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2018年8月第1週 株 コメント

8月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次201807803

8月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180803


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年8月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22525円 前週末比-188円

8月第1週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は下落。7月第4週の週末にフェイスブック、ツイッターの株価が大きく下落した影響で、週初の日本株も弱含みで始まった。31日に日銀金融政策決定会合の結果が発表されたが、事前に報道された通りの内容であった。ただ、相場への影響度合いはあまり明確ではなかった。水曜は円安・NY株高で日本株も上昇。週後半は貿易摩擦の激化で上海株が下げたことに影響され、日本株も再度弱含んだ。週間の日経平均株価は下落であったが、第4週に強かったTOPIXはより大きく下落した。


買い方
(1) 自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2)個人
現先合計  1205億円の買い越し
現物現金   205億円の売り越し
信用     875億円の買い越し
先物     535億円の買い越し

個人は今年に入って31週中28週で逆張りが続く。買いは信用と先物である。スイングトレーダーは押し目買いを入れている。現物現金は高年齢富裕者層の売り切りがあるので、もう少し深く押さないと買い越しにはなりにくい。

買い方
(3)投信
現先合計   810億円の買い越し
現物     543億円の買い越し
先物     267億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 187億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 250億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で450億円前後の売り越し。

設定とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物         360億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  380億円前後の買い越し
それ以外の先物    340億円前後の買い越し
合計        1080億円前後の買い越し

設定とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように1080億円前後の買い越しであった。金額としては大きい。

7月第4週に、買い越しの多くは私募投信と書いた。第1週も私募投信の買いが何割かを占めることは間違いない。ただ、私募投信以外にも様々な事情で買った公募投信の買いもいくらか含まれているかもしれない。ブルベア型投信が売り越す中で、現物と先物の両方を買い越している。過去に記憶のないケースであり、明快には説明できない。

買い方
(4)事法
現物 386億円の買い越し

大半が自社株買い。

買い方
(5)信託
現先合計   207億円の買い越し
現物     970億円の買い越し
先物     763億円の売り越し

トヨタの信託方式の自社株買いが300億円ある。従って、これを除く信託の現先合計は売り越しであった。TOPIXラージ先物は963億円の売りだが、その多くはおそらく新規のヘッジ売り。手口は三菱UFJが中心だと思う。


売り方
(1)海外
現先合計 3631億円の売り越し
現物    672億円の売り越し
先物   2959億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


8月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180803

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180803

いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある裁定売買の分の修正である。

修正により差が14億円から214億円にまで拡大した。それでも平均的な差よりはかなり小さい。

先物の売り方上位のトップはクレディ・スイス(上から15番目のグラフ)。ツイッターで書いた通り、先物建玉時系列の変化からは、日経平均ラージ先物は少し前に買った投機家の売り、TOPIXラージ先物は昨年の年初に買った投資家の利食い売りに見える。

その可能性はそれなりに高いとは思う。しかし、同じ投機家が両先物を合計で2500億円前後新規で売った可能性を否定することもできない。

先物の売り方上位で2番目はモルガンMUFG(上から10番目のグラフ)。ツイッターで書いた通り、第1週のTOPIXラージ先物は年金などの投資家ではなく、短期で売買する投機家の方の売りと考える。確かな根拠はないのだが、勘のレベルでは投機家の売りに見えてしまう。

日経平均型は建玉が少ない。これは多分、少数の大口顧客ではない。中小口になると顧客の範囲を絞り込むことは難しい。

先物の買い方上位で2番目はABNアムロクリアリング(上から1番目のグラフ)。ツイッターで書いた通り、ABNの買いは投機家であり、買い戻しである。第2週以降にもう少し買い戻す可能性が高い。

第1週の海外は現物売りは少なく、先物の売りが多い。そして、クレディ・スイス、モルガンMUFGの先物売りで大半が説明できてしまう。さらに、モルガンMUFGの日経平均型以外は少数の大口顧客であると考える。主としてNYと上海の株価動向を見ながら、先物を中心に売りを出した大口投資家、ないしは投機家がいたようである。


(*)自己という特殊な部門
8月第1週は買い方の(1)になった

現先合計 1329億円の買い越し
現物   1631億円の売り越し
先物   2959億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 697億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ500億円、野村300億円、三菱UFJ200億円
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1600億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の方法の差は900億円。第1週については両者の中間であるにしても、1600億円の方に近いと思う。みずほ以下の3社の裁定解消売買は、公表値よりも一回り多かった可能性が高い。


自己に含まれる日銀ETF
 765億円の買い

日銀ETF以外の自己
 550億円前後の買い(現先合計)

週間で550億円は少し大きい。しかし、ここから先を追求する難易度は非常に高いので、追求はしない。


(8月第1週合計)
合計すると「自己、個人、投信、事法、信託の買い越しvs海外の売り越し」であった。

NYや上海の株価動向を見ながら、海外が主としてクレディ・スイスとモルガンMUFGを通して先物に大口の売りを出してきた。

買いの中心は日銀ETFを中心とする自己と個人のスイングトレーダーであった。それ以外に投信や自社株買いも入った。

「日銀ETF、個人、投信、自社株買いvs海外の売り」は、下げ相場ではよくある標準的パターンであった。

結果として週末の日経平均株価は188円だけ下落した位置で需給は均衡し、8月第1週を終えることになった。



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2018年7月第4週 株 コメント

7月第4週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次201807027

7月第4週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180727



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年7月第4週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22713円 前週末比+15円

