2018年4月第2週 株 コメント

4月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180413


4月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180413


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年4月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21779円 前週末比+211円

4月第2週は為替レートは微かな円安、NY株もほんの少しばかりの下落であった。この週は米中貿易摩擦の中で習近平国家主席の市場開放発言があった。トランプ大統領の条件付きTTP復帰発言もあった。またシリア情勢の緊迫もあった。こうした問題がNY株と為替レートを動かした。また日本国内では公文書の改竄、隠蔽の事実が表面化し続けた。NY株と為替レートだけではなく、日本株もこうした環境にある程度は振り回された。しかし、日本株は下値耐性がつき、下値を切り上げる展開となった。日経平均株価は4月第1週よりも上昇幅が拡大して週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先合計  5729億円の買い越し
現物     845億円の買い越し
先物    4884億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180413

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180413

いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの修正。(2)のソシエテは今まで東京自己と見なしてきたが、全てかはわからないが海外自己が間違いなく増えている。第2週は海外自己と見なした。

修正前の174億円から修正後の726億円へと差が拡大した。しかし、この週は後で自己のところで述べるように、自己の売りが増えている。差の発生原因が全て自己の場合、自己が小幅の買いから大幅な売りになる。差が拡大した方が、自己の売り拡大になるので都合がよい。ソシエテの買いを海外自己と考えた理由の1つもこの点にある。また第2週はミニSQの週であるため、様々な理由で自己の売買が入り、差は大きくても当然なのである。

この週の海外は先物中心に大量の買いになっている。その中で金額が大きく、重要性が高いのはゴールドマンの買いである。ここではツイッターに書いたものを挿入する。


海外先物は年初から4月第2週の間に5.3兆円の売り越しである。しかし、この全部が純粋ショートの形になっているわけではない。上に示したソシエテは別のところに何らかの形でロングを持っている可能性が高い。それ以外にもロングショート型の運用をしているものも多いはずである。

ゴールドマンのファーガソン統括を信用するならば、ゴールドマンの中にもロングショート型の売りが一部混ざっている。それを考慮しても、3月以降のゴールドマンによる先物売りの合計は1.3兆円である。4月第1週末はもっと多く、3700億円買ってようやく1.3兆円まで減らした。ゴールドマンの場合、一部がロングショートにしても、純粋ショートも相当多いということはツイッターに書いた通りである。

第2週はこれまでの株価上昇の最大の原動力であったNY株が上がっておらず、海外が株を買い上げる要因は少なかったと思う。しかし、海外は先物を買い戻し、日経平均株価は上昇した。NY株を見ながら売りから入っていたCTAを中心とする投機筋は、今年に入って3月までは大量に売り続けてきた。その中で、一番純粋ショートが多そうな売りが3月以降のゴールドマンの売りである。その一部が4月第2週は買い戻しとなった。もうすでに十分に売っていたため、出た材料が良くても悪くても買うしか手段がなかったのである。

BNPパリバはずっと前からショートを持っており、株価が上がったから買い戻すという動きはあまりなかった。パリバの先物売買は全てがロングショートだけではないにしろ、ロングショートの比率が高いはずである。以前は東京自己か海外自己による裁定のように見えた。ロングショートの中で、一番リスクを減らした形が裁定売買になる。

第2週の海外は主としてゴールドマンによる先物の買い戻しが相場の動向を決めた。思惑通りに下がらず、買い戻しをせまられたことから株価は上昇したのである。

これ以外に、自己の中に海外の代理と思われる売りがかなり含まれていると見た。その1つの具体的手法は、海外が自己に対してエクイティ・スワップを使って売りの形を作り、自己がそのカバーのために先物を売るというものである。これも年初から3月前半の間に作ったポジションの解消というのも多そうである。その中にはロングショート型の売りの部分につながるものもあると思う。しかし、パリバのロングショートが自己の売買とつながるとしたら、直近の4週間の売りの部分だけである。

第2週の海外による現先総合の買いは5729億円であるが、実質的な買いはそれよりもかなり少ない。自己による海外の代理売りは最大で2700億円である。海外による実質的な買いは、少なければ3000億円強であった可能性もある。実質的に大きく買い越したのは、ゴールドマンを通じる投機筋だけだったのかもしれない。


売り方
(1)個人
現先合計 2606億円の売り越し
現物現金 1418億円の売り越し
信用    144億円の売り越し
先物   1044億円の売り越し

スイングトレーダーは売り越しになった。先物は週次では売ったり買ったりの回転売買である。第2週末の個人の先物ポジションはスクエアに近かった。すなわち売り越しでも買い越しでもゼロに近いポジションになっていた。信用は買いが長かったので、いつ売り越し基調になってもおかしくない。現物現金は高年齢富裕者層の売りという一方的な売りが存在する。

売り方
(2) 自己
自己はいつも最後に掲載

売り方
(3)投信
現先合計  180億円の売り越し
現物    110億円の売り越し
先物     70億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 42億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」
 250億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で250億円前後の売り越し。第1週の1300億円の売りからは減少。

設定とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物         150億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  220億円前後の買い越し
それ以外の先物     40億円前後の売り越し
合計          40億円前後の買い越し

