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2018年12月第1週 株 コメント

12月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181207


12月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181207



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年12月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21679円 前週末比-672円

12月第1週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円高、NY株は下落であった。第1週も米中関係とNY株に振り回された週であった。週初は前週末の米中首脳会談で貿易戦争が3か月先送りされたことを好感して高く始まった。火曜は連騰の疲れから反落。その日のNYでは長期金利が低下し、逆イールドに近づいたことからNY株が急落、水曜の日本株の下げに結びついた。木曜の寄り前にファーウェイのCFOが逮捕と報道。米中貿易戦争激化の恐れから株価は急落した。金曜はFRBの来年の利上げ休止期待から反発。週間では11月第4週の株高の大半を帳消しする下げで週を終えることになった。


買い方
(1)個人
現先合計  2829億円の買い越し
現物現金   696億円の買い越し
信用    1525億円の買い越し
先物     608億円の買い越し

個人は今年に入って49週中45週で逆張り。11月第4週に大幅な売り越しであったので、12月第1週に大きく下げるとすかさず買い越しになった。いつものように下値の指し値買いが多かったのであろう。NY株の下落やファーウェイ事件などが起こったのだから当然である。株価は個人などが買う位置まで下げざるをえない。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載

買い方
(3) 事法
現物  1558億円の買い越し

いつもの通りの自社株買い。三菱UFJホールディングス(事法扱い)の買いが比較的多かった。

買い方
(4)銀行
先物 761億円の買い越し

TOPIXラージ先物は買い戻し。日経平均ラージ先物は最近は買いが先行する傾向なので、投機の押し目買いである可能性がある。

買い方
(5)投信
現先合計   523億円の買い越し
現物    1076億円の買い越し
先物     553億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 145億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 150億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 150億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 50億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で150億円前後の売り越し。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          930億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   350億円前後の買い越し
それ以外の先物     760億円前後の売り越し
合計          510億円前後の買い越し

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように510億円の買いであった。

投信現物の売買シェアは私募が公募を上回る。株価が下げたので、私募を中心に公募も含めて510億円の買いが入った。公募、私募のヘッジと、私募を中心としたロングショート的な売買も多かったと思われる。内容は複雑な形になっている。


売り方
(1)海外
現先合計   7563億円の売り越し
現物     6002億円の売り越し
先物     1561億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


12月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181207

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181207

いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正である。

修正後の外資系と海外の差は488億円。久々に少なめでありこれくらいの差はあってもおかしくない。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方のトップはパリバ。2750億円の買いである。この中の2300億円が海外自己による売り裁定の形成買いと考える。理由は後ほど自己のところで説明する。

売り方のトップはゴールドマン。3100億円の売りはゴールドマンでも多い方である。日経平均型の先物は投機筋の売りである可能性が高い。TOPIXラージ先物は投機と投資の両方が考えられる。ゴールドマンは客層が広いからだ。

売り方の上から6番目はクレディ・スイス。800億円の売りであり、おそらく投機筋の売りであろう。9月の大量買い、10月の急落に少し遅れて大量売りをした後、まだ残っていた買いを処分している。

クレディ・スイスの先物建玉は両建てを除くと非常に小さくなった。10月以降の投機筋の損はあまりにも大きく、クレディ・スイスの大口顧客は壊滅的な打撃を受けたようである。過去にも損をして建玉がゼロ近くになったことはあるが、その後に復活している。今回は損が大きいので、どこまで復活できるであろうか。

ABNアムロクリアの買いは投機とほぼ決まっているが、金額は400億円と少なかった。

海外は現物の売りが6002億円もあるが、パリバの海外自己による売り裁定2300億円を引くと3700億円になる。先物も調整して計算し直すと3850億円の売りになる。海外による現物と先物の実質的な売り越し金額は半々に近い金額になる。

売りの中には投機も投資も両方あるのが当然である。ただどちらが中心かを決めるのは難しい。米中首脳会談で経済戦争が緩和に向かうのかと思えばファーウェイ事件が起こった。逆イールドによる景気先行き懸念もあってNY株が一時急落した。投機であろうと投資であろうと、海外なら誰でも売りたいような環境の週であったからだ。

売り方
(2) 信託
現先合計   403億円の売り越し
現物    2031億円の買い越し
先物    2434億円の売り越し

信託のTOPIXラージ先物2002億円の売りは現物買いとのセットである。配当込みTOPIX連動目的の先物買いが、配当金が支払われたので現物の買いへと乗り換えられている。それ以外は日経平均ラージ先物が少しだけ売り。


(*)自己という特殊な部門
第1週は買い方の(2)になった。

現先合計 1963億円の買い越し
現物   1071億円の売り越し
先物   3034億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 518億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 UBS450億円、ドイツ250億円
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 2700億円前後の裁定解消、または売り裁定の形成
 (現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は3300億円。自己の現物は1071億円の売り越しである。