7月第4週の外部環境は、ドル円レートは円高、NY株は上昇であった。休み中にトランプ大統領が、再度中国からの輸入関税に強硬な発言をし、通貨安をも牽制する発言もした。加えて、日銀の金融政策の修正観測報道がなされた。これらが円高を引き起こし、株安につながった。水曜は米欧間で自動車以外の関税撤廃が発表され、NY株が上昇した。木曜は日銀のETF買いでTOPIX型を増やすという観測報道が出され、日経平均は弱含んだ。このため、週間でも日経平均株価はわずかな上昇にとどまった。TOPIXは+1.8%とかなりの上昇になった。


買い方
(1)海外
現先合計 1440億円の買い越し
現物    860億円の買い越し
先物    580億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


7月第4週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180727

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180727


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある裁定売買の分の修正である。

修正により差が418億円から118億円にまで縮小した。海外による先物の買い越し金額が縮小しているので当然ではある。それでも少ないことに越したことはない。

第4週の海外による先物売買の理由には明らかな部分がある。木曜に日銀のETF買いでTOPIX型を増やすという観測報道が出た。先物を売買するなら、TOPIXラージ先物買い・日経平均型売りであろう。海外は実際にその通りの売買を実行している。

従って、TOPIXラージ先物買い・日経平均型売りの多くはロングショート型の投機家ということになる。しかし、手口はあまりはっきりしない。理由は何割かを外資系の自己が反対売買で向かっているからと考える。後ほど自己のところで説明する。

先物の買い方上位で5番目はABNアムロクリアリング(上から1番目のグラフ)。日経平均先物はラージ買い・ミニ売り、合計では買いになっている。ABNの買いは投機家である。第3週に買いが続くと書いた。一応は当たったと見てよいであろう。グラフを見れば、第4週に買わなくても、近い将来に買い戻しが来る形になっている。8月第1週以降も買いはあるだろう。

先物の売り方上位で3番目はゴールドマン(上から2番目のグラフ)。ゴールドマンは第3週にまだ買う玉が残っていると書いた。しかし第4週は売りであった。ロングショートも少しあるだろう。それ以外に日経平均ラージ先物では2月3月に売った玉を残しながら、純粋ショートを増やしたようだ。こうなると、買い戻しはいつかはあるが、いつになるかはわからなくなった。

海外は第2週は現物中心、第3週は先物中心にかなり大きく買い越していた。第4週は現物と先物に分かれて買いにきたが、金額は大きく減少した。材料としては、貿易摩擦も金融政策も、灰色のままである。NY株の上昇だけでは大量に買う根拠としては薄い。ロングショート以外でも、多くの種類の投資家が少額の買いを入れたのが積み合わさって1440億円になったということであろう。


買い方
(2)投信
現先合計   989億円の買い越し
現物     812億円の買い越し
先物     177億円の買い越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 96億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 200億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 50億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 100億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で150億円前後の買い越し。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物         720億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  170億円前後の買い越し
それ以外の先物    120億円前後の売り越し
合計         770億円前後の買い越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように770億円前後の買い越しであった。金額としてはやや大きい。

第4週も770億円の買いの多くは私募投信ということにしておく。今や株の売買代金では私募投信が公募投信を上回っている。公募投信では説明が難しい売買を私募投信と考えることは、逃げではなく、必要でもあるのだ。


売り方
(1)個人
現先合計  1949億円の売り越し
現物現金  1942億円の売り越し
信用     245億円の売り越し
先物     238億円の買い越し

個人は今年に入って30週中27週で逆張りが続く。個人の先物は全体ではまだショートと考えている。先物は買いでも損切りの買い戻しもあるだあろう。信用は売りであるが、最近は売り越し、買い越しが交差している。信用残は減少しつつあり、まだ上がれば売りになりやすい。現物現金は売り越しが続く。高年齢富裕者層の売り切りがあるので、TOPIXが大きく上がれば売り越しは当然である。


(*)自己という特殊な部門
7月第4週は売り方の(2)になった

現先合計  688億円の売り越し
現物    870億円の買い越し
先物   1599億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 562億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ350億円、三菱UFJ200億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 1800億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の方法の差は1250億円。裁定残の増加期なので、562億円の裁定売買というのは最小レベルであろう。しかし、1800億円は多すぎる。裁定残の減少期に裁定残のポジションから外して公表した分の裁定残への戻し入れ復活を加えると1800億円くらいの増加なのかもしれない。

これ以外に外資系自己が海外のロングショートに応じる形で現物買い・TOPIXラージ先物売り+現物(空)売り・日経平均型先物買いをしたと見ている。金額は外資系と海外の差、すなわち、日経平均型702億円、TOPIXラージ先物820億円と考えると一番整合的になる。

自己に含まれる日銀ETF
 60億円の買い

日銀ETF以外の自己
 750億円前後の売り(現先合計)

週間で750億円は少し大きい。無視はできない。しかし、ここから先を追求する難易度は非常に高いので、追求はしない。


(7月第4週合計)
合計すると「海外、投信の買い越しvs個人、自己の売り越し」であった。

第4週はロングショート型の海外投機筋がTOPIXラージ先物買い・日経平均型先物売りを実施した。それ以外の海外も現物先物に買いを入れたが、第2週、第3週比では大きく減少した。