設定とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると、現先合計では上記のように40億円の買い越しであった。金額としては非常に小さかった。


(*)自己という特殊な部門
4月第2週は売り方の(2)になった
現先合計 2600億円の売り越し
現物   1258億円の買い越し
先物   3858億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1560億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 みずほ1150億円、ドイツ950億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ500億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 3700億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の方法の差は2100億円、株数ベースでは10.4億株

この差は毎日発生。2種類の方法による差を株価変動が除去される正確な株数ベースで2002年1月から示したのが下記のグラフ。

裁定残20180413

第2週の差は大きいが、日次でも毎日差が発生している。そして、2008年以前と比較すると差は大きく減少している。確かな理由はわからない。


自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2700億円前後の売り(現先合計)

日銀ETF以外の自己を、日銀ETF買いが始まった2010年12月第3週から累計したものが下記のグラフ。

日銀ETF以外の自己20180413

この差も確かなことはわからない。しかし、1月第2週から3月第2週まで買い、3月第3週以降は売りになっている。海外の売買と完全には一致しないが、ある程度は一致している。また4月第2週のように、2700億円も売買しそうな機関投資家が国内にはいそうにない。今年に入ってからの日銀ETF以外の自己の全てが実質的な海外、海外の代理ではない。しかし、その多くの部分が海外の代理であった可能性は高いと思われる。


(4月第2週合計)
合計すると「海外の買い越しvs個人、自己、投信の売り越し」であった。

自己の売りには最大で2700億円ほどの実質的な海外の売りが含まれていると考えられる。それを差し引くと、「海外の買い越しvs個人、投信の売り越し」になる。

第2週は材料面からいうと特に悪材料が多かったわけではない。しかし、今年に入って海外は先物を中心に大量に売りすぎた。買い戻しをせざるをえない先物ショートがたまっていた。そのため、ゴールドマンを中心に買い戻しになることとなった。

売り方は逆張りの個人が中心であった。投信も野村レバETFを中心に小幅だが売り越しであった。

主として「海外買いvs個人売り」の結果、週末の日経平均株価は211円だけ上昇した位置で需給が均衡することになった。



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2018年4月第1週 株 コメント

4月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180406


4月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180406


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年4月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21568円 前週末比+113円

4月第1週は為替レートは少しばかりの円安、NY株は上昇であった。この週の日本の株価を決めた最大の要因は、やはりNY株の動向であり、NY株は米中貿易摩擦の動向でほぼ決定された。日本の株価は5日木曜の大幅高が目立つが、この前日は米政権が中国に対する新たな措置は現時点で検討していないと伝わったため、NY株が急落後に急上昇した。同時に円安も進行したことから、木曜の日経平均株価は大幅高となった。それ以外の日本は貿易摩擦関連で悪材料の方に大きく影響されたが、大きな下げはなかった。木曜の大幅高のおかげで週間の日経平均株価は上昇で終えることができた。


買い方
(1)海外
現先合計  4432億円の買い越し
現物    1585億円の買い越し
先物    2487億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


4月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180406

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180406

いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある裁定絡みの修正。(2)は中心限月である6月限の日経平均ミニ先物の建玉が4月のSQまでわからない。従って、今の時期はこうした修正を入れている。

修正前の1664億円から修正後の645億円へと差が縮小した。この645億円は外資系を通じる海外の売りではないので、外資系の東京自己の売りである可能性がある。

後で自己のところで詳しく説明するが、第1週には自己の売りの中に実質的には海外の売りと思われるものが3400億円ほどあった。その分を差し引くと、第1週の海外の買いは現先合計で1000億円前後であった。

海外は年初から3月第4週の間に8兆7165億円の売り越しであったのが、4月第1週は4432億円の買い越しになった。ただ自己の売りの中に実質的な海外の売りがあった。4月第1週の海外は買い越しではあるが、実質的な買い越しだけを考えると、現先合計で1000億円前後であったということになる。大幅な売り越しが買い越しになったことまでは間違いないが、買い越し金額は実質的には少額であった。

海外の先物買いの手口でトップはBNPパリバの1200億円買いである。パリバの先物買いは上から14番目である。第1週の買いは東京自己ではなく、海外である。ただパリバの先物は基本的には3種類合計では売り越しが続いてきた。しかし、どんなに株価が上昇しても踏み上げにはならなかった。つまり、パリバの先物売りの多くは現物などの買いを伴ったロングショート型なのである。そして過去の経緯から、パリバが大口で売買をすると、反対方向に東京自己の売買を伴っていると思われるケースが何度かあった。4月第1週のパリバの先物買いは海外自己、現物売りは東京自己になっている可能性が十分に考えられるのである。

パリバは特殊であり、他の外資系の先物買いはパリバとは異なる形であるはずだ。ただ第1週に関しては、先物に海外の買いがあったとしても、何らかの形で東京自己の売りにつながっているケースが多いと考えられる。その内容を具体的に示すことまではできない。ただ結論としては、海外による現先総合の実質的な買い越し金額が1000億円前後であった可能性だけは高い。

第4週も海外はNY株の動向を見ながら日本株を売買していたのであるが、週間の売買はそれ以前の大幅な売り越しから買い越しに転じた。しかし、実質的な買い越し金額は1000億円前後にすぎなかった。