実際の裁定売買は2700億円の裁定解消に近いと見る。海外のところでも書いた通り、パリバによる先物の買いは2750億円である。売り裁定の株数は約8500万株。TOPIX型の方か多いので1株当たり単価を2700円と置いてみると金額は2300億円前後になる。

パリバの先物は毎週動く。大半は東証発表の裁定残とは無関係である。ただ過去には裁定残が大きく動き、それがパリバとしか考えられない週が何度かあった。第1週も同様にパリバの海外自己が売り裁定を実施したとしか考えられない。

売り裁定以外にも裁定解消売買が存在する。その金額は1000億円前後と思われる。日系大手の現物売り・先物買いになる。手口を考えると大和であるが、大和は裁定売買が数年間存在していない。

大和よりも野村かみずほである可能性が高そうである。信託のTOPIXラージ先物売りが大量にあり、シェアは野村、次いでみずほが高い。信託の売りを除くと野村とみずほのTOPIXラージ先物は買い越しになるからだ。

整理すると、裁定売買は公表分が自己の買い裁定で512億円、公表分以外では売り裁定がパリバの海外自己で2300億円、通常の自己の裁定解消が野村かみずほで1000億円である。足すと裁定売買は2700億円の現物売り・先物買いになる。

この場合、自己の現物売りは500億円弱になる。自己の1071億円の売りのうち600億円弱は説明できていない。自己は複雑なので、全部の説明までは難しい。


自己に含まれる日銀ETF
 2169億円の買い

日銀ETF以外の自己
 200億円前後の売り(現先合計)

ディーラーのポジション調整による売買の中で生じた差として許される範囲内の金額である。


(12月第1週合計)
合計すると、「個人、自己、事法、銀行、投信の買い越しvs海外、信託の売り越し」であった。

売りは信託等の国内は少額であり、大半は海外である。米国に景気先行き不安が生じ、ファーウェイ事件の衝撃も大きかった。NY株も下落し、海外は売りが続きそうな環境であった。

買いは国内が中心であった。個人と自己に含まれる日銀ETFは下がれば買う主体である。事法はしばらく高水準の自社株買いが続く。銀行と投信も買いになり、大半の国内は下がったところを買いで向かった。

結果として週末の日経平均株価は672円下落した位置で需給が均衡し、12月第1週を終えることになった。



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2018年11月第4週 株 コメント

11月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181129


11月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181129



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年11月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22351円 前週末比+705円

11月第4週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円安、NY株は大幅上昇であった。第4週の上昇は基本的にはNY株の大幅反発が原因であった。悪材料も出たがあまり反応せず、材料があると良い方向に解釈された。月曜は大阪万博開催決定で上昇、水曜のパウエルFRB議長のハト派的な発言で木曜は上昇、金曜は週末の米中首脳会談で好材料が出るとの思惑で上昇。本物の好材料も出たが、後付け的な材料も混じっている。週間では5日連続上昇の大幅高で週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先合計   1961億円の買い越し
現物     2102億円の売り越し
先物     4062億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


11月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181129

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181129

いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正である。

修正後の外資系と海外の差は1537億円。ドイツのTOPIXラージ先物は1150億円の売り越しであり、そのうち500億円が東証公表の裁定の売りである。しかし、残りの650億円も自己の広義裁定とも言えるTOPIXラージ先物売り・現物買いと考えている。日経平均ラージ先物売りはUBS自己以外ではどの証券会社の売りかはわからない。ただ外資系自己が現物買い・先物売りをやっていることは間違いない。後ほど自己のところで説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

買い方トップはソシエテ。TOPIXラージ先物を自社で買ったのは200億円以下で他は移管玉である。ソシエテ自体の客層も広く、かつ他社で買った分である。

買い方の2番目はモルガンMUFJ。ここは先物を大量に買い越して注目を浴びた。それが多くはソシエテかゴールドマンなどに移管され、一部がモルガンに残っている。

買い方の4番目はゴールドマン。日経平均ラージ先物もTOPIXラージ先物も売り越していたが、移管の結果、建玉は買い越しになっている。

売り方はドイツのTOPIXラージ先物とUBSの日経平均ラージ先物が目立つ。この2社は大半を自社で売っており、移管玉は少ない。先に書いた通り、この多くは自己による狭義、広義の裁定売りの割合が高いと考える。

外資系を通じる海外の先物は大半が買い越し。ただ大口は少なく小口の集積。現物は2102億円もの売り越しとなる。

現物売りについては先物買いとセットになったロング・ショートの割合が高そうである。

ネットの先物買いについては小口の集積のため分析をしても確たる結論には辿りつけない。勘でしかないが、投機の買いの比率が高いと思う。

CTAは9月に大量に買い、10月に大量に売って巨額の損出を出した。大きく動ける状況ではない。ただ全体としてはCTAも含む投機筋はNY株の上昇を見て売りから買いに転じたと考える。この先物買いがドイツを筆頭にして狭義、広義の裁定形成売買を引き起こした。