投信は第3週はブルベア型投信に大量の解約売りがあったが、第4週は私募らしき投信が現物中心に買いを入れた。

最大の売り手は個人であった。上がると逆張りの売りを大量に出す。

投信と自己は少し異なるが、「海外の買いvs個人の売り」までは上げ相場ではよくある伝統的パターンであった。

結果として週末の日経平均株価は15円だけ上昇した位置で需給は均衡し、7月第4週を終えることになった。


7月月間


7月月間 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント月次201807

7月月間 大手証券 先物手口概算
ブログ月間先物手口201807


記録にとどめておくべき事項、数字

(1)投信現物
野村総研によると7月の公募型日本株投信は433億円の資金純流入

(2)投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 700億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 100億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 650億円前後の売り越し

上記を含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で1150億円前後の売り越し

(3)事法部門での自社株買い
キリンの239億円買いが一番大口

信託方式ではトヨタの買いが注目だが、現時点での公表はない。
(8月3日公表 トヨタ1531億円買い、この買いを除くと信託は売り越し)

(4)裁定売買(大部分が自己、一部は海外)
東証発表 裁定形成売買の金額合計
 1466億円(現物買い・先物売り)
東証発表 裁定残株数変化からの裁定解消売買推計値
 300億円前後(現物売り・先物買い)

上記2つの数字の差は1800億円。月間の差としては小さい方。

(5)自己
日銀ETFが1638億円買い

(6)合計
7月月間では

  海外   7643億円の買い越し
           vs
  個人   6598億円の売り越し
  投信   3985億円の売り越し
  

結局、7月の売買は「海外買いvs個人、投信売り」が中心であった。

日経平均株価は408円上昇し、月末の需給は均衡して7月の4週間を終えることになった。


(日本の株式市場の大問題について)

7月は海外の買いが入ったが、株価が上昇すると個人、投信という国内勢が売り方に回った。金融緩和の不足を原因とする逆グレートローテーション、逆バブルの継続である。日銀の「金融緩和の副作用はバブル」という考え方は間違いである。

確かに、都会の土地の一部などではバブルに近い現象は発生している。しかし、日本で一番身近なリスク資産である株式市場において発生しているのは、依然としてバブルとは正反対の現象である。金融緩和は絶対的に不足しているのである。

だからこそ日銀はETFを大量に買った。ETFも出口が始まったが、日銀としてもETFの出口戦略は頭の痛いところであろう。海外と日銀ETFを除くと、現在の株価では株の買い手は完全に不足している。この環境で出口といっても、難しくて当然である。

株式市場のヒステリシスを日銀は全く認識することができていない。代わりに、バブルなどという現状とは正反対の誤った固定観念にとらわれている。大量にETFを買っているのにもかかわらず、である。なぜここまで大量にETFを買うはめになったのかの分析もしない。

それにもかかわらず、金融緩和の縮小は粛々と進められている。

株価がこれ以上は上がらないとは言えない。アメリカの景気は良い。昨年秋のように、海外がまた日本株を大量に買ってくるかもしれない。

しかし、国内投資家主導の本来あるべき姿での株価の上昇は、もう期待できない。



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テーマ : 経済
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2018年7月第3週 株 コメント

7月第3週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次201807020


7月第3週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180720



時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年7月第3週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22698円 前週末比+101円

7月第3週の外部環境は、ドル円レートは小幅の円高、NY株は上昇であった。第1週まで株価を引き下げた貿易摩擦の問題が、第2週に引き続いて悪材料としては小さくしか扱われなくなった。それでも週後半は人民元安や上海株安の影響を受けて株価は弱含んだ。さらに19日には、トランプ大統領がFRBの利上げやドル高に不満を述べたため円高が進行し、20日の日本株も下落した。それでも、週間の日経平均株価は小幅の上昇で終えることができた。


買い方
(1)海外
現先合計 6337億円の買い越し
現物    320億円の買い越し
先物   6018億円の買い越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


7月第3週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180720

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180720


いつものように海外と外資系を比較した。(1)はほぼ毎週のようにある裁定売買の分の修正である。

修正により差が1187億円から887億円にまで縮小した。こんなややこしい作業をする以上、差が少ないか説明可能な差でないと意味がない。しかし、実際にはそう簡単にはいかない。もっと少ない方が望ましいが、1000億円以下なので通常レベルの差ということにしておく。

先物の買い方上位で1番目はソシエテ(上から7番目のグラフ)。ソシエテは2月3月に大規模に先物を売り、少し前まで大規模に先物を買い戻していた。おそらくであるが、この買い戻しは終了している。ソシエテ全体ではすでに大きな先物ロングを保有している。第3週の買いは新規の買いである可能性が高い。日経平均ラージ先物とTOPIXラージ先物を両方使って買いで勝負をしにきているようである。

しかし、新規買いの背景を突き止めることは難しい。短期性か長期性かなどの区別は、当然、買い戻しの時の方がより簡単にできる。直観では中短期・投機的資金だが、確度が高いものではない。