売り方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載

売り方
(2)投信
現先合計 1448億円の売り越し
現物    523億円の売り越し
先物    924億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 75億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(野村レバETF)」
 1300億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1300億円前後の売り越し。

野村レバETF以外の投信による売買
現物         520億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  190億円前後の買い越し
それ以外の先物    180億円前後の買い越し
合計         150億円前後の売り越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると、現先合計では上記のように150億円の売り越しであった。投信の売りの大半は野村レバETFの売りであり、それを除くすべての投信の合計が150億円の売りであったということである。

月曜のツイッターの先物解説では、みずほの日経平均ラージ先物の売りが多分私募投信の売りと書いたが間違いであり、みずほの先物売りが投信の売りではないことだけは明らかになった。

(3)銀行
現先合計  718億円の売り越し
現物    282億円の売り越し
先物    435億円の売り越し

銀行の現物は持ち合い解消の売り。先物は3月第4週に大きく買っているのでその一部を売っている。過去6週間の売買合計はほぼゼロに近い。その間、短期の投機的売買を繰り返しているだけであった。第1週の手口は3月第4週に買い越しであったみずほの売りである可能性が一番高い。

売り方
(4)個人
現先合計  519億円の売り越し
現物現金 1715億円の売り越し
信用    450億円の買い越し
先物    746億円の買い越し

順張りの売りであるが、現物現金を中心とする伝統的パターンに戻る。スイングトレーダーは信用と先物で買い越し。現物現金は高年齢富裕者層の売りに加え、3月第4週に買い越した中短期筋の利食い売りが重なる。


(*)自己という特殊な部門
4月第1週は売り方の(1)になった
現先合計 1927億円の売り越し
現物    611億円の買い越し
先物   2538億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 1656億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ750億円、みずほ550億円、野村450億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 800億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差は2500億円であり、差は大きい。この週に関しては、裁定形成売買は1656億円に近かったと考える。現物の買いは611億円しかない。そのため、1つの可能性としてパリバに東京自己の現物売りが1200億円あると考えたのである。

裁定残は減少している。この理由もはっきりとはわからないが、現物買い・先物売りのポジションを、裁定ポジションから日銀ETF準備買いのポジションに移す必要性があったなどの特別な理由があったと考えた。

自己に含まれる日銀ETF
 1488億円の買い

日銀ETF以外の自己
 3400億円前後の売り(現先合計)

今年に入って、日銀ETF以外の自己は1月第1週-3月第2週に1.7兆円の買いであった。3月第3週は2600億円の売り、3月第4週は1400億円の売り、そして4月第1週は3400億円の売りである。3月第2週以前の買いが、逆に売りとなって続いている。

1月第1週-4月第1週では、現先合計の自己が3兆円強の買いであり、うち日銀ETF買いが2.1兆円弱、日銀ETF以外の自己が1兆円弱の買いである

確かなことはわからないが、年初から3月第2週以前の日銀ETF以外の自己買いの多くは実質的には海外の買いであった。それが3月第3週以降は実質的には海外の売りになった可能性が高い。

4月第1週における日銀ETF以外の自己も大半が実質的には海外の売りである可能性が高い。そのため、海外のところで自己に実質的な海外の売りが3400億円あると書いた。

これらは大きな流れとしては正しい可能性が高いとは考えている。ただ、4月第1週についても他の週と同様に、どの証券会社の買いの中に実質的な自己の買いがいくらあるかを特定することは難しい。

パリバが海外自己で先物1200億円買い、東京自己で現物1200億円売りで、現物も先物も実質は両方が海外か両方が自己の可能性があるとは考えている。SGXに海外自己1200億円売り、東京自己1200億円買いがあれば、パリバの自己がわかる内部の人にとっては特別なことは何もない。しかし、外部の者には全くわからない。


(4月第1週合計)
合計すると「海外の買い越しvs自己、投信、銀行、個人の売り越し」であった。

自己の売りには3400億円ほどの実質的な海外の売りが含まれていると考える。それを差し引くと、「海外、日銀ETFの買い越しvs投信、銀行、個人の売り越し」になる。

依然として海外は買い越しであるが、買い越し金額は1000億円前後の小幅なものであった。日銀ETFは火曜水曜の株価下落時に買っていた。売りの中心は野村レバETFの売りで、銀行、個人も売りであった。

買い越し、売り越しの金額はいずれも小幅なものであり、週末の日経平均株価は+113円と少し上昇した位置で需給が均衡することになった。



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2018年3月第4週 株 コメント

3月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180330

3月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180330


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年3月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21454円 前週末比+836円

3月第4週は為替レートは少しばかりの円安、NY株は小幅の上昇であり、外部環境は第3週よりは改善した。月曜は前週末のNY株が安かったことを受けて安く始まった。森友学園問題を受けて佐川前理財局長の証人喚問があったが、すぐにアベグジットにつながるような悪材料は出なかった。CMEのNYダウ先物が戻したことから、日本株も上昇した。火曜のダウがフェイスブックショックで大きく下げたため、水曜の日本株は下落した。それ以外は特に悪材料が出なかったこともあり、日経平均株価は上昇が続いた。週末の日経平均株価は水曜の約160円の配当落ちを考慮すると、前週金曜日の急落直前の水準まで戻し、大幅高で週を終えることになった。