ただ現先合計での海外による買い越し金額はそれほど大きなものではない。株価が大きく上昇したのは、海外が大量に買ったというよりも、売り方の指し値の位置が高かったためと思われる。

買い方
(2) 信託
現先合計  1123億円の買い越し
現物    1450億円の買い越し
先物     327億円の売り越し

信託のTOPIXラージ先物258億円売りは現物買いとのセットである。配当込みTOPIX連動目的の先物買いが配当金が支払われたので現物への乗り換えが始まった。

トヨタが信託方式の自社株買いを11月19日-11月30日に603億円実施と公表している。その他にも信託方式の自社株買いの公表は小口なら存在する。信託の買いの中には信託方式の自社株買いが多く含まれており、全体の半分近くを占めた可能性が高い。

第3週に買い上がった強気派の信託も週の前半くらいまでは買い続けた可能性がある。自社株買いを足し合わせると1123億円の買い越しになった。

買い方
(3) 事法
現先合計  1016億円の買い越し
現物    1056億円の買い越し
先物      40億円の売り越し

12月に入ってから、11月中の自社株買い実施の公表が相次いでいる。一部は信託方式であるが、事法部門での買いの方が多い。第4週も多めの自社株買いが入っている。高水準の自社株買いはまだ続く。

買い方
(4)投信
現先合計   378億円の買い越し
現物     847億円の買い越し
先物     469億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 158億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

この上げ相場で買い越しは珍しい。積み立てNISAなどの効果が少しは見える。ただNISAは利益に対して税金がかからないだけである。損をしてもその損失は取り戻せない。日経平均株価はバブル時代の高値の半値強であり、高値で買った株はまだ損をしたままである。若者はともかく、株を大量に保有する高年齢富裕者層は、無税であっても損をする可能性のある株や日本株型の株式投信を大量に買うことはまだない。

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で50億円前後の売り越し。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物          690億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物   620億円前後の売り越し
それ以外の先物     190億円前後の買い越し
合計          260億円前後の買い越し

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように260億円の買いであった。

信託と同様に強気派の投信が少し買ったようである。それ以外に海外とは正反対の現物買い・日経平均ラージ先物売りというロング・ショートを600億円ほど実施した私募投信があった可能性が高い。


売り方
(1)個人
現先合計  3875億円の売り越し
現物現金  2806億円の売り越し
信用     781億円の売り越し
先物     289億円の売り越し

個人は今年に入って48週中44週で逆張り。第3週は連続逆張りが途絶えたが、第4週は逆張りに戻った。個人は総売りである。ただ金額はそれほど大きな金額でもない。

第4週の個人は売り越したものの、売り指し値はかなり高かった。第3週のように下げ相場での順張りの売りにはならなかった。NY株が大きく戻したことなどが個人心理に大きく影響したと思う。12月に入って株価は大きく下げていることから、12月に入って売買のやり方はまた変わっている。第4週に関しては株価が戻り続けていたため、戻りを見ながら上値で指し値をして売る売り方が多かったようである。これが第4週の株価が大きく上昇した原因になった。


(*)自己という特殊な部門
11月第4週は買い方の(6)になった。

現先合計   34億円の買い越し
現物   2237億円の買い越し
先物   2203億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 650億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買(または売り裁定解消売買)上位の証券会社
 ドイツ500億円、UBS300億円、みずほ100億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ150億円(海外自己と推定)

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 950億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は300億円。現物は2237億円の買い越しである。

実際の裁定売買は950億円に近いと見る。差の300億円の大半はドイツ自己の裁定形成または売り裁定の解消売買と見る。

しかし、より広義の裁定売買とも言える自己による現物買い・先物売りはもっと多く、2200億円前後存在した。

ドイツのTOPIXラージ先物は1150億円の売りである。海外のところで示した表からTOPIXラージ先物には修正前に外資系自己を中心とした1269億円の売りがあった。この大半はドイツ自己の現物買い・先物売りであると考える。

日経平均型先物は修正前に外資系自己を中心とした1067億円の売りがある。このうち300億円はUBS自己の裁定の売りである。残りもどこかの外資系の自己による現物買い・先物売りのようである。可能性が高いのはソシエテかドイツの自己である。それ以外にも外資系自己の売りがあるとしても、どこの会社であるかはわからない。

自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 30億円前後の売り(現先合計)

金額としては非常に小さい。

海外のところで外資系を通じて海外以外の主体が先物を2337億円売っていることを示す表を掲載した。その多くは外資系自己の売りであったと思われる。ただ現物買いを伴っているはずである。そうでないと、日銀以外の自己が30億円の売りという小さな金額にはならない。