先物の買い方上位で2番目はゴールドマン(上から2番目のグラフ)。2月3月にソシエテと共に先物を大きく売っていた。しかしソシエテとは異なり、買い戻しは完了していないとみる。従って、日経平均ラージ先物の買いは投機筋の買い戻しである。第3週末時点のゴールドマンの日経平均型のポジションはショートである。ロングショートもあるが、純粋ショート、すなわちまだ買わなければならない玉も少し残っていると考える。

先物の買い方上位で3番目はABNアムロクリアリング(上から1番目のグラフ)。ABNは客層が狭い。HFTを駆使する投機家と、もう少し長い期間で勝負する投機家だけである。もう一つの特徴はショートポジションにはあまりならないことである。しかし、買い戻した後、第3週末時点のポジションは依然としてショートである。少し前に売った分であるが、第4週以降も買い戻しは続くはずである。

第3週の海外による現物の買いは少なく、先物が中心で、特に日経平均ラージ先物の買いの比率が高かった。上記に記した通り、中短期の投機性の資金が多く買っていたと思われる。一般論としては、第2週に投機筋が先物を買って、第3週に中長期性の投資的資金が現物を買う方がわかりやすいパターンではないだろうか。今回は逆になっている。

売買の材料が企業収益などではなく、トランプ大統領の貿易政策などの発言になっている。貿易戦争に関するトランプ発言はもう慣れて意外性が少なくなっており、衝撃的な内容でない限り株価を大きく動かす材料にはならない。それでも株価が動くきっかけにはなっている。投資家も投機家も日本株の買いを狙っている資金は一定程度はあるようだ。しかし、トランプ大統領がいつ何を言うか本人以外には誰にもわからない。買うタイミングは誰にもわからなくなっているのであろう。


売り方
(1)投信
現先合計  3975億円の売り越し
現物     129億円の買い越し
先物    4104億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 439億円の純流出(この中の多くの部分が現物株の売りになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 1950億円前後の売り越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 250億円前後の売り越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 350億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で2700億円前後の売り越し。

解約とブルベア型投信7本以外の投信による売買
現物          570億円前後の買い越し
日経平均ラージ先物  1280億円前後の売り越し
それ以外の先物     110億円前後の売り越し
合計          820億円前後の売り越し

解約とブルベア型投信7本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように820億円前後の売り越しであった。金額としてはやや大きい。特に日経平均ラージ先物の売りが多い。

ブルベア型投信は大口7本しか観察していないが、総売りの状態になっている。純資産は小さいが同種の投信は多数存在している。同種のブルベア型投信も少しずつであるが総解約、総売りになっている可能性が高い。投信による日経平均ラージ先物の売りの何割かは、そうしたETFの売りの集積であることは十分に考えられる。それらを除くと売り買い交錯で、投信としては大きな売りにも買いにもなっていない可能性が高い(正しくは解約はブル型だけ、ベア型は設定)。


売り方
(1)個人
現先合計  1360億円の売り越し
現物現金  1063億円の売り越し
信用     199億円の買い越し
先物     496億円の売り越し

個人は今年に入って29週中26週で逆張りが続く。信用残はまだ多いが少し減った。個人信用も第1週、第2週と売り越しであった。そうした事情もあり、第3週の信用は少し買い越しになった。先物は戻り売りを考える投資家が多いようだ。現物現金は高年齢富裕者層の売り切りがあるので、売り越しはやむをえない。

日経平均株価が101円しか上がっていないので、個人全体の売り1360億円は平均的レベルである。投信の売りが多かった。

売り方
(4)自己
自己はいつも最後に掲載。

売り方
(8)信託
日経平均ラージ先物  700億円の売り越し
TOPIXラージ先物 359億円の買い越し

日経平均ラージ先物は売りが続いているので、新規の売り乗せと見る。ただ6月第1週に投信の売りとセットに見えた2000億円強の買いがある。この分が動いたのであるならば、反対売買の売りになる。

TOPIXラージ先物は第2週が321億円の売り越しで、新規売りの可能性が高かった。第3週の買いの大半はその反対売買であろう。


(*)自己という特殊な部門
7月第3週は売り方の(4)になった

現先合計  378億円の売り越し
現物    727億円の買い越し
先物   1104億円の売り越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 527億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 野村550億円、ドイツ300億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ソシエテ250億円、みずほ150億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 850億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の方法の差は350億円。また、自己の現物の買いは727億円である。同じ金額ではないが、差は小さい。無視してもよいほどの差である。


自己に含まれる日銀ETF
 48億円の買い

日銀ETF以外の自己
 400億円前後の売り(現先合計)

週間で400億円は小さい。無視してもよいくらいの金額である。

海外のところで示した通り、第3週は海外と外資系の差が887億円。特に大きくはない。第3週については自己のよくわからない売買は当然あるにしても、大きな金額ではなさそうである。第2週とは異なり、上記の裁定と日銀ETF以外の売買の内容にも大きな間違いはないと考える。