買い方
(2)信託 先に2番目の信託について解説

現先総合 5252億円の買い越し
現物     10億円の買い越し
先物   5242億円の買い越し

先物のうちTOPIXラージ先物で4990億円、JPX日経400先物で266億円の買い越しで、合計すると5257億円。信託によるこの2種の先物買いは、運用ポートフォリオをベンチマークである配当込みTOPIX、あるいはJPX日経400に連動させることを目的とした年度初めの恒例の先物買いである。

今回は3月27日の権利付き最終日に野村とみずほの自己がTOPIXラージ先物を買い、28日のJNETでクロスを振って信託に引き渡していた。その後も信託と思われる買いが入っていた。

半年度の初めに信託がTOPIXラージ先物を最後に売り越したのは2002年3月第4週であった。信託は2002年9月第4週以降、半年度初めにずっとTOPIXラージ先物を買い越し続けている。その金額が増加し、ほぼ継続して1000億円を上回るまで拡大したのが2007年9月第4週以降である。そのグラフを下記に示す。

信託半年度初めの買い2018030

上記の22回の合計で週間の株価騰落は12勝10敗、日経平均株価変動幅の平均は+33円となる。2014年9月第4週-2017年3月は6回連続で下げていたが、今回は大幅な上昇、過去22回で最大の上昇となった。それでも過去8回なら2勝6敗、日経平均株価変動幅の平均は-140円となる。

1年前までは信託の買いが増えるほど、株価の値下がり幅が大きくなる傾向が見えた。しかし、これは単なる平均回帰の現象だと考えていた。そのため、今回は最大の上昇になった。信託の半年度初めの買いがあまり知られていなかった頃は多少は値上がりする傾向があった。しかし、多くの人が知るところになると、買いの影響は事前に織り込まれてしまう。初期の頃は過小織り込み、その後は過大織り込みが続いたのであろう。今回は信託買いに別の要因も加わって株価は上昇したのだと思う。長期で見た場合、日経平均株価の変動幅の平均は小幅のマイナスになると思われる。通常の週ならゼロ近辺に収束するはずだが、配当落ちの週に実行するわけであるから、配当落ち分の金額に収束するはずである。

この週の信託は恒例の先物買い以外では小幅の売買であり、動きは非常に小さかった。

買い方
(1)投信
現先合計 6142億円の買い越し
現物    770億円の買い越し
先物   5372億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 930億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1700億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 500億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 250億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で2550億円前後の買い越し。

上記以外の投信による売買
現物         160億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物 1920億円前後の買い越し
それ以外の先物    900億円前後の買い越し
合計        2650億円前後の買い越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると上記の金額であった。

この中で、それ以外の先物の中にはTOPIXラージ先物で806億円、JPX日経400先物で80億円の買いが含まれている。これも大半は信託と同様にベンチマークが配当込みの指数であるため、その指数に連動させるための先物買いである。

1番の問題は日経平均ラージ先物の1920億円の買いである。下の方に海外のところで示してある手口から推測すると、中心はSMBC日興であると思われる。日興はTOPIXラージ先物を売り越して日経平均ラージ先物だけを買い越している。このことから、配当込みの日経平均に連動させるための買いである可能性は低いと思われる。信託の買いがあるのがわかっているので、私募投信がちょうちん買いを入れたのではとも考えた。

投信による1920億円もの日経平均ラージ先物買いは現時点では謎である。すぐに売るならば、ちょうちん買いであろう。6月前半に売るならば、配当込みの日経平均に連動させるための買いになる。日興が日経平均ラージ先物を売ってきた時に、その正体がわかるかもしれない。


売り方
(1)海外
現先合計   9637億円の売り越し
現物       48億円の買い越し
先物     9416億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


3月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180330

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180330

いつものように海外と外資系を比較した。第4週は外資系の裁定売買が少なく、裁定絡みの修正はない。(1)は中心限月である6月限の日経平均ミニ先物の建玉が4月のSQまでわからない。従って、今の時期はこうした修正を入れるしかない。

修正前の813億円から修正後の1389億円へと差が大きく開いてしまった。ただこの週は海外の売り越し金額が大きい。売りの一部が日系大手に流れることなどがあってもおかしくない。それともう一つ重要な点は外資系の自己が動いた場合、1389億円の買い越しなのである。売り越しではない。これは後の自己のところで重要な意味があることを説明する。

海外の中で最も大きく売り越しているのはゴールドマンである。下の方の月次のところで月間の手口を示しているが、3月に入ってからのゴールドマンの売りはすさまじく、月間で1兆6650億円もの売りである。しかも、この売りは3月に入ってコンスタントに出ており、安いところでも売っていると思われる。

