資系自己は買いである。先に書いた1562億円の外資系自己の先物買いは、その多くはこの節税目的の売買であると考えられる。

このように第2週はSQあり、節税目的の反対売買ありで自己と海外には相当複雑な売買がある。そしてその具体的な内容は外から見てわかるような単純なものではない。読めるケースはあるが、例外的な週だけである。

過去の経緯からすると、そうした複雑な売買にかかわっていそうな外資系証券は、ソシエテ、ゴールドマン、UBS、ドイツなどである。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

複雑な売買が多い第2週ではあるが、大口の売買だけをまとめた内容を月曜にツイッター上で書いている。それを再掲載する。



先に複雑な売買が多いと書いたが、メリルとABNアムロクリアは過去の売買から見て複雑な売買をする可能性が低い外資系証券でもある。

第2週の先物のぶつかり合いはメリル買いvsABNアムロクリア売りが中心であった。その結果は、引き分けであったと言える。

第2週の海外は現先合計で787億円の買い越しである。節税目的の反対売買である現物買い・先物売りがある。そのため必ずしも現物主導であるとは限らない。ただ先物を見る限り、売りと買いがぶつかり合ってその差が787億円と小さくなっている。日経平均株価の小幅上昇に寄与はしたが、TOPIXの下落を止めることはできなかった。


売り方
(1)信託
現先合計   968億円の売り越し
現物     344億円の買い越し
先物     1312億円の売り越し

信託の現物買いは、信託方式の自社株買いとしか考えられない。多分、ソフトバンクグループの買いであろう。

先物の売り越し金額は高水準。特にTOPIXラージ先物の売りが続いている。買い戻しはかなり先のことになると思われる。日経平均ラージ先物は投機的なヘッジ売りであろう。これは近い将来の買戻しがある。短期的にも中期的にも弱気のファンドマネージャーが多く、全体の売りが増えた。そしてTOPIXの下げに大きく寄与した。


(2)投信
現先合計   797億円の売り越し
現物     609億円の売り越し
先物     188億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 384億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 300億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1571)
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で200億円前後の買い越し。


解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          220億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   70億円前後の買い越し
それ以外の先物     450億円前後の売り越し
合計          600億円前後の売り越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように600億円の売りであった。

確かなことはわからない。投信の場合、ブルベア型投信が今年に入って4月第2週を除く大半の週で先物を売り続けている。しかし、それ以外の投信の先物は買い越し傾向であった。私募投信の買いが中心であろう。信託よりも投機性が高く比較的強気であった私募投信も、第2週はTOPIXラージ先物を中心に利食いの売りを出したものと思われる。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現先合計   1257億円の買い越し
現物     607億円の売り越し
先物     1865億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 469億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社
裁定形成売買上位の証券会社(大半が売り裁定の解消)
 ソシエテ(海外自己)500億円、みずほ150億円
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1150億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は700億円。ただどちらの数字に近いかは何とも言えない。自己は現物売り・先物買いになっている。海外のところで書いたように外資系自己に先物買いが1562億円近くある。その多くが現物売り・先物買いであると思われるからだ。また、ソシエテの売り裁定解消は海外自己である。自己は毎週、複雑でわかりにくい。SQ週はさらにわかりにくくなる。


自己に含まれる日銀ETF
 2175億円の買い

日銀ETF以外の自己
 900億円前後の売り

少し大きい。ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内と言える金額を上回る。

上回る部分の金額については、海外か国内投資家の代理の売りである。ただ繰り返し書くが複雑な週なので、どちらの代理売りが多いかはわからない。


(4月第2週合計)
合計すると、「自己、海外の買い越しvs信託、投信の売り越し」であった。

買い方は日銀ETFを中心とする自己であった。TOPIXの下げを小幅にし、相変わらず買い支えの効果は大きかった。海外は売り買いがぶつかり合って少しばかりの買い越しになり、日経平均株価の小幅上昇に寄与した。

売り方は信託と投信を中心とする国内勢。今ひとつ良くないファンダメンタルズを嫌気し、かなり弱気になって戻りを売っている。

結果として、日経平均株価は63円上昇、TOPIXは20ポイント下落した位置で週末の需給は均衡し、4月第2週を終えることになった。


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2019年4月第1週 株式需給コメント

4月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20190405


4月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20190405


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2019年4月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21808円 前週末比+602円

4月第1週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。第1週もファンダメンタルズと米中貿易戦争に相場が左右される傾向は変わらなかった。ファンダメンタルズについては善悪両方あったと思うが、良い方向に解釈されることが多かった。月曜は悪かった日銀短観より、良かった中国PMIの方が高く評価された。アメリカでも月曜の上昇した製造業ISMは好材料と捉えられたが、下落した水曜の非製造業ISMはあまり材料視されなかった。米中貿易戦争関連でも出た材料が良い方向に解釈された。NY株は年初来高値を更新し、日経平均も週末値では年初来高値を更新することになった。


買い方
(1)海外
現先合計    8028億円の買い越し
現物      6228億円の買い越し
先物      1800億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20190405

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20190405


いつものように海外と外資系を比較した。

(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの売買の修正である。(2)は中心限月である日経平均ミニ先物6月限の建玉変化が見えないので、この時期にはいつも入れている想定である。

修正後の海外と外資系の差は1442億円。金額としては大きい。この差の大半は外資系自己による買いであると考える。

自己のところで詳しく説明するが、第1週は裁定残が何らかの理由で大きく減っている。外資系自己と思われる現物売り・先物買いが入っている。この金額を1400億円前後と考える。