(7月第3週合計)
合計すると「海外の買い越しvs投信、個人の売り越し」であった。

第2週は海外が現物を買い越していたが、第3週は海外の先物買いが中心であった。トランプ政権による貿易政策を睨みながら買いを入れた。

最大の売り手は投信であった。個人も売った。

「海外の買いvs投信、個人の売り」という、最近の上げ相場ではよくあるパターンであった。

第2週の海外による現先合計の買いは2825億円であった。第3週の海外による買いは第2週の倍以上にまで増えている。しかし、第2週の日経平均株価は809円高であったが、第3週の上昇幅は101円でしかなかった。第2週よりも第3週は株価の水準が高くなっている。そのため、ブルベア型投信が第2週の設定から第3週には一挙に大量の解約になった。先物に大量の売りが出たため、株価の上昇幅は極めて小幅になった。

結果として週末の日経平均株価は101円だけ上昇した位置で需給は均衡し、7月第3週を終えることになった。



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2018年7月第2週 株 コメント

7月第2週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次201807013


7月第2週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180713


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年7月第2週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 22597円 前週末比+809円

7月第2週の外部環境は、ドル円レートは円安、NY株は上昇であった。特にNASDAQが強く、過去最高を更新した。11日の寄り前にトランプ政権が2000億ドルの対中関税の原案を公表。11日だけは日経平均株価は下げた。しかし、それ以外の日はNY株の上昇や円安進行に支えられて上昇が続いた。上昇を支援したのはNASDAQの上昇もある。しかし、貿易摩擦と並行して起こった円安進行に意外感があったので、円安の影響の方が大きかったと思う。それでも金曜の上げは円安で説明できる以上の上げであった。週間の株価は大幅上昇ではあるが、日経平均にかなり偏った上昇となった。


買い方
(1)海外
現先合計 2825億円の買い越し
現物   3249億円の買い越し
先物    423億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


7月第2週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180713


上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。


ブログ外資系と海外の比較20180713


いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週のようにある裁定売買の分の修正である。

修正により差が1626億円から2276億円にまで拡大した。第1週に続いて大きな差である。

第2週の差はミニとは言えSQ週であるから大きかったと説明するしかない。SQ週に大きく動くことの多い外資系自己の売買が原因であろう。しかし、後ほど自己のところでも振れるが、そこから先が難しい。

先物の売り方の上位で1番目はABNアムロクリアリング(1番上のグラフ)。ここの売買はヘッジファンドなどの投機筋の売りと考えてほぼ間違いない。

ABNの日経平均ミニ先物は買いになっている。この多くはSQ精算時におけるオプションとのリバーサル解消の買いである。一方、ABNの日経平均ラージ先物の売りは純粋な投機の売りと思われる。グラフを見ても、ABNがこれほど大きなショートになるのは異例である。基本的には今後は買い戻しになる可能性が高いと考える。

売り方の上位で2番目はモルガンMUFG(上から10番目のグラフ)である。この会社はABNよりも読みが格段に難しい。考えられるシナリオが何通りもあるからだ。あえて言うなら、日経平均ラージ先物の売りは海外の投機筋の売りである可能性が高い。

買い方の上位で1番目はクレディ・スイス(上から15番目のグラフ)である。ここも難しい。日経平均ラージ先物を見ると、第2週のまでの買いは、買い戻しと新規買いの可能性が5分5分である形になっている。ここからさらに買えば新規買いになる。買い戻しの場合は、以前売った時期は2月が多い。買い戻しのサイクルからみて中短期ということになる。

上記3社の売買はいずれも日経平均ラージ先物の売買が中心である。合計すれば538億円の売り越しである。

一方、海外のTOPIXラージ先物は1329億円の売り越しである。しかし、1000億円をこえる大口の手口が見えない。外資系自己の買いと混じって見えないのであろう。

バークレーズの売りが750億円見える。これは第1週に書いたように、順張りの超大手の売りだと思われる。順張りといっても少し遅れ気味の順張りであるからだ。これで損が少ないわけであるから、この超大手は現物も大量に持っていると考えている。ゴールドマンも950億円売っているが、これはわからない。

第2週の海外は現物中心の買いである。ブルームバーグが報道したように、JPモルガンのETFの買いが含まれているはずである。アメリカの日本株ETFはこのところ資金純流出が続いていた。JPモルガンのETFだけの買いならここまでは大きくならない。JPモルガンのETFの買い手と同様に、日本株の現物に押し目買いを入れようと考えた投資家が世界中で増えたということであろう。

ABNやモルガンMUFGを中心に海外は先物に売りを出した。しかし、海外は現物を中心に現先合計で2825億円の買い越しとなり、第2週の株価を引き上げた最大の主体となった。

買い方
(2)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(3)銀行
日経平均ラージ先物 499億円の買い越し

銀行は第1週に日経平均ラージ先物を592億円売り越している。このうち500億円前後は新規の売りであったと思われる。株価が上昇したので、499億円買い戻した。


売り方
(1)個人
現先合計  3649億円の売り越し
現物現金  1930億円の売り越し
信用     529億円の売り越し
先物    1189億円の売り越し

今年に入って個人は28週中25週で逆張りが続く。個人信用は第1週に小幅の売り越しであった。株価が下がれば投げ売りが広がるところであったが、株価が戻ったので戻り売りとなった。先物のポジションはショートと思われるが、踏み上げからは遠そうである。戻りでの新規売りが中心と思われる。現物現金は余裕の戻り売りが続く。