3月16日の日本経済新聞に掲載されたゴールドマンのアジアパシフィック株式営業共同統括ベンジャミン・ファーガソン氏のコメントでは、ゴールドマンでは、CTAかロングショートファンドが16日以前に売っている。同じ顧客の売りが続いていると仮定してみる。第4週のゴールドマンも、ゴールドマンでは一部しか売っておらず、大半は他社で売ってゴールドマンへ建玉移管をしている。そうであるならば、この売りはゴールドマンには売りしか見えないので、ロングショートとは断言できない。従って、CTAが他社で売ってゴールドマンに移管したということになる。

第4週のゴールドマンの売りもCTAの可能性が高い。ただ、ゴールドマンの売りは4週連続でCTAかCTAをも含むヘッジファンドが売っていることになる。今後、買い戻しになる可能性は当然ある。しかし、それでは単純すぎるので、見えないところで日本株のロングを作っている、つまり、先物売りのポジションをすでにカバー済みの可能性もありうる。3月に入ってからの1兆6650億円の売りがショートのままか、すでにカバー済みかで話は全然異なってくる。見た目では大量のショートの積み上がりであるが、裏まではわからない。それがわからないから、株の先行きを読むのは難しいのである。

売り方の2番目はABNアムロクリアリング。これはヘッジファンドの売りである。遠くない将来、買い戻しになる。

売り方の3番目はJPモルガンであり、TOPIXラージ先物の売りが中心である。これはずっと前に買った分の利食い売りであり、将来の買い戻しはない。

第4週は信託の先物買いがあったので、海外が先物で売り向かうことはよくある。しかし、ゴールドマンを中心に先物売りの金額は大きかった。現物はほんの少しの買いなので無視できる金額である。過去22回の半期の最初の週では過去最大の値上がり幅であった。信託が買う中、これだけの海外の売りがあっても崩れず、逆に上昇した。3月23日の金曜日は急落であった。それが第4週に入るとNYの悪材料が小さくなる中、国内の押し目買い意欲は相当強かったようである。

(2)個人
現先合計 1985億円の売り越し
現物現金  241億円の買い越し
信用    629億円の売り越し
先物   1597億円の売り越し

個人は逆張りの戻り売りとなった。信用と先物は買いが続いたので素直に戻りを売ってきた。従来とは異なるのは現物現金の買い越しである。個人が戻り売りになるならば、現物現金の売りが1番大量に出るのが旧来のパターンであった。しかし、第4週は現物現金が小幅ながら買い越しになっている。広い意味では依然として下げ局面であり、押し目買いといって良いであろう。個人の現物現金が押し目を拾う意欲の強さは、これまでの相場と比べて相当強くなっている。


(*)自己という特殊な部門
3月第4週は買い方の(6)になった
現先合計   90億円の買い越し
現物    164億円の買い越し
先物     74億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 738億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 三菱UFJ1200億円
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ500億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 2300億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は1600億円であり、差は大きい。

自己に含まれる日銀ETF
 1530億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1440億円前後の売り(現先合計)

まず、自己には日経平均ラージ先物買い・TOPIXラージ先物売りのポジションが2000億円前後存在する。このスプレッド取引を行ったのは1社や2社ではないと思う。外からは見えない証券会社も含めて多数の証券会社が実施したのかもしれない。

そして1440億円の自己の売りは外資系の自己の売りではない。海外の所で書いたように、外資系の自己に先物売買があったとしても買いである。そうなると先物なら日系大手ということになる。しかし、1440億円の売りは、先物よりも現物のインデックス売りである可能性の方が高い。そうであるならば、裁定売買は、自己の現物買い(+164億円)-自己の現物インデックス売り(-1440億)円=-1300億→+1300億円前後ということになる。先物売りは日銀ETFの1530億円の買いがあるため見えない。

裁定売買は738億円と2300億円の間の1300億円前後であった可能性が高い。

自己は日銀ETF以外で1440億円の売り越しであるが、これは取引所外取引で1440億円もの現物インデックスを売却した顧客がいたから自己が取引所外で1440億円を買い取り、取引所内で1440億円も売っている。現物の手口は全くわからない。従って、1440億円も取引所外取引で売却した顧客が日系の機関投資家か海外投資家かも全くわからない。

(3月第4週合計)
合計すると「投信、信託の買い越しvs海外、個人の売り越し」であった。

海外の売りの大半は先物であり、3月に入ってからずっと売り続けているゴールドマンの売りが筆頭であった。

買い方は投信と信託。年度初めの信託を中心とする買いが6100億円前後も入った。金額としては過去22半期の最高金額であった。投信もブルベア投信を中心とする買いが入った。

海外売りvs国内買いはよくあるパターンであり、通常なら株価は下がる。しかし、第4週は信託、投信を中心の国内の買い指し値は下値ではなく、上値も買い上がっていた。ゴールドマンを中心とする海外の売りにもかかわらず株価はぐいぐいと上昇した。結果として3月第4週末の日経平均株価は前週末比+836円で週末の需給が均衡することになった。


3月月間


3月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次20180330

3月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口20180330


記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると3月の公募型日本株投信は2221億円の資金純流入

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 2300億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 500億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 250億円前後の買い越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で3200億円前後の買い越し

(3)事法部門での自社株買い
NTTドコモの486億円買いが一番大口

(4)自己
日銀ETFが6843億円買い

(5)年度初めの恒例の先物買い

信託のTOPIXラージ先物買い 4990億円前後
信託のJPX日経400先物買い  266億円前後
投信のTOPIXラージ先物買い  806億円前後
投信のJPX日経400先物買い   80億円前後
合計               6143億円前後