(11月第4週合計)
合計すると、「海外、信託、事法、投信の買い越しvs個人の売り越し」であった。

買いの中心は海外であり、次が信託と事法を通じる自社株買いであった。信託と投信を通じる国内の強気派も少し買った。

売り方の中心は個人であった。伝統の逆張りであるが、第4週に関しては売り指し値の位置がかなり高かった。

結果として週末の日経平均株価は705円上昇した位置で需給が均衡し、11月第4週を終えることになった。


11月月間


11月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201811

11月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口201811

記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると11月の日本株型公募投信は1072億円の資金純流入

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 800億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅤ ブル3倍日本株ポートフォリオⅤ」
 25億円前後の買い越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で900億円前後の売り越し

(3)事法部門での自社株買い
東芝の2577億円買いが一番大口

(4)信託部門での自社株買い
トヨタの603億円買いが一番大口

(5)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定解消売買の金額合計
 724億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定形成売買推計値
 900億円前後(現物買い・先物売り)

上記2つの数字の差は200億円。月間の差としては小さく、無視できる金額である。

(6)自己
日銀ETFが4446億円の買い

(7)合計
11月月間では

  事法  6287億円の買い越し
  自己  2981億円の買い越し

            vs

  個人  4830億円の売り越し
  海外  1949億円の売り越し
  
であった。

日経平均株価は107円上昇し、月末の需給は均衡して11月の4週間を終えることになった。

自社株買い中心の事法と日銀ETF買いが中心の自己が買い方。売り方が個人と海外。順張り系の海外と逆張り系の個人がめずらしく両方売り方になった。株価が下がって上がるという行って来いに近い形の小幅高という結果で月が終わったことがその原因であり結果でもある。



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2018年11月第3週 株 コメント

11月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181122


11月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181122



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年11月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21647円 前週末比-34円

11月第3週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円高、NY株は大幅下落であった。月曜の夕方にカルロス・ゴーン逮捕という衝撃的な事件が起こり、火曜の日産株は下落したが、全体への影響はあまりなかった。月曜、火曜のNY株は大幅安であった。しかし特に水曜は夜間のNYダウ先物が戻り続けたこともあり、日本の株価も寄り安の後は戻した。週間では内需株やそれまで急落していた半導体製造装置関連などが中心に上昇し、日経平均株価も小幅安で週を終えることになった。


買い方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2) 事法
現先合計  1649億円の買い越し
現物    1702億円の買い越し
先物      52億円の売り越し

東芝が21日に1071億円の自社株買い。まだ予定の7000億円は遠く、買いは続く。

買い方
(3)信託
現先合計  693億円の買い越し
現物    402億円の買い越し
先物    291億円の買い越し

信託は第1週と第2週が売り越し。ファンダメンタルズの悪化を感じたからと思われるが、その後、ファンダメンタルズに変化はない。第3週は逆張りではあるが、急落後は買い上がりもしていた。ファンダメンタルズは軽視、大きく下げれば積極的に買う投資家が動いたようだ。

買い方
(4)投信
現先合計   529億円の買い越し
現物     141億円の買い越し
先物     388億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 184億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 50億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で350億円前後の買い越し。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買

現物           40億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   200億円前後の買い越し
それ以外の先物     160億円前後の売り越し
合計            0億円前後の買い越し

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように売り越し買い越しの金額はゼロに近かった。

この週の投信の買いは設定と大口ブルベア型投信の買いだけで大半の説明がつく。

それ以外で、150億円ほどの日経平均ラージ先物買い・TOPIXラージ先物売りが見える。私募投信が10月以降繰り返しているロングショート的な売買をしたのかもしれない。


売り方
(1)海外
現先合計   5111億円の売り越し
現物     1968億円の売り越し
先物     3143億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


11月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181122

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181122

いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正である。

修正後の外資系と海外の差は2148億円。この買いの中にはドイツ自己によるTOPIXラージ先物買い=裁定の先物買いが1100億円前後あると考えている。後ほど自己のところで説明する。

残りの1000億円の買いは、ドイツのように現物売り・先物買いを実施して東証に裁定残とは報告していない外資系の自己の売買かもしれない。これもまたドイツ自己の売買かもしれないが、東証発表の裁定残が動いていないのでドイツとは断定できない。同様な外資系自己によるTOPIXラージ先物買いは10月以降に大量に入っているが、確かなことはわからない。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

売り方トップはゴールドマン。2週連続で売り方トップである。しかし、ゴールドマンにしてはゴミみたいな金額なので、大勢いる大口顧客の中の誰かはわからない。

ABNアムロクリアリングの売りは投機筋の売りと考えて良い。

モルガンMUFGのTOPIXラージ先物も2週連続で売りである。第2週で書いた通り、9月に短期間で猛烈に買った。その分の損切り売りであろう。

海外は現物、日経平均ラージ先物、TOPIXラージ先物を分散して売っている。先物手口はドイツ以外の大半が小口の売りになっている。売りが分散しており、数少ない集団が大きく売ったのではなく、多種類の集団が少しずつ売った形になっている。