売り方
(2)信託
日経平均ラージ先物  209億円の売り越し
TOPIXラージ先物 321億円の売り越し

信託のTOPIXラージ先物は配当込みTOPIX連動目的の買いの現物への乗り換えがあったので、ずっと売り越しであった。最近買っていないのでTOPIXラージ先物は新規売りであろう。

日経平均ラージ先物は第1週が318億円の買い越しである。その前は売り越し傾向であった。第1週が新規買いなら第2週は利食い売り、第1週が買い戻しなら、第2週は新規売りになる。

売り方
(3)投信
現先合計   520億円の売り越し
現物      27億円の買い越し
先物     547億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 204億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1570)
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信」
 50億円前後の買い越し
野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ(1357)
「日経平均ダブルインバース・インデックス連動型上場投信」
 350億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 50億円前後の買い越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で500億円前後の買い越し。

第2週は日銀が主に買う大型ETFの決算時分配金支払いに伴う先物売りもあった。

野村アセット 「TOPIX連動型上場投資信託(1306)」
 TOPIXラージ先物 515億円の売り越し
大和投信 「ダイワ上場投信-トピックス(1305)」
 TOPIXラージ先物 425億円の売り越し
大和投信 「ダイワ上場投信-日経225(1320)」
 日経平均ラージ先物 161億円の売り越し

上記3本のファンドで1101億円の売り越し。第1週が1239億円の売り越しであったので、合計して2340億円の売り越し。

一般の事前予想の4000億円、私がツイッターで予想した3000億円をも下回った.。

支払い分配金の合計は4381億円。売却比率は53.4%。
直前の先物買い建て玉の合計は4427億円。売却比率は52.9%。

予想以上に売却比率は小さかった。同時に、売却比率はファンドごとにバラバラであった。

売りが出た6日と10日の株価は大幅上昇。大引けは6日が小幅下落、10日はかなりの下落。5日以前の株価は下落が継続。

今年はETF分配金支払いに伴う売りが株価に与えた影響を説明するのが難しい。昨年のように事前に織り込み済みとまとめると、100%正しいとは言いにくい。しかし、正しくはまとめようがない。これでは来年もまた騒ぎになりそうな感じがする。

設定とブルベア型投信7本、通常型大口ETF3本以外の投信による売買
現物          180億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   580億円前後の売り越し
それ以外の先物     640億円前後の買い越し
合計          120億円前後の売り越し

設定とブルベア型投信7本、通常型大口ETF3本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように120億円前後の売り越しであった。金額としては小さい。ただ先物は日経平均ラージ先物売り、それ以外の先物(TOPIXラージ先物が中心)買いになっている。600億円前後がセットでありそうである。これは私募投信の売買ではないか。NT倍率の高さを見て仕掛けてきた。手口からするとSMBC日興証券である可能性が高い。


(*)自己という特殊な部門
7月第2週は買い方の(2)になった

現先合計 1072億円の買い越し
現物   1536億円の売り越し
先物   2608億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 155億円の裁定解消(現物売り・先物買い)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 ドイツ650億円
裁定解消売買上位の証券会社
 みずほ400億円、野村300億円、三菱UFJ100億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 3100億円前後の裁定解消(現物売り・先物買い)

2種類の方法の差は2900億円。週間の差にしては大きい。確かなことはわからない。現物が1536億円の売りなので裁定解消売買は中間の1500億円前後であれば一番説明しやすい。


自己に含まれる日銀ETF
 765億円の買い

日銀ETF以外の自己
 300億円前後の買い(現先合計)

週間で300億円は小さい。無視してもよい金額である。

裁定と日銀ETFについて簡単に説明した。通常の週なら当たりの可能性は高いと思う。しかし、第2週は当たりの可能性は低い。理由は海外のところで示した外資系と海外の差2276億円である。外資系自己が先物を大量に買っている。SQ絡みであろう。

第2週の海外現物は財務省統計では6014億円の買い越しである。東証統計より2765億円多い。外資系と海外の差2276億円はその背景である。ただ、そこから先はこのオペレーションを行った証券会社の外の者が理解するのは難しい。


(7月第2週合計)
合計すると「海外、自己の買い越しvs個人、信託、投信の売り越し」であった。

第1週はトランプ政権による保護貿易政策実施を前に、海外が大きく売り越していた。第2週は海外がドテン買い越しに転じた。自己に含まれる日銀ETFも下げ局面では買っていた。

最大の売り手は個人であった。信託、投信も売った。

「海外、日銀ETFの買いvs国内中心の売り」という、最近の上げ相場ではよくあるパターンであった。

週末の日経平均株価は809円上昇した位置で需給は均衡し、7月第2週を終えることになった。

特に不思議に見えたのは金曜日の上げである。大きな上げ材料もなく409円も上がった。その理由は、個人を中心とする売り手の指し値があった位置を考えると説明可能になる。

今まで売り方であった海外が買い方に回った。反対に、今まで買い方であった国内が売り方に回った。NY株高、円安と環境は良く、買いから売りに転換するには悪材料が少なすぎた。それなのに国内が売り方に転じ、一定程度の金額を売り越している。そのためには、週前半の株価水準では低すぎたのである。

週間に個人が3649億円売り越すためには、日経平均株価が週間に809円上昇することがどうしても必要であった。株価が上昇した結果、海外による買い越し金額に見合うだけ国内の売り越し金額が増加し、週末の需給は均衡することができた。その需給均衡点が前週末比809円高であったのである。