(6)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 108億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値
 1600億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は1700億円、月間なら差は大きいとは言えない

(7)合計
3月月間では

  自己   7719億円の買い越し
  投信   7280億円の買い越し
  信託   4841億円の買い越し
  個人   3092億円の買い越し  
           vs
  海外 2兆3741億円の売り越し
  
で日経平均株価は273円上昇して3月の4週を終えた。

海外の大量売りにもかかわらず、国内の買い指し値は高く、買い上がりもあり、月間を上昇で終えることができた。



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2018年3月第3週 株 コメント

3月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180312


3月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180323


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年3月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 20618円 前週末比-1059円

3月第3週は為替レートは円高が進行、NY株は大幅な下落であり、外部環境は悪かった。週初は森友学園の決裁文書書き換えにより安倍内閣の支持率が大きく低下したことが嫌気され株価は下落した。火曜はフェイスブックの会員情報の不正利用が明るみに出てNY株が下落し、日本の株価も下落した。水曜のFOMCで0.25%の利上げが発表されたがNY株はあまり動かず、日本の株価は上昇した。水曜にトランプ大統領が中国製品に高関税を課するとの発表が木曜のNY株を大きく引き下げ、金曜の日本の株価の急落を導いた。週間の日経平均株価は金曜の急落が大きく響き、大幅な下落で週を終えることになった。


買い方
(1)個人
現先合計 5303億円の買い越し
現物現金 3316億円の買い越し
信用   1163億円の買い越し
先物    824億円の買い越し

個人は第2週の戻り局面では売り越しであった。特に現物現金が大幅な売り越しであった。それが第3週は現物現金を中心に大幅な買い越しになっている。この理由は株価が大きく下がったからである。特に金曜に株価は急落した。トランプ政権の保護主義を原因にNY株が急落したからである。この局面では売り手に対して買い手があまりにも少なかった。それでも個人の中には株価が下がると買う意欲のある投資家が残っていった。結果として個人は現物現金、信用、先物の全てが買い越しとなった。ただし、週末の株価は大きく下落した。株価が大きく下がらないと、これだけ大量の買いは出てこなかったのである。

買い方
(2) 自己
自己はいつも最後に掲載


売り方
(1)海外
現先合計   2600億円の売り越し
現物     4541億円の売り越し
先物     1942億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


3月第3週 大手証券 先物手口概算

ブログ週間先物手口20180323

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180312

いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある外資系の裁定売買分の修正である。(2)は中心限月である6月限の日経平均ミニ先物の建玉が4月のSQまでわからない。従って、今の時期はこうした修正を入れるしかない。

修正前の195億円から修正後の872億円へと差が大きく開いてしまった。この週の海外先物の3種は1995億円の買い越しでしかないので、差としてはかなり大きい。前からソシエテの裁定の中には海外自己らしい売買があったが、最近は海外自己の割合が高まり、第3週も大半か全部が海外自己なのかもしれない。

ここで重要な点は、自己のところでも詳しく述べるが、外資系の自己のアウトライトの売りは、あったとしても872億円までということである。それ以外の大半は海外の売りである。

最近は3月末の配当金の税率を減らすために、3月の期末直前の週の海外現物は売り越しになるケースが多い。従って、買いは現物、売りは先物という形をとる投資家がいるはずである。海外の先物買い2552億円の何割かは現物の売りがついていると思われる。同様に、ドイツは先物を3100億円も買っているが、何割かは現物の売りを伴っている可能性が高い。

一方、ゴールドマンの先物売りは異なる。第3週のゴールドマンは大半をゴールドマンで売っており、建玉移管ではない。従って、第1、2週に他社で大量に売ってゴールドマンに建玉移管したCTAとは別の顧客である。1番大量に売っているのは金曜の急落時である。この売りは別の投機筋、すなわちCTAを含むヘッジファンドの売りであろう。配当税率の差といった細かなことを考慮していないので、ロングショートではないと思う。

配当税率の差を考えて、最近の期末直前の海外現物は売り越しになりやすい。トランプの関税政策に対する不安、NY株の急落を受けて、本来なら先物を売る投資家であっても、ゴールドマンを中心とする一部の投資家以外は現物を売ったのだと思われる。

売り方
(2)投信
現先合計 2508億円の売り越し
現物    443億円の売り越し
先物   2065億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 335億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 500億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 350億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 250億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1200億円前後の売り越し。

上記以外の投信による売買
現物         780億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物  170億円前後の売り越し
それ以外の先物    700億円前後の売り越し
合計        1650億円前後の売り越し

その他もろもろの投信の売買は公募、私募を合計すると上記の金額であった。第2週は投信の買いの大半は資金純流出入とブルベア投信7本を除く買いで説明ができた。第3週は売りの半分弱はブルベア投信7本で説明できる。しかし残りはこの2種以外の売りでしか説明できない。現物とTOPIXラージ先物の売りが特に多い。公募投信の売りも当然あるだろうが、この位置でのこれだけの金額の売りの多くは私募投信の売りであると考える。