海外が売った主な原因はNY株の急落であり、その背景は世界経済の先行き減速懸念であろう。第2週と同様に、こうした環境下では海外の中でどんな主体が売りの中心であったかはわからない。海外なら年金からヘッジファンドまでの様々な主体の売りが考えられる環境であったからだ。

売り方
(2)個人
現先合計  352億円の売り越し
現物現金  438億円の売り越し
信用     76億円の買い越し
先物     10億円の買い越し

今年に入って個人は11月第2週まで36週連続で逆張りが続いていた。それが37週目にして途絶えてしまい、順張りの売りになった。高年齢富裕者層の現物現金の売り切りが少し多かった。


(*)自己という特殊な部門
11月第3週は買い方の(1)になった。

現先合計 2257億円の買い越し
現物    176億円の買い越し
先物   2081億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 193億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買(または売り裁定形成売買)上位の証券会社
 みずほ250億円、ソシエテ200億円、野村200億円
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ300億円、UBS250億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1300億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1100億円。現物は176億円の買い越しである。

裁定解消売買は1300億円に近かったと考える。第3週は裁定売残の増加も大きい。その1株当たりの単価が大きく低下している。これはTOPIX型の売り裁定が増加したことを示す。日経平均型はTOPIX型よりも1株当たりの単価が高い。買い裁定の残高はずっと以前から1株当たりの単価は低く、TOPIX型が中心であった。すなわちTOPIX型の売り裁定形成と買い裁定解消=現物売り・先物買いが入っていたのである。

TOPIX型の売り裁定と裁定解消が入ったということはTOPIXラージ先物を買った証券会社がいる。TOPIXラージ先物を1番大量に買い越しているのはドイツである。ドイツ1社で1100億円前後の裁定に伴う先物買いを入れている。自己の現物が売り越しではなく小幅の買い越しになっているのは、日系大手中心に日銀ETF準備用の現物買い・TOPIXラージ先物売りが入っているからだと思われる。

自己に含まれる日銀ETF
 2157億円の買い

日銀ETF以外の自己
 100億円前後の買い(現先合計)

金額としては小さい。無視しても構わない。


(11月第3週合計)
合計すると、「自己、事法、信託、投信の買い越しvs海外、個人の売り越し」であった。

ファンダメンタルズの悪化を警戒してNY株が急落し、海外がいつものように大量に売ってきた。個人は久々に順張りの売りになったが、金額は小さかった。

日銀ETF、事法、信託、投信は買い向かった。日銀ETFは下がると買うが、第3週は下げ幅の割には買い金額が大きかった。事法はしばらく高水準の自社株買いが続く。第2週はファンダメンタルズの悪化を警戒して信託、投信が売り越したが、第3週はNY株の急落後に押し目を買ってきた。

信託を中心とする国内投資家が第2週とは異なって買い越しであり、買い上がりもしていた。国内投資家の弱気派が第2週に売り下がり、第3週は強気派が買い上がっていた。

こうした国内投資家の中のファンダメンタルズ軽視、株価が大きく下げたら買う派の存在が、海外の大量売りにもかかわらず下げ幅を小さくするのに貢献した。日銀ETFと自社株買い以外に多少ではあるが買い上がる主体が存在していたのである。

結果として週末の日経平均株価は34円下落した位置で需給が均衡し、11月第3週を終えることになった。



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2018年11月第2週 株 コメント

11月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181116


11月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181116



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年11月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21680円 前週末比-570円

11月第2週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は下落であった。第2週の下げは、NY株の下げが1番大きく響いた。月曜にアップルへの部品供給メーカーの売上予想が大きく下方修正され、アップル株とNY株、そして火曜の日本株急落の原因になった。水曜は米中貿易摩擦緩和の材料が日本の株価を少し戻らせた。木曜のエヌビディアの決算は売上予想が予想を下回り、エヌビディア株の急落と金曜の日本株の下げをもたらした。ファンダメンタルズに対する警戒感が、NY株を引き下げ、週間の日経平均株価も引き下げて週を終える結果になった。


買い方
(1) 事法
現先合計  2542億円の買い越し
現物    2484億円の買い越し
先物      58億円の買い越し

東芝が13日と15日の合計で1360億円の自社株買い。第3週に入っても買っている。しかし予定の7000億円は遠く、まだ買い続ける。他にも中小口の自社株買い実施を発表した企業は多い。今後も高水準の自社株買いは続く。

買い方
(2)個人
現先合計  1294億円の買い越し
現物現金   183億円の買い越し
信用     891億円の買い越し
先物     220億円の買い越し

今年に入って個人は46週中43週で逆張り。伝統の逆張りの買いである。ただ現物現金の買いは少ない。高年齢富裕者層の売り切りが続いているからだ。この売りは、株価の右肩上がりの相場がより長く定着して過去の暴落局面が忘れ去られ、インフレが続いて預金の価値が著しく目減りしない限り止まらない。