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2018年7月第1週 株 コメント

7月第1週 投資部門別売買状況 現物先物合計 現物 先物
投資部門別コメント週次20180706

7月第1週 日経平均株価 日中足チャート
週足株価ブログ用20180706


時系列データ
 投資部門別売買状況 現物と先物の時系列表
 投資部門別売買状況 長期時系列グラフ(月次) 
 投資部門別売買状況 先物累積買越枚数 グラフ
 先物建玉残高 証券会社別枚数推移 グラフ



(2018年7月第1週の株式市場の概況)
日経平均株価終値 21788円 前週末比-516円

7月第1週の外部環境は、ドル円レートは横ばい、NY株は上昇であった。月曜は午後から急落したが、これは上海株の下落に並行した下げであった。米中貿易摩擦は6日金曜日13時1分の関税引き上げから現実のものになった。月曜の下げはそれを懸念した中国株の下落が主因であろう。その後も木曜までは戻りはなかった。金曜は関税引き上げの織り込み済みや、米独間の自動車関税撤廃期待を理由に反発した。日経平均株価は3週連続で下落して週を終えることになった。

買い方
(1)自己
自己はいつも最後に掲載。

買い方
(2)信託
現先合計   918億円の買い越し
現物     997億円の買い越し
先物      79億円の売り越し

現物中心の買い。信託方式の自社株買いが混じっているかもしれない。しかし、それを除いても買い越しに変わりはない。昔の信託よりも買いを入れる水準が上がっている。

買い方
(3)事法
自社株買いが中心。

買い方
(4)その他法人
半分は従業員持ち株会によるボーナス資金の買い。

買い方
(5)個人
現先合計   359億円の買い越し
現物現金   799億円の買い越し
信用     165億円の売り越し
先物     275億円の売り越し

今年に入って個人は27週中24週で逆張りが続く。個人の日経平均型の先物は6月第4週末時点で、多分ショートになっていた。7月第1週はそこから売り乗せもあったし、少し前に買った分の損切りの売りもあった。信用は買いが続いていたので損切り中心の売りになる。現物現金は押し目買い。

全体でも359億円の買い越しであるが、下げの週にしては金額が小さい。個人は買い越しは維持したが、この買い越し金額の減少、先物、信用の売り越しが、第1週の下げ幅を大きくした一因でもあった。


売り方
(1)海外
現先合計 2960億円の売り越し
現物    314億円の売り越し
先物   2646億円の売り越し

大手証券(外資系14社、日系大手5社)の先物手口概算を示す。


7月第1週 大手証券 先物手口概算
ブログ週間先物手口20180706

上記の外資系14社合計の先物手口概算(3種の先物)と先物の投資部門別売買状況の海外(3種の先物)とを比較すると下記のようになる。

ブログ外資系と海外の比較20180706


いつものように海外と外資系を比較した。(1)、(2)はほぼ毎週のようにある裁定売買の分である。(3)は中心限月である日経平均ミニ先物の9月限の建玉がわからないので、今の時期は入れている修正である。

修正により差が4762億円から3770億円まで縮小した。6月第4週は11億円の差であった。差が非常に少ない週もあるのだが、翌週は大きく開いてしまった。

この3770億円のうち3000億円前後はゴールドマン自己のTOPIXラージ先物買いである可能性が高いと見ている。これならTOPIXラージ先物の海外と外資系がほぼ一致する。続きは自己のところで詳しく説明する。

そうであるならば、ゴールドマンの海外はTOPIXラージ先物を1000億円以上売り越しであることになる。最大の買い手ではなく、最大の売り手ということになる。ただゴールドマン(上から2番目のグラフ)の場合、売買をするのは投機から投資まで客層が広い。だいたい特定できる週もあるが、第1週は難しい。

売り方の上位で1番目はバークレーズ。バークレーズの先物売買のグラフを下記に示す。

BZブログ20180706

ツイッターで示したものと同じである。バークレーズのTOPIXラージ先物は、以前から順張りのUBSと共同行動をとったことがあるなど、順張り傾向のある証券会社であった。昨年は前半に買い、大きく上昇した後半は動かずと、順張り傾向ながらも少しは異なっていた。今年2月の下落局面以降は、下がれば売り、上がれば買いで順張り傾向が強くなっている。

バークレーズは日々の売買が多い会社であり、大きな売買があるとCTAなどと言われることも多い。しかし、その建玉の大半は他社へと移管される。CTAかもしれないが、建玉はバークレーズには残らない。バークレーズに残る建玉は、週次ではあまり大きく動かない。1000億円の建玉変化があれば大きい方である。この点が週間に3000億円くらいの建玉変化があるUBSとの大きな差である。バークレーズのTOPIXラージ先物は第1週は950億円の売り、全体で1100億円の売りであるが、これで売り方のトップになった。

繰り返すが、バークレーズの建玉は長い目で見れば順張り傾向が強い。これはバークレーズに少数、おそらく1社の超大口顧客がいて、順張り傾向の売買をしているからである。ただ回転の遅さから見て、バークレーズの主力は先物の他に現物のインデックス買いがあると見る。順張りの先物は組み入れ比率の調整に使われているのではないか。この点もUBSと大きく異なる。UBSは本体運用部が大部分であるが、先物だけで運用していた。週次の変化がUBSは大きく、バークレーズは小さくなる一因でもある。