(*)自己という特殊な部門
3月第3週は買い方の(2)になった
現先合計  396億円の買い越し
現物     15億円の買い越し
先物    381億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 922億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ500億円、みずほ350億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 2900億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2つの数字の差は2000億円であり、差は大きい。しかし、第3週は難しくて不明。この週の裁定解消売買の金額は大変重要なのであるが、残念ながら肝心な週でわからない。

自己に含まれる日銀ETF
 2988億円の買い

日銀ETF以外の自己
 2600億円前後の売り(現先合計)

先に書いた通り、外資系自己の先物売りならば、多くても872億円である。日系大手の先物ポジションから計算しても、2600億円の売りの多くの部分は日系大手の売りであると推計できる。

日系大手の売りであるならば、先物売りの大半は現物インデックス買いのカバーであるはずだ。取引所外取引で現物インデックスを2600億円前後売った大口顧客がいるはずである。日系大手の先物売りの手口は分散していることから、1社ではなく、3~4社、あるいは5社全部で売っているはずである。ゴールドマンもはいっているかもしれない。

ただそこから先がわからない。日系大手に対して取引所外取引で現物インデックスを2600億円前後も売る投資家は誰か。国内よりも海外の方が可能性としては高い。1月第2週に日系大手から取引所外取引で現物インデックスを買ったのと同じ海外顧客である可能性がある。これも可能性があるまでであり、確かなことはわからない。


(3月第3週合計)
合計すると「個人、自己の買い越しvs海外、投信の売り越し」であった。この週の日経平均株価は木曜までは少しばかりの下落で、金曜が急落であった。

木曜までの海外と投信の売りに対しては、日銀ETFがなんとか下値を支えていた。それがトランプ政権の保護貿易政策で木曜のNY株が急落し、金曜の日本株も急落した。この急落を導いたのは、トランプ政権の動向を見ながら売買をしてきた海外が中心であろう。

ゴールドマンなど一部の外資系では先物を売った。それ以外の投資家は通常なら先物を中心に売るのであろうが、この週は最近注目が広まった配当金の税率の差を理由に現物を売ってきた。この売りには自己の日銀ETFだけでは全く支え切れなかった。国内で買い余力を残しているのは個人であったが、残っている個人は下値の指し値でしか買わなかった。個人は大幅な買い越しになったが、株価も大きく下げることになった。

結果として3月第3週の週末の需給が均衡するためには、日経平均株価は1059円下げるしかなかった。



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2017年 年間 株 コメント

2017年 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント年次2017


2017年 日経平均株価 日中足チャート
2017年年間株価ブログ用


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2017年の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22765円 前年末比+3651円

2017年は前年の大統領選挙で当選を果たしたトランプ氏が大統領に就任し、夏頃まではトランプ大統領への政策期待と不安定感から株価は一進一退であった。9月からアメリカの大型減税法案の成立期待が高まるとともに、NY株の上昇に加速が付いた。12月に税制改革法案は成立し、NY株価は過去最高値まで上昇した。日本株もNY株に連動する形で9月から上昇が続き、26年ぶりの高値まで上昇して年を終えた。世界中が好景気で株高が進行した。日本も企業収益の回復が著しかったということが株高の大元に存在していた。


買い方
(1)自己
現先合計 5兆5613億円の買い越し
現物   6兆0321億円の買い越し
先物     4708億円の売り越し

裁定売買(大部分が自己だが、一部に海外もある)
東証発表の裁定売買
 5278億円の裁定形成(現物買い・先物売り)
東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 4000億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2つの数字の差は1300億円。年間の乖離金額としては小さい。裁定形成売買は年間5000億円前後であった。

自己に含まれる日銀ETF
 5兆9033億円の買い 

2017年の最大の買い越し主体は日銀ETF。海外が買い上がった後、反落するところを買い支えた。これが基本であるが、2017年の最高値12月25日と2番目の12月11日は日銀ETF買いにより上昇した日であった。

日銀ETF以外の自己
 3000億円前後の売り(現先合計)

確かなことはわからない。勘のレベルでは法人の持ち合い解消売りを取引所外取引で自己が引き取り、取引所内で売却した分が多いという感じがする。

買い方
(2)海外
現先合計 1兆9571億円の買い越し
現物     7532億円の買い越し
先物   1兆2038億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


2017年 大手証券 先物手口概算
ブログ先物手口2017年年間

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較2017年年間

海外と外資系の差を比較した。乖離は1.3兆円とかなり大きい。特に日経平均ラージ先物の乖離が1.7兆円と大きい。

先物の買い越しトップはゴールドマン。日経平均ラージ先物の5700億円買いが中心である。ゴールドマンには2017年年間(3月第3週第4週6月第2週)に日経平均ラージ先物で自己買い・海外売りと思われるクロスが合計3.6万枚、7400億円存在した。ゴールドマン自己の日経平均ラージ先物の買い5700億円プラス1700億円は自己が海外の代理として買っている分なのである。