買い方
(3)自己
自己はいつも最後に記載。


売り方
(1)海外
現先合計   2634億円の売り越し
現物     1370億円の売り越し
先物     1264億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


11月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181116

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181116

いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正である。

修正後の外資系と海外の差は743億円。この買いの多くはドイツ自己の買い=売り裁定の先物買いと考えている。後ほど自己のところで説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

第2週も重要な点はツイッターですでに説明しているので、それを再掲載する。

上記の内容を補完すると、第1週の売買の建玉移管とギブ・アップは多かった。毎週存在するが、売り越し買い越しの金額が少なかった割には多かった。売り方上位のゴールドマン、モルガンMUFG、クレディ・スイスも同様である。

売り方トップのゴールドマンの売りの背景はわからない。先に示したリンク先のゴールドマンの建玉推移を見るとそうなる。週間で650億円売りというのは、ゴールドマンの中ではゴミ見たいな金額である。大勢いる大口顧客の中の誰でもありになるからだ。

モルガンMUFGは9月に短期間で猛烈に買った。その分の損切り売りが第2週に出ている。しかし、9月に買った分はまだ残っている。残りの損切り売りも遠からず出るであろう。

バークレーズは10月第5週に書いたが、長期性の資金がずっと前に買った分の売りが続いていると思われた。それがどこで止まるかがよくわからなかったが、とりあえず11月第1週で一旦は終了したように思われる。第2週にバークレーズが売った分の大部分は他社に移管された。すなわち、別の顧客の売りであったからだ。

海外は現物も先物も両方売り越しである。第2週は投機中心か投資中心かはわからない。ただ1つ明らかなことは、NY株がハイテク株の売り上げ見通しに疑いが生じて売られているということである。大元に世界経済のファンダメンタルズの悪化に対する警戒感がある。

海外は順張り傾向が強い。年金であろうがヘッジファンドであろうが、ファンダメンタルズに対する警戒感を抱くと売るというのが基本的な売買パターンである。株価が下がると買う逆張り傾向が強い国内とは正反対の売買パターンである。

海外の中でどんな主体が売ったかはわからない。しかし第2週は、海外なら年金からヘッジファンドまでの様々な主体の売りが考えられる外部環境であったと言える。

売り方
(2)信託
現先合計  1540億円の売り越し
現物     671億円の売り越し
先物     869億円の売り越し

信託は2週連続の売り。第1週は売り越しであったが、株価は少し上昇しており、伝統的な逆張りの売りであった。しかし、第2週は下げ局面での順張りの売りである。

先に書いた通り、国内は逆張り傾向が強い。それは信託も同様である。その信託が順張りで売ってきた。反伝統的とも言える売りである。

第1週でも書いたように、海外と同様にファンダメンタルズに対する警戒感を持っているから売ったはずである。伝統に反する売りを実施したわけであるから、第2週に売った信託のファンダメンタルズに対する警戒感は、少しではなく相当強いものであったに違いない。

売り方
(3)銀行
現先合計   648億円の売り越し
現物     242億円の売り越し
先物     405億円の売り越し

現物の売りは持ち合い解消売り。これは株価の上下に無関係の売りである。先物は為替のディーラーと同様に投機色の強い売買をする。

現在のポジションは売り買いどちらかに大きくは傾いていないと思う。それでも順張りで売ったということは、信託ほどは強くはないにしても、ファンダメンタルズに対する警戒感があるから売ったのだと思われる。

(4)投信
現先合計   107億円の売り越し
現物     211億円の買い越し
先物     317億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 420億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 150億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で25億円前後の買い越し。

設定と大口ブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          210億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   270億円前後の買い越し
それ以外の先物     610億円前後の売り越し
合計          550億円前後の売り越し

設定と大口ブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように550億円前後の売り越しであった。

第2週もいくつかも特色がある。1番強く感じたのは、TOPIXラージ先物601億円の売りである。その他もろもろの投信の売り合計を少し上回っている。これはおそらく私募投信のヘッジ売りが中心と見る。ファンダメンタルズに対する警戒感を持ったから売ったのであろう。順張りで売った信託のファンドマネージャー、銀行のディーラーと同様の警戒感だと思われる。

それ以外にも200億円ほどの現物売り・日経平均ラージ先物買いが見える。第1週にこれと正反対の売買が500億円ほど見えた。私募投信が第1週に組んだロングショートの解消売買かもしれない。


(*)自己という特殊な部門
11月第2週は買い方の(3)になった。

現先合計  956億円の買い越し
現物   1410億円の売り越し
先物   2366億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 174億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買(または売り裁定形成売買)上位の証券会社
 三菱UFJ250億円、みずほ200億円
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ300億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1350億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の数字の差は1200億円。現物は1410億円の売りである。