バークレーズの超大口顧客による順張り傾向の売買は、今後もしばらくは継続する可能性が高い。

海外は現先合計で2960億円の売り越しである。ゴールドマンにしろバークレーズにしろ、米中貿易摩擦の行方と上海株の動向を横目に見ながら順張り気味に日本株を売ってきたものと思われる。実際に関税の引き上げが開始されたのは6日金曜日であるが、その日はもう織り込み済みである。

売り方
(2)銀行
先物の投機的なヘッジ売りが中心。

売り方
(3)投信
現先合計   480億円の売り越し
現物      49億円の買い越し
先物     529億円の売り越し

野村総研による日本株型公募投信の資金流出入
 572億円の純流入(この中の多くの部分が現物株の買いになる)

ブルベア型投信による日経平均ラージ先物の大口売買

野村アセット「NEXT FUNDS」シリーズ
「日経平均レバレッジ・インデックス連動型上場投信(1570)」
 950億円前後の買い越し
大和投信
「ダイワ・ブルベア・ファンドⅣ ブル3倍日本株ポートフォリオⅣ」
 250億円前後の売り越し

上記のファンドを含む観察中の大口ブルベア型投信7本の合計で950億円前後の買い越し。

第1週は日銀が主に買う大型ETFの決算時分配金支払いに伴う先物売りもあった。

野村アセット 「225連動型上場投資信託(1321)」
 881億円の売り越し
日興アセット 「上場インデックスファンド TOPIX(1308)」
 213億円の売り越し
日興アセット 「上場インデックスファンド 225(1330)」
 145億円の売り越し

上記3本のファンドで1239億円の売り越し

設定とブルベア型7本、通常型大口ETF3本以外の投信による売買
現物          520億円前後の売り越し
日経平均ラージ先物   170億円前後の買い越し
それ以外の先物     420億円前後の売り越し
合計          780億円前後の売り越し

設定とブルベア型投信7本、通常型ETF3本を除くその他もろもろの投信の売買は、現先合計では上記のように780億円前後の売り越しであった。金額としてはやや大きい。公募もあるかもしれないが、私募の方が多いと思われる。第4週の投信売買は設定とブルベア型投信、ETF分配金支払いに伴う先物売り以外は、売り越しのものが多かったということになる。


(*)自己という特殊な部門
7月第1週は買い方の(1)になった

現先合計  938億円の買い越し
現物   3077億円の売り越し
先物   4015億円の買い越し

裁定売買
東証発表の裁定売買
 532億円の裁定形成(現物買い・先物売り)

裁定売買を実施した主な証券会社
裁定形成売買上位の証券会社
 野村750億円、みずほ500億円
裁定解消売買上位の証券会社
 ドイツ400億円、三菱UFJ350億円

東証発表の裁定残の株数変化から計算した裁定売買の推計値
 80億円前後の裁定形成(現物買い・先物売り)

2種類の方法の差は450億円。週間の差にしては小さい方。これ以上は追求しない。

この週の特徴は裁定以外のプログラム売買が4376億円の売り越しであったことである。この金額は非常に大きい。通常の週なら1000億円前後である。そして、現物を大量に売り越しているのは自己しかない。

これが意味するところは、東証には裁定売買とは届けられていないが、現物売り・先物買いという広義の裁定解消売買が3000~4000億円あった可能性が高いということである。

海外のところで書いたように、この自己がTOPIXラージ先物の買いであるならば、買い手はゴールドマンであり、金額も3000億円前後が適当になる。週に3000億円の裁定解消売買は特に大きくはない。それでも環境を考えれば、株価の下げにつながりやすいだけの金額であろう。

ゴールドマン自己が現物売り・TOPIXラージ先物買いを3000億円前後実施したと仮定すると、公表されている数字の多くが矛盾なく説明可能になる。めったに起こらない大量のプログラム売りも説明可能になる。

しかし、3000億円もの裁定ポジションをいつ形成したのか、何が目的で7月第1週にそのポジションを集中的に解消したのかなどの点は、非常に重要ではあるがわからない。


自己に含まれる日銀ETF
 765億円の買い
 
日銀ETF以外の自己
 170億円前後の買い(現先合計)

170億円は小さく、ディーラーのポジション調整の売買として許される範囲内の金額である。


(7月第1週合計)
合計すると「自己、信託の買い越しvs海外の売り越し」であった。

第1週はトランプ政権による保護貿易政策実施を前に、特に上海株が下落した。海外が上海株を見ながら、TOPIXラージ先物を中心に売りを出した。

大元は海外中心の先物売りが原因であるが、これに反応する形でゴールドマン自己と思われる広義裁定解消の現物売りが大量に出た。これが現物の株価を引き下げるのに大きく寄与した。

自己に含まれる日銀ETFは買いを入れた。信託も買った。しかし、相変わらず下値の指し値を中心とする買いであった。

「日銀、信託中心の買いvs海外の売り」という、最近の下げ相場ではよくあるパターンであった。ただ、個人は買い方を維持したが、買い越し金額は小さかった。信用、先物は売り方に回っていた。

週末の日経平均株価は516円下落した位置で需給は均衡し、7月第1週を終えることになった。



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