外資系自己による1400億円の現物売り・先物買いのうち、1000億円前後はOTCで現物を売っている。OTCで現物を買ったのは海外であろう。残りの400億円前後は取引所で現物を売っている。

この現物売り・先物買い1400億円を実施した外資系証券はゴールドマンであると考える。これは有力なシナリオではなく、最近よく使うひとつのイメージである。細かく計算すると数字に矛盾があるし、根拠も不明な点がある。正しくはないけれども、近い売買が実際にあった可能性はそれなりに高いという意味である。

海外の日経平均ラージ先物は売り越しである。しかし、ゴールドマンは日経平均ラージ先物を1850億円買い越している。ゴールドマンの買いが全部海外であると考えると、海外がどこの証券会社でそれ以上の日経平均ラージ先物を売ったのかがわからない。ゴールドマン東京自己の現物売り・先物買い1400億円はイメージにすぎないが、現実をある程度は説明できる。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

外資系の先物の買い方のトップはメリル・リンチ。メリルはゴールドマンとは異なり自己ではない。大口の投機筋である。2月以降、強気で買いを増やしている。

先物の買い方の3番目はクレディ・スイス。ここも投機筋の買いであろう。3月第4週は信託の買いに対して売りをぶつけてきた。4月に入ると再度買いを入れてきた。

海外は現物が6228億円の買いである。海外の現物はこのところ大半が売り越しであった。久々の現物の買い、しかも大口の買いである。

海外はこれ以外にOTCで1000億円の買いがあると考える。海外がOTCでゴールドマンから買ったというのは可能性があまり高くないイメージである。しかし、自己のところで説明するが、海外によるOTCでの1000億円の買いだけならもう少し確度が高い。

海外は現先合計では8028億円の買いであるが、この1000億円の買いを加えると、実質的な海外の買いの合計は9000億円前後ということになる。

先物は投機筋の買いが多そうである。投機筋は今までも先物を中心に買っていた。現物はわからないが、投機筋中心とは限らない。投機筋以外もNY株が年初来高値を更新する中、出遅れている日本株を現物も含めて買った可能性が高い。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載


売り方
(1)個人
現先合計   6853億円の売り越し
現物現金   4033億円の売り越し
信用     1544億円の売り越し
先物     1276億円の売り越し

個人は伝統の逆張りの売り。日経平均が年初来高値近辺に達したので、売り越し金額は増えた。高年齢富裕者層からスイングトレーダーまで総売りであった。ファンダメンタルズが今ひとつ良くないので弱気になっている。

(2)投信
現先合計   652億円の売り越し
現物     588億円の買い越し
先物     1241億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 619億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1250億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1100億円前後の売り越し。


解約と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          1210億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   440億円前後の売り越し
それ以外の先物     320億円前後の買い越し
合計          1090億円前後の買い越し

解約と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように1090億円の買いであった。

金額は大きい。確かなことはわからない。私募投信の現物を中心とした買いが多いものと考える。3月第4週は現物を中心に1000億円前後売っていた。これは利食いの売りが多いと考えていた。

ただ4月第1週の大量の現物買いを見ると、3月第4週にカラ売りをし、4月第1週に買い戻したものもあるかもしれない。最近の私募投信は、ヘッジファンドと変わらない売買をする投資家がいることまでは確かである。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現先合計   1046億円の買い越し
現物     649億円の売り越し
先物     1695億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 769億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 野村700億円、ドイツ600億円
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ450億円、みずほ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1400億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は2200億円。

ただ自己の売買は現物649億円売り・先物1695億円買いである。従って裁定売買は解消であり、1400億円前後の裁定解消の方が近そうである。

そこでゴールドマン東京自己が1400億円の現物売り・先物買いを実施したと考えた。現物の400億円は取引所で売り、1000億円はOTCで売った。まだ数字は合わないが、それなりに近くなる。

ただゴールドマンは裁定と同様の売買をするが、最近は東証にその数字を報告したことがない。なぜ第1週に突然東証に報告したかを説明できない。この点がゴールドマンの現物売り・先物買いという考え方の最大の欠点である。だから、イメージという確度の高くない表現を用いている。

しかし東証に裁定売買を報告するドイツ、ソシエテ、UBS はいずれも先物を大量に売っている。従って、先物を大量に買ったのは、1社ならゴールドマンと考えるのが一番都合がいいという事実もある。


自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1000億円前後の買い

少し大きい。ディーラーのポジション調整の売買による差の範囲内と言える金額を上回る。

そのためゴールドマンの東京自己が先物を1000億円買い、現物をOTCで1000億円売り、そしてOTCで海外顧客が1000億円買ったと考えた。

海外顧客がゴールドマンから買ったという点は確度が高くないとしても、OTCで外資系証券から1000億円買ったという点の確度は高いと考える。


(4月第1週合計)
合計すると、「海外、自己の買い越しvs個人、投信の売り越し」であった。

買い方は自己も含まれているが、大半は海外の代理の買いと考える。従って、買いの大半は海外による買いであった。NY株の値上がりと日本株の出遅れが海外を強気に変えた。

売り方は個人とブルベア型投信の売りが中心であった。それ以外も国内投資家の大半は売り越した。NY株よりも国内の弱めのファンダメンタルズを重視したものと思われる。

結果として、日経平均株価は602円上昇した位置で週末の需給は均衡し、4月第1週を終えることになった。


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