現物の売り越し金額からみると裁定売買は1350億円に近かったと思われる。第3週は裁定買残の減少よりも売残の増加の方が多い。すなわちかなり多くの売り裁定=現物空売り・先物買いが入っていたのである。

先物手口を見る限り、その多くはドイツと三菱UFJであると思われる。

海外のところで書いたように外資系の自己に買いが743億円見えた。これとイコールではないが、近い金額の売り裁定の先物買いをドイツが実施した。三菱UFJも同様な売り裁定の先物買いを、東証公表分と公表分以外で実施していると思われる。


自己に含まれる日銀ETF
 1466億円の買い

日銀ETF以外の自己
 500億円前後の売り(現先合計)

金額としては大きくない。難解な自己をこれ以上追求することは、費用対効果の面で効率が悪い。


(11月第2週合計)
合計すると、「事法、個人、自己の買い越しvs海外、信託、銀行、投信の売り越し」であった。

ファンダメンタルズに対する警戒感によるNY株の下落を嫌気して海外が売ってきた。加えて信託、銀行、そして投信の一部もファンダメンタルズに対する警戒感を感じて売ってきた。順張りが多い海外はいつも通りの売りである。しかし、逆張りが多い国内が順張りで売ると言うことは、ファンダメンタルズに対する警戒感がかなり高まっているということであろう。

事法、個人、日銀ETFは買い向かった。個人と日銀ETFは下がれば買う逆張りの主体、事法は決算発表終了後の自社株買いが増える時期である。

結果として週末の日経平均株価は570円下落した位置で需給が均衡し、11月第2週を終えることになった。



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2018年11月第1週 株 コメント

11月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20181109


11月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20181109



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年11月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22250円 前週末比+7円

11月第1週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。クドロー米NEC委員長が前週末に出た米中貿易摩擦緩和の可能性を否定する発言をし、金曜のNY株が下げた。日本株も週初は安く始まった。その後、市場の関心は火曜日のアメリカ中間選挙へと向かう。結果は事前予想通りで上院は共和、下院は民主が勝ち、アメリカ政治はねじれ現象になった。NY株は予想通りということで上昇したが、日本株は乱高下する展開になった。日経平均株価は、週間ではわずかに上昇して週を終えることになった。


買い方
(1)海外
現先合計   3836億円の買い越し
現物     2441億円の買い越し
先物     1395億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


11月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20181109

上記の先物手口概算(3種の先物)の外資系14社合計と、先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20181109


いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週ある裁定絡みの売買の修正である。

修正後の外資系と海外の差は1943億円。5週連続で非常に大きなマイナスが続いている。論理的には外資系自己の買いと考えるが、実際にはよくわからない。この点は自己のところで説明する。

先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフは先物手口に関心がある方はぜひ見ていただきたい。

第1週も重要な点はツイッターですでに説明しているので、それを再掲載する。

上記の内容を補完すると、第1週のTOPIXラージ先物の建玉は他社への移管が多かった。ドイツなども受け入れているが、一番多く移管玉を受け入れたのがソシエテである。そのため、ソシエテはTOPIX先物ラージ先物の最大の買い手である。しかしソシエテの日々の売買の合計は売り越しであり、全部が移管分である。その中にクレディ・スイスの他にもモルガン、メリルなど週末に一緒に買った玉も含まれていた可能性がある。

それ以外では、バークレーズがTOPIXラージ先物を一番大きく売り越している。これは10月第5週に説明した通り、長期性の資金の売りである可能性が高い。ずいぶん前に買った分の売りと思われるからだ。

海外全体では買い越しであり、先物よりも現物の買いの方が多い。アメリカ中間選挙後のNY株上昇を見ながら日本株も買っている。先物を見る限り、JPモルガン、クレディ・スイス、ABNアムロクリアリングといった投機筋らしき買いが目立つ。投機筋だけではないのは当然だが、買い方は現物をも含めた全体でも投機筋の割合が高かったように思われる。

(2)事法
現物  1102億円の買い越し

久々にやや大口の自社株買いがあった。8日にNTTが570億円、9日にマツモトキヨシが140億円買った。決算発表時に多くの自社株買いの実施が公表された。今後はしばらく高水準の自社株買いが続く。


売り方
(1)信託
現先合計  2085億円の売り越し
現物    1359億円の売り越し
先物     726億円の売り越し

信託は10月第3週-第5週が買い越しである。先物はその時に買った分の売りが多かったと思われる。

現物は買ってすぐ売りは早すぎる。一部はそうかもしれないが、多くの部分はもっと以前に買った分の売りだと思われる。株価はたいして上昇していない。それなのにこの位置で売ったということは、企業業績などファンダメンタルズ面の頭打ちの可能性などから、今後の先安感を感じて売ったのであろう。