これを考慮すると海外の日経平均ラージ+ミニ先物は売り越しではなく、買い越しになる。同時に年間の海外は実質的な買い越し金額が2.7兆円であった。現物とTOPIXラージ先物の買いが中心であり、日経平均型の先物は小幅の買い越しである。この点から、2017年の海外の買いは投機ではなく中長期性の投資的資金による買いが中心であったことがわかる。

日経平均株価が16日連騰を含んで一番大きく上昇したのは9月第2週-11月第2週の9週間である。この期間の海外による現先合計は5.4兆円の買い越し。9週間の買い越し金額としては過去最高であった。

この期間に先物を大量に買い越したのはUBS1.4兆円、ゴールドマン1.1兆円。UBSの買いの大半はUBS本体運用部の買いである。UBSは年間では9550億円もの売り越しであるが、株価の上昇局面では買い越していた。UBS本体運用部とゴールドマンの少数の大口顧客の先物買いが11月7日以前の8週間と2日の大幅上昇を作り上げた最大の主体であった。

買い方
(3)事法
現先合計 1兆2491億円の買い越し
現物   1兆2325億円の買い越し
先物      167億円の買い越し

買いの中心は自社株買い。持ち合い解消の売りが出ているので、それを差し引いた金額が上記の金額。

買い方
(4)その他法人
現先合計 6122億円の買い越し
現物   6047億円の買い越し
先物     74億円の買い越し

従業員持ち株買いによる買いが3000億-5000億程度。

買い方
(5)その他金融機関
現先合計 1440億円の買い越し
現物   1348億円の買い越し
先物     92億円の買い越し

日銀の資金循環統計によると、農林水産金融機関が現物株を買い越している。農林中金を筆頭とした農林系の金融機関が買い越していると考える。


売り方
(1)個人
現先合計 5兆5524億円の売り越し
現物現金 7兆7105億円の売り越し
信用   1兆9171億円の買い越し
先物     2410億円の買い越し

巨額の株式資産を保有する高年齢富裕者層は売り一辺倒である投資家が多い。特に株価の上昇局面に上値の指し値で売る。従って、個人が大量に売り越す結果は下げではなく上げになるケースが多い。

もう少し若い年齢層が中心のスイングトレーターは信用、先物を中心に買い越した。個人の基本は逆張りだが、スイングトレーターは年を通して見ると順張りの買いになっている。

売り方
(2)投信
現先合計 1兆7119億円の売り越し
現物   1兆0435億円の売り越し
先物     6685億円の売り越し


野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 1兆6488億円の純流出
 (この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 3300億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均インバース・インデックス連動型上場投信」
 1000億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 900億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で3800億円前後の売り越し。

投信の売買のかなりの部分は上記の解約とブルベア投信の売りで説明がつく。

売り方
(3)銀行
現先合計 7612億円の売り越し
現物   8650億円の売り越し
先物   1037億円の買い越し

現物を中心に持ち合い解消売りが継続。

売り方
(4)信託
現先総合   5935億円の売り越し
現物      939億円の買い越し
先物     6874億円の売り越し

信託方式の自社株買いがトヨタ1社で3800億円。自社株買いを除く信託の現物は売り越し。先物はヘッジ売り。

売り方
(5)証券会社
現先合計 4281億円の売り越し
現物   4319億円の売り越し
先物     38億円の買い越し

東証に会員権を保有していない中小証券の売買。実質的には大半が個人の売買であり、個人と同様に売り越し。

売り方
(6)保険
現先合計 3819億円の売り越し
現物   5709億円の売り越し
先物   1890億円の買い越し

現物は持ち合い解消売りが続く。先物はアベノミクス相場開始の初期に売った分の買い戻し。

(2017年合計)
2017年年間では

  自己 5兆5613億円の買い越し
  海外 1兆9571億円の買い越し
          vs
  個人 5兆5524億円の売り越し
  投信 1兆7119億円の売り越し

で日経平均株価は3651円上昇して2017年を終えた。


(2017年の評価)

日経平均株価は上昇したが、日銀ETFと海外による買いで上昇の大半が説明できる。株価の上昇局面で買い上がったのは大半が海外であった。海外は年間で2兆円、実質なら2.7兆円程度の買い越し。上昇局面で大量に買い、その後の下げ局面で何割か売ったため、年間の買い越し金額としては大幅とは言えない金額である。海外が売り越すと日銀ETFが大量に買い、株価を下支えした。5.9兆円の日銀ETF買いの株価下支え効果は非常に大きかった。

高年齢富裕者層を中心とする個人の現物株の売り越しにも変化はない。アベノミクス相場開始以降、金額は増加している。投信の売りも個人中心の解約売りの金額に近い。信託の先物売り越し金額0.7兆円というのはファンドマネージャーの先安感が非常に強かったということである。

日本経済新聞社が算出している日経平均株価の予想PERは2016年末が16.2倍、2017年末は15.1倍。前年末と比べてPERは少し低下。すなわち株価はEPSの増加率を少し下回る上昇。それでも割安とも割高とも言いにくい適正価格の範囲内の上昇であった。しかし、その適正価格を作り出したのは海外を除くと日銀ETFによる買いの影響が大きかった。日銀ETFによる大量の買い支えがあった結果、日経平均株価は企業業績の増加に見合う適正価格を形成して2017年を終えることになった。



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