売り方
(2)個人
現先合計  1897億円の売り越し
現物現金  1757億円の売り越し
信用      19億円の売り越し
先物     121億円の売り越し

今年に入って個人は45週中42週で逆張り。伝統の逆張りの売りである。総売りであった10月第5週よりも株価は少しではあるが上昇している。第1週は現物現金の売りが中心である。総売りが続いても不思議ではない。

(3)投信
現先合計  1030億円の売り越し
現物     276億円の売り越し
先物     754億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 311億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1000億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1250億円前後の売り越し。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          590億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   710億円前後の買い越し
それ以外の先物     230億円前後の売り越し
合計          110億円前後の売り越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように110億円前後の売り越しであった。公募投信と私募投信の売り越し金額の合計である。金額は小さい。第1週の投信売りの大半は、設定と大口ブルベア型投信の売買で説明できる。

110億円の売りと言っても、内容には特徴がある。10月にあったように、日経平均ラージ先物買い・TOPIXラージ先物売りらしきポジションが200億円ほど見える。それ以外にも現物買い・日経平均ラージ先物売りが500億円ほどあったと考えてもおかしくない。

こうした2種類の先物や、現物と先物を組み合わせたロング・ショート的な売買は最近増えている。私募投信がそうした売買の中心であったと思われる。


(*)自己という特殊な部門
11月第1週は売り方の(5)になった。

現先合計 267億円の売り越し
現物   383億円の売り越し
先物   116億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 441億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ550億円、みずほ400億円、UBS200億円
裁定解消売買上位の証券会社
 三菱UFJ600億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 800億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の数字の差は350億円。差としては小さい。少し後でもう一度説明をする。


自己に含まれる日銀ETF
 763億円の買い

日銀ETF以外の自己
 1000億円前後の売り(現先合計)

SQ時の売買は、コンバージョン解消(合成オプション買い・日経平均ミニ先物売り)がモルガンMUFG、ソシエテ、野村。リバーサル解消(合成オプション売り・日経平均ミニ先物買い)がABNアムロクリア、ゴールドマン。この中でほぼ確実に自己なのは野村、ほぼ確実に海外なのはABN。

日経平均ミニ先物の売買金額の合計はゼロに近かったとしても、売りは自己が多く、買いは海外が多そうである。従って、SQ絡みの自己の日経平均ミニ先物は売り越しである。日銀ETF以外の自己1000億円売りというのはモルガンとソシエテが両方東京自己ならありえるが、これはわからない。野村を中心に数百億円の売りということにしておく。


なお、海外のところで書いた通り、これ以外に外資系の自己が1900億円ほど先物を買っている可能性が高い。同時に現物も売っている。日系大手の自己が日銀ETF準備用の現物買い・先物売りを実施していると思われるからだ。

外資系自己の先物買い・現物売りは10月第2週から急増した。外資系と海外の売買の差を考えると、その銘柄の大半はTOPIXラージ先物である。最初のうちは東証が発表している裁定残減少に伴う裁定解消売買が多かった。しかし、だんだんとそれだけでは説明できなくなった。そして11月第1週にはついに裁定残が増加に転じ、裁定解消売買ではなくなった。

しかしこれは、東証が発表していない、売り裁定の形成売買である可能性が高い。自己による先物買いは日経平均型については昔からあった。10月第2週以降、TOPIXラージ先物についても自己による買いが急増した。これを現すグラフを下記に示す。

外資系自己の売り20181109

(全部門の先物投資部門別売買状況の累積はこちら)

10月第2週から海外が大量にTOPIXラージ先物を売り始めると、自己が赤線のTOPIXラージ先物を大量に買い始めている。何割かは東証が公表している裁定残の減少=裁定解消売買である。しかし、11月第1週からは東証発表分の裁定残は増加に転じている。

繰り返すが、論理的に整合性の高いのは、外資系自己による東証に報告していない売り裁定である。ただ論理的にありうることが、実際に幅広く行われていることと同じとは限らない。可能性が低いシナリオなら他にもいくつか存在し、それらを合計すればそれなりに高い確率になりうる。古くからあった日経平均ラージ先物については売り裁定以外の買いも存在することがわかっている。

このあたりの実務をご存じの方がおられれば、教えていただければ大変あり難い。どこでもよいから書いていただくようお願い申し上げます。


(11月第1週合計)
合計すると、「海外、事法の買い越しvs信託、個人、投信の売り越し」であった。

それまで4週連続で大きく売り越していた海外が買い越しに転じた。自社株買いも入った。

信託、個人、投信中心に国内勢は売り向かった。国内勢、特に信託が株価があまり上昇していないのに大きく売り越してきた。信託を中心とした国内勢に株価の先安感が広まっている可能性が高い。

海外が買ったのにもかかわらず、国内勢が低めの指し値で売った。結果として週末の日経平均株価は7円上昇した位置で需給が均衡し、11月第1週を終えることになった。



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